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I am vengeance. I am the night. I am Batman.

私は「報復」。私は「夜」。私は「バットマン」。


プロフィール編集

本名ブルース・ウェイン(Bruce Wayne)
頭髪黒髪
碧眼
身長188㎝(6'2")
体重95㎏(210lbs)
誕生日2月19日

概要編集

表向きの顔はゴッサム・シティの名家であるウェイン家の現・当主で、国際的企業「ウェイン・エンタープライズ社」の筆頭株主。ゴッサム随一の億万長者であり、著名な慈善家でもある。

表舞台では福祉や雇用拡大のために活動する一方で、裏では両親の命を奪った犯人への復讐と恐怖からバットマンとして戦う。

コウモリを模した高性能なハイテクスーツを身に纏い、戦闘では肉弾戦のみならず特殊なガジェットツールを駆使し、専用車両「バットモービル」や小型戦闘機「バットウィング」を駆って夜のゴッサム・シティを守っている。


媒体によって異なるが、自らがバットマンとなった最大の切っ掛けにおけるトラウマから、戦いにおいて『は使わないこと』を心掛けており、そして自らの人間性を失わない為に『相手が悪人であっても絶対に殺人はしないこと』を信条としている。


オリジン編集

コウモリのスーツを纏う理由は、その異形の姿で犯罪者達が二度と犯罪に走らないように恐怖を植え付ける為であり、ブルースにとってコウモリこそ最も嫌う動物かつ最大の恐怖の象徴でもある為である。


少年時代のある日、父・トーマスと母・マーサの二人と共に演劇を観覧しに行ったブルースは、幼少期に洞窟で大量のコウモリに襲われたトラウマから、演劇に出てきたコウモリを怖がり、両親にせがんで途中退場という形で劇場を出る。

しかしその結果、夜の通りにて目の前で両親をジョー・チルというチンピラに射殺されてしまい、天涯孤独となったブルースは、執事のアルフレッド・ペニーワースによって育てられる事になる。

Bruce

だが、両親の死は、普通の少年だったブルースの「何か」を決定的に変えてしまった…。

どれだけの月日が経っても自らの「恐怖に支配されていた弱い心」が招いてしまった悲劇を忘れられなかった結果、やがて犯罪を激しく憎悪する様になったブルースは、犯罪や犯罪者達と戦う為の術を欲する様になる。


14歳の時には、ブルースは複数の大学で犯罪心理学・法医学・化学・犯罪捜査術の知識を学び、更に実践的な技術も求めて「無一文」で世界各地を巡る旅に出た事で、様々な武術格闘術忍術といった戦闘技術だけでなく、治癒術、腹話術、追跡術、探偵術等も習得していった。

20歳の時、始めはFBIに入る事を考えたブルースだったが、あくまでも法律に沿って活動しなければならない事に限界を感じた結果、法に乗っ取らない形で犯罪と戦うクライムファイターとして生きる事を決意する。


ゴッサム・シティへ帰還したばかりの頃は、素顔を隠すだけの姿で活動を始めたが、凶悪な犯罪者達を止めるまでには至らず失敗。この失敗から、ただ制裁するだけではなく、より強烈な手段で犯罪者達に『恐怖』を植え付ける必要があると考えたブルースは、自らの悔恨と恐怖の象徴であるコウモリに注目する。


僕があと少しだけ恐怖に耐えてさえいれば両親は死ななかった…


その悔恨の念と共にコウモリが死を象徴する強烈なトラウマとして精神に刻みこまれていたブルースは、「自分自身がコウモリとなってトラウマを克服して恐怖に打ち勝つ」という誓いと共に、それだけ自らが畏れる者を模した異形な姿で今度は自身が犯罪者達の畏れる恐怖の象徴となるべく、コウモリの姿を象ったスーツを纏い、バットマンとなった。


犯罪者と戦うバットマンにとって『恐怖』は攻撃にも防御にもなる有効な手段となっていった。その異形の姿で暗闇から現れることで敵は混乱し、恐怖心によって誇張された噂や都市伝説はそのまま犯罪者達への警告となったためである。

その活躍ぶりから『ゴッサムのダークナイト』『世界最高の探偵』『ケープを纏った救世主』など多くの二つ名を持ち、峻烈な制裁と威圧的な漆黒のコウモリの姿ゆえに、バットマンはゴッサムの犯罪者達にとって『恐怖』の体現者として恐れられている。

しかし、それは同時に自らが守ってきた者達の一部から、「ゴッサム・シティを暴れ回るヴィラン達と変わらない危険な存在」と見なされ、忌み嫌われる事にも繋がっており、誰にも自分の内側の苦悩や孤独を明かせないまま、それでもバットマンは自分と同じ異形者であるヴィラン達と、今日も終わりの見えない戦いを続ける…。


人物編集

基本的には何よりも正義と公平を重んじる誠実でストイックな性格だが、同時に厳格で自分にも他者にも厳しい所があり、殊に犯罪者には情け容赦がない。上記のようにどんな悪人だろうと決して殺さないことを信条にしているものの、暴力的な「尋問」は茶飯事であり、無力化のために徹底的に叩きのめしたり手足をへし折る程度の事は躊躇い無く行う。

気難しく頑固な所も目立ち、また過去のトラウマや幼少期より犯罪の蔓延していたゴッサム・シティを見てきた影響か、物事に対する考えが自虐的かつ自罰的で、やや悲観的な現実主義者でもあるのだが、それでも根本では人間の善性を信じようとしている(このへんはどこか楽観的であっけらかんと人間の善性を信じ切っているスーパーマンとよく対比される部分でもある)。


不屈の闘志と精神力の持ち主ではあるのだが、家庭の愛情を知らない為か、人に素直な愛情を見せることを苦手としており、人間的にはかなり繊細で不器用。

正体を伏せなければならない故に、ブルースの時は敢えて軽薄な人物を演じてプレイボーイとして名をはせているものの、本心を晒せず、常にバットマンとしての自分を優先させてしまう為に、基本的に女性との関係は長続きしない。

唯一例外と言えるのは、キャットウーマンことセリーナ・カイルであり、クライムファイターと犯罪者という立場の違いに悩ませる事がありながらも、彼女とは徐々に惹かれ合う間柄となっており、やがて自らの正体を明かし、内側に抱えた弱さや孤独、哀しみを曝せる程までに深い関係となっている。

一方、敵対しているラーズ・アル・グールの娘であるタリアとも、彼女の正体を知らないまま恋仲になった時期がある。彼女に一服盛られる形で関係を持ったことで、息子となるダミアン・ウェインこと5代目ロビンが誕生する切っ掛けとなった。


ブルース・ウェインとしては、亡くなった両親同様に熱心な慈善活動家を務め、犯罪の遠因となる貧困等と戦っており、精神異常と見なされたヴィラン達が送り込まれる精神病院である「アーカムアサイラム」にも資金援助を行い、犯罪者の精神の回復も推進している。

一方で事情を知らない社交界からは、金銭的に恵まれ女性関係の派手なブルースに対する嫉妬も重なってか、慈善活動は派手なパーティーを開く為の口実と揶揄されており、いわゆる「金持ちのボンボン」という世間からの評価は微妙である。最もその評価がブルースとバットマンを結びつけるのを困難にしてる一因ではあるのだが…。


DCコミックのヒーローチームであるジャスティスリーグの創立メンバー(Original Seven)の1人だが、その信念やヒーローとしての在り方故に、彼等とは度々仲違いを起こし、孤立してしまう事も少なくなかった。


上記の性格や言動のために、「DCスーパーヒーローズ vs 鷹の爪団」ではスーパーマンや吉田君に物凄く面倒くさいヤツと言われてしまっている。



能力編集

先述の通り、バットマンは身体的にはただの人間である。だが、極限まで鍛え上げた肉体と格闘術、不屈の精神力、卓越した知能と探偵術、豊富な科学知識で開発した数々の秘密兵器を武器にゴッサムシティの悪漢と互角以上に渡り合っている。

彼のヒーローとしての活躍を支えているのは、ひとえに彼の努力と知性、そしてその豊富な資金力である。


また、様々な犯罪者を相手に長年戦ってきたことから、犯罪者に関する膨大な知識と豊富な戦闘経験を蓄えており、特に白兵戦闘技能についてはDCヒーローの中でも最高クラスを誇る。

加えて極めて高い洞察力と非常に鋭い勘の良さ(というか殆ど千里眼レベル)を持ち、頭脳戦や策謀戦にも長けていることから、身体能力的にはバットマンを遥かに凌ぐような敵に対してもその裏を掻くことで勝利をもぎ取ってしまう。


一方、自身が何の特殊能力も持たないが故に、もしもの場合に備えて他のヒーロー達のスペックや弱点まで周到に研究・熟知しており、たとえスーパーパワーを持つヒーローでもバットマンを相手に勝つことは容易なことではない。

しかしそれが時に仇となって、後述の様に敵の手に渡ってしまった事もある。


ガジェット類編集

バットマンが初登場してから数十年が経っている上にメディアミックスも多数行われていることから、バットマンが扱うガジェット類も時期や作品ごとに細かく異なっているため、概ね共通している主なものに留める。


  • バットスーツ

真夜中The Dark Knight


バットマンがコスチュームとして身に纏う特殊スーツ。

細かなデザインや解釈は作品や作者ごとに異なり、全身タイツ状の物からボディスーツ状の物、各部に装甲の付いたハイテクボディアーマー状の物など様々だが、顔のほとんどを覆うマスク、とんがり耳、胸のバットエンブレム、全身を覆える黒いマント、三枚のトゲがあしらわれたグローブという点は共通。

防弾・防刃・難燃性を持ち非常に丈夫ではあるものの、衝撃や打撲のダメージを全て吸収することまではできず、刺突によって貫通することもあるため、バットマンは生傷が絶えない(なお、このことは「ただの人間がヒーローとして振る舞うことの過酷さ」を描くためのギミックとしても用いられる)。


スーツ自体にパワーアシスト機能のようなものは付いていないが、作品によってはニューバットスーツアーマード・バットスーツ等といったパワードスーツめいた特性を持つものも登場する他、『ダークナイト』のニューマチックマングラーのような外付けの倍力強化装置も登場している。

『アーカムシリーズ』や『インジャスティスシリーズ』などのゲーム作品では戦闘が基本となるため、プロテクターを装着した重装備のスーツがデフォルトになっている。

クロスオーバー作品「バットマンVSプレデター」では、ゴッサムに現れ人間狩りを行う異星人・プレデターと対決するため、自作のアーマード・バットスーツを装着し戦いに挑んだ。


なお、映画版等でよく知られている現在のコウモリのコスチュームに関するオリジンは、1987年のコミック『バットマン:イヤーワン』に準拠しているが、それ以前の旧設定では「犯罪者は臆病で迷信深いから何か怖い格好するといいかもしれない…あ!コウモリとか不吉でいいかも!」とけっこう軽いノリで決めてたりする。


  • ユーティリティベルト(万能ベルト)

様々なアイテムやガジェットを収めるためのポーチやハードポイントが付いたベルト。バットスーツと同じくシリーズ共通の装備。

作品によっては機械式の様々なギミックも搭載しているものもある。


  • バットラング(バットラタン、バッタラン)

バットマンの基本装備の一つで、バットエンブレムを模した手裏剣、またはブーメラン

単に投擲武器として投げつけるだけではなく、直接手に握り込んでナイフのように扱うこともある。

また、鋭い刃状にして相手にダメージを与えるのみならず、刃を鈍くして打撃を与えるのみにとどめているものもあり、状況や目的によって使い分けている。

作品によっては小型爆弾や発信機、自動追尾機能などを搭載したものや、相手の秘孔を突いて無力化できるよう針状に加工したもの、ロープやワイヤー付きのものも登場する(投げつける事で高所にロープを引っかけるのに用いる)。

かなり初期から登場しているガジェット。


  • グラップルガン(グラップネルガン)

同じく基本装備の一つで、高圧ガスでワイヤーの付いたアンカーを撃ち出して巻き上げる銃。

高所への移動や、某親愛なる蜘蛛男よろしく摩天楼でのターザン、敵の捕獲まで用途は広い。


バットマンが駆る高性能車両。

形状と性能は作品どころか作者によっても見事にバラバラ。とりあえずバットマンが操って黒いボディで車体後部から火を噴いてすごい出力があるくらいしか共通点は無いと言ってもいい。

当初はコウモリの意匠を取り入れたスポーツカー風の物が主だったが、コミック『ダークナイト・リターンズ』では無骨な戦車風のバットモービル(バットタンクとも)が登場。

その後、『ダークナイト・トリロジー』にて装甲車風のバットモービル(タンブラー)が登場し、同作の世界的ヒットと共にミリタリー調の無骨なバットモービルのイメージも一般化していった。

詳細は当該記事を参照。


バットマンが駆る小型ステルス戦闘機。

これもバットモービルと同じく、作者や作品ごとに性能も形状もバラバラ。

連載初期ではジャイロコプターだったり、様々なギミック内蔵の飛行機だったりする。こちらも詳細は当該記事を参照。


  • バットシグナル

ゴッサム・シティ警察署の屋上に設置されたバットエンブレムが取り付けられたサーチライト

バットマンが必要になると空にバットエンブレムが照らされる。


  • バットケイブ

ウェイン邸の地下にあるバットマンの秘密基地。

広大に広がる天然洞窟をベースにしており、コンピューターや装備の保管施設、バットモービルなど乗り物の格納庫など、バットマンとしての活動の拠点になっている。

また、過去に戦った犯罪者たちとの記念品も収められたミュージアムもある。

年代ごとに描かれ方も異なり、初期では若干手狭に描かれていた。近年では、元になった洞窟自体がかなり大きく深く描かれている。


孤独な信念編集

蝙蝠と小鳥

他のヒーロー達の様に特殊な力を持たないながらも、己の身に着けてきたあらゆる術を駆使して戦ってきたバットマンは、敵がどんな外道であっても殺そうとまではしないという信念に徹している。

敵との戦いにおいては、せいぜい鍛え上げられた肉体を持って制裁を加える程度で、相手が死に瀕した場合は、寧ろ手を差し伸べて助けようとさえする事もある。


しかし、殺さないとは言っても、悪人や犯罪者に対してはとにかく容赦が無く、窃盗やカツアゲのような軽犯罪であっても一切見逃さず、犯罪を犯す事のリスクを身をもって分からせる為か、過剰なほどの暴力的制裁を加える事もある。

悪党に対する暴力的尋問にも定評があり、蹴るわ殴るわ折るわ焼くわ切るわ叩きつけるわ吊るすわと非常に苛烈で、トラウマになりかねない手法ヴィランの生命維持に関わる装置さえ脅しに使用する事も辞さない。また特殊能力を持たないただの人間である上に味方として共に戦ってくれる者も少ないが故に、騙し討ちのようなダーティーな戦術を取らざるを得ない事も多い。


「悪人には容赦しないが殺人は断じてしない」という姿勢は、バットマンをダークヒーロー足らしめる要素になっているのと同時に、ヴィランの大半が心身喪失に当てはまって罪に問えず、情状酌量で精神病院に入っても脱走して犯罪を繰り返し、更なる被害が生じるという弊害も生じている。

更に犯罪者達の中には宿敵ジョーカーを始め、スケアクロウリドラーハッシュの様に、バットマンに執着すること自体が自己目的化している輩も多く、結果としてだがバットマンの存在が間接的な原因となって事件を呼び起こしてしまうという構図もまま見られ、アナーキーというヴィランからは「バットマンの存在が新たな災いを呼ぶ」と明確に指摘されたこともある。

特に最大の宿敵となるジョーカーがバットマンと関わった事で誕生してしまったのは、バットマンの存在自体が生み出してしまった最大の弊害であるとされる。


そして、何よりも原則的に言えばバットマン自身が不法で過激な制裁を行う犯罪者であるという否定出来ない事実がある。

冷静な観点で言えば、「犯罪者に家族を殺されたトラウマに囚われ、コウモリのコスプレをしながら法を無視して勝手に命懸けで犯罪者と戦う」というバットマンのスタイル自体が、既に常軌を逸しているとも言わざるを得ず、特に「過去のトラウマが原因で常軌を逸した行動を起こすに至った」という点に関しては、バットマンとヴィラン達が似た者同士であるという結論に至っている。

バットマンと真逆の思想の持ち主であるジョーカーは、そんな彼のことを「最高のイカレ野郎」と評し、自身の同類である狂人と見做している。

この「バットマンもまた狂人かもしれない」というテーマは『キリングジョーク』などの原作コミックにおいてたびたび言及されている他、ティム・バートン版映画及びノーラン版映画『ダークナイト』、『ザ・バットマン』等においても重要な要素となっている。


「不殺の誓い」に関しても、原作最初期では当たり前のように悪人を殺す描写が見られ(下記の拳銃使用に関しても参照)、ティム・バートン版に至っては人を殺せる点に加えてバートンの作風の都合上、下手したら精神病院行きが確定しかねないレベルの精神破綻者としての面も付け加えられている。

クリストファー・ノーラン版三部作(ダークナイト・トリロジー)やバットバースシリーズでは、ダークヒーローとしての性格や人間的な脆さがより強調されており、特に『バットマンビギンズ』においてはラストでの敵キャラクターとの一騎打ちの後、そのキャラクターが放っておけば確実に死亡するであろう状況に陥った際には助けようとせず、直接手を下してはいないものの殺害している。

また、「人々を守る事」が最優先である為に、クレイフェイスやソロモン・グランディ、メタロ、ニューゴッズ、パラデーモン等といった非人間、映画(特にティム・バートン版)では話は別となっている。

アニメ『ジャスティスリーグ』の第45話「Hereafter」でもニューゴッズのカリバックに対してミサイルをぶっ放している。


DCエクステンディッド・ユニバースシリーズでは、人間的な脆さや銃に対するトラウマを悪い意味で乗り越えた設定になっており、(スーパーマンの母親が誘拐され、多数の銃を持った敵のアジトに突入というやむを得ないケースではあったが)悪人が持った銃を奪う形で撃ったり、燃料タンクを誘爆させて爆殺せしめるなどしている。「非人間」の対象がエイリアンであるスーパーマン、ドゥームズデイにも適用されている。パラデーモンについては言わずもがな。

一方で、ロビンの仇であるジョーカーが生きている点は非難される点。ZSJLによれば「一番の親友」だからとのことだが……。


マイケル・キートン版のバットマンは不殺をしてはいなかったが、子供の目の前で犯罪者である親を殺した事で引退に追い込まれたとされる。※「The Flash」の設定。作中ではゴッサムが平和になったからとされていた。


どちらかと言えばヒーローよりもヴィランに近いという本質から、事情を知らない市民の中には彼をいつ暴走するかわからないアウトローとして危険視する人々が少なからず存在する。

また、高潔で絶対的な正義の象徴と言えるヒーローのスーパーマンや他のDCコミックのヒーロー達はおろか、クロスオーバー的な作品ではマーベル・コミックスのヒーロー達(特にアベンジャーズ)にまで、バットマンと彼の「恐怖や暴力、恫喝等によって犯罪を抑止する」というスタンスは、かなり辛辣に批判される事が多く、危険思想の持ち主とさえ見なされる事もあり、そのくらいに、バットマンはアメコミのヒーローの中でも極めて「異質な存在」に見えてしまう模様。

その為なのか、バットマンの秘密主義や振る舞いが、ジャスティスリーグでの内輪揉めの原因となることも多い。他のヒーロー達が暴走する事を懸念して素性や弱点まで調査していた結果、ラーズ・アル・グールの情報リークによって完全に孤立してしまい、結局は実質上脱退してアウトサイダーズを独自に結成するに至っている(現在は一応元の鞘に収まっている)。


もちろん、犯罪を犯すものはマフィアやギャング、警察官を問わず断罪し、法を無視して動けるバットマンの存在が無ければゴッサム・シティが犯罪者やテロリストによって蹂躙され続けるしかなかったのもまた間違いなく事実である。

実際、ゴッサムシティの治安は、ブルースがバットマンになる以前どころか、彼の両親がチンピラに殺害されてしまう以前から、壊滅レベルに等しい状態であり、シティを守るはずの警察でさえ、当時はジェームズ・ゴードンを除く警察官の多くが、マフィアやギャングと癒着している等、汚職塗れな有様であった。

更にはラーズ・アル・グールやベインの様に、ゴッサムシティを腐敗の象徴と見なし壊滅させようとしている凶悪なヴィラン達からも狙われていた為に、バットマンが現れなければ、ゴッサムシティは冗談抜きで世紀末状態になっていたのは、想像に難くない。

実際、1999年のクロスオーバーシリーズ『ノーマンズ・ランド』では、大地震によってゴッサム・シティが地理的に孤立して無政府状態となった結果、本当にそうなってしまっている。


Batman

バットマンも自身の戦いに市民を巻き込むつもりは毛頭無い。だが、本人の意思に関係無く、常軌を逸する形で犯罪やテロが多発するゴッサム・シティにおけるバットマンの孤独に近い戦いは、時に無辜の市民や彼の大切な人々を渦中に引き込む事になり、バットマン自身も常人には到底耐えられない過酷な選択を強いられ続ける。

何よりもバットマンである限り、彼は「ブルース・ウェイン」として手に入れられるはずだった人間的な幸福を手放し続けなくてはならない。


そして、バットマンが法でコントロールすることができない存在である以上、彼の行う『正義』は彼自身に託された状態にあるということであり、「自分の『正義』を貫くためにどこまでやるべきなのか?」「そのためにヒーローはどこまで自分の人間性を犠牲にしなくてはならないのか?」という問いはバットマンシリーズ、ひいてはバットマンをモデルとして生まれた後続のダークヒーローたち全てに突きつけられた永遠の命題でもある。


  • 拳銃の使用に関して

上記の通り、バットマンは殺人を忌避しており、その決意の表れ、そして両親を奪った凶器という点から、拳銃を用いる事を己に禁じている。

しかし、長い歴史の中では、一時的に拳銃を用いていた事があった。

初期では、吸血鬼マスター・モンクを倒すため、銀の弾丸を発射するのに用いた他、それなりに用いていた時期もあった。

また、拳銃ではないが、ヒューゴ・ストレンジの怪物を運ぶトラックの運転手たちを、バットジャイロの機関銃で撃ち殺している。ただしこの時は「人の命を奪いたくはないが、今回はやむを得まい」と口にしている。

後に、「イヤーツー」で、ヴィジランテのヴィラン「リーパー」に対抗するため、オートマチック拳銃を持ち出した事がある。

しかし、これらの事例以外では、バットマンが銃を用い、犯罪者を直接射殺するような事はしていない。銃は簡単に人の命を奪う武器であるため、それに頼ると自身の不殺の誓いが簡単に破られる事を、バットマン=ブルースは十分に理解している。そのため、彼は銃を用いないようにしているのだ。



決め台詞編集

昔からスパイダーマンのように決まり文句が存在する。それは「私は報復(vengeance)、私は夜(the night)、私はバットマン(Batman)」。

スパイダーマンが周りの民間人に対して頻繁に決まり文句を使用するのに対し、バットマンは自分を奮い立たせる時、自分と敵に向かって言い聞かせるように発言する。しかしセリフが長めな為、実写では省略されてvengeanceやBatmanだけ使われる。一応、アニメシリーズやゲームではフルで使用され、海外の声優対決でもフル口上が述べられている。


余談編集

自分を貫き通す、全身タイツ、家族愛への飢え、すぐに「バット○○」という名前をつけたがる、口数が少ないイメージがある(実際はよく喋る)・・・という面から、よく国内外問わず、コメディ作品ではマイペース、ナルシスト、マザコンかつファザコンで未成熟な大人、ネーミングセンスに問題あり、コミュ障などの性格付けがされる。例えばドラマではただの梯子に「バットはしご」、シリアスゲームですらコンピューターに「バットコンピューター」と名付けており、中々の香ばしさ。

また、映画レゴシリーズ(バットマン主演ではない)ではラスボスにラップで「ゴッサムシティの男は嫌い」とディスられ、耐えきれなくなってこちらもラップを始める(その際にスーツを脱いで腹筋をアピールしたりナルシストな言動あり)、スーパーマンを引き合いに出されて興味のなかった女性に求婚する、敵に「ナルシストな構ってちゃん」と分析される、アルフレッドの前でグズり始めるなどコミカルな面が見受けられる。


ワンダーウーマンに本名を尋ねられ「ブルース・ウェイン」ではなく「バットマン」と答えるシーンがある。

スーパーマンは「カル・エル」「クラーク・ケント」と答えていた。


関連イラスト編集

Batmanバットマン(1966)

the batmanknightmare batman


関連タグ編集

バットマン / BATMAN / DC / DCコミック / アメコミ / 映画

ヒーロー / クライムファイター / コウモリ / バット


ロビン / バットガール

スーパーマン / ワンダーウーマン


バッドマン:一文字違いのパロディキャラ。

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