『デストロの名に於いて 敵連合の解体を』
プロフィール
"デストロ"の栄光再び 異能解放の先導者
表の顔はサポート企業 デトネラット社の社長
―――僕のヒーローアカデミア 公式キャラクターブック2 Ultra Analysisより
解放コード | リ・デストロ |
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本名 | 四ツ橋力也(よつばし りきや) |
異能 | ストレス |
表向きの職業 | サポート企業『デトネラット社』代表取締役社長 |
性格 | 底知れない闇 |
CV | 平田広明 |
概要
表向きは国内トップシェアを誇るライフスタイルサポートメーカー『デトネラット社』代表取締役社長としての肩書を持つ。
超常社会の歴史に名を遺す凶悪敵デストロの実の息子。
人物
デトネラット社代表取締役『四ツ橋力也』としての姿
前髪の後退した柿色のトサカ髪と鋭角に尖った鷲鼻をもつ特徴的な風貌の老紳士。
一代でデトネラットを国内有数の大企業へと成長させた経済界の大物。社長自らが登場する自社コマーシャルを制作していることなどもあって、世間的にも名の知れた人物である。
日頃から髪型のことで部下に弄られても軽く受け流すような鷹揚な人柄で知られているが、CMでの自分の額の映し方に対しては、「もう少し目立たなくできないかな」と、思わず顔をしかめていた。実は自分の前髪の薄さを少し気にしているのかもしれない。
超人社会が到来して以来、一人ひとりの"個性"に合わせた日用品の製造、販売、サービス提供を長年手掛けてきたが、近年になってプロヒーロー用のサポートアイテム業界への参入を表明し、各方面から注目を集めているらしい。
異能解放軍指導者『リ・デストロ』としての姿
デトネラット社社長としての顔は世を忍ぶ仮の姿。
その裏では11万人もの構成員を擁するテロリスト集団『異能解放軍』の最高指導者として日夜暗躍している。
上記のヒーロー用品業界への進出も公の場で実権を握るための布石であり、参入以前から非正規ルートで戦闘用サポートアイテムを犯罪者に横流しし、開発データの蓄積と解放活動の推進に努めてきた。
裏社会においても多くの賛同者を惹きつけるカリスマ性は健在。
また、解放思想を否定する者はたとえ気心の知れた部下であっても容赦なく息の根を止める冷酷、残忍な一面を見せる。
誰しもが"個性"によって自分の能力を100%発揮できる自由な社会の実現を掲げており、そのカリスマ性と実力、デストロの血と思想の正統後継者であることから、解放軍メンバーからは『デストロの再来』として崇拝されている。
作中に登場するヴィラン組織の首領としては、感情的かつ衝動的な死柄木弔や、知的であると同時に神経質な一面を持つオーバーホールらとは異なり、考えや立場の異なる他者を許容する度量と表と裏の顔を使い分ける狡猾さ、目的のためには冷徹な判断も厭わない非道さを兼ね備えた、ある種の老獪さを持った敵として描かれている。
彼を始めとした異能解放軍の存在は、結果的に当時行き詰っていた敵連合の人員と組織に対して大きな成長をもたらすことになった。
異能
異能は『ストレス』。
ストレスを溜め込むことでパワーに変換する個性。ストレスを感じると顔を始めとした身体が痣のように黒く変色する。
溜め込む程に肉体は強靭かつ巨躯となり、全身から指の先まで発動範囲の調整が可能。全身に個性を纏えば筋骨隆々の黒い巨人に変貌する。
個性の発動中も我を失い怒りに身を任せるようなことはなく、死柄木弔との一騎討ちの際には、個性を発動させた戦闘態勢のまま彼の個性と戦闘能力を冷静に分析していた。
本来は自身の精神状態によってパワーを左右される不安定で扱いづらい個性であると考えられるが、リ・デストロが幼少期から続けてきた鍛錬の成果として、作中登場する増強系の個性(身体能力を向上させるタイプの個性)の中でも屈指の威力を誇る強力な個性と化している。
とはいえ、やはり理性や打算でコントロールできるものではなく、本人が「納得し満たされた」と思える環境では「ストレスが引いて」しまい、戦闘力が発揮できないという不可分の欠点を持つ。
実際、死柄木との戦いの終盤では、彼の個性の強大さとその純粋に感情を爆発させる様に圧倒される余り、戦闘続行が不可能になるという現象も見られた。
必殺技
- 負荷塊(ふかかい)
自らがため込んだストレスエネルギーを物質化させて放出する。腕を一薙ぎしただけで住宅地の一区画余りを跡形もなく吹き飛ばすほどに強力。
サポートアイテム
- 負荷増幅高圧機構『クレストロ』
デトネラット社謹製サポートアイテム。近年、欧米を中心に飛躍的に進歩した超圧縮技術が非公式に採用されている。
リ・デストロのそれは巨大化した全身を覆い隠すほどの大型パワードスーツ。
装甲の各所に配置された杭を全身に打ち込み、肉体に負荷を与え続けることで、”ストレスがパワー”であるリ・デストロの個性を増幅させる機能を持つ。
つまるところ装着者を痛めつけることに特化した特殊スーツであり、まさにリ・デストロのためだけに作られた専用装備と言えるだろう。
動向
これまで着々と計画を進めてきた自分達を尻目に、つい最近頭角を現してきた敵連合の解体を目論む。そのため義爛を人質にし、連合に全面抗争「再臨祭」を仕掛ける。
リ・デストロ自身は泥花市のタワーで高みの見物をしていたが、到着したトゥワイスのコピーと交戦。彼が作った死柄木らのコピー相手に圧倒的な力を見せるが、到着した死柄木本人が「崩壊」でタワーを倒壊したことで直接対決となる。交戦の中で死柄木の左手親指・人差し指・中指を完全に圧砕。
更に右腕も潰そうとするが、体に付けていた手を壊されたことにより死柄木の記憶が戻り、覚醒。彼の本能の赴くままに振舞う様を見て徐々にストレスが発散。クレストロを用いて対抗するも、クレストロごと辺り一面を塵と化した死柄木により両足にも”崩壊”が及び、やむなく切断。自分達が理想とする"全てから解放された"姿を見出したことでストレスも底を突き、勝つ見込みが無いことと死柄木こそが全てを解放する者に相応しいと判断し、降伏を宣言。
敵連合の勝利から『超常解放戦線』結成後は最高指導者の地位を死柄木に譲位して、自身は超常解放戦線の9名いる行動隊長の1人に就任し、裏方役として回る。
以降は脇目も振らず死柄木らを優遇する対応をとった。生身の足を失った際は自社製の車椅子ロボットで移動を行い、時が経つと義足を新調。前線に立ち死柄木の補佐として活動出来るようになった。ただし、義足は個性による強化の対象外となっているのか負荷塊と張り合う程の力と衝突などには義足が耐え切れずに折れてしまうという戦力ダウンが発生している。
とはいえ表の指導者としての重圧からの解放、敵連合が加わったことで組織の計画が一気にスムーズに進んだことにより、これまで以上に晴れやかな表情を見せていた。
またトゥワイスに自身の分身を1体だけ複製させ、デトネラット社の経営とバックアップ用の司令塔を担うことになった。
敵連合についてくる形で入ったホークスのことも、デストロの書への理解に感心しており高く評価していた。
だがホークスのこれらは建前によるものであり、入念なスパイ活動により組織の詳細・計画が筒抜けとなってしまい、ヒーローによる群訝山荘急襲の報告を受けたときには驚愕し、ストレスを一気に爆発。地下神殿を出て急襲地点の合流を急ぐも出口前で増援を防ぎに来た常闇と激突。常闇が完全解放した黒影と互角に渡り合うも義足が耐えきれずへし折れてしまい、出口も崩壊され足止めを食らってしまう。
なんとか予備の義足を付ける間、待機していたギガントマキアが動き出したのを目撃し、改造中の慣らしで活動休止状態となっている死柄木の異変を察し、死柄木の覚醒を阻まれたことへの怒りを武器に変え、ギガントマキアが開けた穴から脱し、屋敷を包囲するヒーローたちに猛反撃を仕掛ける。
だがエッジショットに苦戦を強いられ、両腕と義足が完全にボロボロとなってしまい敗北。逮捕された。
一方で分身の方は無力化を狙う公安委員会から商談の提携を持ちかけられ、公安の主要幹部が一堂に会すると申し出たことで警戒を解き、本社で会合を了承。これにより会議の場で奇襲してきた公安直属のヒーローと戦闘となり、崩壊するまでの間猛烈に暴れて抵抗したことで公安会長を絶命に追い込んだ。
余談
- 社名の「デトネラット(Detnerat)」の由来は、「才能のある」「有能」を意味する「タレンテッド(Talented)」のLをRに入れ換え、英文字を逆から読んだもの。「デトラネット」は誤りである。
- 本作の登場人物にはアメコミをモデルとしたキャラクターが多く、リ・デストロの場合は「ゴブリンを彷彿とさせる鷲鼻」「表向きは大企業の社長」などといった共通点から、スパイダーマンの宿敵グリーンゴブリンではないかと推測されている。リ・デストロは父の使命に翻弄された面も見られたことから、初代であるノーマン・オズボーンより二代目で息子のハリー・オズボーンに通ずるところがある。
- また、精神的ストレスによって巨大化する姿はどこかハルクを彷彿とさせる。
- 彼の率いる異能解放軍は物語の初期(単行本7巻時点)からその存在を示唆されており、またジェントルは歴史に名を残した凶悪敵としてAFOと共にデストロの名を上げるなど、かなり早い段階から異能解放軍の登場が予定されていたことが分かる。
- 実際のところ「"個性"を自由に使いたい」という考え方そのものは、作中では決して珍しいものではなく、ボランティアからヒーロー活動、あるいはちょっとしたイタズラから犯罪行為に至るまで、程度の差こそあれ誰しもが持ちうる一般的な思考でもある。
- 11万人の構成員というのは一見途轍もない数のようだが、作中世界におけるオールマイト引退後の社会不安の大きさの表れでもあるとも言えるだろう。
- CVを担当する平田広明氏は別作品にて『人情家の職業ヒーロー』を演じている。