『一人が力を培い、その力を一人に渡し、また培い次へ…そうやって救いを求める声と義勇の心が紡いできた力の結晶だ』
概要
『僕のヒーローアカデミア』に登場する超常能力・"個性"のひとつ。略称は"OFA"。
作品における"個性"とは先天性・遺伝性の超常能力とされているが、この"個性"は所有者自身の意思によって他人へと受け渡すことができるという唯一無二の特異性を持つ。
物語が開始した時点でオールマイトが所有していた"個性"であり、後に物語を通して緑谷出久へと受け継がれた。
作中登場する最強最悪の敵・オール・フォー・ワンは、この"個性"を手に入れることに強く執着しており、この"個性"を受け継いだ者は、自身の望む望まないにかかわらずオール・フォー・ワンと戦うことを宿命付けられることとなる。
能力
受け継がれてきた超パワー
能力の効果自体は「純粋な身体能力の強化」であり、スピードやパワーと言った筋力が爆発的に強化されるという単純なものであるが、『拳の一振りで天候を変える』『ジャンプだけで高層ビルを飛び越える』など、強力な上に応用性が高く、液状化する敵や衝撃を吸収する敵などのパワー系が苦手とする能力を相手にしても力技で切り抜けるなど、作中でも破格の威力を持つ『個性』。
力尽くで『ショック吸収』を無効化する様を見た切島は、「究極の脳筋」と称した。
しかし、その本質は『能力を育て上げて次世代に渡す』ことにあり、その性質上、二代目よりも三代目、三代目よりも四代目が強くなる個性であり、現在の継承者は九代目である緑谷出久。
また、この『個性』は別の『個性』を持っていても受け取ることが可能であり、実際七代目の継承者である志村菜奈は"OFA"以外の『個性』を持ち、オールマイトはもしも轟焦凍がこの『個性』を受け継いだ場合、『半冷半燃』に加えて"OFA"の身体強化能力を併用出来ていたと語っている。
受け取る者のリスク
上記の様に、拒否反応も無く受け継がれ、次世代になればなるほど強く成っていく『個性』ではあるが、その分リスクも大きく、
- 鍛え上げられた肉体が無ければ、個性の力に耐えきれず身体が爆散する
- たとえ鍛え上げられた肉体を持っていても、使いこなせなければ個性によって身体が内側からダメージを受ける
など、自在に使いこなす為には常に鍛錬と修練が必要とされる『個性』でもある。
実際、主人公の出久は戦闘の度に深いダメージを負うことが多かったが、これは敵から受けるダメージよりも、出久の肉体が"OFA"の出力に耐え切れなかったことの方が多く、特に前腕部に受けたダメージは深刻で、医者からは「今後も同じ事態が起こり続ければ、日常生活が送れなくなる」とまで言われるほど。
しかし後に、この『個性』にはある重大なリスクが存在していることが発覚する。
これは継承者の項目にも後述する。尚、305話のネタバレもあるため、閲覧注意。
また「譲渡する」という特性上、これだけの力を秘めた個性が悪人の手に渡ることも起こり得る為、"OFA"の継承者は先代継承者から「『個性』の内容を秘密にする」ことを約束させられる。
現状、"OFA"が譲渡可能であることを知っているのはAFO(オール・フォー・ワン)と歴代"OFA"所持者以外では根津校長、リカバリーガール、グラントリノ、サー・ナイトアイ、爆豪勝己等数名に限られる。
譲渡
"OFA"の譲渡条件は、元から持っている『個性』の使用者が、『継承させたい人に『個性』を譲りたいと思いながら遺伝子の一部を摂取させること』であり、強制的に受け取らせることはできても、受取りを拒否することは出来ない。
その気が無ければ遺伝子を摂取されても問題ないが、人質や心を操る個性の使用によっては、『個性』を奪われることも十分に考えられる為、オールマイトはヒーロー活動中は徹底した秘密主義を貫いた。
また、この『個性』は譲渡されたからと言って、譲渡した人間からすぐに『個性』が無くなるわけではなく、譲渡した人間にもある程度は"OFA"の能力が残り、使用することができる。
実際、オールマイトは出久に『個性』を譲渡した後も、暫くはヒーロー活動に従事し、お互いに全盛期では無かったとは言え、ごくわずかに残った"OFA"の力だけでもオール・フォー・ワンと互角の戦いを繰り広げた。
また映画二作目では、圧倒的な窮地を打破するべくこの特性を活用するシーンがある。
ルーツ
八代目継承者であるオールマイトによれば、元々、この個性は『力をストックする個性』と、『個性を与える個性』という二つの個性の力が混じり合ってできたものであり、元から存在していた個性では無かった。
この『個性』が誕生した経緯には、超常黎明期と呼ばれる時代から暗躍していたオール・フォー・ワンという巨大なヴィランの存在がある。
超常黎明期のオール・フォー・ワン
AFOは、『"個性"を奪う個性』によって、人類に『個性』が次々と発現したことで社会秩序が崩壊し、混沌とした時代の中で、時に『個性』を奪い、時に人々が望む『個性』を与えることで、いち早く混乱した日本の秩序を回復させることに成功した。
その反面、人々を自分の手駒となる様に洗脳し、恐怖で人々を支配することで悪のカリスマとして裏社会に君臨した。
そんなAFOに対して、真っ向から対立したのが彼と血を分けた実の弟であった。
反抗の末に与えられた力、そして完成した力
虚弱な上に『無個性』と見なされていたAFOの弟は、兄の所業に心を痛めながらも常に対立する姿勢を貫いたが、兄であるAFOの方は「愚かな弟」と言いながらも自分の仲間に引き入れる為に八方手を尽くした末に、弟に『力をストックする個性』を与えることにする。
そこでAFOの弟は、自分がそれ単体では役に立たない『個性を与える個性』を持っていることを知り、更に兄から与えられた『個性』と混じったことで、『個性を育て上げ、譲渡する個性』が完成したことを悟る。
これが『ワン・フォー・オール』初代の誕生である。
これ以降、この個性『ワン・フォー・オール』は歴代の継承者の手に渡り、強化されて行くことで、遂に八代目の継承者『オールマイト』の手によってAFOの牙を打ち砕くまでに成長する。
宿る「意志」
初出は雄英体育祭
時折、出久の意識に現れるイメージ。
このイメージは雄英体育祭ガチバトルトーナメント1回戦心操戦で出久が操られた際に現れたのが最初で、出久はオールマイトを含む複数の人間のイメージが脳裏に出現し、一時的に操られている体を食い止めた。
出久はこの時、"OFA"には歴代継承者の意志が残っているのでは?と推測したが、当初オールマイトはこれを否定し、「あくまでも精神的なイメージの一つ」としたが、その直後にリカバリーガールから「アンタも居たってね」と意味深に言われたことから、オールマイトの言葉が真実ではないことが示唆されていた。
しかし、意志の残留に関してはオールマイトもつかみきれてない部分があるらしく、後述の夢に関しては、"OFA"に対し警戒とも危惧ともつかない感情を抱いたような素振りを見せている。
二度目の邂逅は秋の夢
193話にて、出久の夢という形で、初代の"OFA"の記憶が宿っている事。
そして、そこに初代の明確な意志が宿っている事が分かった。
出久の夢という形で出現した初代の意志は、かつてあったAFOとのやり取りの記憶と、オールマイトを含む歴代継承者のイメージを出久に見せる。
黎明期の兄弟
自身の『個性』の力を使い、『個性』に苦しむ人々を誘惑するAFOは、やがて人々から篤い支持を受け、遂には自身の手を汚さずに自分に反対する人間を殺し、裏社会を支配するようになる。
「お前のいう『世界』とは何だ?弟よ。おまえは何が見えている?僕は『人』を見て『人』の為に力を行使している」
そう語り掛けるAFOに、初代"OFA"は断固として抵抗する。
「異能は私利私欲のために使うべきじゃない。アンタは自分を満たすことしか考えていない!」
『個性』による犯罪や暴力を振るい、巨大な組織を纏めていくAFOは「人の形を失ったこの世界に、僕ならば秩序を齎せる」というが、これに対し初代"OFA"は「心の隙に付け入ることの何が秩序だ」と真っ向から否定し、二人の意見は平行線をたどる。
そんな中、AFOは自身を中心として『秩序』を創り上げていきながらも、弟である初代"OFA"は絶対に敵対の姿勢を崩さず、其の小さな抵抗は常にAFOの信奉者たちによって阻止され、遂に彼はビルの中の一室に監禁される様になる。
それでも、一切の食事を拒否して最後まで抵抗を続ける初代"OFA"に対して、AFOは弟への歪んだ愛情を向けつつ「コミックの世界が現実化したようだ。唯一の肉親であるお前とまた、共に過ごしたい」と揺さぶりをかけるが、そんな兄を弟は突き放す。
「あのコミックの続きを知っているか?ヒーローは、魔王の所行に悩み苦しみながらもそれで立ち上がり、最後には魔王を倒す。兄さん、悪者は最後に倒されるんだ」
やがて、どうしても自分に屈しない弟の姿に兄は業を煮やし、遂に衰弱した初代"OFA"でも使いこなせる『個性』を見つけ、それを彼に無理矢理与えた。
"OFA"は「弟も"力のある存在"として一緒に世界を統べてほしい」と願った兄の歪んだ愛情の産物だったことが真相である。
邂逅、警鐘、覚醒
そこまでの記憶を出久に見せた初代"OFA"は、まだ出久が20%しか"OFA"を使いこなせていないことを憂い、警告を告げる。
どうやら危険な状況、『特異点』を過ぎてしまっているらしい。
出久の身を案じた初代はそれでも、「君は一人じゃない」と出久を励まし、何らかの力を目覚めさせる。
この時の初代のイメージと、出久のイメージは、身体の一部に同じように黒い靄がかったものに覆われたものであり、出久の"OFA"の使用率と、初代との意思疎通の関係性が示唆されており、出久が"OFA"を使いこなせるようになればなるほど、初代との意思疎通が行えるようになることが暗示されている。
また、この時の夢の中では歴代継承者の内2人だけが暗くなって明示されておらず、彼等もまた、出久の"OFA"の使用率が上がることでその姿が明らかになるであろうことと、これからの物語に深く関わる重要人物であろうことが予想される。
そして、彼らの夢を見て目覚めた出久は、『個性』を暴発させると同時に(暴発の騒ぎで夜中に起こされ、部屋まで文句と忠告を言いに来た青山と共に)その右腕に不思議な痣とも模様ともつかないものが浮かんでいるのを目撃する。
新たな力と、歴代継承者の意志
出久はA組・B組合同戦闘訓練の際に、普通科からヒーロー科への転向試験を受けた心操と再戦する事になるが、そこで"OFA"は突如謎の暴走を起こす。
今までの"OFA"とは違い、突如として出久の右腕からは謎の黒い物質が噴き出し、その物質が触手状へと変化。出久は触手の動きを制御出来ず暴走し、建物を壊す程の破壊力を発揮。
出久の意思を無視して暴れ回ってしまう事態になる。
今までの"OFA"とは明らかにかけ離れたこの現象に、出久は対戦相手のB組に警告を発しながら"OFA"の暴走を止めようと必死になるが、"OFA"の事を知らないオールマイト以外の人間からはそもそも異常事態が起こっているとも認識されず、モニターで見ていた他の生徒は緑谷の新たな新技だと思っており、"OFA"の暴走は止まらずに心身ともに出久を追い詰めていく。
そんな中、その場で一人出久の異常に気付いたお茶子が咄嗟に暴走を抑え、心操に出久を敢えて操らせる事でこの場を収めようとし、それを察した出久も心操に操られる。
そうして出久が意識を失った中で、歴代継承者の一人である鋲の打ち込まれた黒い革ジャンを着たスキンヘッドの男が出久の前に現れ、"OFA"の暴走に振り回される出久を強く叱咤する。
「その力はもう雑念マシマシで使っていいものじゃない」
そう言いつつも現れた男は出久に、"OFA"には歴代継承者の個性因子がわずかに混じっており、"OFA"が急激な成長を遂げたことで、それが出久の意志に反応、その意志に反応した個性が発現したことを教える。
更に男は、"OFA"の能力によって、"OFA"に混じっている個性が強化されている事実と、これから出久には歴代の継承者達が持っていた、六つの個性が発現することを伝える。
そう言うと男は、これからは『個性』を使う為に心を制することの重大さを告げ、出久の意識が戻ると同時にその姿を徐々に消していく。
「頑張れば大概何とかなる。俺達がついてる」
そんな中、男は出久に激励を送りながら、出久が『ワン・フォー・オールを完遂する』ことを託して消えていく。
初めて初代"OFA"以外の歴代継承者が話した事で、"OFA"には歴代継承者の明確な意思が残っている事が確定したと同時に、それが何かの事態に備えて動き出した事が暗示された。
強まる力と高まる危険性
かくして、過去の継承者の口によって、"OFA"は『個性』持ちであった過去の歴代継承者の『個性』の強化版を使えることが確定した。
それだけでなく、"OFA"の持つ特性である「『力』を強化する『個性』」の力が、純粋な身体能力だけでなく、歴代継承者の『個性』を受け継ぎ、更にその『個性』を強化する能力であることが分かった。
そして"OFA"の力の真価が発覚したことで出久は従来の身体強化能力に加えて、六つの個性を使用することの出来る個性複数使用者になる。
しかし、新たな『個性』である『黒鞭』が発動した時、一度目の使用の際には出久の意思を無視して暴走。黒鞭の個性を持っていた継承者からの忠告によって心を制御して多少扱うことができた状態でも、現状20%しか"OFA"の力を扱えることしかできない出久では一瞬しか使用できずにいた。新たに発現する他の『個性』の詳細もコントロール方法も分からない状態なので、他の個性がどういう個性でどういうタイミングで発動するかは分からない上に暴走の危険性もあった。
また、『黒鞭』の『個性』の持ち主は「最初に発現したのが俺で良かった」と語っており、その口ぶりから他の『個性』の中には、制御が難しい個性や個性の使用にリスクがあったり、途轍もない破壊力やとんでもない副作用が発生するような『個性』がある可能性も示唆されている。更に『黒鞭』も"OFA"の影響で継承者が使っていた頃よりも個性の出力が強化されている。つまり他の個性がどんな形で成長しているか分からないため、個性自体が成長した結果、継承者の当時とは全く別の形や能力の『個性』に変貌しているかもしれない。そして『個性』が違えば制御に必要なノウハウも違い、それらを同時に並列処理しなければならず、個性を並列処理しようとし雑念が生まれれば個性の暴走に繋がる危険性が生まれた。
そのため、出久は継承者の個性を使用する際にはこれまで以上の注意が必要になり、制御の難易度は以前よりも格段に跳ね上がってしまった。
出久自身、『個性』の複数使用は"OFA"の出力100%を超えた先にあるものであると当初は思っていたが、実際には、発現した『個性』に出久が慣れさえすればAFO本体のように出力を制御できる程度に抑えてやりくりするといった融通は一応利く。出久はエンデヴァーの元でのインターンによる経験を積んだ事で並列処理の技術を以前よりも向上させ、20%の"OFA"の力にしか耐えられない身体でも、黒鞭のコントロールを行えるように成った。
分かりやすく言えば「たたかう」のコマンドだけで戦えるようになって初めて使えるようになるスキルが情報開示された状態であり、これまで同様"OFA"を制御するため地力をつける事に集中するのは変わっていないのである。
もっとも、この個性の複数所持が、出久や味方にばかりトラブルを起こす迷惑要素とはいいきれない部分があり、(形はどうあれ)敵対者からの洗脳などをある程度撥ね退けられる疑似耐性として働くこともある模様。
歴代継承者と『個性』
オールマイトによって歴代継承者の『個性』が調べられたことで、ある程度これから"OFA"を通して発現するであろう『個性』が分かるようになった。
ただし、オールマイトが調べられたのはオールマイトの師匠にして『浮遊』の個性を持っていた七代目、『煙幕』の個性を持っていた六代目、『黒鞭』の元の所有者であった五代目、『危機感知』の個性を持っていた四代目の4人までだった。二代目と三代目に関しては、オール・フォー・ワンの肉体的全盛期であった事と"OFA"の性質が相まった事でオールマイトでも調べきれなかった為に、不明のままである。
歴代継承者は爆豪曰く「どれも弱い『個性』」の持ち主と言われているが、これは元々強い『個性』を持つ人間はAFOが獲物として狩っていた為であり、オールマイトはそのことを指して「選ばれた者ではなく、ただ託され、託した者たち」と呼んだ。
事実、六代目も歴代継承者の個性は殆どがそれ単体では決定打にならないと言っている。それ故に個性を尊重しすぎてしまう緑谷には自身らの個性を「道具」と考えるよう助言した。
また、歴代継承者は短命であったこともその時に明示された。
爆豪が尚歴代継承者の事を記したノートを見た際、詳しく調べられなかった二代目と三代目を除いた中で、何故か四代に関しては記述が中途半端になっていた事実を後になってオールマイトへ問い正し、オールマイト自身が"OFA"について何か気づいた事があるのではないかと問い詰めた。
その後、305話にて四代目の死因とオールマイトが気付いた"OFA"の新たな真実が告げられる。
それは、四代目の死因が老衰であったという事。
しかし、その四代目が死亡した際の年齢は40歳という若さであり、明らかに老衰と言うのは不自然であった。
四代目は18年間"OFA"の能力を保持し続けていた。これはオールマイトに次ぐ長期の能力保持期間であり、オールマイトはその年齢を超える40年間も能力を保持し続けていた。
そして出久が"OFA"を引き継いだことで継承者同士の意識がより明確になり始めたこともあり、オールマイトが得た情報を"OFA"の中にあるオールマイトの意識を通じて共有した事で、オールマイトを含む過去の継承者によって一つの仮説が立てられる。
それは、肉体の衰弱なく"OFA"を継承できるのは「無個性」の人間のみであること。
四代目が老衰死した理由もここにある。
"OFA"の持つ『個性』複数所持は、脳無同様にハイリスク・ハイリターンの行為であり、『個性』を持つことがごく当然の世の中となった世界の中においては、『個性』を持っている『普通の人』が"OFA"を継承することは、継承するだけで身体の許容量を超えてしまい寿命を削る行為だったのである。
四代目の時よりも『個性』が多く、加えて"OFA"自体がより強力になっているため、今の"OFA"は『個性』を持つ普通の人間ではリスクなく扱えない状態にまでなっていた。
しかし例外として、『個性』を持たない出久やオールマイトのような『無個性』の人間が"OFA"を継承した場合は、"OFA"そのものが『個性』を持たない空の身体に馴染む事で『個性』となり、身体の許容量に収まるためにリスクと負荷を無効化できるのであった。初代曰く、『人から人へと引き継がれた力は何の因果か、持たざる者が最も真価を引き出せる形へとなっていた』
しかし個性発現第五世代の今では『無個性』の人間はもはや絶滅危惧種になっている。出久のように『無個性』の人間で尚且つ力を必要として求める人間が現れない限り、出久から新たに"OFA"を別の人物に継承させるのは不可能なため、夢の中で五代目の意識は出久へ「お前が最後の継承者になるかもしれない」と伝えた。
『全面戦争』で死柄木の持っていたオール・フォー・ワンの力に引っ張られた事で以前よりも歴代継承者達の意識が出やすくなり、出久の意識が普段の状態でも出久とコミュニケーションが取れるようになった。そして歴代の継承者達に"OFA"の力を全解放するための協力が得られた事で、彼らの個性を出久自身の意思での使用や個性の出力の制御ができるようになった。
歴代継承者一覧
継承順 | 継承者名 | 個性 | 能力 |
---|---|---|---|
初代 | 死柄木与一 | 『"個性"付与』 / 『力のストック』 | 鍛えた力を蓄え、他者へ渡す。 |
二代目 | 駆藤 | 『変速』 | 触れたモノの速度を変える。 |
三代目 | ブルース | 『発勁』 | 運動エネルギーの蓄積・放出。 |
四代目 | 四ノ森避影 | 『危機感知』 | 危機に際し警鐘を鳴らす。 |
五代目 | ラリアット / 万縄大悟郎 | 『黒鞭』 | 鞭状のエネルギーを発し、人や物を掴んだり引き寄せる。 |
六代目 | ガエン / 揺蕩井煙 | 『煙幕』 | 体から煙幕を発する。 |
七代目 | 志村菜奈 | 『浮遊』 | 空中に浮かぶ。 |
八代目 | オールマイト / 八木俊典 | 無個性 | |
九代目 | デク / 緑谷出久 | 無個性 | |
十代目 | ??? | ||
例外 | 爆豪勝己※ |
※劇場版でワン・フォー・オールの力を使い戦ったが、一時的な継承であり正式な継承者ではない。余談だが彼の名字から9.5とも解釈できる。
原義
訳:一人は万人のために、万人は一人のために
一人は皆のために、皆は一人のために
Unus pro omnibus, omnes pro uno(ウヌス・プロ・オムニブス、オムネス・プロ・ウノ)というラテン語の成句の英訳である。
日本においては、One for all, all for oneが、ラグビーフットボールのチームワークの精神を表すものとして頻繁に取り上げられる。
古今東西、世界各地で類似のフレーズが存在している。
※ここからは余談的な内容を含む。
最古の記録
- 古い記録では1618年のボヘミアのカトリックとプロテスタントの両集団の指導者の集まりにおけるものが有名で、プロテスタントの指導者が下記の内容の手紙を決然と読み上げた。
- 「彼ら(カトリック勢力)がまた我らに対する処置を断行しようとするゆえに、ここに我らは以下のごとく相互の合意の形成に至った。すなわち、生命、肉体、名誉、繁栄の喪失をいとわず、我らはここに、一人は皆のために、皆は一人のためにとの気概を以て確固と立ち上がったのである。我らは誰にこびへつらうことはない。それどころか我らはすべての困難に対して、できうる限り、相互を助け守るものである」
スイスの標語
- スイスにおいて、憲法や法律による公式の標語は制定されてないものの伝統的な標語となっており、スイスの4つの公用語で表記され19世紀に広く使用されるようになった。1868年の秋の嵐がスイスアルプスの広範囲に洪水をもたらした後、当局はこのスローガンの下での救援キャンペーンを開始し、当時まだ若い国家であったスイスの国民の義務感、連帯感、そして国家的統一を呼び起こすために、意図的にこの成句を利用した。
- ドイツ語: Einer für alle, alle für einen
- フランス語: un pour tous, tous pour un
- イタリア語: Uno per tutti, tutti per uno
- ロマンシュ語: In per tuts, tuts per in
三銃士のフレーズ
- アレクサンドル・デュマ(1802-1870)の小説三銃士(1844年刊)において使われたフレーズ。物語では、熱く長きにわたる友情で結ばれたフランスの銃士、アトス、ポルトス、アラミスとダルタニャンのモットーである。
相互補助の精神
- ドイツの保険学者アルフレッド・マーネス(1877-1963)が引用した有名な言葉であり相互扶助の精神を説いた。
- 日本の戦国武将、石田三成(1560-1600)の旗印に「大一大万大吉」があり、この意味は「一人が万民のために、万民が一人のために尽くせば太平の世が訪れる」というもの。(ただしこれは本人がそう言う意味で使ったという証拠はなく後世で意味をそう言う風に解釈したもので、そのような意味ではなかったとも言われている。武家社会の「義」などもそうだが意味が全く違って使われていた時代であるため)
余談
『ユアネクスト』の特典「Vol.Next」にてオールマイトは女性経験無し(童貞)だったことが発覚したのだが、その際に「性行為による射精でも"OFA"の能力譲渡が行われてしまう可能性があるため、オールマイトは禁欲生活をしていたのではないか」という可能性が取り沙汰された。
"OFA"は前述の通り、使用者が譲渡する意思がなければ譲渡は行われないのだが、やってることがやってることだけに行為中に気が緩んでしまうかもしれないし、子作りという行為自体を「次代に何かを託す行為」と"OFA"が認識してしまい、望まぬ能力譲渡が起こってしまう可能性もあるのでは、と考察されている。
性行為及び出産によって"OFA"がどうなるかの公式見解は出ていないものの、「歴代の男性継承者は"OFA"の継承後は禁欲生活をしており、中にはオールマイトと同じく童貞だった者もいるのではないか」「志村菜奈は出産後に"OFA"を継承したのではないか」と言った可能性が指摘されている。
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カインとアベル:誕生のきっかけを作った兄弟の経緯が一部共通している。
OFA歴代継承者
与一(初代)→二代目(僕のヒーローアカデミア)→三代目(僕のヒーローアカデミア)→四ノ森避影(四代目)→ラリアット / 万縄大悟郎(五代目)→ガエン / 揺蕩井煙(六代目)→志村菜奈(七代目)→オールマイト / 八木俊典(八代目)→デク / 緑谷出久(九代目)