主よ、種も仕掛けもないことをお許しください。
ワン、ツー、スリー!!
皆さんに神の御加護がありますように。
また、この作品の主人公が怪盗として活動する時に名乗る名前でもある。→怪盗セイント・テール(キャラクター)を参照。
pixivタグとして
pixivでは、公式企画・続編・二次創作などの関連から様々な意味でややこしいタグになってしまっているので、検索には注意を要する。
単に本作のタイトルのみで標準(=部分一致)のタグ検索にかけてしまうと、本作の(公式・ファンジンを問わない)関連イラストのみならず、後述する「公式企画」(に、参加した人たちによる『セイント・テール』本編とは何ら関係の無いキャラクターが登場しているボツ作品)や、それによって発表された(本作原典とは異なるキャラクターが活躍している)「新章」、あるいはそれら以前に作られた二次創作によるファンジン作品など、その全てがヒットしてしまう。
そのため「怪盗セイント・テール」のイラストを検索する際には、作品名だけではなく、キャラクター名やカップリング名を用いた複数検索(あるいはキャラクター名もしくはカップリング名のみを用いた単独検索)や、完全一致検索の活用、特定の単語を含むイラストを除外するマイナス検索、あるいは特定の作品に対しては本タグ以外のその作品自体のみに用いられている独自のタグを用いることが望ましい。
特に純粋に本作(立川恵による「原作の」怪盗セイント・テール )のみの画像を求めている人は完全一致検索もしくは「新章」「マンガ募集」や「girls!」などの単語(後述する公式企画や新章に関連した単語)を用いたマイナス検索(除外検索)をかける事が推奨される。
また、こうした事情からpixivに上げられている本作の二次創作(同人)作品、特に二次オリの中にはあえて本作のタグをつけていない作品も散見される(主にはオリ主・未来設定&過去設定・UTSなど)ので、その手の作品を求める場合は可能ならば該当作品の執筆者に直接問い合わせるのが、最も手っ取り早い。
概要
講談社の少女漫画雑誌「なかよし」にて1994年10月号から1996年10月号まで連載された。連載終了後も「なかよし」本誌に追加エピソードが2作掲載され、さらに「るんるん」にも追加エピソードが1作掲載された。単行本は本編全6巻と追加エピソードをまとめた番外編1巻を併せた、計・全7巻。2011年には新装版全4巻が刊行されている。
当初は数話の短期連載だったが、1995年から1996年にかけて長期連載された。また、「マジシャン怪盗とそれを追う探偵の関係」と「恋愛」とを巧妙に組み合わせた、立川恵の代表作である。作者は影響を受けた作品として『ルパン三世』『キャッツアイ』『魔法のスターマジカルエミ』を挙げている。
また、いわゆる「怪盗もの」あるいは「義賊もの」として見た場合には少女漫画において早いうちから「奪還」と「犯罪被害者の救済」を主要素に置いており、それまでの「義賊・怪盗もの」とは、その部分において画期的であったと評される。
ただし同時に「実力行使(奪還)を伴う、犯罪被害の自己(他方による独自の)救済」に関しては、必ずしも肯定的に描かれているものではない(アスカJr.の存在や彼の言動、また本作の最終展開、などが一例として挙げられる)事もまた同時に特徴と言える。
テレビアニメ
東京ムービー新社(→キョクイチ東京ムービー、現在のトムス・エンタテインメント)の手によってアニメが作られ、1995年10月12日から1996年9月12日まで朝日放送制作ホスト・テレビ朝日系列局(一部系列局除く)にて放送された。同期作(前枠番組)は『H2』である。ただし『H2』の方が半年早く始まっており本作同様1年で終わっている(1995年4月~1996年3月)ため、その後番組はバラエティ番組(視聴者投稿番組)に転換された。
全43話+おまけ。ただし広島ホームテレビではプロ野球シーズン期間中、広島東洋カープ戦の中継を行ったため、放送日時振替が行われたことがある。
グッズ等の商業展開はセガが受け持った。アニメと同じく桜井智を主演に迎えたファミリーミュージカルまで手がけた自重しない商業展開は当時のファンの語り草でもある。後にDVDのおまけ冊子でのインタビューで本気かは不明だが、セイントテールを5人に出来ないかと言われたと監督が語るくらいセガは入れ込んでいた。
実はセガ・東京ムービー・講談社なかよし、各社各セクションの経営企画上においては、本作は『魔法騎士レイアース』の後継企画という立場にあり、制作・営業・企画の各セクションにおける各社主要スタッフは同作とほぼ共通している。
本作終了後アニメ枠が廃止されてしまった(後番組は前述した『H2』の枠と統合されて成立した1時間番組のクイズバラエティ『超次元タイムボンバー』である)ため視聴率低迷のための打ち切りと見る人も多いが、枠廃止に関しては実際は当時のテレビ朝日の経営混乱に巻き込まれてしまったためであり、作品そのものは元から1年の予定で作られていた(蛇足ながらこれは当時のテレ朝アニメの基本フォーマットであったそうな)。ゆえに本作は打ち切られたわけでは無い(原作の終了に合わせる形での終わり方であったうえ、内容も原作に合わせた、女の子向けらしい終わりであった)。もっというなら、女性もしくは女の子向けの漫画原作のアニメはアニメ化自体それほど多くなく、まして原作最後までとなれば男性漫画原作でも最後までいかないことは多々あるため上記のゴタゴタがあったが商業成績もまずまず良かったようである。そもそも局側が経営方針の転換から「人気とか視聴率とか関係ない。局の新たなイメージのためにおれたたでいいから早く終わらせろ(前番組でもやっただろ)」状態だったのを、スポンサー(セガ)やアニメ会社(東京ムービー/トムス)の尽力(視聴率や商業成績と1年枠とする当初の契約の固持の提示)によって延命による完結まできちんとこぎつけてけているので、客観的に見ても大成功した作品と言ってさしつかえないだろう(同期作であった『H2』は成績も悪くはなかったのに2話を残して打ち切られており、局側としては『セイント・テール』も同タイミングで打ち切る心積もりであった可能性が高い)。本作はその意味でもセガの本気であったのだ。
またこの作品が最後まで行けたのは原作がいいタイミングで終わらせられたことも大きい、さらに女性向けは基本的に恋愛要素が絡むためアニメを延ばし辛いのだが、本作はそれを縦軸としながらも基本は「セイント・テールによる奪還劇」という一話完結型のパターニングに沿った物語構造を持つため、アニメ版ルパン三世のように原作に影響のないオリジナルが制作しやすかったのも最後までアニメ化できた要因だろう。(これを見越してルパン三世と同じ東京ムービーにした可能性もある)
実はNHKとテレビ東京系列を除く4大民放テレビ局系列として2023年時点で最後のゴールデンタイムの女性漫画原作の連続アニメでもある。その為、現在でもコアなファンが多い。(このピクシブ記事をみてもよくわかる。)
また主人公の髪型が、ロングからポニーテールに変わるため、この作品でポニテ好きになったという人もいる。
映像ソフトについて
放送期間中から放送終了後にかけて、ポリグラム日本法人からセル14巻レンタル11巻でVHSビデオならびにレーザーディスクがそれぞれリリースされた。しかし1998年にポリグラム本体(米国法人)の買収騒動が起こり、深刻な経営の混乱を起こした(混乱最中の2000年に250億円の申告漏れを起こし100億円の追徴課税)ことからバンダイビジュアルへと出版権(メディアソフトにする権利)を売却した。
その後映像ソフト媒体がVHSビデオからDVDに移行していくさなかの2004年にそのバンダイビジュアルからDVD-BOXが出された。
ところが2005年にバンダイビジュアルを含むグループのバンダイナムコ(バンナム)への再編が始まり、2007年からバンダイビジュアルのバンナムへの完全子会社化と再編が行われ、再び経営混乱に巻き込まれた。この際コンテンツ管理も一部混乱し、結果として2008年、東京ムービー(トムス)と取引関係があったタキコーポレーションから再DVD-BOX化された。この時のDVD化はコンテンツ管理を混乱させたバンナムにキレたトムスが自身に与えられていた二次版権(三次著作権)を用いてタキに(バンナムへの相談なしに)直接DVD化させたものだった(当時のバンナムが持っていたのはポリグラムから譲られた三次版権であるため当然トムス側の方が著作権限は強い)。そのためタキ版は一部のファンより「TMS版・トムス版」とも呼ばれている。
その後タキコーポレーションが経営破綻したためDVD-BOXの入手がほぼ不可能になったのだが、のちに講談社の仲裁でアニメ版のソフト出版権がバンナムグループに戻され2014年に(バンダイビジュアルと協力関係にある)NBCユニバーサルから「なかよし」60周年およびトムス50周年記念企画としてBlu-rayBOX化された。ただこちらも初回限定生産のため、おいそれとは入手しづらいものとなっている。
続編・新章について
なお、2017年6月に『なかよし』編集部が「続編」を連載したい構想を掲げ、pixiv上で「新作を手掛けて下さる方、出てこいやー!!」という企画が行われた。
その結果に基づき、2018年9月にpixivと講談社が共同で手掛ける漫画アプリ「Palcy」にて、その「続編」である『怪盗セイント・テールgirls!』が全4回(1話前後編であるため実質2話+おまけ)で発表された。作者はやもり四季。という人。なお単行本は電子書籍限定で全1巻(紙書籍としての出版はされていない)。
上述した「本作の検索には注意を要する」「複数検索やマイナス検索を活用する」というタグに関する注意は、これが主な原因である。
続いて見舞われる受難
上記においても少しふれたように、本作品は作品そのものとは関係のないところでトラブルが続いた作品であった。それこそ事ある毎に受難に見舞われるセイントたちのように。
- 前番組は日アニ版『魔法陣グルグル』である。同作もまたテレビ朝日の基本フォーマットに基づいた1年間の予定通りの放送であった。しかし同作は原作より「RPGパロ」という独自性を見せて好評を受け人気を集めていた上で、その終わり方が俺たちの戦いはこれからだ!のパロディであったため、そのパロディが理解できない一部アニメファンの怒りが、その後を受けて放映された本作に向いた(ちなみに本作の独自性に関しては上述の通りで、当時において番組に対してアニメマニア層から出された独自性に関する批判は、ほぼ間違い)。結果、リアルタイム放送時は、のちに同じテレビ朝日系列(24)局で放送された「キューティーハニーF」「明日のナージャ」「ふたりはプリキュアSplash☆Star(プリキュアSS)」とかでよく聞くような評判が出てしまった(上述したアニメ枠終了に伴う打ち切りや商業不振の誤解はこれがおもな原因。なお「キューティーハニーF」以外の2作品は、いずれも朝日放送ホストで「なかよし」連載の作品である。まさに皮肉としか言いようがない)。むしろそれらの作品の先輩格と言えない事も無いが、商業的には上記の通りであるため、その部分で差異はある。むしろ「ナージャ」や「プリキュアSS」とは「一度でも魅力に気付いたファンは離さず評判としての息は長い」「前番組と離れて見られた場所では評価は高い」などの共通項が見られる。
- グルグル側としてはあくまで(同作においては表現手法として当たり前の)パロディである上に、作品構造からくる商品展開(いわゆるロイヤリティ販売ビジネスモデル。おもちゃ等のグッズを中心として利益を出すやり方)のやり辛さや原作不足の事情もあり、原作ストックの拡充を待ったあとでコンテンツ販売ビジネスモデル(放送後にメディア販売を行って利益を出すやり方。製作委員会方式)を用いる形で仕切り直して、第2期を発表することを意識しての終わり方だったのだが、当時(90年代半ば)は人気アニメはオリジナル展開を挟みながら放送延長を行うのが当たり前であったため「いったん放送を終了して2期を行う」という考え方自体が理解を得られなかった(なお、現在のようにクール切りを行い続編を作るのがメジャーになっていくのは90年代末期から2000年代にかけて、テレビ東京のアニメの一部がこれを行うようになってからの話である)。そのせいか、「続編」はテレビ朝日系列での放送が許されなかった(別の系列への移籍を余儀なくされた)。
- 上述したテレビ朝日の経営混乱に巻き込まれたせいで、テレ朝木曜19時アニメ枠は本作をもって終了したのだが、それに伴って本作はテレビ朝日毎週月~木曜19時台最後のアニメ作品となってしまった。以降、テレビ朝日のレギュラーアニメ枠は長らく金曜19時台→土曜16時30分~17時30分の1時間枠およびニチアサという限られた時間のみのものとなっていたが、2020年1月期に放送された「虚構推理」以降は土曜深夜にレギュラーアニメ枠の設定を行っている(なお正式設定は2020年4月から。しかも2020年10月からは朝日放送ホスト枠も加えた1時間枠かつ系列24局同時ネット枠に移行) 。さらにテレビ朝日系列放送のトムス・エンタテイメント単独制作アニメも本作をもって中断となった。
- 上述の通りテレビ朝日の経営混乱によって風評被害めいた評価を受けた本作だが、その後も米国ポリグラムの買収騒動に端を発するポリグラム日本法人(現在のユニバーサル・ミュージック日本法人)の経営混乱による版権放出、玩具製造販売とグッズ化提携を担当していたセガ(のちのセガサミーHD)の経営混乱に伴う版権混乱および整理に巻き込まれ、さらにはタキコーポレーション(より正確にはトムス)からの(講談社とバンダイから見れば)経緯不明な再BOX化なども行われ、一時期(2000年代)版権が大混乱した。
- 現在は1次著作を持つ立川、出版権(1次版権・2次著作)を持つ講談社、アニメによる2次版権(ネット配信などの権利)を製作会社であるトムス(東京ムービー)、メディア化およびグッズ商品化の3次版権を講談社とつながりの深い、バンダイビジュアルを筆頭とするバンダイグループ(およびその協力会社)が行うことで一応は落ち着いている。
- だが、そもそも関係各社で経営混乱を引き起こさなかったのは、それこそ講談社くらいのもの(それでも『なかよし』編集部は「セラムンシリーズ」終了後から始まった幾度もの方針変更で迷走ともとれる混乱事態に陥った。その結果、立川は2002年に『なかよし』から追い出され)、制作会社である東京ムービーはセガグループの再編により本作の製作放映中に「キョクイチ東京ムービー」となり後に「トムス・エンタテインメント」となった(それでも制作会社として2次版権を手放さなかった)上、系列主幹のテレビ朝日も買収騒動に揺れて上述のように経営が混乱しアニメ枠の放棄(当然、系列である事から本作のホスト局も巻き込まれた)に至り、ポリグラム日本法人は本作の版権放出の上でユニバーサル日本法人へ、セガも後に経営不振からサミーの支援を受けてセガサミーHD(セガ本体はセガサミーHD傘下のセガゲームスになった)に、バンダイビジュアルは2007年の親会社の経営再編に巻き込まれ、さらにタキ・コーポレーションも倒産(映像部門は新規設立されたオデッサ・エンタテインメントが引き受けたが、本作の出版権に関してはバンダイビジュアルが買い戻してNBCユニバーサルに「レンタル」)と、実は関わっているほとんどのメディア会社が混乱に陥っている。これに関しては時代性もあるが、あくまでも偶然であり本作には欠片も落ち度はない事はご理解をいただきたい。「悲運の名作」とはこの事か。
- ちなみに2014年に本作のBlu-rayBOXを出したNBCユニバーサルだが、旧ポリグラムと同じユニバーサル系ではあるものの系列が異なる。NBCユニバーサルは旧ジェネオン(さらに言えば旧パイオニアLDC)であるため、旧ポリグラムとは何の関係も無い。NBCユニバーサルから本作のBlu-rayBOXが出されたのは、葦プロを通じたバンダイビジュアルの協力会社であったためである。
- 実は2004年ごろに作者である立川恵は、本作の番外編(あるいは正統続編)を執筆しようとしていた事がある。当時の立川は『電脳少女☆Mink』での体調不良から端を発した上での『なかよし』編集部からの新世代育成における「整理対象作家」とされてしまったため『なかよし』本誌や関連誌・増刊での発表枠の確保が見込めず、個人誌(自作同人誌)での発表を目論んでいた。が、立川からこの相談を受けた『なかよし』編集部は、自社との契約と上記のメディア会社の経営混乱を主な理由に、立川本人による本作の続編および番外編の執筆を差し止めた。
- その代案として『なかよし』編集部の許諾を受けて発表されたのが同作者作品である『夢幻伝説タカマガハラ』の同人誌版(中学編)である。
- 当時の『なかよし』編集部は、編集方針としてメディアミックスの縮小や、過去作に頼らない新規コンテンツの育成を重視していた事情があった。『だぁ!だぁ!だぁ!』の終了に伴い『超くせになりそう』から『カードキャプターさくら』を経て確保できていたNHKの枠を手放したのもこの頃である。さらに『おジャ魔女どれみシリーズ』(たかなししずえ版。当時は『ドッカ〜ン!』)が減ページ(15~20ページ→8ページ弱に削減)され、また一方で武内直子の『ラブ・ウィッチ』および『とき☆めか』が連載中断(のち事実上打ち切り)に至る、などの混乱が起こっていた。一方で、この時期にメディア化まで果たしたのが『東京ミュウミュウ』と『ぴちぴちピッチ』だが、これはなかよし編集部を説得して同誌のメディア連携枠をなんとか維持したいと考えていたメディア側と講談社上層部が必死に動いたためである(両作とも原作に脚本家を配して最初からアニメ化を行う事を前提にしてプロジェクトを回していた)。
- そして本作新装版を見れば解るのだが、そうやって『なかよし』からの許諾を受けられずに手をこまねいていく間に立川恵自身のイラストタッチは本作発表時のものと比べて大幅に変わった。上述の続編作家の募集はこの事情を勘案されてのものでもある(のだが、ここまでの流れを知る往年のファンからしてみれば、のちのちもこれからも一件を愚痴りたくなるのもやむかたない経緯でもある)。
- ところが2010年代半ば以降『なかよし』編集部は、東映アニメーションに引っ張られてしぶしぶアレのリメイクアニメをやらかした挙句に結果、味をしめてアレの新作の連載おっぱじめる(しかも開始早々アニメ化決定)などと、これまでとは逆に過去作にすがる姿勢を見せてしまっている。本作の続編構想は、こうした流れの一環として浮上した様なものと言えよう。
ストーリー
マジシャンの父と、元怪盗の母を持つ中学2年生の少女羽丘芽美は、夜になると自らが住む聖華市に出没する怪盗セイント・テールとなる。芽美は、学院礼拝堂の見習いシスターにして情報アシスト役の親友深森聖良と共に、巧妙な詐欺や窃盗で巻き上げられた金品を盗み、本来の持ち主(迷える子羊)に返していた。
狡猾にして強靭な悪を挫くセイント・テールの姿は、街の人々におおむね好意的に受け入れられる。ところが一方で「ドロボーはドロボー。悪い事は悪い事。悪い事を正当な手段なく悪い事で返す事は決して許されない事」として、それをよしとしない少年がいた。それが芽美と聖良のクラスメートである学年トップの秀才少年飛鳥大貴だった。名刑事の息子であり、ゆえに人々から「アスカJr.」と呼ばれ、推理力に長け捜査協力の実績もあった彼は、なんとセイント・テールの捕縛を宣言して彼女を追い回すようになる。さらには、その行動を市長に高く評価され「セイント・テール専任捜査官」の権限を持たされるに至る。
当初は生意気なアスカJr.の態度や、傍目には迷える子羊たちを見捨てるかのように見える言動に、怒り心頭の芽美であったが、彼に追いかけ回されるうち、徐々に彼にも信念や真摯な考え、明らかな正義がある事を理解する。そして芽美は徐々にアスカJr.に惹かれていくとともに、自分がセイント・テールである事を彼に知られてしまう事に対して怯えるようになってしまう。
登場人物
羽丘芽美 / 怪盗セイント・テール(CV:桜井智)
原作各話および収録作リスト
収録リストは新装版ではなく初出単行本であるKC版に準ずる。
なお新装版には連載時のカラーページ再現を巻頭口絵のピンナップとして収録しているが、KC版にあった同時収録読切の作品や立川恵による著者コメントは収録されていない(キャラクターに関するデータのみ新装版4巻の巻末に収録されている。ただしこれは元々KC版の作者コメントの一部として収録されたものであり新規の資料では無い)。
第1巻
話数 | サブタイトル | 発表号 |
---|---|---|
第1話 | 怪盗セイント・テール登場 | 1994年10月号 |
第2話 | 予告状と挑戦状 | 1994年11月号 |
第3話 | 女の子の気持ち | 1994年12月号 |
第4話 | 告白 | 1995年1月号 |
同時収録読み切り(第1巻)
- あさがおのポートレート
- 春を呼ぶオルゴール
第2巻
話数 | サブタイトル | 発表号 |
---|---|---|
第5話 | セイント・テールの初デート | 1995年3月号 |
第6話 | チェリー・ブロッサム | 1995年4月号 |
第7話 | 涙の秘宝展 | 1995年5月号 |
第8話 | 大好き | 1995年6月号 |
第9話 | ウエディング・リハーサル | 1995年7月号 |
第3巻
話数 | サブタイトル | 発表号 |
---|---|---|
第10話 | アスカJr.のいちばん長い日 | 1995年8月号 |
第11話 | ダイヤと夜空とハリネズミ | 1995年9月号 |
第12話 | パートナーチェンジ | 1995年10月号 |
第13話 | 鏡の中の芽美 | 1995年11月号 |
第4巻
話数 | サブタイトル | 発表号 |
---|---|---|
第14話 | クリスマス・コメット | 1995年12月号 |
第15話 | スノー・ドロップの魔法 | 1996年1月号 |
第16話 | 秘密のバレンタイン | 1996年2月号 |
第17話 | アイドルはだれだ!? | 1996年3月号 |
第5巻
話数 | サブタイトル | 発表号 |
---|---|---|
第18話 | ふたりの小夜曲[セレナーデ](前編) | 1996年4月号 |
第19話 | ふたりの小夜曲[セレナーデ](後編) | 1996年5月号 |
第20話 | 海に帰った真珠 | 1996年6月号 |
第21話 | 宝物はすぐそばに | 1996年7月号 |
第6巻
話数 | サブタイトル | 発表号 |
---|---|---|
第22話 | パンドラの少女 | 1996年8月号 |
第23話 | 鏡の中の真実 | 1996年9月号 |
第24話 | ラスト・マジック | 1996年10月号 |
同時収録読み切り(第6巻)
- 16歳のティアラ(立川恵デビュー作)
- くじらが飛んだ日
第7巻(番外編巻)
話数 | サブタイトル | 発表号 |
---|---|---|
番外編1 | セイント・テール誕生! | 1996年11月号 |
番外編2 | クリスマスのおくりもの | 1996年12月号 |
番外編3 | 聖良ちゃんと佐渡くん | 「るんるん」1997年3月号 |
同時収録読み切り(第7巻)
- ひ~ふ~み~
- 真夏にジャストミート
アニメ各話リスト
話数 | サブタイトル | 対応原作話 | 話題 |
---|---|---|---|
1 | 登場!キュートな大泥棒!? あなたのハート盗みます | 第1話 | 放映初回。1Hスペシャル特番。第2話と同時放映 |
2 | 素敵なライバル! アスカJr. | 第2話 | 第1話と同時放映 |
3 | 芽美の恋人はハリネズミ!? | 第11話 | ここからレギュラー放送。ルビィ初登場。商品展開の関係から強引に中期の話を初期に持ってきている |
4 | ウェディングヴェールは大嫌い | 第3話 | |
5 | 幸せ伝説!? 時計台の大騒動 | 第5話 | |
6 | 強敵現る! 転校生リナ | 第6話 | 高宮リナ初登場回 |
7 | 涙!なみだの初ランデブー!? | 第7話 | |
8 | ピンチ!落とし物にご用心 | 第8話 | リナによる芽美への追撃が開始 |
9 | コンテスト会場は大混乱! | 第9話 | |
10 | 告白…しちゃった!? | 第10話 | リナとアスカJr.の賭け。リナの追撃が収まる |
11 | スクープ写真で学院祭大騒動 | 第12話 | 佐渡真人初登場回 |
12 | 仰天!大トカゲのサンタ!? | 第4話 | |
13 | 神秘!ローザ王女の鏡 | 第13話 | |
14 | 愛と涙のプラットフォーム | オリジナル | |
15 | 宝石泥棒を追え!名犬リトル | オリジナル | |
16 | 中華の鉄人を盗め! | オリジナル | |
17 | バレンタインのハート泥棒!? | オリジナル | |
18 | さわると危険!超電流の罠 | オリジナル | |
19 | 彗星大接近!地球最後の夜!? | 第14話 | |
20 | 幻の怪鳥の卵を取り戻せ! | オリジナル | |
21 | 思い出のハーモニカを盗め! | オリジナル | |
22 | UFO現る!? 町は大騒ぎ! | オリジナル | |
23 | ニセ予告状!? 秘密の香水の罠 | 第15話 | 春の1Hスペシャル。24話と同時放映 |
24 | 許せない! 家を壊す悪者たち | オリジナル | 23話と同時放映 |
25 | 強敵!エリート女刑事と対決 | オリジナル | 北村楓刑事・登場&退場回 |
26 | 芽美が大富豪の息子と婚約!? | オリジナル | |
27 | 美少女アイドルを救え! | 第17話 | リナ策謀編・開始回 |
28 | 市長の陰謀!白鳥を盗め(前) | 第18話 | アスカJr.とテールの共闘回 |
29 | 市長の陰謀!白鳥を盗め(後) | 第19話 | リナ策謀編・終了回。アスカJr.とテールの共闘回 |
30 | 正体がバレる!芽美危機一髪 | 第16話 | アスカJr.(キツネさん)の階段落ち回 |
31 | 月の宝石を盗め! | オリジナル | |
32 | 女子マラソン選手の靴を盗め | オリジナル | |
33 | 少女剣士の願い!名刀を盗め | オリジナル | |
34 | サラブレッドを取り戻せ! | オリジナル | |
35 | ”幸福の樹”を取り戻せ! | オリジナル | |
36 | 自然の宝・美しき蝶を守れ! | オリジナル | |
37 | 幻の名画!帰って来た女探偵 | オリジナル | 永田智子探偵・登場&退場回 |
38 | 爆笑!ドタバタ探偵団大活躍 | オリジナル | Noiseな2人回。聖ポーリア探偵団登場 |
39 | ”白いイルカ”を海へ帰せ! | 第20話 | 子ども向けのアニメ絵本ではここで完結(おれたた) |
40 | 母の秘密!女怪盗の復しゅう | 第21話 | 最終決戦編・開始回。アスカJr.が芽美に告白。真珠(先行)登場回 |
41 | 強敵!? かわいい悪魔のワナ! | 第22話 | 真珠本格登場回。ローズマリー登場 |
42 | 母の敵! ローズマリーの陰謀 | 第23話 | 仙道親子猛攻回。テールの正体が仙道親子によって強引にアスカJr.へと明かされる |
43 | 最後の闘い!アスカを救え | 第24話 | 最終決戦編の終結。アスカJr.が芽美を(婚約指輪で自分の伴侶として)逮捕 |
※1 初回は1時間スペシャル。第1・2話を連続放送。「おまけ劇場」としてSDキャラが活躍するアニメオリジナルの掌編『やきいも大作戦』も制作および放映。
※2 原作における「番外編」のエピソードはアニメ化されていない
主題歌
オープニングテーマ
「時を越えて」
(1~24話)
作詞・歌 - 松雪泰子 / 作曲 - 松本俊明 / 編曲 - 黒羽康司
「明日へと駆け出してゆこう」
(25~最終話)
作詞・歌 - 松田聖子 / 作曲 - 松田聖子・小倉良 / 編曲 - 鳥山雄司
エンディングテーマ
「純心」
(1~24話、初回放送のみ特殊エンディング)
作曲・歌 - 井上昌己 / 作詞 - 古賀勝哉 / 編曲 - 京田誠一
「Up Side Down -永遠の環-」
(25~38話)
作曲・歌 - 井上昌己 / 作詞 - 古賀勝哉 / 編曲 - 森園勝敏
「夢みるメロディー」
(39~最終話、最終話のみラストイラスト変更)
歌 - 梶谷美由紀 / 作詞 - サエキけんぞう / 作曲・編曲 - 鈴木智文
ラストイラスト
第3エンディングは第2エンディング同様に明るい歌詞としながらもラストイラストは背を向けながら歩く芽美とアスカという第1エンディングを思わせる哀し気なものとなっていた。
これは最終章の展開を暗示させたもので、最終回で和解・両想いとなった際には芽美とアスカを中心にルビィ、聖良、里奈、佐渡、恭子、涼子、千葉、靖広といった学園仲間+1による大団円となっている。
関連イラスト
関連タグ
機動新世紀ガンダムX:本作同様、テレビ朝日の経営混乱に巻き込まれたアニメ作品。
まじっく快斗:アニメ版制作会社繋がりとなる「(正義の)怪盗」で「マジックを駆使」「親の宿命を継いでいる」など共通点が多い(怪盗キッドVS怪盗セイント・テール)。
神風怪盗ジャンヌ:放送局つながりの「(少女向け)正義の怪盗」としての後輩。
快盗戦隊ルパンレンジャー 快盗天使ツインエンジェル:こちらは正義の快盗繋がり。
ハーメルンのバイオリン弾き:テレビ朝日の経営混乱がなければ、本作の後番組になる予定だったアニメ作品。
。
スーパーマリオRPG:なにかんがえてるので、主よ、種も仕掛けもないことをお許しください。の演出があった。ただし時代が違うため、リメイクでは変更される可能性が高い・・・と思われたが変更されなかった。恐らく、ザコキャラなのとなるべくリメイク前と同じように再現する方を優先したこと、現在の規制に引っかかるものではない為だと思われる。
極楽とんぼ:TV放送時、宣伝特番に進行役として出演していた。後に一人が不祥事をおこしたことを鑑みれば、ある意味、呪われているのでは?と思わざるを得ないくらいこの作品のTVアニメ版はゴタゴタに巻き込まれている。