「どんな人も世界の本当の姿を見て、その重さを担うことができる━━━それが僕たちの言う犠牲だ。」
プロフィール
概要
ゲーム『崩壊3rd』の登場キャラクター。
前文明の時代の人物で、同時代に存在した組織「火を追う蛾」に所属していた。
第七の神の鍵・天火聖裁の所有者。純粋な力勝負であれば律者を一人で討伐できるほどの実力を持つ。
性格
孤高の英雄。寡黙で冷徹な態度を貫いており、「人類を崩壊に勝たせる」ためにはどんな犠牲も厭わない。
意外にも一人称は「僕」。
能力
大剣状態の「天火聖裁」を使用、さらに融合戦士の力によって氷を生み出し操ることができる。
人為的崩落を使うことで更なる力を解放し、飛行することも可能。
幕間「聖痕計画」では、ある力の一部を奪い大幅に力が増していた。
ゲーム上での性能
正規プレイアブル化はされなかったが、幕間「聖痕計画」および32章〜35章「そして、明日へ」の一部のステージでのみ使用可能。
通常攻撃ボタンを押すと敵に近づき大剣を振り下ろし、必殺技ボタンを押すと遠距離から氷の力で攻撃することができる。それぞれ4段まで。
来歴
※ネタバレ注意!
前文明
本編から約5万年前。ヨーロッパから極東の地へと移り、長空市の千羽学園に転入したケビンはスウの親友であり、成績優秀、スポーツ万能、そして明るい性格の持ち主であった。彼は学園に来てすぐメイに一目惚れし、様々な手段を使ってアプローチを仕掛ける。最初は毎回無視されていたが、だんだんと心の距離が縮まり、その後もしばらく親交を深めていった。
しかし平和な日常は突如として終わりを告げる。第三次崩壊が起こり、ケビンはメイを連れて逃げるが、途中で二人はかねてより天才であるメイに目を付けていた火を追う蛾という秘密組織に救出された。崩壊の脅威を目の当たりにしたメイはメビウスの勧誘に応え火を追う蛾に参加、ケビンもメイの側を離れたくない一心で入隊する。
兵士になったケビンは先輩兵士である痕(後のグレーシュの父)の指導の下で頭角を現し、第四次崩壊では現地で助けたコズマと共に律者討伐に貢献した。
三年後、崩壊との戦いが熾烈を極めていく中、ケビンはまだ人間の意識が残っていた第六律者「死の律者」を前にして躊躇した結果街1つ分の人命が失われてしまったことと、最終的にその律者を手にかけてしまったことへのショックで本来の明るい性格は失われ、だんだんと今の冷徹な性格へと変わっていく。
その後第七律者「炎の律者」が降臨、オーストラリア全土が炎の地獄と化した。それに対抗するため、メイは帝王級崩壊獣の遺伝子を人間に移植し、人の領域を超える力を持つ「融合戦士」を創造する計画を立案、ケビンはメイの想いを支えるため、その計画の試験体に志願した。
帝王級崩壊獣「パールヴァティー」の遺伝子を融合したケビンは氷雪を制御する力を手に入れ、さらに不老となった。炎の律者を討伐することに成功したが、副作用として体温が常時マイナス30度になり、生身の人間が彼に近づくと凍傷を負ってしまう。そのためメイと触れ合うことも二度とできなくなってしまった。
限界に近い彼を見かねたエリシアはケビンへのサプライズ誕生日会を開催。皆忙しい中でもメイ、エリシア、サクラ、痕、コズマ、ディストピア(同じ第一小隊であり、コズマの同期)が集まり、参加は叶わなかったもののメビウスとアポニアもプレゼントと祝福の言葉を送った。さらに火を追う蛾にかつての親友である医者のスウが加わり、悩みを相談できる相手を得たケビンは精神的に再び立ち上がることが出来た。
五年後、炎の律者コアから作られた神の鍵「天火聖裁」の所有者になったケビンは、その体質により大剣状態の天火聖裁を使用した際に自身にも降りかかる炎に耐えることができ、人類最強の戦士となった。
しかし降臨した第八律者「識の律者」の能力は人の意識に対する不可視の攻撃であり、火を追う蛾への明確な害意も持っていた。この変化に対応する前に火を追う蛾は多くの構成員を失ってしまう。その中には痕の妻であるブランカや同じ小隊のディストピアも含まれていた。
第九律者「岩の律者」は圧倒的な力で地球上で最も栄えていたムー大陸を消滅させ、痕はその戦闘で死亡。ケビンは融合戦士としての力を解放して人為的崩落を起こし、岩の律者を一人で討伐した。しかし人為的崩落の代償として心を凍てつかせ、かつての自分を失ってしまう。
第十律者「支配の律者」との決戦で天火聖裁の使用を躊躇したケビンは重傷を負ってしまい、代わりにメイが天火聖裁を空白の鍵と合わせて用いることで討伐した。しかしその代償としてメイは高濃度の崩壊エネルギーに蝕まれてしまい、以降の多くの期間を病床で過ごすことになった。
第十一律者「約束の律者」は最終的にケビン一人で討伐したが、人類の被害は甚大で、地球上の7割の文明都市が滅んだ。
その後、エリシアの主導で編成された「火を追う十三英傑」の第一位「救世」の銘を持つ戦士となり、信頼できる仲間と共に戦った。しかし第十二律者「侵蝕の律者」によって基地がハッキング、人類がまだ生存している三つの都市に核弾頭が放たれ、世界人口は約3万人にまで減少してしまう。
火を追う蛾には絶望が蔓延し、人類は崩壊を待たずに人間同士の殺し合いで文明に幕を引くことになりかねない状況にあった。
そこにエリシアが第十三律者として降臨、英傑達は団結して対応し、エリシアという一人の人間の犠牲によって火を追う蛾は再び結束することが出来た。
ついに終焉の律者が現れ、ケビンは残った仲間と共に最終決戦に挑むが敗北、人類はごく一部を除き滅亡してしまった。撤退したケビンが基地で目にしたのは、崩壊エネルギーに蝕まれ操縦台の前で亡くなっているメイの姿だった。
絶望に飲み込まれたケビンだったが、一通の手紙と赤ん坊を見つける。赤ん坊はケビンとメイの遺伝子によって生まれた子であり、成長すると体温が普通の人と同じになるように遺伝子改良されていた。メイはケビンに子を託したのだった。
そしてメイの計画である、残りの人類をコールドスリープさせ、次の文明に希望を託す「火種計画」が始動。メイの最後の願いを叶えるため、ケビンも赤ん坊と共にコールドスリープした。
遥か数万年先で目覚めたケビンは右手に天火聖裁、左手に赤ん坊を抱えて現れ現文明の人々に希望をもたらした。彼は「カスラナ」と名乗り、現在まで続くカスラナ一族の始祖となった。
現文明
ケビンはメイの遺した計画を実行していたが、どの計画も失敗は明白であり、使命に従い残酷な手段だが確実性のある「聖痕計画」を実行に移そうとする。
これに反発したスウはメイから(ケビンの暴走を止める為に)密かに託されていたもう一つの計画「観察者計画」を発動。自分ごとケビンを量子の海に沈めようとしたが、ケビンはスウを助け1人で封印された。
(ちなみに彼が所持していた天火聖裁は現文明に来てからここまでのどこかのタイミングでカスラナ一族の後継者に譲渡されたと思われる。)
量子の海で漂っていたケビンは大蛇の姿で「蛇」を名乗り、海淵の目から量子の海の探索に来たヴェルトと出会った。ヴェルトが第一律者「理の律者」だと見抜いたケビンは彼と戦闘し勝利。
ゼーレと遭遇した際、ゼーレの裏人格と共に量子の海を脱出するための取引をした。
本編12章、灰蛇が海淵の目を開き、デザイアジェムを探しに量子の海に入ったブローニャを襲撃、ヴェルトも軽くあしらった後、1500年ぶりに固有世界への帰還を果たした。この時ケビンはヴェルトのことを律者でありながら真に人類のために戦うヒーローと認めており、脱出する際にヴェルトも一緒に連れ帰り、その後彼を解放している。
帰還したケビンは灰蛇に迎えられ、灰蛇が立ち上げた組織「ヨルムンガンド」の尊主となった。灰蛇はヨルムンガンドの部下が放浪していたジークフリートを襲撃し、強奪した天火聖裁を献上。ケビンは再び人類最強の戦士としての力を取り戻し、現文明で本格的に行動を始める。
余談
- 前文明には姓がなく、「カスラナ」という姓は現文明が便宜上そう呼んでいるだけであり、本来の名前はただの「ケビン」である。
- 崩壊3rdのサウンドトラック「終焉を越えた日に」の中に「For Kevin」という楽曲が収録されているが、ゲーム本編では未使用。しかし1年後、崩壊:スターレイルでヴェルトと黄泉がケビンについて語る場面のBGMに使用されている。
- 崩壊3rdコミュニティ内でケビン・カスラナという名前が初登場したのは2018年、公式のエイプリルフールネタにてキアナ・カスラナが性転換したイラストに名付けられたもの。
- イベントではネタ枠になることが多い。
- 「アイドル決勝戦・延長戦」宣伝ムービーではワタリガラスを(おそらく)無断でアイドル決勝戦にエントリーさせ、彼女が優勝したがトップアイドルの座を辞退。延長線が始まるが、それでも淡々と再エントリーさせる。
- 「サバイバル!夏の狂想曲・サイドA」では黄金の庭園に住む会社員という設定。本編の彼からは想像できないようなはっちゃけた衣装で登場している。ジョークの連発によって周りの空気を凍らせる。
関連タグ
サンデー(スターレイル):崩壊:スターレイルに登場するキャラクター。彼の「秩序」の計画は聖痕計画と似ている。
ファイノン:こちらも崩壊:スターレイルに登場するキャラクター。白髪蒼眼で「救世」というワードと関連、さらにCVも日野聡氏であるため、ケビンの並行同位体と思われる。