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『噂じゃ傷だらけの上に血と泥で—————


—————とてもヒーローには見えないんだって』


概要

黒デクとは、『僕のヒーローアカデミア』307話から322話にかけての主人公・緑谷出久の姿の通称である。

作品本編では個別の名称は設定されていないが、本記事内では単行本31巻巻末の設定ラフ画内及び公式フィギュアにおける「黒デク」という表記で統一するものとする。


冒頭のイラストのように、普段の姿とはかけ離れた「とてもヒーローには見えない」異様な風貌に様変わりし、まるでヴィランのような不気味な緊張感を放っている。

しかしその内面には、どこまでもヒーローで在ろうとする緑谷出久の純粋な想いと、終わりの見えない孤独な戦いを続ける悲壮な覚悟が秘められていた。


外見

コスチュームの型式は「コスチュームε(イプシロン)」と呼ばれており、基本的な装備は職場体験以降の従来の一式を引き続き装着している。

新装備として腕部装甲『ミッドガンドレッド』を装着したが、グローブは文化祭編以前の旧式のものを使用する。

また、この期間の大きな特徴として自身の正体を隠すために常にマスクを被った状態で戦い続けていることが挙げられる。


나히아 최신화 데쿠


全面戦争での装備へのダメージを補修する間も無く戦いに出向いたため、コスチュームの至る所に小さな傷やほつれが生じている。

膝部のサポーターや袖はボロボロになり、笑顔を模したマスクパーツが削れてフードがほつれた結果、咆哮を上げる怪物のような表情へと変化した。

休みなく戦い続けるために『黒鞭』と『危機感知』を常に発動しており、敵との戦いによって全身はにまみれていく。

こうした外見の変化が、出久自身の疲弊しきった精神状態と相まって、近寄りがたい緊張感を周囲に放ち続けている。


Deku Black (黒デク)


経緯




——————4月 デクくんがヒーローアカデミアを去った。




Dark Deku Arc


死柄木弔率いる『超常解放戦線』との戦いは各地に甚大な被害をもたらし、超人社会は日一日と荒廃の一途を辿っていた。

人々の安全を確保するために、各地のヒーロー養成校の敷地内に避難所が開設される中、出久はワン・フォー・オール継承者としての使命を果たすため、そして周囲の人間を危険に晒さないために雄英高校を離れることを決断した。

雄英を発つ前日の夜、出久はA組のクラスメイト一人一人に置き手紙を残していた。

その手紙の中には自分とオールマイトの関係、そしてこれまで秘密にしてきたOFAの真実を明かす言葉が綴られていた。

それは出久からクラスメイト達への信頼と感謝の証であると同時に、「今はもう一緒には居られない」という彼らに向けた決別の言葉でもあった。



ホークス エンデヴァー ベストジーニスト


こうしてオールマイトと共に雄英高校を去った出久は、エンデヴァーホークスベストジーニストと共に、行方をくらませたAFO・死柄木弔の捜索を開始した。

日本各地で敵の制圧と市民の救助活動を続ける中、出久はエンデヴァー達でさえ目を見張るほどの快進撃を見せた。

OFAを継承して一年————これまで培ってきた数々の経験が、彼をトップヒーローに匹敵する実力者へと成長させていたのである。

しかしそうした出久の奮戦にもかかわらず、事態が好転することはなく、時間が経てば経つほどに状況は悪化していた。

全面戦争によって崩壊した超人社会は、出久一人で背負い込むにはあまりにも巨大な闇に覆われていたのである。



アァ...世界ガ壊レル音ガスル迫り来る破滅


No.1ヒーロー・エンデヴァーに対する荼毘の告発、そして死柄木弔ギガントマキアらによってもたらされた各地への甚大な被害によって、人々のヒーローに対する信頼は大きく揺らいでいた。

戦いの後、敵連合の主要メンバーと脳無達は忽然と姿を消し、更にAFOと死柄木弔の手引きによって特殊刑務所・タルタロスを含めた各地の刑務所から1万人以上の受刑者が野に放たれた。

凄惨な戦いによって多くのプロヒーローが殉職し、残されたヒーロー達も一般市民からの激しい非難を受けて次々と戦いを放棄していた。

ヒーロー公安委員会は、全面戦争と並行して決行されたリ・デストロ(四ツ橋力也)襲撃作戦によって、中枢メンバーのほとんどが死亡または重傷を負い、実質的に機能停止に陥っていた。

社会秩序が失われたことを機に、これまで社会に不満を持っていた人々が各地で暴動を起こした。

ヒーローに不信感を持った一部の人々は各地で自警団を結成したものの、戦闘訓練を受けていない一般市民の戦いは、かえって周囲への被害を拡大させてしまうこととなった。


かつて世界に"個性"が出現したばかりの時代『超常黎明期』を彷彿とさせるような混沌とした社会情勢の中で、姿の見えない敵との戦い、そして不安に覆われた社会そのものとの戦いは、緑谷出久の類稀なヒーロー性と、その内側に秘められた危うさを浮き彫りしていくこととなる。



敵連合


『次は君だ』


かつてオールマイトが出久に未来を託したときと同じ言葉で、AFOは緑谷出久に宣戦布告をした。

レディ・ナガンとの交戦を経て、出久はAFOへと繋がる手がかりを掴んだかに思われた。しかしそれはAFOの仕組んだ罠であり、出久を嘲笑うかのようにAFOは一向に姿を現さなかった。


このときの出久はAFOの刺客をおびき寄せるための囮として単独行動を取っており、孤独な戦いを続ける心中には様々な想いが渦巻いていた。


『死柄木と敵連合を止めなければならない』

『AFOから皆を守りたい』

『OFAの使命を果たさなければならない』

『皆がまた安心して過ごせる日々を取り戻さなければならない』

『友達の皆とまた笑って過ごせる世の中にしたい』


幸か不幸か、歴代継承者の"個性"を解放したOFAは、「困っている人を全て救いたい」という出久の想いを実行に移すことができるほどの力を与えていた。

そして出久は手の届かない理想を闇雲に追い求めるあまり、次第に現実の自分自身の姿を見失っていくこととなる。


ビデオ越しのAFOから掛けられた『次は君だ』という宣戦布告は、まるで呪いのように出久の焦りと不安を助長した。

OFAの継承者としての責任感と、大切な人達を傷つけられることへの恐怖、救けを求める人々の声は、出久の生来の自分自身を顧みない自己犠牲の精神と相まって、彼を休みなく戦い続けるよう駆り立てた。



Villain Hunter Deku


戦えば戦うほどに出久は傷つき疲弊していったが、出久は自分自身が傷つくことを決して躊躇わなかった。

出久は周囲からどのように見えているのかさえ気がつかず、いつしかヒーローとはかけ離れた姿へと変貌していた。

そして、誰にも正体を明かさないまま人々を救い続ける出久の存在は、『ヴィランにもヒーローにも見えない不気味な存在』として徐々に人々に知られていくこととなる。


顛末


OFA二代目継承者『奴の歩みは正しい』




『今の緑谷出久を補完できるものがあるとすれば————』






ヒロアカ#135



『同じ意思で 同じ歩調で 隣を走り続けようとする者たちだ』



デク VS A組

出久が書き残した手紙を見た後、クラスメイト達は行方不明になった出久の捜索を続けていた。

彼らは当初、出久と合流してAFOの刺客を迎え撃つ予定であったが、孤立した出久に危険が迫っていることを知って以降は、エンデヴァー達の協力の下、出久の安全を確保することを最優先に行動することとなった。

彼らが出久を見つけ出したとき、出久は自分に課された責任の重圧に押し潰されかけており、オールマイトの声さえ届かなくなるほどに心身ともに追いつめられていた。

そんな状態の今の出久には、最早戦いを放棄することも、クラスメイト達を戦いに巻き込むこともできなかったのである。




出久『僕は 大丈夫だよ』


『心配しないで…離れて…』


『どいてよ 皆…!』


Deku - You are next!


爆豪『どかせてみろよ オールマイト気取りが!!!』



クラスメイト達を突き放そうとする出久と、出久を止めようとするクラスメイト達の戦いが始まった。


身も心も傷つき疲れ果てた出久に対して、クラスメイト達は一人ひとり想いを込めた言葉をぶつけていく。

出久は雄英高校を去り、かつて「平和の象徴」と呼ばれたオールマイトのような完全無欠のヒーローになろうとした。

しかしクラスメイト達は、出久の追い求める理想ではなく、ただヒーローを目指し切磋琢磨する日々を共に過ごしたありのままの出久を見据えていた。


—————彼らは出久のいつもひたむきで一生懸命な姿を見てきた。

一度決めたら決して止まらないことを知っていた。

他人のために怒り、他人のために頑張れる優しさを知っていた。

怖い時は震えて、辛い時には涙を流す姿を見てきた。

たとえ力が及ばなくても、困難に立ち向かい、道を切り開いていく勇気を見てきた。



雄英高校1年A組!


彼らはただ、全てを救おうとする出久と同じ意思で、誰よりも速く駆け抜ける出久と同じ歩調で、その隣を走り続けようとしていたのである。


クラスメイト達は各々の"個性"を組み合わせた連繫技によって、ついに全速力で逃げ出そうとする出久の手を掴んだ。

そうすることで彼らは、仲間達が力を合わせれば、オールマイトの全力を超えられるということを出久に示したのである。

そして、もはや逃げる気力さえ失いながらも、彼らから差し伸べられた手を取ることができない出久を最後に救ったのは、出久を誰よりも理解する幼馴染の爆豪の言葉だった。



BNHA | Ch 322


爆豪はこれまでの自分自身の歩みを語った。幼い頃から出久を見下していたこと、自分には無い出久の強さを認めたくなかったこと、出久を遠ざけたくて虐めたこと、雄英高校に入学して何一つ思い通りに行かなかったこと、本当に「夢見がちなヒーロー気取り」なのは自分の方だったと気づいてしまったこと、それでも出久の強さを認められなかったこと。

クラスメイト達の見ている前で、プライドを捨てて本音を晒け出し、そして自分のこれまでの全てを出久に謝罪した


それは爆豪にとってのケジメの言葉であり、出久にとっては、これまで自分が歩んできた道のりを振り返らせる言葉————オールマイトのようになれない。ありのままの自分を取り戻す言葉だった。



僕のヒーローアカデミア ⚠本誌⚠【今まで______】


『「ついてこれない」なんて酷い事 言って ごめん…』


自分が孤独ではないことに気づいたとき、出久は緊張の糸が切れたかのようにその場で気を失った。


こうしてA組のクラスメイト達は、出久の安全を確保することに成功した。



しかし彼らの戦いはまだ終わりではなかった。

増大していく社会不安とともに、OFAに関する噂が人々の間に少しずつ広まっていた。出久の存在は「死柄木に狙われた少年」として人々の間で噂になっており、人々は出久が帰還することで死柄木に雄英高校が襲われることを恐れていたのである。

そしてそれは、他でもない出久自身が最も懸念していたことでもあった。

出久の帰還を拒もうとする避難民達の待つ雄英高校で、彼らの次の戦いが始まる(詳細は未成年の主張へ)。


関連イラスト

Stained Deku彼こそがヒーロー

一線を越えるDeku


関連動画

ヒロアカMVP第132話「全力!!」“MVP”:緑谷出久/デク


関連タグ

僕のヒーローアカデミア

緑谷出久 ワン・フォー・オール

未成年の主張(僕のヒーローアカデミア)

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