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概要

轟家の第一子・長男。父はエンデヴァーこと轟炎司。母は轟冷
享年13歳。劇中、物語が始まった時点では既に故人とされている。

彼が亡くなった当時、まだ幼なかった焦凍は彼のことをはっきりと憶えておらず、物語が進むにつれて、彼の両親や兄弟達の記憶を辿る形で徐々にその人物像が明らかになっていく。
全てを持って生まれた男の子・轟焦凍の誕生の裏には、彼の兄・燈矢とその"個性"を巡るもう一つの物語があった。

人物

轟燈矢は、両親の『個性婚』の末に、轟家の長男として生まれた。
幼い頃の彼は、幼少期の焦凍と同じく、エンデヴァーの手によってプロヒーローになるための英才教育を受けていた。
焦凍の語った過去を知った後であれば意外に感じるかもしれないが、少なくとも冬美が生まれたばかりの頃の轟家は、決して現在ほど険悪な関係ではなかった。
当時の炎司は燈矢に対して、焦凍に行っていたような過剰なスパルタ訓練は行っておらず、燈矢もまた父親との訓練に前向きに取り組んでいた。

この頃の炎司は、オールマイトを超えるためにヒーローとして戦い続けることに疲れ切っていたし、妻や子供達と過ごす日常にささやかな幸せを感じてもいた。
長男は炎司が望んでいた『半冷半燃』の“個性“(炎と氷の力を操る個性)は持っていなかったが、その代わりに燈矢には父によく似た直向きな向上心と、父以上に強力な炎の素質が宿っていた。

息子に期待を寄せる父と、父の期待に応えようとする息子。この時期は、轟家の過去の中で、最も幸せな時代だったのかもしれない。


しかし、燈矢が4歳の頃のことである。
燈矢と炎司がいつものように自宅の鍛錬場で訓練をしていた最中、燈矢は自身の“個性“によって手首に火傷を負ってしまう。
その火傷を不審に思った炎司が、燈矢に総合病院で検査を受けさせた際に、燈矢が父親の炎の力とは相反する母親の体質を強く受け継いでいることが明らかになったのである。
ここで言う「母親の体質」とは、彼女の氷を操る力に付随した「寒さに強い体」のことであり、つまり燈矢は炎を操る力を持つにも関わらず「熱に強い体」を持たない—―先天的に個性をほとんど扱うことのできない体質の持ち主であったのである。
またその事実を裏付けるかのように、生まれた頃は赤かった燈矢の髪の毛は成長とともに徐々に白く染まり始め、母親の面影がより強く外見に現れるようになる。
これにより燈矢のプロヒーローとしての道は閉ざされ、燈矢と轟家の物語は少しずつ狂い始めていく。

燈矢と炎司

燈矢の体質が判明したことにより、炎司は燈矢との訓練を中止し、それまでとは一転して彼に個性を使わないように言い聞かせた。
しかしそのことに納得ができない燈矢は、どれだけ炎司が言いつけてもまた一緒に訓練をしてほしいと父に迫った。
ただこのとき燈矢自身は「自分の体のことは自分が一番よく分かってる」と強がっていたものの、その体でプロヒーローを目指し続けるのがどれだけ過酷なことか、そしてそれが決して幸せな道ではないことを正しく理解していたのは、間違いなく燈矢ではなく炎司の方だったと言える。

炎司にも息子の身を案じる人並みの親心が無い訳ではなかったが、同時に燈矢の夢を否定せざるを得ないことへの後ろめたさと、時が経てばいずれ自分から夢を諦めてくれるだろうという浅ましい期待もあった。
それと同時に「オールマイトを超えたい」という執念は、依然として彼の中で消えることなく燻り続けていた。

その後、炎司と冷は激しい苦悩と衝突の末に、再び半冷半燃を持つ子供を得るために夏雄を生み、そして焦凍を生んだ。

弟たちが次々と生まれてきたことは、幼い燈矢に対して、父が自分を見限ったという事実を、どんな言葉よりも雄弁に物語っていた。
自分が偉大なヒーローだと信じていた父親は、本当は家族のことを自分の野望を叶えるための道具としか思っておらず、そして自分は「失敗作」の烙印を押された。
それが燈矢に夢を諦めさせる切っ掛けになるという炎司の願望とは裏腹に、これにより燈矢の生まれ持った「諦めの悪さ」は、更に間違った方向へと加速していくことになる。

炎司「ダメだ!それだけの火傷を負ってなぜわからないんだ!!」

燈矢「わかるはずないだろ…!俺はお父さんの子どもなんだから」

8歳の冬。炎司が禁止したにも関わらず、一人で訓練を続けていることを父親に叱られていた最中、衝動的になった燈矢は、まだ赤ん坊の焦凍に炎を向けて襲い掛かるという騒ぎを起こしてしまう。
結果的に未遂に終わったものの、この事件を機に炎司は燈矢、冬美、夏雄の3人を母屋に残したまま、焦凍を離れに移し、他の兄弟達と隔離して育てることを決断した。

燈矢は外見こそ冷によく似ていたが、内面的な素養は炎司のものを色濃く受け継いでいた。
炎司にとって、燈矢の夢を否定することは、身の丈に合わない愚かな野望を追い続ける自分自身を否定することに他ならなかった。
そこには様々な思いがあったにせよ、結果としてこのとき炎司は燈矢の存在から目を背けた。炎司は燈矢の父親であることよりもプロヒーローであることを選び、燈矢の心よりも自分自身の心を守ることを優先したのである。

燈矢と轟家

それから5年間。燈矢は表向き長男として妹や長弟と接しながら、その裏では父に隠れて独力で"個性"強化の訓練を続けていた。
この頃の燈矢は学校で友達を作ろうとせず、自分の部屋や訓練場で一人で過ごすことが多くなっていた。
燈矢は周囲の同級生を「住む世界が違う」と自ら突き放しており、現実のプロヒーローを父に持つ彼は、ヒーローを夢見るように語る子供達の間に馴染むことができずにいたのかもしれない。
冬美や夏雄は、そんな燈矢を気遣って遊びに連れ出しており、焦凍は彼らが遊んでいる姿を遠巻きに見ては羨ましく感じていた。

この時期の燈矢が唯一心を開いていたのは弟の夏雄であり、彼の前でだけは、毎晩のように泣きながら父親への恨み言をぶつけ続けるという感傷的な一面をさらけ出していた。
このことから当時の燈矢が父親、ひいては父親のようなプロヒーローが称賛されるヒーロー社会に対して、強い猜疑心を抱いていた様子が分かる。
ただ実のところ、父からの裏切りを経験した燈矢と、そもそも最初から期待すらされていない夏雄とでは、置かれていた境遇も父親への感情も全く違っていた。
燈矢は父親の背中を見続けていたが、夏雄は逆に父親をできるだけ遠ざけようとしていた。夏雄は燈矢のことを邪険に扱うことはなかったが、燈矢に共感することもできず、そのために燈矢は一層孤立感を深めていく。

このとき冷は燈矢が父に隠れて訓練を続けていることに気づいていたのだが、当の燈矢は自分をたしなめようとする母親や冬美の言葉を頑なに拒絶し続けていた。

冷「燈矢 おまえ…本当にヒーローになりたいの?」

燈矢「お母さんが何を知ってんだよ!?」

当時、父親に自分を認めさせようと死に物狂いで鍛錬を続ける燈矢の姿が、冷には「偉大なヒーローの父」という幻想に取り憑かれ、ありのままの自分を受け入れることができず、苦しんでいるように見えていた。
冷の言葉は決して間違っていなかったが、それ以上に燈矢にとっては、自分自身が父親の「失敗作」であることを認めてしまうのは耐え難い苦痛だった。
皮肉なことに、燈矢の幸せを願う冷の姿は、燈矢には母親が自分の生き方を押し付けているように映っていたのである。

燈矢が母に対する怒りをぶつけて以来、冷は燈矢から完全に心を閉ざされてしまい、家族の絆に深い亀裂が入ったまま時は流れていく。

燈矢の死

13歳の冬。幼い頃に父から教えられたノウハウを頼りに、ひたすら火力強化の訓練を続けてきた彼の個性は、もはや並みの中学生とは比較にならないほど強力な炎へと変貌していた。
この炎なら焦凍にも、オールマイトにさえも負けはしない。そう確信した燈矢は父親に訓練の成果を見せようとした。
このとき炎司は燈矢の痛々しい火傷跡を目の当たりにすることになるが、それを自分の責任と受け入れることが出来なかった彼は、燈矢の訓練を止めさせなかった冷に対して怒りを顕わにしたのである。

燈矢「すごいことになったんだ 必ず来て!」

炎司「何故止めなかった冷!!頼んだはずだ!!」

冷「私…もう育てられない。育てちゃダメなの…」

燈矢は自分自身を父親の道具であるかのように言いながら、涙を浮かべて父親に縋き、炎司はそんな燈矢を慰めることも、叱ることさえもしなかった。その様子から、炎司と燈矢がこの時には既に正常な判断力を失っていたことが顕著に表れている。
更に冷が精神病を発症し、炎司によって入院させられるのもその後間もなくのことである。
この時期の家の状況について夏雄は、母親の悲鳴と焦凍の泣き声を10年後の現在でも覚えており、当時の轟家の家庭環境がいかに壮絶だったかを物語っている。

そして運命の日。燈矢の伝えた約束の場所に、ついに父が現れることはなかった。
山の中に一人。心の中が負の感情で満たされた燈矢は自身の個性のコントロールができなくなり、不意に涙腺から炎を立ち昇らせる。
それにより熱に耐える体質を持たない燈矢の肉体は突如として発火し、冬場の乾燥した空気の中で、彼の余りにも強力な炎が、山中に燃え広がるまでにそう時間は掛からなかった。

瀬古杜岳の火事を聞きつけたエンデヴァーはすぐに現場へと駆け付けたが、そのときには最早何もかもが手遅れだった。
それでも燈矢の生存を信じて焼け焦げた山の中を必死で駆けずり回ったが、彼が発見した息子の遺品は、下顎の骨の一部だけだったという。

燈矢の死は轟家の家族の心に深い傷跡を残し、今日に至るまでその痛みは癒えていない。

彼の死以来、エンデヴァーは息子を死なせてしまった後悔と罪悪感から目を反らすように、より一層オールマイトと焦凍に対して強く執着するようになる。
冷は焦凍に対する、そして燈矢に対する罪悪感で心が壊れてしまい、精神病棟の中で療養生活を過ごす。
冬美は"普通の家族"への憧れと、家族がまだ仲が良かった頃の思い出を拠り所にして家を支え続ける。
夏雄は家族に次々と降りかかった問題に、自分自身が何もできなかったことに思い悩み、父への拒絶と自分自身に対する無力感に苛まれ続ける。
そして焦凍はいつしかヒーローに対する憧れを忘れ、父親に対する憎悪、母親に対する愛情を抱き続けながら成長する。そして彼は誰もが羨む類稀な才能を持ちながらも、父親から受け継いだ炎の力を封印したままNo.1ヒーローになることを強く誓い、物語の冒頭へと繋がっていくこととなる。

関連タグ

僕のヒーローアカデミア
轟家エンデヴァー(父・轟炎司)、轟冷(母)、轟燈矢(長男)、轟冬美(長女)、轟夏雄(次男)、轟焦凍(三男)




















ネタバレ注意




















そして轟家の悲劇はまだ終わってはいなかった

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