※警告※
この記事は『崩壊3rd』ストーリーに関連する重大なネタバレを含みます!!
「真っ暗な空を燃やし尽くして、光をより彼方へと届ける!」
概説
崩壊3rdの主人公、キアナ・カスラナが内在する空の律者を乗り越えて到達した、新たな律者の姿。
その名の通り炎の力を操る律者ではあるが、前文明に語られる「炎の律者」の直接の後継者という訳では無い。ナンバリングにおいては第二のまま、または番外に扱われる存在。
そのため人格の上書きは発生しておらず、キアナ本来の人格のまま人類に味方する律者である。
炎の伝承
人の心を人形として支配し、果ては律者の力をも奪い支配する第十の律者、支配の律者。
そんな律者にとって空の律者という心の隙を持つキアナは絶好の標的だった。
様々な姦計の後、自らの領域である支配劇場にキアナを閉じ込める事に成功する支配の律者。
しかし天穹市や長空市、太虚山での出来事を通して現実を真正面から見据えるまでに成長したキアナに、支配の律者はとっておきの手段を出す事にする。
…深紅の結晶、プレイグジェム。
姫子の装甲に納められていた筈のジェムは、単体で虚数空間を漂っていた所を、密かに支配の律者によって回収されていたのだ。
自らを導き救い出した先生の「確実な死の証拠」がキアナの前に突きつけられる。
そうして動揺を誘う支配の律者だったが、当のキアナはそれすらも真正面から受け止め、逆にプレイグジェムを奪って見せた。
周囲の予想を大きく上回る反撃に、支配の律者の思惑は外れる……はずだった。
だが、ほんの微かに生じた心の乱れを突き、内なる律者がジェムの力をもって目を覚ましてしまう。
心の世界の中、空の律者と相対するキアナ。シーリンという少女の悪意のみ表出する空の律者に、それだけではなかったはずだと、暖かい物もあったはずだと語るキアナ。
空の律者がシーリンの遺した悪意であるなら、自分は別の可能性を願ったシーリンの願いなのだと、真正面から、対等に見据えて返す。
…結局の所、自分たちに相容れる余地はなく、互いに理解する可能性も無いと真っ向から戦う二人。
精神的には対等であると立ち向かうキアナであったが、コアの全権を持つ空の律者相手にただの人間レベルの力では到底勝ち得ない。
コアの力の一部を利用していた天穹遊侠の力も取り上げられ、ボロボロに追い詰められてしまう。
それでも、自分を助けてくれた人たちの想いを、暖かい光を無駄にはしたくないと諦めないキアナ。この暖かいものを、次の誰かに届けなければと必死に立ち上がる。
その姿にプレイグジェムが反応しキアナに再び力を与える。かつて自分を救い出してくれた大剣を手に、空の律者との決着を着けるキアナ。
真正面からの勝負の果て、自らを打ち破って見せたキアナにできるだけあがいて見せろと消滅する空の律者。彼女の遺したコアに触れた瞬間、膨大な意識の残片がキアナの精神を覆いつくす。
その果てに、幾度も自分を救ってくれた深紅の背中を垣間見るキアナ。プレイグジェムに残された姫子の意識の残片との再会を果たすことができたのだ。
記憶の中の聖フレイヤ学園を共に歩きながら、姫子との時間を過ごすキアナ。言いたかったこと、聞きたかった事を語り合える最後の時間。
大きく成長したキアナに安心してその背を押してくれる姫子に、思わず涙してしまうキアナ。
その涙に微笑みながら、迷ったら空を見上げなさいと説く姫子。
自分は星になってキアナの道を照らすからと、キアナを暖かく支える。
その暖かさを胸に、キアナはついに旅立つ。
舞台は戻って支配劇場、芽衣の力によって力を乱された支配の律者であったが、それでも律者である事には変わりない。理と識の律者の力も加えてキアナたちを苦しめる支配の律者。
フカとブローニャを打倒し、1人残ったキアナも一度は捕獲に成功するも、それでもキアナは諦めなかった。
「あんたの攻撃は終わり?それなら私の番ね……文句ある!?」
かつて姫子が口にしたものと同じ言葉を口にして再び立ち上がるキアナ。そして、そんなキアナに瀕死になりながらも力を貸すブローニャとフカ。剣に宿るコアが一つ、また一つと輝き、キアナに力を与える。
「世界は初めから美しくなんかない」と抵抗を続ける支配の律者に、それは違うと一喝。
皆の力をその剣と炎に宿し、ついに薪炎の律者としての覚醒を果たす。
世界が美しくないのは当たり前、でも諦めてはいけない、世界がダメじゃないって教えてくれる人がいると、そんな人たちの炎を受け継ぎ、キアナは前へ前へと踏み出す。
自分を支えてくれた人たちの後押しを背に、希望の炎を以て支配の律者という闇を燃やし尽くすのだった……
能力
プレイグジェムが顕在化したことによって炎を操ることができるのと同時に、引き続き空間を操作する空の律者の権能も使う事ができる。
また、戦闘スタイルも大きく変化し、これまでの双銃によるカスラナ流ではなく、先生に近い大剣を振るうスタイルになっている。
折れたスルトを原型に変化した大剣には4つの宝石が飾られており、仲間たちの力によって4色に光り輝く。
しかし本当に大事なのは律者としての能力ではなく、仲間達と手を取り合って夜を照らす炎になると決心したキアナ自身の精神的な成長ぶりだろう。
彼女の灯す炎はただの炎ではなく、師から受け継いだ皆を照らす希望の炎なのである。
ゲーム上での性能
ver5.0からから実装された異能タイプの炎元素アタッカー。
先述の通り今までのキアナと違って大剣を振るうが、システム上の装備武器は双銃のまま。特徴的な点として、切り上げ攻撃からの空中コンボがつなげられる点が挙げられる。
外伝OWの後崩壊書で既に近しいシステムがあるが、本編キャラでの空中攻撃はこれが初となる。(既存キャラが引き続き地上戦闘メインの為、退場時には自動的に全ての敵を打ち落とす効果も持っている)
戦力面では分岐攻撃で自身のHPを減らし律者形態へと移行する所謂火事場型アタッカー。
律者形態時にさらに分岐攻撃を行えばEPなしで必殺技並の強力な攻撃を繰り出す事も出来る。しかしパッシブで強力なシールドを持つためHP数値以上に打たれ強く、攻守ともに隙の無い非常に強力なアタッカーとして活躍する。(人格が異なる空の律者を別とするなら)これまでサブアタッカーやサポートタイプのキャラカードの多かったキアナ本人にとっては初のメインアタッカータイプのキャラとなっている。
欠点は単独で機能するEP回復能力を持たない事。
しかし、キアナ以外のキャラとチームを組むことで初期EPが増加し、一定条件下で交代すると毎秒EPを獲得できるなど、仲間と共に戦う事で欠点をある程度克服できる。
また、必殺技のモーションがとある人物のムービー中のモーションと同じだったり、一部のセリフもその人物と同じだったりと、キアナの心に残した強い影響をうかがい知れる心憎い仕掛けが施されていたりする。
余談だが、律者形態での地上通常攻撃を剣を突き立てる攻撃で止めると、突き立てた剣に寄りかかって指を鳴らす特殊モーションが存在する。これに限らず戦闘モーションにはいくつか指を鳴らすモーションが存在するが、この指鳴らしはちゃんと練習をしたものらしい(キアナ談)
余談
これまでのキアナと違い、全体的に声が大人びた印象の低めなものになっている。楽観的だった白練時代や、空の律者の影響が強く悲観的だった天穹遊侠時代と合わせ、キアナの精神的な変化を特によく感じられるポイントである。
…が、「キアナのターン」だとか「ヤケドに注意……ってね?」などと、ワードセンスはそんなに変わってなかったりする。
律者の力は割と気軽に使えるらしく、指先からライター感覚で火を出せたりする。「律者って不思議だよねー」とは本人の弁。
ちなみに律者になった事で体質が変化したようで、日焼け止めが不要になったとの事で時間が節約できると喜ぶ一方、衣服は普通に燃えるらしく戦闘中に気になることを艦橋画面で漏らす。
関連人物
キアナを戦乙女として育て、最後には空の律者から引き上げてくれた恩師。
空の律者という罪過に心を苛まれていたキアナの心を再び奮い立たせるきっかけにもなるなど、その影響は計り知れない。
当初は性格的な相性の悪さから口喧嘩が絶えなかった間柄。しかし再会以降は口喧嘩は鳴りを潜め、互いに信頼しあう仲。それでもブローニャはキアナをバカと言い切るものの、様々な事件を越えて大きく成長したキアナに対し深い信頼と心配を覚えている。
聖フレイア学園時代の委員長にして、放浪時代も渡世の羽を通じて精神面からキアナを支えてくれた人物。また識の律者の事件において、キアナに「残される者の気持ち」を気付かせ、誰も欠けさせない決心の礎にもつながっている。