『先人たちがそうしてきたように、俺も紡いでいきたいんだ』
『世界一かっこいいヒーローになって、"次"に良い思い出を』
プロフィール
二対の触手に体の器官をコピー 諜報・索敵もお手の物!!
熱き想いを秘めて冷静に仲間を守る盾となる
―――僕のヒーローアカデミア 公式キャラクターブック2 Ultra Analysisより
ヒーロー名 | 触手ヒーロー《テンタコル》 |
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個性 | 複製腕 |
学校・学年 | 雄英高校ヒーロー科1年A組11番 |
出身校 | 歌葉雨(うたはう)中学校 |
誕生日 | 2月15日 |
身長 | 187cm |
血液型 | B型 |
出身地 | 福岡県 |
好きなもの | たこ焼き、イカスミパスタ |
性格 | 寡黙な紳士 |
個性把握テスト | 6位 |
一年一学期中間学力テスト | 10位 |
CV | 西田雅一 |
概要
雄英高校ヒーロー科1年A組の男子生徒。主人公・出久のクラスメート。
容姿
顔が隠れるほどの銀髪のリーゼント、三白眼の鋭い目つき、口元をフェイスカバータイプのマスクで覆っている。
1年A組の生徒の中では最も身長が高く、大柄な体格と表情の分かりにくさが相まって、かなり威圧感のある外見をしている。
"個性"が身体に直接反映された『異形型』と呼ばれるタイプの"個性"の持ち主であり、彼の場合は両肩から腕とは異なる2対の触手が並んでいるのが特徴。腕と2本の触手の間は皮膜で繋がっており、触手には関節がないため、かなり柔軟に動かせるようだ。
基本的に袖のある服を着ることができないので、学校の制服や体操服は全てノースリーブに改造している。
ヒーローコスチュームはマスクとスーツが一体化したもので、胴体にはタコやイカの吸盤を思わせるマークが6つ並んでいる。
彼が常に身に着けているマスクは、自身の口元の傷跡を隠すためのものであり、これは「異形の人々への差別」という作中の社会問題を象徴するものとして描かれている。
人物
口数の少ない寡黙な少年。
出久や爆豪と同じ高校1年生だが、年齢の割に性格は非常に大人びており、常に冷静でどんな時でも取り乱さない。
ヴィランとの戦いにおいても狼狽えずに落ち着いて対処しており、クラスメイトがピンチになった際には身を挺して仲間達を守る心優しく自己犠牲的な一面を見せている。
無欲で飾り気がなく、功名心が強いタイプではないため、クラスの中では積極的に前に出ることは少ないが、重要な局面では、その場の雰囲気や周囲の意見に同調することなく自分自身の意思で行動を取っている。
林間合宿の敵連合の襲撃時には、自身の"個性"に取り込まれた常闇を助け出すことを最優先に動いており、その後攫われた爆豪を助けに行くべきかどうかクラスメイトが口論になったシーンでは、感情的になった飯田や切島の仲裁に入り、「これは感情で動いていい問題じゃない」と蛙吹とともに周囲を諭していた。
ハイツアライアンスのお部屋披露大会では、机と畳んだ布団だけが置かれた殺風景な部屋を披露した。
どうやら幼い頃からあまり物欲がなかったらしいが、峰田からは「こういうのに限ってドスケベなんだぜ」というあらぬ偏見を掛けられることになってしまった。
また、普段の寡黙な雰囲気に反して、意外にも気さくでフランクな一面もあり、打ち解けた相手の前ではノリの良い振る舞いを見せることもある。
雄英体育祭の騎馬戦では峰田の考えた作戦に乗って、峰田や蛙吹を背中に乗せた状態で変形ロボットのように戦う奇抜な戦法を披露した。
実は「テンタコル」というヒーロー名も、自身の肩から生えた「触手(tentacle)」の意味に加えて、「タコ(蛸、凧)」のような自分の腕を冗談交じりになぞらえたものであり、こういった点からも彼の人柄をうかがい知ることができる。
個性
"個性"は『複製腕』。
肩から生えた2対の触手の先端の瘤から目や耳や腕等の自身の体の器官を複製できる。
一か所から2つ以上の部位を複製することも可能だが、増やせば増やすほど操作性は低くなる。
複製した器官は本来のものより機能が強化されており、入学当初の戦闘訓練時は、複製した耳によって建物の中の訓練相手の尾白と葉隠の配置状況だけでなく、足音から葉隠が裸足であることまで察知していた。
純粋な腕力も強く、入学当初の身体測定時には左側の3本で握力540kgというゴリラ並の記録を叩き出している。
ちなみに、アニメ版では複製腕から生えた口で話すシーンも多いが、複製した口の声は、本人の声よりも少しこもったしゃべり方として表現されている。
林間合宿の個性伸ばし訓練では、『複製の速度強化と索敵能力の向上』のため、複製速度強化や、複数同時複製時のコントロール調整の訓練をした。
外見に似合わず諜報や索敵が得意な個性でもあるため、直接戦闘よりも複数対複数の乱戦におけるサポートの描写が多い。アニメ版ではそれが特に強調されている。
"個性"に頼らない基礎体力も高いため、肉弾戦もかなり強力である。
ただ本人は入学以来どちらかと言えば索敵能力の強化に力を割いており、直接戦闘では戦闘特化の"個性"に一歩劣るような場面も多い。
最終決戦でAFOから戦闘向きの"個性"を与えられたスピナーと交戦した際には、強力な一撃で大ダメージを与えることに成功したものの、完全にスピナーを動きを止めるまでには至らなかった。
必殺技
- オクトサーチャー
目や耳などを複製展開して索敵をする。
- オクトブロー
両側から多数の腕を複製し、合計20本以上の腕で殴りまくる。一見攻撃一辺倒な技だが、B組との戦闘訓練では背中側に目を複製することで後方からの不意打ちに対応しており、角取との頭脳戦を制している。
- テンタクルパンチ
アーケードゲームにてカードで登場。片側に腕を複製し、3つの拳で同時に殴る。シンプルだが、握力540kgの剛腕で殴られるという普通に怖い技である。
- オクトスパンション
両腕の複製腕を束ねて全力のパンチを放つ大技。スピナーが全身から生やした『スケイルメイル』を大きく抉り飛ばす威力を誇る。
過去
『嫌なことは山程あったし、忘れることはない。』
『でも、嫌な思い出を数えるより』
『たった一つでも、この姿で良かった思い出に縋りたいんだ───』
彼は都会育ちの常闇や口田とは異なり、都市部から遠く離れた地方の村落で生まれ育った。
超人社会では、その長い歴史の中で異形の人々への差別を撤廃する活動が続けられており、その成果もあって、出久達の世代では異形の子供達とそうでない子供達が当たり前のように共に暮らしている。
ただ、それはあくまでも人の入れ替わりの激しい都会での話であり、社会の変化に疎い地方部には、異形の人々への差別が根強く残っている地域もあるという。
障子の両親には複製腕はなく、彼は自身の"個性"のせいで、閉鎖的な村の中で幼い頃から過酷な差別に晒されてきた。
障子の性格が周囲に比べて大人びて見えるのは、単に早熟だったというよりも、辛い幼少期を過ごす中で、無理やりにでも大人にならざるを得なかったからなのかもしれない。
少年時代のある日、障子は大雨によって氾濫した川のほとりで、溺れかけていた幼い女の子を偶然にも助け出した。
女の子は障子の優しさにとても感謝したが、その後障子は「穢れた体で子供に触れたから」という理不尽な理由で村の大人達から集団リンチを受け、口元に大きな傷跡を付けられてしまう。
障子に助け出された女の子は、自分のせいで彼が傷ついてしまったことにひどく心を痛めてしまい、その出来事があって以来、障子はマスクを身に着けて自分の口元を隠すようになった。
自身の"個性"によって人の命を救ったこの経験は、彼がプロヒーローを目指す大きな切っ掛けとなったその一方で、彼の口元に刻まれた不自然な傷跡は、嫌が応にも異形の人々に対する暴力と差別を連想させるものである。
だからこそ彼はマスクを身に着けるのであり、それは「復讐者」として自分達を傷つけたものを咎めるよりも、誰よりもかっこいいヒーローになって、将来に希望を与えたいという彼自身の強い理想の現れであることが語られている。
活躍
入学試験では出久や麗日たちと同じ会場で受験。平和を守るための基礎能力の一つである「情報力」という点でピックアップされていた。
初めての戦闘訓練では轟とペアになり、個性で相手チームの状況を正確に把握したが、轟の強力な個性により交戦はしなかった。
USJ襲撃の際は、13号先生の指示の下、麗日と協力して飯田に助けを呼びに行かせる。
雄英体育祭は、第1種目障害物競走では14位でクリアし、第2種目騎馬戦では峰田、蛙吹とチームを組み敗退する。その後のレクリエーション競技では口田と大玉を転がしていた。
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期末試験では葉隠と共にスナイプ先生に挑む。原作では詳細が描かれなかったが、どうやらかくれんぼの要領でなんとか出口まで逃げ切ったらしい。
アニメ版ではもう少し細かく描かれ、出口付近で遠距離攻撃を続けるスナイプ先生から2人で柱の陰に隠れていた。発煙筒で視界を奪われるも、服を脱いだ葉隠の行動の意図を鋭く把握し、先生の射撃を引き付ける囮となる。そして先生の背後から近づいた葉隠がカフスをかけ、ミッションクリアとなった。
林間合宿襲撃の際は、個性発動の連続で器官そのものを鍛える。
肝試しでは常闇とペアとなるが、指定されたルートの途中で敵連合襲撃の報せを受けて臨戦態勢に入る。そして個性でムーンフィッシュの攻撃を察知し、複製した腕を切り落とされつつも常闇を庇い離脱する。しかしそのショックに耐えきれなかった常闇が暴走し、一人で彼を鎮めようと奮闘する。その途中で出久と出会い事情を説明、彼を背負いながら常闇の攻撃を避け続ける。
そして出久が爆豪の救出に動いていることを悟り、彼を逃がすため囮になることを提案する。しかし出久の意見を採用し、複製腕を伸ばして常闇を引き付け爆豪と轟に合流、常闇を鎮めることに成功。
以降は爆豪を施設に送り届けるため行動を共にする。施設に向かう途中に麗日と蛙吹と合流するも、気づかないうちに常闇と爆豪をMr.コンプレスに奪われる。
追跡のため、麗日と蛙吹の個性の協力もあり、出久と轟を連れて高速飛行。コンプレスとともに墜落し、開闢行動隊と交戦。コンプレスのポケットから二人が圧縮されたと思われる球体を奪い返すも、それは偽物であったことが判明。黒霧のワープにより逃げられそうになるも青山のレーザーを受け本物の球体が露出。3本の腕を伸ばしそのうちの一本で常闇を取り返すも、爆豪は連れ去られてしまった。
その後重傷を負い入院した出久の病室にクラスメイトとともに見舞いにやってくる。そして轟と切島が爆豪の救出を画策していることを知り、自身も体験した切島の「何もできなかった悔しさ」や轟の「目の前で奪われた悔しさ」を理解した上で、「感情で動いていい問題じゃない」と二人を諭して制止を試みた。
ヒーロー仮免試験一次試験では、スタート早々に傑物学園高校の攻撃で1年A組は皆バラバラになる。その後は蛙吹、耳郎、八百万と合流し、一次試験を通過できた。アニメ版では聖愛学院の印照才子の襲撃を受ける。
二次試験では、個性を使い怪我人の所在を察知したり、一人で複数人を抱えて運ぶなどの救助活動を続け、無事ヒーロー仮免許を取得する。
雄英文化祭では、ダンスチームとして参加。6本の腕をフル活用して、ダンスの他にもサビの演出に一役買った。
A組・B組合同戦闘訓練では、第三試合に登場。出場者は、A組から飯田・障子・轟・尾白。B組から角取・骨抜・回原・鉄哲。
終始角取と攻防を繰り広げ、残り一対一になるまで競り合ったが、角取がB組の圧倒的不利を察知し、負けないための一手(タイムアップまでの退避)を打ち、第三試合は引き分けになった。
彼女の「タコは苦手」という旨の発言に対し、「怖がられるのは慣れている」と冷静に返し反撃した。
冬のインターンでは、耳郎と共にギャングオルカの元で活動し、『索敵強化』を会得した。
交友関係
入学初期の頃はあまり特定の人物との交流は描かれていない。個性把握テストで瀬呂や峰田に話しかけられた際には無反応。初の演習では轟と組むが一瞬で終わったためあまり交流はない。合宿の時点では常闇のことは「友」と呼んでおり、その後仲は良好の様子。
小説版『雄英白書Ⅱ』では合宿に向かうバスの中で口田を気遣う描写が見られた。合宿においては傷だらけの出久をかばいながら行動し、彼が爆豪を助けようとしていることを悟り二人の関係を「友」と認識している。
小説版『雄英白書Ⅲ』では寮が始まってからしばらくして、常闇の部屋で行われた怪談大会に誘われて参加した。(主催者は瀬呂・芦戸・上鳴。一番雰囲気ある部屋だからとゴリ押しされた部屋主の常闇は強制参加。あとは峰田と蛙吹が参加した)
芦戸と蛙吹からは「安心する背中」といった旨の感想を受けている。怪談に恐怖した峰田によくしがみつかれていたが、ラッキースケベを期待して動き始めた際は阻止した。
余談
- 彼は雄英高校の制服をノースリーブに改造しているが、別に不良という訳ではなく、自身の体に合わせて専用に服を仕立てるのは超人社会では一般的なことであるらしい。
- 作者は単行本3巻幕間の人物紹介の時点で、『彼のエピソードも描きたいのですがいつになることやら…』というコメントを残している。おそらく彼の設定は初期段階である程度固まっていたようだが、長らく出番に恵まれず、最終章でようやく彼がメインとなるエピソードが描かれることとなった。
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