仙道真珠
せんどうまじゅ
年齢 | 11歳 |
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CV | かないみか |
本作最終盤において聖華市にオープンした占いハウス「パンドーラ」において、様々な悩みを抱えている人々の運勢を占い、それに基づいて困った人たちにアドバイスを贈って助ける事を生業とする少女。本気で困っている人に理解を示し、時に厳しい事を言い、時に優しく包む、心優しい理解者の笑顔を絶やさない、天使のごとき善意の占い師。
初登場は原作22(アニメでは41)話。聖ポーリア学院の前をはじめとして聖華市中に開店のチラシをバラ撒き、芽美とアスカJr.にも「彼氏と一緒にぜひ来てね! 」と誘った。瞬間、照れで硬直した二人を「かわいい」と評して好意を示す。
のちに彼女の占いは街中に大流行。学院でも話題になる。その事から芽美も恭子に薦められてアスカJr.と共に行く事に。だが、彼女が芽美に対して行ったアドバイスは「彼女は彼に一方的な約束と大きな隠し事をしている。これがある限り、二人の恋愛がうまくいく事は無い」というものだった。この言葉にアスカJr.は激怒するが、芽美は何も言えず沈黙してしまう。
実は密かにメデューサの髪を模した、かぶりもののドッキリコスプレグッズ「めでゅーさちゃん」がお気に入り。一度コレで芽美のドギモを抜いた。
一方、その頃。聖華の街では家伝の骨董や思い出の品が、次々と持ち主の記憶の無いままに失われてしまう事件が多発し、聖良の元にも数多くの相談が持ち込まれるようになって…………。
※ 以下「最終決戦編」最大のネタバレ |
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かつて遠い街で怪盗ルシファー(芽美の母である羽丘映美)と覇を争い、決着がつかずに別れた怪盗ローズマリーという女性怪盗がいた。真珠はローズマリーの養女である。
すでに引退して専業主婦となったルシファー(映美)の娘である芽美とは異なり、生粋の怪盗としてローズマリーより悪の英才教育を受けており、ローズマリーが特に得意とする催眠術を最大の武器として操る。他にはナイフ投げが得意。ラヴェンダーのアロマ香を催眠術のキーとして用いており、そのための携帯香炉を常備している。その悪(怪盗)のエリートとして鍛え上げられた腕は、セイント・テールすらも手玉に取るほど。
前述の善意の顔は、人々を油断させるための仮面に過ぎず、その本性は非常に勝ち気でませたもの。まさに天使のような悪魔の笑顔を使いこなす魔少女。他者を陥れることに対しては良心の呵責をカケラも感じない悪い意味での無邪気な性格でもある。こうした性格や悪のエリートとして培われた後述する感性も伴い、その本性は11歳という若い身空である種の境地に至っているという末恐ろしいドSロリである。
催眠術の中でも、特に暗示と巧みな話術を用いたマインドコントロールを得意としており、前述の「いつの間にか大事なものが無くなる」事件も彼女の仕業。
カルト新興宗教が用いる霊感商法のごとく、相談にやって来た人々に対し「あなたの悩みは、あなたの家が代々大事にしてきた値打ちある品物のせい」あるいは「あなたが思い出などを後生大事にしているから悩みが払拭されないのだ」と説き、それ(価値ある品、思い出の品)を譲り渡すように催眠術でマインドコントロールをかけて街の人々の大事なものを奪ったのである。そして、相手が正気に戻った際にはマインドコントロールを否定して「相手が品物を私たちに譲渡したのは自由意思のもとに行われた正当な行為。自由意思の元に譲渡された以上、返却義務は無い」と主張し嘯いた。
なお先ほど初登場は原作22(アニメでは41)話と記したが、実はその前の話、原作21(アニメ40)話の怪盗パート最終シーンにおいて「そのスタールビーはあなたをおびきよせるために競売に出したのよ『怪盗ルシファー』……やっと見つけたわ」の言葉を発した者こそが真珠であり、このシーンこそが真珠の本当の初登場である。
その目的は母の願う「怪盗ルシファーへの復讐」の成就。ルシファーとそれに繋がる者を二度と立ち上がれぬ悪夢の屈辱の底へと貶め堕とす事。怪盗ローズマリーと怪盗ルシファーとの因縁から、セイント・テールに目をつける。
ローズマリーを実の親のように慕っており(というか、ほぼ共依存関係にある)彼女の言葉と行動に服従している少女。その事もありローズマリーの復讐に加担している。とはいえ、母の「かわいいもの好き」や「抱きつきグセ」に意見するなどの場面もあり、考える事を全てローズマリーに預けて完全服従しているというわけではない。ローズマリーを慕い、母を慕い加担しているのは真珠自身の意思である。
その過程でセイント・テールの存在を知る。のち自身が営む「裏の商売」を邪魔された事に憤り、セイント・テールと対立。その後はローズマリーの命令に従い母子の連携をもってセイント・テールやアスカJr.を特に精神的に追い詰め苦しめた。
セイント・テールが最も嫌う「街の人々から大事なものを取り上げて、その手の届かない場所へと売り捌く」事を大事な商売(自分たちが世の中で生きるための手段)とのたまう生粋の生業盗賊。
セイント・テール(芽美)の怒りに対して「盗まれる者が悪い、守れない者が悪い」としており自身が盗むことに関しては良心の呵責などカケラもにじませない。
当初は同じ「怪盗」である事からセイント・テールを同じ穴の貉のように考えていたが、それを否定された事によって、芽美の持つ(あくまでも真珠の主観の上での)偽善性に対して反発を持つ。
そして「商売」を邪魔された事を義母であるローズマリーに進言し、彼女に「普通に生きているルシファーよりもその娘を痛めつけた方が、ルシファーに対するダメージが大きい」と判断させた。
のちに催眠術を駆使して聖華の人々に「人々の大事なものを盗んでいるのはセイント・テールである」という暗示を広め、セイント・テールを聖華市民の敵に貶めた。この事で見事にセイント・テールをおびき寄せることに成功し、ローズマリーと共謀して「セイント・テールの正体をアスカJr.の前に晒す」事を成功させ芽美の大事なものを叩き壊す目論見を見事に果たした。
しかし、その後さらにセイント・テールをいたぶる目的でアスカJr.を拉致し続けた事で、彼女の「大事なもの」を強固に自覚させて「たとえ自分が破滅してもそれを守る」という覚悟を固めさせてしまい「最後の闘い」の舞台をお膳立てしてしまう。
ある意味では「少女らしい」一面(悪い意味で、だが)もあり、セイント・テールがアスカJr.に対して送り続けてきた予告状を「ラブレターでしょ、ソレ」と言い切った。(そしてアスカのドンカンぶりに「やーね、男って」と嫌悪を示した)
真珠にしてみれば、それはアスカJr.に対して「遊ばれている事」を自覚させるための彼自身の無能ぶりを叩きつけ心を斬り割くための残酷な言葉であったが、ドンカンキングにしてしっぽ一筋のアスカJr.は「ラブレター」という指摘の方に反応してしまい芽美を「神の御前で捕らえた」事で許してしまう。
結果、ローズマリーは芽美とアスカJr.の様に毒気を抜かれてしまい「私にも何があっても受け入れてくれる人がいてくれたら」と独白しながら復讐を断念。真珠もまたそれに従い聖華の街をあとにした。
立川恵の連載デビュー作である『熱烈台風娘』のライバルお嬢様キャラであるライハに似ている。ライハもまた操魂術という、狙った対象を思いのままに操る能力を持ち、親思いという側面がある。(ただしライハの操魂術は無機物限定であり、彼女の親は父親で学園の理事長)
ちなみに他者の物を奪い壊す事を「生きるための大事な商売」とする真珠の考えは、作者の後の作品である『夢幻伝説タカマガハラ』において、同作にて示される「共生」というテーマを語る上でのキー概念(アンチテーゼのひとつ)にもなっている。