概要
性行為を経験していない男性のこと。
本来「童貞」は女性にも使われる(例・童貞マリア)言葉だが、現在は女性には処女が使われるのが一般になっている。
どんな行為で以って童貞喪失(処女と違って失うというモノがないので、「童貞喪失」より「童貞卒業」が正しいと思われる)となるかについては明確な定義付けがなされていない。例えば挿入しかされたことのないゲイ男性が童貞なのは定かではない。プロを相手に性行為を行った男性が「素人童貞」などと言われたりもするらしい。
明治時代の日本では儒教やキリスト教の影響が強まり、女性の純潔を尊ぶ風潮が強くなった。だが、当時は男性の純潔という概念はクリスチャン以外には受け入れられず、地位ある男性の女遊びや 妾を囲う行為はなかば公然と行われていた。大正から昭和戦前にかけて、こういった当時の日本の風潮を批判し、男性も結婚までは童貞を守るべきという考えが非クリスチャンの男性の間にも芽生えはじめる。こうした貞操観念は、戦後高度経済成長期の前後に次第に崩壊していった。
俗世間において、童貞は揶揄の対象になることも多い。
それなりの年齢で、女性の扱いに慣れていない男性が「童貞臭い」と揶揄されることもあったり、「こんな間抜けなことをする奴はきっと童貞に違いない」と言いがかりをつけられることもある。これらは、性経験そのものというよりはメンタル的な問題なのだろう。
とはいえ、「童貞いじり」はセクハラではないか?という議論もある。テレビのバラエティ番組で童貞いじりのネタは減りつつあるものの、職場での童貞いじりは珍しくないため、現実では童貞であることを隠そうとする男性は多いとも言われている。
ちなみに、ネットスラングで童貞を表す時にしばしば使われる「DT」であるがこれは、伊集院光とみうらじゅん両氏の共著「D.T.(文庫版タイトル「DT」)」において「卒業しても童貞気質を保っている男性」つまり非童貞の一部を指す意図の造語を元に転用されたと考えられる。
上部画像の元となった漫画がきっかけで「童貞が許されるのは小学生まで」というとんでもない一文が派生し、中学生になるまでには童貞を卒業しておくべきという無茶苦茶な風潮がその界隈では存在する。
ネット上では「30歳まで守り続けると魔法を使えるようになる」「絶え間ぬ克己心をもって苦行の道をたどる」という自虐的ギャグが存在する。アーサー王伝説において聖杯を手に入れた騎士はいずれも童貞であり、似たような謂れはネットの発達する遥か前から存在していたようだ(といってもこのうち、ボールスのみは脱童貞済みであり、新たに貞淑の誓いを立てた事で聖杯を手にしたのだが)。
30歳以上になっても異性との性行為を行っていない男性を主題にした「中年童貞」という漫画が存在する。
転じて
何らかの界隈における半人前…で「一人前なら何度でもヤッて当たり前の行為」の「初体験」、成人式、通過儀礼を済ませていないこと。
などが挙げられる。多くの場合、その界隈自体が荒っぽい時に使われる。
医療現場での患者の死や、小売業での年齢確認時の逆ギレなどもかなりハードルの高いものであるが、相手は敵ではなく客なのでまず使われない。