※注意
この記事は崩壊3rdメインストーリー「アポカリプスはこう語った」のネタバレを含みます。
湮滅はここに還り、新星はここから生まれ……
この力は凡人のものでも、律者のものでもない
虚数の最初の姿、大千世界の真理の化身である
この「偽りの神」の力をよく味わうといい
概要
天命大主教、オットー・アポカリプスが虚数の樹に取り込まれ神の領域に到達した姿であり、「アポカリプスはこう語った」のラスボス。
支配と約束を取り込み、律者を超えたその力は紛れもなく神そのものである。
容姿
第一形態
漆黒の仮面、悪魔のような腕・脚・翼、そして背後に黄金の輪のような虚無の種が浮かんでおり、神のような神々しさがありつつ悪魔のような禍々しさを感じさせる。
第二形態
より神に近づいたということなのか黒かった部分が白くなっている。また、激しい戦いで仮面が割れ、顔の左半分が露出している。
権能
偽神:無限の崩壊エネルギー、虚数の操作
「この力は凡人のものでも、律者のものでもない。それは虚数の最初の姿、大千世界の真理の化身ーー【偽神】の力を味わうといい。」
虚数の樹に接続したオットーには常に崩壊エネルギーが流れ込んでおり、無限に限りなく近い崩壊エネルギーを掌握している。オットー個人としての出力には限界があるが、その力は世界の再構築すら可能にするほどのもの。強大な力を持つ彼を倒すには空の律者のような虚数を操作する力で虚数くりこみを起こし、エネルギーの供給を断ち切って無限を有限にしなければならない。
また、律者のように人格の上書きなどは起きておらず、彼自身の意志で権能を扱うことができる。
支配:心象風景の投影
支配の律者コアから盗んだ権能。おそらくオットーはこの権能を使って支配劇場のように自身の心象風景を展開している。
約束:崩壊エネルギーの消滅、それ以外のエネルギーの減衰
虚数の樹から盗んだ権能。おそらく光の幕と神恩結界の展開は虚無の種を通して行っており、結界が破壊された時点では彼自身は律者になっていなかったが、最終的に力を取り込み約束の律者になった。
しかし偽神に至る過程で消滅したのか、はたまた何かねらいがあるのか戦闘では約束の権能を使わなかった。
愚者の黄昏
教会堂に辿り着いたキアナとデュランダル。彼女たちを待っていたのは虚数の樹に取り込まれ偽神となったオットーだった。
オットーによる世界の再構築を止めたい彼女たちとオットーは激しい戦いを繰り広げる。
「頑張れ、僕の英雄たち。僕は地上に降り立つのをずっと待っていたんだ。」
オットーは無限の崩壊エネルギを掌握していたが彼女たちの攻撃で仮面が割れるほどのダメージを受ける。
「ハハハハッ!やはり君たちは成長したようだ。来たまえ、これこそ本物の力——天上天下唯我...独尊!」
少女たちが目にする空間は突如強烈に歪み始めた。虚空に存在する教会堂はオットーと共鳴し始める——
理解の範疇を超えた方法で分解し、再び異なった形態へと移り変わる。
オットーは偽神の力を完全に解放し、最後の決戦を繰り広げる。
戦いの末、オットーは偽神の形態を維持できないほどのダメージを負うがエネルギーの供給を受け続ける彼は立ち上がる。
「まだ……終わってない……!」
「無駄だ……この空間が虚数の樹の恩恵を享受している限り、僕の力は再生し続ける……君たちは……僕を殺せない……「再構築」されない力は絶対に無限だ……
ただの空の律者だけでは……君たちには、無理なんだ!」
そう、確かに「ただの」空の律者では無理だった。しかし彼女は愛を知っている。彼女は征服の雷の力を受け取っている。
キアナが放った愛ゆえの怒りで「空」の力を爆発させた一撃は虚数くりこみを起こし、「偽神」の力を完全に消滅させた。
真意
心象風景が崩壊し、元の教会堂まで戻ったキアナとデュランダル。彼女たちが聞いたのは先ほど倒した男の声だった。
「よく頑張ってくれた、キアナ、ビアンカ」
まるで自分たちに倒されることを望んでいたかのような口振りのオットーに、デュランダルは本当の目的は何だったのかと問いかける。
頑固なデュランダルに観念したオットーは自身の目的を明かした。
今回、オットーの目的は3つあった。
1つ目はカロスタンに呼び寄せた全員と対立し、自分を許せない悪人だと思わせること。
確かに前者は成功したが、やはり後者は失敗した。どんなに悪人として振る舞おうとも彼と深い関わりがある者たちは彼を憎みきることができなかったのだ。それを残念に思うべきか、それとも喜ぶべきか、オットーには分からなかった。
2つ目はこの世界を守ろうとする者たちに「神」の倒し方を学ばせること。神になった自分を倒せた彼女たちならこの経験を活かし、崩壊との戦いを勝利に導けるだろう。
そして3つ目は偽神の力で500年前の世界を再構築し、カレンの死の運命を変えること。
しかし偽神となり崩壊の神に近い力を得たオットーでもそれは本来不可能なことだった。所詮偽神の力も虚数の樹の法則の中で生まれた力であり、法則に縛られたオットーは虚数の奴隷で固有世界に力を行使する自由は持たなかった。
だが、時に人の強い想いは奇跡を起こす。空の律者の力ならば虚数の法則を乱してオットーの精神を一時的に解放することができるかもしれない。これは賭だったが、結果はオットーが正しかったと証明した。
オットーにとってはあまり重要ではないが500年前の世界を再構築するのでこの世界が犠牲になることはなくなった。(逆に言えばキアナたちが負けていたら犠牲にするつもりだった)
そして世界の再構築の代価はオットー・アポカリプスの死ただ一つだけ。
旅立ちの間際、オットーはテレサへの伝言を託す。
「テレサに伝えておいてくれ……残念ながら、お祖父様は君の就任式に出席できないと」
男の気配が少女たちの前から消えていった。
その魂は遠くへと漂い、虚無を越え、最後の運命へと向かう。
意志の彼岸
オットー・アポカリプスは一人、虚数の樹を目指し歩み続けていた。500年の間に多くの罪を重ねた愚者は今、その悲願を叶えようとしている。
オットーの前に大量の虚数の傀儡が現れる。オットーは虚数の支配から抜け出していたが、世界はその蛮行を許さなかった。
これは彼女と明日までの距離。強大な世界の意思。
——夢は数多とあるが はっきりとした現実は一つだけ
それでも、オットーは止まらない。虚空万象を繰り出し、途方もない数の軍勢と戦う。彼女の安寧を目指して。
——一つ選んでしまえば 他のものは存在しなくなる
たとえその身を貫かれようとも、オットーは進み続ける。
——目的は数多とあるが 最後の結末は一つだけ
たった一人の彼女を救いたいなら、過去で新たな可能性を創るしかないのだから。
——墓碑に刻まれた銘はあまリに短く 人生は長すぎた
それは別の未来、そして——彼女の時空だ——
500年前のカロスタンに黄金の光が降り注ぐ。その光はカレンに無限の可能性を与えた。その瞬間、世界はたった一人のために回り、彼女の死の運命を変えた。そして聖女が聞いたのは、ある一人の愚者の最後の願いだった。
「カレン……生きるんだ——」
こうして世界は聖女の生死を起点として2つに分かたれ、オットーの意識は静止した時間に消えた。
関連人物
キアナ・カスラナ
カレン復活の鍵を持っていると思い苦しめてきた少女。
だが彼女は解決策そのものであり、それを悟ったときにはオットーは徹底的に憎まれていた。
「だが、それでも構わなかった。「彼女」は確かに証明してくれた——
愛ゆえの怒りは、愛と同等の力を持つことを」
テレサ・アポカリプス
偉大なリーダーに成長しつつあるかわいい孫。彼女なら皆を率いて新しい時代を切り開き、オットーという悪人の功績も罪も歴史に埋もれさせ、全ての人に忘れさせることができるだろう。ただ、たまにはゴーヤ以外の野菜や果物も食べてほしい。いつも夜更かしをしている彼女にはもっと栄養が必要なのだから。
「知っているかい……明日の就任式のため、お祖父様は君にマントを作ったんだ
君が嫌でなければ、それを羽織って、君の時代の幕を開き、お祖父様が残した汚れをなくすといい」
精衛仙人・理の律者
古い友人たち。本当の善人の彼らにはテレサの力になってほしい。
ビアンカ・アタジナ
最後の生徒。オットーは彼女の運命を弄び、真心を込めて育てながら駒のように扱った。
「知っているかい……この最後の十年で、僕が君に見せた全ては、
所詮、僕がこうして死んだ後に、何も刻まれていない碑を建ててほしかったから、ただそれだけなんだ」
カレン・カスラナ
彼が果たそうとしたもの、見届けようとしたもの、救おうとしたもの。この長くて短い500年間でしてきたことは、その一方的な願望のためにしたことに過ぎない。
「僕は友人を愚弄し、家族を愚弄し、世界と、その上にある規則を愚弄した……
それは全部、唯一で本当の君に、2回目の命を与えるためだった
ただいま……カレン」
余談
関連タグ
???:オットーとは別の理由、別の方法で神になった存在
アポカリプスはこう語った
……物語はこういう感じだ。僕は遠い未来に行き、様々な出来事を経験し、こうして君に世界の真相を教える機会を手に入れた。心配ない。今回、全ては君のために変わる。遠い昔に、君がある少年を変えたように。
あれはある春の朝……
人に愛されない彼は、壁を乗り越えた君に出会った
情熱的な君は彼に挨拶をして、一緒に遊ぼうと誘った
その瞬間、その少年は——
一生分の救いを得たのだ
「……」
「…………」