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まじっく快斗

まじっくかいと

『まじっく快斗』とは青山剛昌原作の漫画作品であり、シリーズのメディアミックス作品の総称。
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概要編集

青山剛昌初連載作品であり代表作の一つ。 略称は「まじ快」。

1987年より週刊少年サンデーにて連載開始。主な掲載の場は増刊号であり、『YAIBA』や『名探偵コナン』が本誌で開始しても並行して連載され続けていた。

昭和平成令和の元号を三つ通過する連載期間はサンデー史上最長である(ただし単行本の巻数は『名探偵コナン』が最多となる)。

現在は本誌での不定期な特別掲載が中心。


ポップでコミカルな漫画的演出が多用されており、現代を舞台としているが魔法や魔女といったファンタジー設定、自我を持ったロボットや毛生え薬などのSF要素も存在し、回によってギャグだったりラブコメだったりミステリーだったり変身ヒーローものだったりする。また、実は重い設定ながらも何故か明るい雰囲気の作風が特徴。

単行本1巻と2巻は1988年に発売されたがそれ以降は年数を大きく跨いで刊行しており、絵柄の大幅な変化もある意味では本作の特徴。


青山氏はこの作品を描くために漫画家になったと公言しており、思い入れの強さは随一であるらしい。


ストーリー編集

手品が得意な少年、黒羽快斗は世界的なマジシャンを父に持つ高校2年生。ある日、亡き父が残した隠し部屋を発見し、そこで最近再び世間を騒がせるようになった怪盗キッドの衣装を見つける。

この謎を知るべく、快斗は父譲りのマジシャンの知識とテクニックを駆使してキッドの逃走経路を見破り直接対決の末に勝利する。キッドの正体は父の付き人を務めていた寺井黄之助だったが、彼が明かした真相は快斗の父・黒羽盗一こそが怪盗キッドで8年前に何者かによって事故死に見せかけて殺害されたということだった。

真実を知った快斗は寺井の代わりに父の仇をあぶり出す為、自分自身が怪盗キッドとして活動することを決意する。

その後、17話『ブルーバースデー』にて父を殺害した組織と対面したキッド(快斗)は、組織の目的が世界中に散らばるビッグジュエルのどれかに秘められている命の石・パンドラの獲得であり、組織のボスの望みがそれを用いて実現する不老不死であること、パンドラ捜索の邪魔となったキッド(盗一)を殺害したことを知る。

この話以降、快斗は父の仇である組織よりも先にパンドラを入手して破壊するため、怪盗キッドとしてビッグジュエルを追い続けることとなる。


かいつまんで言うとダークヒーローによる復讐劇なのだが、読者にあまり重苦しい印象を与えないノリの軽い作品となっている。作者には"どんな窮地に陥ってもその状況を面白がれる人がプロフェッショナル"というモットーがあるらしく、主人公である黒羽快斗もその影響を受けているのかもしれない。


客演編集

『名探偵コナン』編集

初めてキッドが登場したのは1997年の156話。初期の客演では本人の内面描写がほぼ出ていなかったため、大衆に見せている「紳士的で不敵なトリックスター」という振る舞いの印象が強かった。当初は1回のみの予定だったが非常に人気を博した為、それ以降も劇場版も含めて定期的に登場しており、ゲストの枠を越えて立派な準レギュラーキャラである。工藤新一と顔も声もそっくりなので新一になりすまして行動する場面が多い。近年は視聴者にも分かりやすく本作の素が表に出るようになっている。怪盗キッド及び黒羽快斗や白馬探、中森青子、中森銀三などの人物はコナンと同一の世界観であるが、魔女である小泉紅子に関してだけは作者から「『名探偵コナン』の世界では紅子の魔法は無いという事でお願いします」と念入りに発言された。これは魔法の力による完全犯罪が可能になってしまうので推理もの完全否定となる弊害を回避するためである。彼女が魔法を使うシーンが『名探偵コナン』のアニメでは丸々カットされたこともある(ただし映像ソフト版ではカットされた魔法シーンが収録されている)。


YAIBA編集

実はコナンより先に共演している。怪盗キッドによる客演を通して、世界観がかなり異なる3つの作品が同じ世界の同じ時代に存在するという事になるのだが、そこのところは深く考えてはいけないと思われる。『まじっく快斗』番外編の「刃vs.快斗!」が『名探偵コナン』のOVAとしてアニメ化されたときは現実的なコナン側に配慮してコナンが見たという措置が取られた。

ちなみに『YAIBA』の一部のキャラは『名探偵コナン』にも登場しているが、流石に人外キャラ達が直接登場することは無い(風神剣や雷神剣が存在しないパラレルワールド)。


登場人物編集

本作のメインキャラ、準レギュラーキャラにはイメージカラーがあり、苗字や名前に色の漢字が含まれているのが特徴。


黒羽快斗 / 怪盗キッド(CV:山口勝平

中森青子(CV:岩居由希子高山みなみ藤村歩M・A・O

白馬探(CV:石田彰宮野真守

小泉紅子(CV:林原めぐみ沢城みゆき喜多村英梨


中森銀三(CV:石塚運昇石井康嗣

中森碧子

茶木神太郎(CV:田中信夫)(※)

黒羽盗一 / 初代怪盗キッド(CV:池田秀一

黒羽千影 / ファントム・レディ(CV:富沢美智恵

寺井黄之助(CV:肝付兼太矢田耕司羽佐間道夫


桃井恵子(CV:岩居由希子茅野愛衣種﨑敦美

紺野エリカ(CV:進藤尚美ゆきのさつき


スネイク(CV:大塚芳忠小杉十郎太

スパイダー / ギュンター・フォン・ゴールドバーグ二世(CV:浪川大輔


テレビアニメ編集

『名探偵コナン』のOVA第1作目だが、『まじっく快斗』の「刃vs.快斗!」が原作。

「刃vs.快斗!」にコナン視点のオリジナルパートを加えたものとなっている。そして夢オチ。

この頃のコナンにおけるキッドはまだミステリアスでクールなキャラとして描写されていたが、原作が原作なのでキッドのギャグシーンやコミカルなノリはしっかり再現されている。


『まじっく快斗』原作としては初のTVアニメ。

『名探偵コナン』2時間スペシャルの前半30分に「ブラック・スター」(まじっく快斗4巻)を放送。


  • 『まじっく快斗』(2010年版/全12話)

初の単独アニメ。キッドがコナンの枠をジャックするという名目で2012年まで不定期に放送。

ストーリー内には、本来の枠の主人公である江戸川コナンが必ずどこかに登場している。

制作スタッフは『名探偵コナン』と同じ布陣で制作されている。


初のレギュラーアニメ。詳細はタイトルのリンク先を参照。


おまけのページ編集

単行本の巻末に掲載されている描き下ろし漫画。

本編の内容が役者達によるドラマの撮影という設定になっており、本編をパロディにしたNG集や舞台裏が描かれている。所謂楽屋ネタであり、公式俳優パロでもある。

役者設定の快斗達の名前は演じている役名と同一だが、快斗が魚が平気だったり白馬が関西人だったり紅子が控えめな性格だったりと内面は必ずしも一致していない。監督として青山氏も登場している。

青子とアン王女が一人二役だったり、ケンタが別の番組主役をやっていたりとどう見ても無理のあるキャスティングもあるがそういうお遊びに溢れている漫画となっている。なお、「ブラック・スター」の新一はこのおまけ漫画の世界では快斗が一人二役で演じているに違いないと青山氏はコメントしている。


余談編集

  • 連載開始時代の頃はスカートめくりや下着の色の暴露といった行為はヤンチャ系主人公のお約束の一つとして描かれるのは珍しくなかった。しかし、当然ながら現代では立派なセクハラであり、原作でも回が進むにつれ描写されることは無くなっている。アニメ化にあたっては快斗が学校で読んでいた新聞紙がスマホやタブレットに、青子が快斗の母親とオンラインでビデオ通話をするなど時代設定の刷新がされたが、第一話という事情もあってか上記の快斗の言動は改変されていない。
  • さりげなくルパン』(新装版まじっく快斗第5巻収録)は青山氏が大学時代に執筆した本作の原型。主人公やヒロインの名前、トランプ銃など『まじっく快斗』と共通している要素が随所に見受けられる。
  • 最初期の絵柄はふわふわとした柔らかいタッチとトーン使いで少女漫画風だが、当時青山氏は少女漫画に影響を受けていたらしく、オマージュ元として松苗あけみ氏の名前を挙げている。
  • 劇場版『名探偵コナン』第1作「時計じかけの摩天楼」のクライマックスで、瓦礫越しにコナンが新一として蘭に語り掛けるシーンは本来『まじっく快斗』用に青山氏が温めていたアイデアである。また、第3作「世紀末の魔術師」に登場するインペリアルイースターエッグが光を通すとアルバムを浮かび上がらせるという仕掛けは本作の「レッド・ティアー」のセルフオマージュである。

関連項目編集

名探偵コナン 黒羽快斗 怪盗キッド 江古田高校 江古田組

怪盗キッドの変装 青山剛昌 週刊少年サンデー

マジシャン 怪盗 科学 魔法 SFファンタジー

1980年代 昭和 平成 令和


怪盗セイント・テール:コナンおよびアニメ2010年版と制作会社繋がりとなる怪盗もの。本作とは「マジックを駆使する」「(主人公が)親の後(因果)を継ぐ二代目」などの共通点がある。


TRICK:尊敬していた有名マジシャンの父の死因を探る手品師の主人公…という設定やストーリーに共通するものがある。


ブラックラグーン楽屋ネタが存在する他作品。敵対した双子を救うには必要な処置だったらしい。連載が長期化している共通点もある。

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