花菱烈火
はなびしれっか
「姫は俺が守る!」
喧嘩の強い高校1年生。
正義感が人一倍強いが、熱くなりやすく冷静さにやや欠ける、いわゆる熱血漢。
父親は花火職人の花菱茂男だが、母親は茂男から早逝したと聞かされている。
生粋の忍者オタクで、同好の志を見つけると話が止まらなくなる。
勉強は全くできないが、唯一、日本史に関しては忍者フリークゆえに真剣に取り組んでいる。特に戦国時代については、忍者関連に繋がる内容についてかなり詳しい。
また家が花火職人なので、烈火も茂男の技を盗んでお手製の打ち上げ花火を仕込むことができる。
短気で時に子供っぽいところもあるが、知人や友人を誰よりも思い信じ、また物語が進むにつれて大抵のことで動揺しない肝と器を育てていった。
「裏武闘殺陣」ではチーム火影の大将を務める。
茂男の影響か女の子には意外に気遣いが細かく、また紳士的な顔立ちも整っているので女子に人気があるのだが、本人には自覚がない。
実は赤子の時、陽炎の「時空流離の術」によって戦国時代から現代に流されてきた、炎を出す力を持つ火影一族の炎術士である。
当初、突如自身の母である事を明かした陽炎を実母である事を信じられずにいたが、麗の刺客の凶刃から陽炎が身を呈して烈火を守り負傷した事を機に母親である事を実感してから慕うようになった。
なお、烈火は幼少の頃から母親は死んだと聞かされて育っていた。
また、陽炎から聞かされるまでは知らなかったがあの紅麗とは実は異母兄弟(紅麗が異母兄)である深い因縁があった。
炎術士として炎を操る力を持ち、またそれを利用して自宅の花火工房からくすねてきた“星”(丸薬として形成した花火用の火薬)を着火して炸裂させるという、忍者らしい戦法も得意。(のちに茂男直伝であることが判明している)
基本的には炎を纏った拳でのド突き合いが主戦法。八竜習得後は炎の型を主戦力とする。
初期の頃には、ファングッズの忍具を利用する場面もある。
右腕の手甲は炎の力を制御するための封印具であり、かなり頑丈で烈火もこれを防御に使用することがある。
炎の型「八竜」
炎術士の力の根源とされる、獣の形をした力の具象体。
烈火のそれは八尾の火炎の龍であり、しかもそれら全てが個々に意思を持っているという規格外なもの。
紅麗の館で逆転の賭けとして手甲を外した際、初めて召喚した。
その後、火影の隠れ里で陽炎が襲われた際に、弐式「崩」が気まぐれに力を貸したことから、裏武闘殺陣への特訓として彼ら八竜の力の習得を目指すようになる。
火竜の名前の頭文字を刻むことで発動する。
壱式「砕羽(さいは)」
鶏冠の様な一本角と八つの目を持つ火竜。
比較的温厚で協力的。崩とともに最初に烈火に力を貸した。
型は腕から垂直に伸びる炎の刃を形成する。
弐式「崩(なだれ)」
大きな目と裂けた短い顎をした典型的な龍の姿をした火竜。
八竜では最も烈火に協力的。砕羽とともに最初に烈火に力を貸した。
型は炎を複数の弾丸にして打ち出す。
参式「焔群(ほむら)」
四つに割れる嘴のような十文字の顎を持つ火竜。
裏武闘殺陣の一回戦にて、烈火を認めて力となった。
型は炎の鞭で、中距離からの攻撃を得意とするが、手に巻き付けて拳の威力を高めることも可能。
肆式「刹那(せつな)」
嘴の様な顎をもつ顔の無い火竜。
裏武闘殺陣の二回戦で、烈火の感情の高ぶりに呼応して力を貸した。厳密には刹那の文字通り「逆鱗に触れた」人物のせいで権現した。その為、烈火ですら型の恐ろしさを全く知らない状況での権現だった。
型は「瞬炎」といい、普段は顔の中央に隠れている巨大な単眼が開き、敵味方なく目を合わせたものを一瞬で焼き尽くす。
伍式「円(まどか)」
角の無い三つ目の火竜。
裏武闘殺陣の三回戦で、烈火が音遠を水鏡の放った「氷柱舞」から保護するために咄嗟に使用し、それ以降協力するようになった。
型は炎の珠を点として展開する多面体の防御結界。
睦式「塁(るい)」
爛れた肌と長い髪を持つ火竜。
裏武闘殺陣の準決勝で、火車丸の偽八竜に苦戦する烈火に協力し、力となった。
炎の型は烈火の想像したものを炎で具象化させる「幻炎」。
漆式「虚空(こくう)」
短い顎に単眼と逆立った鬣を持つ火竜。
火竜の中では最古参に辺り、その参謀的な位置にいる。裏武闘殺陣の決勝戦にてその全容を現した。
炎の型は、炎そのものを熱エネルギーのビームとして発射する八竜最大の攻撃型。
実は八竜の中では烈火の意思と無関係に現れており、人間の姿で度々烈火達の前に現れていた。
捌式「裂神(れっしん)」
二本の角と鶏冠のように生えた長い鬣を持つ火竜。
八竜の長であり、通常の召喚では決してその姿を現すことはない。
そして炎の型も最終決戦に至るまで秘匿され続けた。
合成火竜
異なる火竜の炎を同時召喚し、それを混ぜ合わせてまた異なる炎の型を生み出す。
裏武闘殺陣の準決勝後、チーム火影にお節介を焼く「謎の老人」(のちに漆式「虚空」と判明)の手引きによって“真の八竜の体得”し、使用できるようになった。
ただし使用には以下の規則が存在する。
- 火竜は習得順とは逆から召喚すべし。(ただ烈火はこれを度々破っている)
- 火竜にも相性があり、特に肆式「刹那」は誰とも協力したがらないため、合成には向かない。
- 使用の際にはそれに足る体力と精神力を消費する。強力な合成ほど、力の大きさに比例して消費する。
- 規則に反すると、その反動に準じて烈火自身にダメージとして跳ね返る。
- 崩 + 砕羽
- 無数の炎の刃が飛んでいく。
- 崩 + 焔群
- 無数の火炎の珠から焔の鞭が伸びる。
- 崩 + 円
- 相手を結界で封じ、支点となる焔の珠から多量の火炎弾を打ち出す。
- 崩 + 虚空
- 無数の火炎の珠から熱線を同時発射する、合成火竜でも特筆して威力の高い技。
- 砕羽 + 焔群
- 火炎の鎖鎌を生み出す。
- 砕羽 + 崩 + 焔群
- 巨大な火炎の珠を出現させ、そこから生やすような形で無数の火炎の鎖鎌を生み出す。
- 裂神召喚
- 七竜同時召喚によってのみ可能な、八竜最大の秘儀。裂神を呼び出し、その炎の型を使用する。肆式「刹那」を同時召喚できる唯一の例外でもある。
ネタバレがあります!
八竜達の正体は歴代の炎術士の中で様々な理由で無念の死を遂げた者がやがて炎の竜となった姿であり、それぞれの竜の能力は生前の炎術士の炎の型であった。
これらは実は呪いであり、これらを受け継いだ者は死ぬと炎の竜として次世代に受け継がれていく事になる。つまり、これを捌式までを受け継いだ烈火こそが火影忍軍で忌み嫌われた「呪いの児」だった。つまり、呪いの児として迫害された紅麗の方が生粋の炎術士であったのである(実はその能力が誤解されていた上にある炎術士と全く同じ炎の型だった)。さらに言うと八竜が烈火の炎の型と思われていたが、実は烈火自身は炎術士生来の炎の型が無い(=炎術士ですらない)事が後に判明する。つまり常人に宿った呪いの力だったのである。ちなみに正確には誕生してすぐにその八竜は烈火は受け継いでいなかったが、この呪いを既に受け継いでいた先代である人物の戦死で受け継がれたと思われる。
もし、烈火が死した場合は何の能力も持たない九番目の火炎の竜になってしまう事も意味する。
さらに捌式の正体は、烈火は人伝ての話でしか知らない存在であり、なおかつ烈火と紅麗達に深く関わる人物であった。
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