※警告※
この記事は『崩壊3rd』ストーリー20章〜22章に関連する重大なネタバレを含みます!!
「私は全てを変えます……!」
概説
miHoYoのスマートフォンアプリ『崩壊3rd』のフカの変身形態。
5万年の歳月が生み出した、最も旧く、最も新しい律者。
フカの五万年の記憶
聖フレイヤ学園の生徒・フカ。
彼女の正体は、5万年の太古に壊滅した前文明の対崩壊組織「火を追う蛾」の十三英傑の一人である。
彼女は律者のコアから生成された「神の鍵」と呼ばれる超兵器の適合者であり、その体内には第八の鍵「渡世の羽」を宿している。
この渡世の羽は前文明で猛威を振るった「識の律者」の律者コアが利用されており、相手の意識に干渉して幻惑することはもちろん、その気になれば相手の精神を打ち壊して生きた屍とすることも可能。また応用で他人の精神に介入して深層心理へ働きかけることも、さらには意識を電気信号に変換することでネットワーク世界へ侵入することさえ可能となる。
そしてもう一つ、彼女は「融合戦士」と呼ばれる崩壊獣のコアと同化した戦士なのだが、その手術の結果として不老不死となった。
仮に殺されたとしても、崩壊獣のコアさえ無事であれば時間をかけて肉体を再生させることが可能であるが、同時にその副作用として一切の記憶の忘却が不可能になってしまった。
一見すると便利な「完全記憶」能力だが、最終的には脳の記憶領域を圧迫し、頭痛などの肉体への負担や精神の混濁を引き起こし、そのまま放置すれば人格が崩壊する危険性をはらんでいる。
この対処として、「火を追う蛾」の主任研究者であるメイ博士により、「渡世の羽」の精神操作を利用して記憶を羽根状のエネルギーとして凝縮して切除・分離し、脳と精神への負担を軽減する手段が提案され、前文明の崩壊後からさらに1万年後、冷凍睡眠から復活した時点からフカは徐々に記憶の切断を始めることになる。
わたしはだあれ?
前章
オットー・アポカリプスによるキアナ・カスラナ(K-423)の第二律者復活計画「シーリン計画」の一環として、フカはオットーの同盟者としてキアナの監視役となるべく聖フレイヤ学園の新入生としてまぎれ込んだ。
そしてオットーの計画通り、キアナは「仲間を得る喜び」と同時に「それを喪う恐怖」を学習し、オットーの計略で第二次崩壊の記録をシミュレーターで追体験させられ、この戦いで戦死した母セシリア・シャニアテを救うもしもの世界を体験することで感情が爆発。同時に彼女に眠る第二律者「シーリン」の意識も覚醒する。
シミュレーターで暴走するキアナを抑え込んだフカは、オットーの指示でキアナを天命本部へと護送。その後、しばらくして聖フレイヤ学園の面々がキアナ奪還に強襲をしかけるが、フカは自身の指導者である無量塔姫子を拘束する。
そして遂にシーリンがキアナの肉体の支配権を掌握し、完全復活を遂げる。
だがオットーの真の狙いは「キアナが学園の誰かが犠牲になる哀しみでシーリンを超越する」ことであり、真相を聞かされたフカは学園の友人たちの命をただの生贄にしか考えないオットーの本質を知って絶望。
同時に自分も彼にとっては心願成就の手札でしかないと覚り、裏切られた哀しみと義憤からオットーの野望を阻止すべく襲い掛かった。
しかしオットーは神の鍵「虚空万象」で神の鍵「天火聖裁」を模造し、彼女の頭を撃ち抜いた。
律者新生
そして半年後――。
フカはオットーによって回復ポッドに保護されて傷を治療され、意識の回復を待つ状態にあった。
この空白の中、第八律者が覚醒する。
ところが「崩壊の意思(GOD)」さえ予期せぬ事態が発生する。
第一の変異は、フカの精神があまりにも堅固だったために、「崩壊の意思」に新たな人格を生み出す隙を与えなかったこと。
そして第二の変異は、フカが「渡世の羽」を操る融合戦士であるために、肉体に記憶のバックアップをセットして万一の事態に備えていたこと。
この二つの不安材料を前に苦慮した「崩壊の意思」は、熟考の末にフカの深層意識に働きかけてまっさらな人格を急造させるという策に打って出た。
こうして生まれたのが、識の律者という新たな人格である。
目覚めた律者は回復ポッドの水槽を蹴破り、迎えに現れたオットーを問答する隙さえ与えず殺害し、天命本部を半壊状態へと追い込んだ。
ところが殺したはずのオットーは予備の肉体を使用して即座に復活し、彼に言いくるめられた律者は、かつての盟友であったヨルムンガンドの盟主ケビン・カスラナの所へ渡世の羽と回収とついでに手合わせをしに飛んでいった。
ところがケビンと邂逅した律者は、彼とのやり取りの中で「過去にこだわる」ことを馬鹿馬鹿しいと感じ始め、「新たなフカ」として自由に生きることを目指し始める。
同時にキアナとその学友ブローニャ・ザイチクが、律者の力を制御するヒントを探して精衛仙人の聖地である太虚山を目指していることを知ると、彼女たちへの挨拶も兼ねて太虚山に結界を施して迷宮化し、「渡世の羽」の欠片をばら撒いて自身の過去(と思いこんでいる記憶)を追体験させるというアトラクションを仕掛けた。
私とわたし
しかしながら律者の傍らには、肉体が死ぬ前に残したフカのバックアップ用の「渡世の羽」の一枚(=以前からのフカの人格)がついて回った。
羽根は律者にその在り方を問い質し、彼女を「人として正しい道」へと導こうとした。
しかし律者は過去の記憶から、命令や使命に従い思うままに戦えず恩人や友を助けられなかったフカの人生を失敗と看做し、その生き方を真っ向から否定すると共に、自分のやり方で崩壊と戦うことを目指し始める。
その意見から、律者は「どちらが本当のフカなのか」を証明すると言い出し、自分の正しさを示す手段を講じようとする。
このタイミングでキアナとブローニャが太虚山に来訪したため、彼女たちにかつての精衛の弟子の幻影を案内人に据え、太虚山中にばら撒いた羽根を集めさせるアトラクションで二人を翻弄。
そしてすべての羽根を集め終えたところで、二人の前に正体を現してネタばらし、羽の意識も召喚して二人に「本当のフカはどちらなのか」を問うた。
当然ながら、キアナとブローニャは委員長として接してきた羽根の人格を選択。
それに不満を表した律者に対し、キアナは機転を利かせて「自分と共に委員長の軌跡をなぞらせる」ことを提案し、律者はその提案に乗って再び幻境を作ってシミュレーションを開始する。
だが律者は何事も力任せで解決しようとするため徐々に理論に破綻をきたし、ついにボロを出して駄々をこね始め、羽根を自身から切り離してキアナたちに突き出した。
そしてキアナを幻境へと引きずり込み、自分こそが本物のフカであることを示すため一対一の勝負を仕掛ける。
キアナは羽根の援護を受けながらも、律者と互角の戦いを演じて律者を精神的に追い詰める。
一進一退の攻防を繰り返す中で、とうとう痺れを切らせた律者は「渡世の羽」の定形出力【太虚剣心】を発動。対するキアナもフカの教えを結集し、空の律者の力を加えて太虚流武術奥義【太虚剣心】で迎え撃つ。
そうして律者に引導を渡したキアナだが、羽根は決着の瞬間にキアナから離れて律者の意識を封印するための人柱になる道を選んでキアナを幻境から追い出す。
この結論に「もう二度と大切な人を犠牲にしない」と誓ったキアナは反発し、幻境の深層へ向かって飛び込み、フカの背負う過去と哀しみを全て受け止め、一緒に生きていくことを力強く諭して現実へと二人で帰還した。
帰還の寸前、フカは勝負に負けた律者と語り合った。
負けて自分の正体に気づきしょげ返り、へそを曲げる律者にフカはもう一度これまでの生き方を貫いてみることを宣言する。
律者はフカの肉体を離れ、どこかへ旅立つことを宣言。それは「崩壊の意思」に生身をさらし、敵の手に落ちるかもしれない危険行為だったが、自分の強さを信じる律者は出ていくの一点張りでフカの説得には応じなかった。
しかし、彼女の決意は「フカから崩壊の侵食を遠ざける」為のものであり、「自分がたとえ崩壊に落ちても、自分を止めることができる人間がいる」ことを知ったからこそのものでもあった。
別れの間際、再び互いの道が交わることを祈り、フカは律者を見送ってキアナたちの元へと帰った。
現在はフカの習得した仙術を丸ごと持ち逃げして行方をくらましているらしく、フカとはか細いながらも精神で繋がり合っている。
フカ曰く「綱引きの綱を掴んで離さない状態」とのことで、問いかけてもまだへそを曲げて答えてくれないが、確かにどこかに存在しているらしい。
性格
知に明るく大胆不敵な点はフカと共通するが、一方で何事も力任せで傲岸不遜なところは違っている。
……と言えば手強そうだが、実態はわがままでやんちゃな幼い子供そのもの。
フカの知識と過去の記憶を掌握しているため、知識と理論については人一倍強い一方、それは単なる「本で読んだ知識」程度の習熟度しかないため、実感を伴わず理詰めで問い質していくと徐々にボロを出し始める。
また非常に悪知恵も働き、気分屋で自分の楽しいことを優先するなど、本質はガキ大将そのもの。
知恵比べで勝てないと判ると、ちゃぶ台返しをかまして駄々をこねた挙句、力で証明しようと喧嘩を売ってくる。
相手が文句を言ってくれば屁理屈をまくし立てて煙に巻き、相手の怒りの感情を有耶無耶にし、隙を窺って遁走をかます。
おどれは斉天大聖かい。
根は無邪気で遊びたい盛りのお子様なので、登場以降は期間限定イベントにも積極的に参加しており、思うままに振る舞っては大いに周囲を振り回している。
そしてフカの精神性を基盤に誕生した影響か、わがままでこそあるが善意と理性を確固として持っているため、空の律者のように憎悪や嗜虐心で破壊をばら撒くことはしない。
太虚山での道行きでは羽(フカ)から「村が崩壊獣やゾンビに襲撃されたかもしれないから様子を見に行くべきだ」という進言に、一旦は自分には関係ないからと拒否しつつも「人助けはして当然」とあっさり言ってのけるなど、フカ譲りの善性が見て取れる(実際その後は村へと赴き、息も絶え絶えになっていた村人の少女を、最期に優しい夢を見せてあげるという彼女なりのやり方で救っている)。
安易に頼られれば露骨に嫌がるが、しかし目の前で困り事があればなんやかや文句を言いつつも手助けをすることは吝かでは無い。そして賞賛こそ求めるもののきちんと全力を持って事に当たるという、やっぱりガキ大将気質。
しかしながら、「憎悪や嗜虐心で破壊をばら撒くことはしない」ものの、律者という崩壊の手先である以上は本人が意識していなくても破壊という手段を取ることしかできない。崩壊の意志の影響が消えて以降は権能によるサポートやコミュニケーションで仲間を元気づける等、破壊以外の手段も取れるようになった。フカの会話不足による失敗を反面教師にしているのもあってか、コミュニケーションは特に大事にしているようだ。
能力
あらゆる存在の意識を操作・掌握し、その認識や精神を意のままに操る。
本質は「渡世の羽」による幻惑能力だが、その根源もまた前文明の第八律者に由来するため、その役割がフカに巡ってきたとも言える。
相手を「幻境」と呼ばれる精神世界の結界に引き摺り込み、結界内の空間を自在に弄り回すことで、常に自分に有利な戦況を作り出し、相手を心身共に徹底的に打ち崩す。
またフカの記憶を頼りにフカが精衛仙人として編み出した「太虚流武術」を修得しており、幻影で様々な武器を作り出して変幻自在な攻撃で敵を翻弄する。
しかしその技は律者特有の人知を超えたパワーに依存しており、本来フカが用いる太虚流武術に比して荒削りで力任せな傾向にある。
ゲームにおける性能
ver.4.6より実装。
生物属性、物理攻撃タイプのS級戦乙女。
必殺技ボタンをタップすることで、武器を剣・槍・蛇腹剣の3種に切り替えることができ、それぞれの分岐に様々な追加効果が存在する上に、それら全てが絶妙に噛み合うという高性能ぶり。
オマケにどのモードも圧力が高く、敵の吸い寄せや機体タイプの敵にさえ通じる気絶攻撃を持ち、挙句必殺技に必要なEPまで味方全員分をチャージするなど、一人で出来ることがやたらと多く文句なしにブッ壊れキャラに片足を突っ込んでいる。
お陰で識の律者を主軸に据えるのはもちろん、他の物理アタッカーのサポートに付けても非常に便利で、とりあえず物理耐性がない相手なら機械属性だろうと量子属性だろうと、その万能性を遺憾なく発揮して戦場を支配してしまう。
必殺技で結界を展開して敵を一網打尽にし、さらに結界は自身が退去しても味方にバフ効果を与えて強化、回避行動で時空断裂を発動させて味方のHPとEPを小回復させたりと、ボスキャラをそのままプレイアブルに落とし込んだような豪華仕様となっている。
一方でこれだけ出来ることが多いために、一歩間違えると器用貧乏に凋落する危険も孕んでいる。
また各武器ごとにチャージ・分岐攻撃に必要なKPゲージが存在するため、操作が多忙を極める。
アタッカーかサポートかをしっかり役割を決めておき、その上でしっかりと役割に従事させた方が良い。
その後ver.7.0にて新モチーフ武器「物識らず」と新モチーフ聖痕が実装され、これを装備することでキャラ性能が変化して純然たるアタッカー運用が出来るようになった。
……ちなみにこの「物識らず」、識の律者が自ら作り上げたものだが、その実態はデフォルメされた識の律者が描かれたレンガである。
必殺技のフィニッシュムーブではこのレンガが砕けるほどの勢いで敵全体に叩きつける。識ちゃん、もう少しこうなんというか、手心というか……
関連人物
自身の親であり、頑固で融通の利かない偏屈者。
彼女への態度は反抗期真っ盛りの子供そのものであり、フカの道理の通った言葉は理解こそするが反骨心が勝って素直に聞き入れることができない。一応尊重はしているようだ。
不俱戴天の仇。
野望のためならどんな手段も容赦しない在り方を嫌っており、露骨に「嘘つき」呼ばわりして嫌っている。
親の友人であり、武術における親の弟子。
太虚流武術の同門であり、技の完成度と応用の幅でこそ律者が勝るが、実戦経験と積み上げてきた功夫の精度ではキアナが一枚上を行った。
フカの記憶でしか存在は知らないものの、そこで知った彼女のフカへの優しさからかそれなりに気に入っていた様子。
余談
フカといえばペットに謎の白い鳥の「ピィちゃん」を飼っているのだが、識の律者も同様にピィちゃんをかわいがっており、そのデザインも識の律者の意匠をそっくり真似たものとなっている。
ちなみに戦闘中は挑発的なセリフの多い彼女だが、分岐・チャージ攻撃を成功させて何も入力せずにいると、万歳やガッツポーズを決めてはしゃぐ姿を拝むことができる。かわいい。
そして上のPVでもオットーを終始扱き使ってぐぬぬさせるという、ファンからして爆笑必至なやり取りをかましてくれる。
5.0.verでは課金衣装が追加され、全力で夏を満喫する姿を見せている。
どのくらい楽しんでいるかと言えば、全攻撃エフェクトが赤黒いオーラから水飛沫に変わり、分岐攻撃や必殺技で振るう大剣がサメボートに変わって凶悪な攻撃に反し「ぴこぴこ」とキュートなサウンドを鳴らすくらい。
「空の律者」同様、オリジナルとは別人扱いされる傾向が強く、イベントでは切望であった自由を満喫している様子から、ファンには「識ちゃん」と親しみを込めて呼ばれている。