「銀河を独り歩む人が渇望していることは2つ。先達の歩いた道を見つけるか、自分だけの道を見つけるかだ。しかし星神の眼差しのもとで…後者を達成できた人はほとんどいない」
概要
「巡海レンジャー」を自称する旅人、本名は不明。長い刀を携え、1人で銀河を旅している。
その刃は紫電のように鋭いが、戦う時は常に鞘を使い、刀を抜くことはない。
プロフィール
人物
何らかの目的で「巡海レンジャー」を詐称しピノコニーを訪れた謎の女性。
常に虚ろな眼差しと雰囲気に違わず、人柄は淡白で寡黙。
物事を覚えるのが苦手で、同じ景色が続くような空間ではよく道に迷ってしまう。しかし、目に見えないものを察知する程の鋭い感覚を持ち、基本的には感覚で物事を捉えるようにしている。
人前で刀を鞘から抜くことは「人には見せたくない秘密」として避けているが、刀を抜くことで普段は朧気な記憶が鮮明になるため、平常時でもごくわずかだけ抜くことがある。
その実力で何人もの指名手配犯を屠ったが、その彼女自身も容疑者としてスターピースカンパニーから指名手配された経験を持つ。
巡海レンジャーは衰退気味の上元々神出鬼没で、お互いの交流も乏しいため、身分偽装に丁度よかったらしく、実際カンパニーの追跡調査を滞らせている。
「黄泉」の名も呼び名であり、その本名を知る者はまず居ない。
化粧を持ち歩く習慣があるが、これは記憶の中の故郷の伝統に由来している。
故郷の少女たちは、時々見舞われる雷雨のせいで化粧が濡れて崩れるのを嫌がり、常に化粧道具を持ち歩いていたとのこと。そのため、故郷のことは既に遠い思い出になっているが、化粧品を持ち歩く習慣は変わっていないとのこと。
雷雨の日になると眠くなるらしいが、それは物寂しい雨音からひと時の安らぎを得ることができるため。これについては、彼女の記憶を覗き見したある人物も、「過去と比べたら、今の雨は…確かに静かで心地よいと言えるわね」と認めている。
時折、台詞の一部または全文が赤文字になることがあるが、これは"人の感情を揺さぶることができる言葉であり、彼女の自我を虚無から遠ざけてくれる道標"であることが開発者のインタビューで明かされた。
能力と戦術
相手に固有のデバフ状態を付与することでチャージを溜め、強力な必殺技を発動する範囲アタッカー。
デバフや持続ダメージがメインである虚無キャラの中では、異質なほど火力を押し出されており、破格の殲滅力を有する。
軌跡
- 通常攻撃「三途の枯木」
「どこへ行く?」
指定した敵単体に黄泉の攻撃力50%~100%分の雷属性ダメージを与える。
- 戦闘スキル「八雷渡り」
「その生、朝露と消え失せぬ」
「凪いだ渡り川で、引導を渡そう」
「残夢」を1層獲得し、指定した敵単体に「集真赤」を1層付与。
黄泉の攻撃力80%~160%分の雷属性ダメージを与え、隣接する敵にも黄泉の攻撃力30%~60%分の雷属性拡散ダメージを与える。
- 必殺技「残夢染める繚乱の一太刀」
「涙雨…」
「降りて溢るる、渡り川…」
「啼沢斬り」を3回、「黄泉返り」を1回の順で発動し、指定した敵単体に最大で黄泉の攻撃力223%~372%分の雷属性ダメージを与え、その他の敵に最大で黄泉の攻撃力180%~300%分の雷属性ダメージを与える。
「啼沢斬り」 | 指定した敵単体に黄泉の攻撃力14.4%~24.0%分の雷属性ダメージを与え、その敵にある「集真赤」を最大で3層消去する。「集真赤」が消去された時、敵全体に黄泉の攻撃力9.0%~15.0%分の雷属性ダメージを与える。消去した「集真赤」1層につき、ダメージ倍率がさらにアップする、最大で+36%~60%。 |
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「黄泉返り」 | 敵全体に黄泉の攻撃力72%~120%分の雷属性ダメージを与え、すべての「集真赤」をクリアする。必殺技の間、敵に「集真赤」を付与することはできない。 |
黄泉の主力にして最大火力。要約すると、対象選択式の3回攻撃(条件付きで追加の全体ダメージ)を行った後に〆の全体攻撃を繰り出す。
- 天賦「紅葉に時雨、万里の空」
「残夢」が9層に到達すると必殺技を発動できる。
必殺技の発動中は弱点属性を無視して敵の靭性を削ることができ、敵全体の全耐性−10~−20%、必殺技が終了するまで継続。
戦闘中の敵が何らかのデバフを負う度、黄泉は「残夢」を1層獲得し、該当の敵に「集真赤」を1層付与する。複数の敵にデバフを与えた場合「集真赤」は最も多い敵にのみ1層付与する。この効果はスキルを発動するたびに1回まで発動可能。
黄泉が場にいる時、敵が退場するか任意のユニットに倒されると、その敵が持つ「集真赤」はフィールド上にいる「集真赤」の最も多い敵に引き継がれる。
この天武により、黄泉には必殺技に必要なEPが存在しない。その代わりに「残夢」を個数制のゲージとして溜める必要がある。
- 秘技「四相断我」
「迸れ…過去の電閃」
敵を攻撃。各ウェーブ開始時、「四相断我」を獲得し、敵全体に黄泉の攻撃力200%分の雷属性ダメージを与え、弱点属性を無視して靭性を削る。敵を弱点撃破した時、雷属性の弱点撃破効果を触発する。
「四相断我」 | 黄泉が必殺技を発動した後、「残夢」を1層獲得し、同時にランダムな敵単体に「集真赤」を1層付与する。 |
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通常エネミーを攻撃した場合、戦闘には入らず即座にターゲットを撃破する(プーマンとボス枠である精鋭は不可)。敵に命中しなかった場合、秘技ポイントは消費されない。
事実上戦闘をスキップし、ドロップアイテムやキャラ経験値、祝福等もそのまま入手できるので、模擬宇宙などの周回面においては文字通り公式チートのアドバンテージを発揮する。
例え黄泉のレベルが1だろうと問答無用で斬り殺すため、経験値本の節約にさえなる。加えて複数のエネミーが隣接していれば、連続で発動可能。
ただしその分秘技ポイントの消費量も非常に多く、消耗品の備蓄やアビリティの最大解放といった準備をしなければ十全な運用は難しい。
因みにこの秘技を連打する方が、ダッシュより少しだけ早く移動できる。
- 追加能力
「赤鬼」 | 戦闘開始時、「残夢」を5層獲得し、ランダムな敵1体に「集真赤」を5層付与する。「残夢」が上限値まで蓄積された後、「残夢」を1層獲得するごとに「四相断我」を1層獲得する。「四相断我」は3層まで蓄積できるようになる。 |
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「奈落」 | パーティ内に黄泉以外の「虚無」の運命を歩むキャラクターが1名/2名存在する場合、黄泉の通常攻撃、戦闘スキル、必殺技の与ダメージが本来の115%/160%になる。 |
「雷心」 | 必殺技の「啼沢斬り」が「集真赤」を持つ敵に命中する時、黄泉の与ダメージ+30%、この効果は最大で3層累積でき、3ターン継続。また、「黄泉返り」を発動した時、さらに6ヒットする。1ヒットごとにランダムな敵単体に黄泉の攻撃力25%分の雷属性ダメージを与える、このダメージは必殺技のダメージと見なされる。 |
星魂
①「高天寥落、真言始まる」 | デバフ状態の敵にダメージを与える時、会心率+18%。 |
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②「雷霆静まり、秋風止む」 | 軌跡「奈落」の効果の最大値に達するために必要な「虚無」の運命を歩むキャラクターの数-1名。自身のターンが回ってきた時、「残夢」を1層獲得し、「集真赤」が最も多い敵に「集真赤」を1層付与する。 |
③「永蟄を脅かす寒風」 | 必殺技のLv.+2、最大Lv.15まで。通常攻撃のLv.+1、最大Lv.10まで。 |
④「鏡中を照らす永焔」 | 敵が戦闘に入った時、必殺技被ダメージアップ状態になり、受ける必殺技のダメージ+8%。 |
⑤「盤石崩落、千身漂落」 | 戦闘スキルのLv.+2、最大Lv.15まで。天賦のLv.+2、最大Lv.15まで。 |
⑥「束縛を解く災い」 | 黄泉が与える必殺技ダメージの全耐性貫通+20%。通常攻撃ダメージ、戦闘スキルダメージが同時に必殺技ダメージと見なされ、弱点属性を無視して敵の靭性を削る。敵を弱点撃破した時、雷属性の弱点撃破効果を触発する。 |
星魂②の効果は、有無によってパーティー編成に大きく差が出るため、凸を目指す場合は最低でも2凸が推奨される。また、完凸の星魂⑥は②と比べると優先度は低いものの、事実上黄泉が与える全てのダメージを底上げしてくれる。
装備・編成について
- 光円錐
光円錐はモチーフの✦5「流れ逝く岸を歩いて」が頭ひとつ抜きんでており、他の光円錐ではあまり火力が出ない(それより他のキャラに装備させた方が良い)。✦4から選ぶなら跳躍光円錐の「おやすみなさいと寝顔」で与ダメージを上げられる。
- 遺物
遺物はデバフで火力が上がる「死水に潜る先駆者」。4セットで会心率も上がる。
オーナメントは会心率が上がる「顕世の出雲と高天の神国」、「自転が止まったサルソット」や「宇宙封印ステーション」もサブステータスが優秀ならアリ。
メインステータスは胴体を会心率か会心ダメージ、脚部は攻撃力か速度、オーブは攻撃力割合か雷ダメージ(元々ダメージバフが多いため攻撃力にした場合の方が少し火力が上がる)、縄は攻撃力割合一択。EPが不要なためEP回復効率は無意味となる。
サブステータスは会心率を80%くらいまで確保し、それ以上なら会心ダメージ。あとは攻撃力割合か速度を上げていこう。
- 編成
黄泉の特異な性能上、真価を引き出すにはデバフを主軸としたパーティ構成が前提となる他、追加効果による火力バフを最大限活かすために黄泉以外に虚無キャラが2人(2凸しているなら1人)必要になってくるため、編成に縛りが出てくるのが難点。
虚無なら基本的に誰でも良いが、カフカやブラックスワンは別のパーティーに入れた方が強い。
あえてブラックスワンを採用するならアルカナ開示中(つまり敵のターン中)に黄泉の必殺技を撃つとかなりダメージが上がる。
(Ver2.1時点なら)敵全体に対するデバフならペラ、ボス単体なら銀狼を入れると良い。
耐久枠は豊穣のギャラガーならスキルで回復、必殺技および強化通常攻撃でデバフが与えられるのでおすすめ。
余談
- 元祖・崩壊3rdとの関係性
同社作品の『崩壊学園/崩壊3rd』に登場する雷電芽衣、および『原神』の雷電将軍と酷似した姿をしており、更に雷属性で、日本語版のみならず本国語版のCVも同じと、明らかにスターシステムによる並行同位体であることが示唆されている。
特に前者を直に知るヴェルトは奇異な運命を感じずにはいられず、黄泉の知人にも似ているというある男について語った。
黄泉の過去を語った紀行PVの内容は、『崩壊3rd』の世界観とストーリーをモチーフとしており、出雲国と高天原の関係は人類と崩壊現象の関係、十二振りの世守の刀と二降りの世負の刀の設定は「律者・神の鍵」の設定に通じている。
とはいえ、一連の描写は『崩壊3rd』の知識の有無にあまり左右されないよう出来ており、あくまでファンサービスの範疇に止まっている。また、PVの最後に出てきた一振りの刀「無」はこちらオリジナルのものである。
PVの名前である「君の色」及びPV内のCMキャッチフレーズ「君の色に染める」は、miHoYoが2017年にビリビリ動画に投稿した「芽衣・君色に染まる」というMMD作品が元ネタとなっている。
- リリース以来初の完全設定重複キャラ
既に実装済のカフカと同じく、✦5レアリティ、雷属性、虚無の運命のキャラクター。
これまでの(開拓者を除いた)プレイアブルキャラは、レアリティ・属性・運命の三つの設定のうち少なくとも一つは異なっている仕様になっていたが、黄泉の登場でリリース以来初の設定かぶりとなった。
- キャラクタービジュアルのイメージ
キャラクタービジュアルの背景は白と黒で構成されているが、赤い傘を持つ黄泉を中心に咲く集真赤(あづさか)と呼ばれる赤い花が唯一白黒の世界に鮮やかな色を発している。
元々のイメージは「黄泉は一人で荒涼とした大地に立ち、白と黒の世界で暗雲が立ち込める。そして空から大量の雨が降り、その雨は黒く、インクのように重厚なもの。それらは大地に降り注ぎ、あらゆる色がその雨に洗い流され、最後に白と黒と灰色だけが残る。しかし、そんな色のない世界にたった一滴赤い甘露が、空から降ってくる。それは黄泉の刃に滴り落ち、彼女のすべてを赤く染め、白黒の世界で唯一の赤に変える」というもので、白黒の背景は雨で洗い流された後の世界、赤い傘と集真赤は黄泉がその世界で唯一の色であることを表していると思われる。
- 露の世は、露の世ながら、然りながら……
日本江戸時代の俳人・小林一茶が愛娘を失った悲しみから詠んだ一句。千の星を巡る紀行PVの最後で黄泉がつぶやいた「この世の全てが露のように儚いとして、それでも……」という台詞の元ネタ。
故郷を失い、元々の人格すら殆ど擦り切れて無くなった黄泉がこの俳句を詠んだのは、ある意味で小林一茶と似た心境を反映したとも言えるが、最後のの部分はそれでも己の道を諦めきれていない口調となっている。日本語版は口語形式に翻訳されているために気付きづらいが、本国語版は小林一茶の中国語版俳句をそのまま台詞としているため、ほぼ確定できる。
- 桃の由来
果物は桃が好きらしく、桃には「生命の喜びが凝縮されている」ためだとのこと。実際にキャラクターの待機モーションでも桃を食べている姿が確認できる。
日本神話においては、イザナギが黄泉の国で八柱の雷公と黄泉軍に追われていた際、桃の実を投げて雷公と黄泉軍を撃退させたという物語が『古事記』『日本書紀』などに記載されている。
また、古代中国では桃木は仙木とされ、桃は不老長寿の仙果であると信じられていた。
X(旧Twitter)では黄泉の実装記念として、黄泉に桃を贈るポストをしてグッズの抽選をするキャンペーンが行われたが、キャンペーン開始からわずか2日の間に1000トン分の桃が黄泉に送られたと発表された。
- 必殺技ボイスの由来
古今和歌集 巻十六 哀傷 829番 泣く涙 雨と降らなむ渡り川 水増さりなば 帰り来るがに 小野篁が綴ったものである。 黄泉の必殺技ボイス、そして劇中の台詞 「黄泉路をゆけず 常世還らむ」 を組み合わせると、 「涙で渡川(三途の川)が増水した。川を渡ることができなくなったから、三途の川は渡らず(死なず)に常世へ還ってゆこう」 という意味になる。
- 必殺技によるゲームのクラッシュ
少なくとも黄泉の必殺技はリリース当初の時点で作られていたが、その要求スペックが高かったため、最適化がまだ不十分な当時のバージョン(ver.1.0)で必殺技を使用するとゲーム画面がクラッシュする現象が起きたという開発陣エピソードが語られている。
関連動画
光円錐「流れ逝く岸を歩いて」
光円錐「終わりなき舞踏」
ショートアニメ「永劫の輪舞」
関連イラスト
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作中の動向
※以下ストーリーのネタバレあり
- 開拓クエスト
星穹列車がピノコニーへ向かって跳躍をする際に、何故か開拓者は突如現実と記憶域の境界である「夢境」に迷い込み、黄泉と出会う。
初めて出会ったはずの開拓者に対し、黄泉は「私たちは、どこかで会ったことがあるか?」と「対立していた男性」か「親しい間柄の女性」の面影を感じ(性別によって変わる)、最後に「私のことを覚えているか?」と意味深な質問や返答を得た後、現実へと返る開拓者と別れた。
後にピノコニーで本格的に対面。向かっていたアナイアレイトギャングの一派を襲撃・壊滅させて招待状を奪い、招かれた貴賓の一人を装ってチェックインしたのだという。
以降は、混迷極まる状況の中「特異点」として大きな活躍を続け、事態の収拾における切り札を担った。なお、彼女の本名も回想にて語られる。