『王とは 畏怖され 求められる者 強い者だ』
プロフィール
その歩み止める者なし! 災いをもたらす巨人
全てをなぎ倒す圧倒的なフィジカルパワー
―――僕のヒーローアカデミア 公式キャラクターブック2 Ultra Analysisより
概要
諸悪の根源“オール・フォー・ワン”が育て、最も信頼する直属の配下の一人。通称「マキア」。
圧倒的なパワーで周囲を蹂躙する『歩く災害』。
人物
筋骨隆々の巨体に、岩石のように刺々しい顎部と背面、鬣のような雄々しい茶髪を持つ屈強な男。その風貌から身を潜めていた近隣地域では「野人」として噂が立っていたらしい。
全長は通常時で3mほどだが、戦闘時はさらに約25mほどにまで巨大化し、個性を発動したMt.レディをも上回る巨人と化す。
その巨体故か、衣服の類は一切身に着けていないが、首から古めかしいアナログラジオを吊り下げており、これだけは肌身離さず持ち歩いている。
なお、超常解放戦線加入後は、おそらくデトネラット社製と思われるズボンと肩部の制御プロテクターを与えられた。(アニメ版では初登場時からズボンを履いている。)
主人であるAFOに対して妄信的なまでの忠誠心を抱いており、AFOが捕らえられた現在は、主人から最後に残された命令と、ラジオから流れるAFOの録音音声を心の拠り所として精神の安定を保っている。
勇ましい外見や武人のような話し方とは裏腹に、その思考回路は極めて動物的であり、自律した思考はほとんど行わず、主人であるAFOの命令のみに従って行動する。そのためスピナーからは「究極の指示待ち人間」と評されている。
AFOの後継者である死柄木と初めて出会った際には、主と比べてはるかに脆弱な彼に失望して癇癪を起した子供のように暴れまわったために、死柄木を含む敵連合のメンバーを危うく殺しかけており、対話による交渉の余地は皆無と言える。
個性
無改造で7つもの個性を有する正真正銘の怪物。
個性 | 能力 |
---|---|
耐久 | マキア本来の個性。異常なまでの体力を持つ。 |
痛覚遮断 | 痛みを感じなくなる。 |
巨大化 | 興奮することで体を巨大化させる。 |
犬 | 鋭敏な嗅覚と聴覚を持つ。 |
エネルギー効率 | 僅かな栄養と水分で長時間活動可能となり、睡眠時間も短縮される。 |
剛筋 | 硬く強靭な筋肉になる。 |
土竜 | 土中を移動する事に適した形態へと変化できる。 |
(コミックス29巻にて個性の詳細が判明)
本来の個性である『耐久』に拡張性を持たせる、まるでゲームのような『個性の構成』を組み込まれており、その本能的な行動原理と合わさって、一度暴れ始めたら手に負えない怪物と化している。
ただし作中における脳無の研究等からも、複数の個性を移植には身体と脳に大きな負担が掛かることが判明しており、それに対応するようにギガントマキア自身の知能は著しく低い。
例えば『痛覚遮断』や『巨大化』等は少し訓練すれば本人の意思で操作できるようになるのだが、マキアは使いこなすのに練習や頭を使う必要がある個性を全く扱えない為、常時発動状態となっている。
とはいえ、受け答え自体はハッキリしており、命令内容もしっかり把握した上で、臨機応変の自立思考をこなす場面もあるので、知能の程度も「やや情緒のおかしいちょっと馬鹿の指示待ち人間」くらいともとれる。
素の耐久力に加え、戦闘時の巨大化・鋭い五感・圧倒的なパワーなどを活かし暴れまわる様子はまさに「災害」。しかも48時間44分の戦闘続行と3時間の睡眠、それを1ヵ月半継続する途方もない体力の持ち主でもある。荼毘の爆炎に一切怯まないなど、防御力も折り紙付き。
また、進撃時の形態変化は『土竜』の個性によるもの。この個性はAFOがマキアを潜伏させる為に与えたもので、地中に隠れながら多くの個性をドクターと共に集めさせる目的もあった。
動向
死柄木がAFOに拾われた数年後、オールマイトに力を削がれ敗北を予感したAFOにより、その存在を隠蔽される。AFOが動けない間は、全国各地でヒーローを攫い個性を集めていたらしい。
そして時は流れ、死穢八斎會が捜索された同時期、とある山間部で黒霧を追って捕えたグラントリノ・塚内警部ら警察の前に姿を現す。山一つ削り崩すほどの力を振るい、彼らを負傷させる。警察側が増員し再来した際にはその場から去っていた。
その後死柄木たち敵連合の前に姿を現す。しかしその忠誠心により死柄木を後継とは認められず、彼らを攻撃する。
ドクターの助言もあり、後継として自身を屈服させようとする死柄木たち。そんな彼らに対し「王とは何か」を語り、容赦なく攻撃を再開するのであった。
1ヶ月ものの間死柄木たちと戦闘を繰り広げ、睡眠状態に入ったある時、敵連合がリ・デストロ率いる異能解放軍から宣戦布告を受ける。その時死柄木が「マキアと解放軍をぶつけさせ、消耗しきった所を倒す」作戦により連合メンバーは解放軍の元へ向かった。「再臨祭」ではマキアが目覚める予定よりも早く決着が着いてしまいかねないため、ドクターによって1時間早く目覚めさせられ、嗅覚を頼りに地中を潜りながら向かい、戦いの場である泥花市へ襲来する。
氷を操る強力な個性を持つ外典の追撃にも物怖じせずに進み、死柄木の下へ到着する。
既に死柄木はリ・デストロとの決着を着け、その『覚醒した』姿を見たギガントマキアは「後継……!」と呟き、遂に死柄木を『真の後継者』として認め、感涙を流すのだった。
プロヒーローとの全面戦争では拠点の群訝山荘の地下神殿で待機していたが、ドクターの改造を経て目覚めた死柄木の命令により地上へと姿を現す。連合メンバー(+荼毘が連れてきたスケプティック)を背中に乗せて死柄木のいる京都府蛇腔市へと向かおうとする。
Mt.レディらプロヒーローがマキアの進撃を阻止しようと試みるも圧倒的なパワーと連合メンバーの援護で一蹴。
続いて立ちはだかる雄英ヒーロー科生徒との攻防の中、放たれた麻酔薬の殆どを鼻息で吹き飛ばすが、切島の活躍により麻酔薬を口に放り込まれる。直後に土竜形態となり、数々のヒーローたちを葬り包囲網を突破。
今回の作戦で多くのヒーローが出払ってしまったことで周辺の避難誘導が間に合わず、人々を踏み潰し、和歌山、大阪、京都の市街地を破壊しながら突き進み、遂に蛇腔市へと到達。
緑谷たちとの戦いで満身創痍の死柄木に次の指示を仰ぐが、職場復帰したベストジーニストの炭素繊維のワイヤーによって拘束。先の戦いでの疲弊が目立つ中、それでも死柄木のわずかな指示で藻掻き拘束を解くが、エンデヴァーの一撃を顔面に喰らった時に麻酔が効き始めたことでついに活動停止し、死柄木を逃すために自ら身代わりとなったMr.コンプレスと共に逮捕された。連行の際はヘリ2機で吊り上げながら運搬された。
その後はタルタロスへと収監される予定であったが、死柄木を乗っ取ったAFOの襲撃とそれに生じて脱獄した敵達によってタルタロスが陥落してしまった為、336話では応急処置的ながらも蛇腔病院跡地に建設された彼専用の拘束施設に収監、定期的に麻酔薬を投与され続けている状態となっている事が明らかになっている(施設の壁には「獣害」「人ニアラズ」「殺処分セヨ」と落書きがされており、当然多くの人から怨みを買ってる様子がうかがえる)。
第二次決戦ではマキア解放を目論む解放戦線残党組&脱獄ヴィランとそれを防衛するMt.レディらプロヒーローと雄英ヒーロー科生徒の攻防の中、ガスマスク幹部がAFOの音声が入った高周波装置で拘束施設を破壊したことで解放されるも、心操のAFOのタルタロスの音声記録を元に再現した声に反応したことで洗脳にかかり、群訝山荘跡地への救援として利用された。
途中、巻き戻しで若返っているAFOの攻撃を受け洗脳が解除されるも、実はAFOに置き去りにされたことに怒りを抱いており、置き去りにされた件にも『良い様に助けろ』としか返答されなかったので完全に裏切った。心操も『心までは支配できない』とし、以降はギガントマキアの頭上で援護に徹した。
Mt.レディ、常闇、イナサと共にAFOに攻撃を仕掛けていくが、AFOが本気で放った破壊光線を喰らって殺されてしまった(耐久と剛筋で強化された筈の肉体が貫通し、痛覚遮断を受けているにもかかわらず絶叫をあげたあたり、この破壊光線がどれだけ威力の高い物だったかがうかがえる)。
多くのヒーローの攻撃を受け付けなかったギガントマキアだったが、最終的には主の一撃で殺処分されるという実にあっけないものだった。
余談
- 名前の由来はそのままギリシャ神話における神と巨人の大戦・『ギガントマキア』から。
- 名前が判明したのは162話だが、実はステイン戦直後の57話に2コマほど登場している。
- 一部の読者からは特徴から、144話の1年前の回想に出てきた全身を布で覆った大男に似ているという意見もあったが、アニメの字幕で同一人物だと確定した。全面戦争でも直接対面した芦戸もあの時の大男だと思い出している。
- 283話でのドクターの台詞によると脳無の原型であることが明らかになった。