高天の原に「神々の黄昏(ラグナレク)」のおとずれし時
「地平線の少女(ホル・アクティ)」五つの宝珠とともに
昼と夜との間に、おり立つなり
立川恵による漫画作品。同作者による『怪盗セイント・テール』の直後次作であり『電脳少女☆Mink』の前作。
概要
少女漫画雑誌『なかよし』で、1997年2月号から1999年6月号まで連載された。(小学生編)
のち作者(立川恵)本人の手により、本作の後日談を収録した公式(『なかよし』編集部許諾)の同人誌が数冊、出されている。(中学生編)
内容は日本神話の中にある岩戸伝説をモチーフとした転移・転生並列式の異世界ファンタジーで、自然破壊と環境保護を主軸とした欲望と共生がテーマ。勾玉のアイディアは『里見八犬伝』がモチーフとなっている。
副題に『DREAM SAGA』という英題がついているがタグでは省略されている。
登場人物
登場人物たちは2つの世界を行き来するが、2つの世界では別の人物となる。そのためキャラクターが二重に存在するが、「勾玉」を持つものだけが両世界の記憶を共有することができる。
中ツ国
若狭結姫(わかさ ゆうき)
小学5年生の主人公。4人姉弟の長女でしっかり者。ある日、登校途中に空から降ってきた赤い勾玉を拾った事で、不思議な夢の世界「高天原」を冒険をすることになる。
甲斐隆臣(かい たかおみ)
結姫のクラスメートで憧れの相手。穏やかで優しく、笑顔が可愛い少年。
因幡颯太(いなば そうた)
結姫のクラスメート。成績優秀だが、人付き合いが悪く協調性がない。
和泉那智(いずみ なち)
結姫のクラスメート。大企業の社長令息、つまり男。口が悪く我儘で女嫌い。そして隆臣が大好き。(性自認が男性で、男性を恋愛対象にしている、男の子。中性的な服を好むが女装を好んでいるわけではないため男の娘ではない事に注意)
日向泰造(ひゅうが たいぞう)
結姫たちと同じ学校に通う5年生。ガキ大将的存在で腕っぷしが強い。性格は単純かつ純情。
相模 圭麻(さがみ けいま)
泰造のクラスメート。落ち着いた雰囲気の少年だが、エコロジー精神あふれる変わり者。
長門先生(ながとせんせい)
主人公のクラスの担任教師。日本神話に明るく、これを題材とした授業を行う。
高天原
砂漠の盗賊団の首領。砂漠に倒れていた結姫を拾う。粗野でノンデリカシーな荒ぶるナンパ野郎。のちに巻き込まれた騒動で盗賊団は解散するが、そのまま結姫と旅を続ける事に。なんだかんだと言いながら、いつしか結姫の事をかけがえのない存在として見るようになる。
小さな村の神官。透視人(シーヤー)と呼ばれる千里眼の持ち主。因幡颯太と魂を同じくする。
大都市リューシャー(この世界の首都)の領主・月読の屋敷で働きながら踊り子を目指す下働きの女の子。都で一番の踊り子になるのが夢。和泉那智と魂を同じくしており、覚醒後は那智に魂を引っ張られたため、おてんば度が増して隆臣にアタックするようになった。生真面目な颯太(特にその長髪)をオモチャにして楽しむようになり、そこから長じて彼との距離が縮まっていく。
盗賊団の首領として指名手配されていた隆臣を追っていた賞金稼ぎ。しかし隆臣を見つけた時には、すでに彼にかけられた懸賞金は取り下げられていたため、無駄足を踏むことに。(この事から隆臣とは仲良くケンカする関係になる)のちに環境破壊や密漁を行う謎の組織(こちらも賞金首)の活動を目の当たりにし、彼らを追うために結姫の旅に同行する。日向泰造と魂を同じくする。後に鳴女に惚れて一途な想いを向ける事になる。
リューシャーの貧民窟に住む発明家。知識チートの解説お兄さん。様々な発明品を作り上げるが、それを真似した環境に悪いデッドコピー品を産み出される事になり、困っている。相模圭麻と魂を同じくする。
天珠宮に在する天照の側近。結姫を見出し転移の旅に誘う。詳細は項目参照。
天照
鳴女の上司で自然のバランスを司る「太陽」の巫女。高天原世界のトップ。
月読
首都リューシャーの為政者で天照の弟。物分かりの良い好々なオッサンの面の裏で「高天原世界と中つ国世界」の両世界を手に入れんとして危険な野心と欲望を育む野心家。泰造が追う環境破壊組織の黒幕でもある。
月読の娘。何の苦労も悩みも抱かずに過保護に育てられたワガママ娘ではあるが素直で物分かりは良い。