「これまで人類は怪獣の脅威からウルトラマン達に助けられてきました。しかしこのままでいいのでしょうか? 所詮彼らは宇宙人…いつまでも我々の味方をしてくれる保証はありません」
「そこで、彼らのデータを徹底的に解析し、遂に“人造ウルトラマン”というべき最強のロボット兵器の開発に成功したのです! その名も…“ウルトロイドゼロ”!」
データ
正式名称: | 対怪獣特殊空挺機甲4号機 ウルトロイドゼロ |
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身長: | 55m |
体重: | 5万5千t |
搭載兵器: | D4レイ、マグネリュームガトリング、マグネリュームメーザー、他 |
タイプ: | 最強ロボット兵器 |
製造地: | 日本 |
パイロット: | ナカシマ・ヨウコ |
SA: | 石川真之介 |
デザイン: | 後藤正行 |
概要
『ウルトラマンZ』第22話「それぞれの明日」から登場(この時点ではまだ起動前)。
地球防衛軍ユウキ・マイ管轄の元、特空機3号キングジョーストレイジカスタムのデータにウルトラマンの戦闘データを使い、「人類の手で人類を守護する」というコンセプトのもと作り出された、文字通りストレイジの特空機の集大成。ただし、開発の時点ではストレイジは既に解散しているため、厳密な所属はストレイジの上部組織である「地球防衛軍日本支部」の「第一特殊空挺機甲群」になるものと思われる。
モデルは一見するとウルトラマンゼロだが、ゼロ本人と言うよりゼットのアルファエッジをモチーフにした可能性がある。作中の映像から少なくともゼットの全形態だけでなく、ジード・ギャラクシーライジング、ゼロ、エースと現れた全てのウルトラ戦士のデータをベースにしている事が窺える。ゼロの力を借りている形態が比較的多かった事から、ゼロの影響の大きい姿になっているのかもしれない。
「ウルトロイドゼロ」という名称も「ウルトロイドの試作零号機」としてならば一応の理屈は通る(※)。
※…メタ的な事を言えば、実は「ウルトロイド」はウルトラシリーズと関係なくアメリカの肛門治療器具メーカーが既に商標登録されており、そのままではこの名前が使えない事情がある。
また、ペダニウムエンジンを動力にしており(最終回でキングジョーが普通に稼働しているため、おそらく地球の技術で複製したものだと思われる)、ある意味キングジョーSCの後継機とも言える。
人型のためか、これまでの特空機と比べて動きが機敏であるが、それでもロボット故に生身のウルトラマンに比べると動きに少々鈍重さが感じられるのは否めない。キングジョーやウインダム、セブンガーの起動時には鳴き声が起動音として発するが、ウルトロイドゼロは特に発声せず打撃時に「シュピン」と効果音が鳴る。
なお、ゼット本人は師匠そっくりのウルトロイドゼロに特に反応した様子は無かった(姿を拝もうにも、後述する様にキングゲスラとタッコングと戦うために変身直後に飛び去って行っており、それどころでは無かった可能性もある)。
ちなみに列伝系列の作品でゼロが見た際には「このオレを模して作られたロボット」などの言及はある。
容姿
大まかなシルエット自体はウルトラマンゼロに似ているが、目の部分がスリット状になっており、全体的に拘束具を装着したゼロを連想させる。また、首から下のデザインはゼロと大きく異なる(胴体カラーリングだけならギャラクシーライジングに近いという意見もある)。
胸部にはD4レイ発射用のコアが設けられた装甲が被せられており、コアを中心にパイプが張り巡らさられたその様は特空機の祖とも言えるグルジオライデンをも彷彿とさせる。
このコアをよく見るとセブンガーの胸の模様と同じになっている。
戦闘能力
主武装は勿論「D4レイ」で、カラータイマーにあたるコアから敵を次元ごと破壊する強力な光線を放つ。
当初この力は余りにも強力で、下手をすると周囲一帯が空間ごと消失する等制御に問題があったが、後にウルトラマンゼットのゼスティウム光線のデータを取得し、それを元に制御システムを改造したことでユウキ・マイの仮説上では暴走を克服しているとの事。
事実初使用の際にはゼスティウム光線と同様のエフェクトが混じっており、以前の様な大規模な被害を起こさないレベルにまで威力を制御出来ている。
しかし制御できたのは威力だけでパイロットと本体への負荷は殆ど改善されておらず、1発撃つだけでパイロットは気絶し本体も機能停止してしまうという、多方面からの多数の敵を相手に戦う事もあるだろう特空機の武装としては致命的と言っても良い、とんでもない欠陥兵器のまま実戦投入に至ってしまった。
また、第23話の描写を見るに、その危険性を本能で察した怪獣がウルトロイドゼロを破壊するために暴れだす他、第21話の宇宙凶険怪獣ケルビムの様に、D4の強大な力を狙って宇宙から外敵が飛来する可能性もゼロではないなどと、強大な力を持った結果、地球に更なる危機を呼び寄せるという防衛兵器として本末転倒なデメリットを含んでいる。
地球の怪獣たちが過剰な反応している件に関してユカは第24話で、オーバーテクノロジーのウルトロイドゼロは地球そのものを破壊してしまう可能性を持ち、地球の意思を受けた怪獣達が攻撃したと考察している。
D4レイ以外の武装は、ゼロ(ないしゼロの力を持つアルファエッジ)を模しているためか、頭部のゼロスラッガー状の機関からスラッガー状の中距離多目的高エネルギーカッター『マグネリュームスラッシャー』を、額のビームランプ状の機関からエメリウムスラッシュのような対怪獣高出力メーザー砲『マグネリュームメーザー』をそれぞれ発射する事が出来る。キングジョーやウインダムの武装も一部流用しているようで、右腕にエネルギーを集中したパンチ攻撃『マグネリュームナックル』、対怪獣高エネルギー防御システム『マグネリュームシールド』というバリアを展開可能な他、腕部には高周波近接攻撃ブレード『マグネリュームブレード』と、4連装35mm多砲身回転機関砲『マグネリュームガトリング』というロボットならではの兵装も備えている。
その一方、敵の攻撃を腕でガードしながら進撃するなど機体そのものの防御力も高く、手指の存在によるキングジョーSCからの機能性の改善や、操縦者たるヨウコの技量も相まって高い戦闘力を持つ。
現にD4レイを使用せずとも、怪獣単体ならば(相手が暴走状態にあるにもかかわらず)有利に戦えている。
またゼットと激突した時もヨウコ(セレブロ)の技量もあってか、マグネリュームブレードでゼットのアルファチェインブレードと互角に切り結んでいる。
そして、後にキングジョーストレイジカスタムがパワードダダにハッキングされた際、操縦者による操縦技術の限界や周囲を守ることや内部の操縦者を守る為にかけられている力のリミッターが排除されたことによりゼットとトリガーを大いに苦戦させている。
それを鏡見ると、ウルトロイドゼロが同じ状況になれば更に恐ろしいことになっていたかもしれない。
総評するとD4を除けば(ペダニウムエンジン以外は)人類が一から作った為、鹵獲したキングジョーよりも安定性や操縦性は高い。ペダニウムエンジンのおかげで稼働時間も問題なく、扱いやすさも含めた総合的なポテンシャルはキングジョーよりも上と言える(単純な火力はD4レイ抜きではペダニウムランチャーに劣ると思われる)。
ハッキリ言ってしまえば、とにかくD4が安全性などあらゆる面で足を引っ張っているような状態であると言える。
ネオマキシマ砲など過去作で登場した似たような兵器が使用自体は問題ない事が基本的に当たり前な中、嫌でもこの問題点が目立つ。
とはいえ根本的なコンセプトである、「グリーザを始めとする凶悪さを極めた怪獣に対抗する力がないこれまでの特空機とは異なり、彼らにも有効な力を持つ兵器」としてのウルトロイドゼロにはD4レイが必須であるため一概にも否定できず、難しいところである。
もう少し気長に構え、人類が独力で完全にコントローラブルなD4級兵器を実現できれば良かったのかもしれないが……セレブロやその他の介入もあり、危険兵器を扱うには不十分な調整期間で作られてしまったのが直接的な原因と言えよう。
活躍
第22話「それぞれの明日」
起動前の状態で、格納庫内部にてウインダムやキングジョーストレイジカスタムと並んでいた。
尚、以前からウルトラマンを模した特空機の開発自体は進んでいてある程度完成されていたのか、前話でのストレイジ解散からたった3日しか経っていないにも拘わらず外装は殆ど完成していた。
またこの話では、宇宙海賊の別名を持つバロッサ星人三代目が登場しているが、今回登場した個体は先に倒された同族(兄弟)の仇討ちが目的だった為か、劇中ではD4や他の特空機同様に強奪はされなかった。
第23話「悪夢へのプレリュード」
起動に先立ち、防衛軍が開いたストレイジの解散と第一特殊空挺機甲群の編成を発表する臨時会見の場にてクリヤマ長官とユウキからその詳細が明らかにされる。
ユウキは「ウルトラマンと同等のパワーを持つこのウルトロイドゼロはD4レイを完璧にコントロール出来る」と絶対的な自信を示し、クリヤマもまた「地球は我々、人類の手で守らなければならないのです!」と豪語する。
その様子を旧ストレイジの面々はそれぞれテレビ中継越しに観ていたが、クリヤマの宣言をヨウコは複雑な面持ちで見つめ、ヘビクラ・ショウタは嘲るかのように鼻で笑い、そしてオオタ・ユカは呆れながら「地球を守ってるんじゃなくて、人類が人類守ってるだけでしょ?」と特大の皮肉を投げ掛けていた。
その数日後、夕霧演習場において多くの報道関係者の前で起動実験が行われるが、その影響で葛葉山からデマーガが目覚め、暴れだした事で、ぶっつけ本番な形で交戦を開始する事となる。デマーガと渡り合うもその最中にゴメスとパゴスも出現しデマーガに加勢、3対1の死闘を繰り広げ追い詰められる。そして搭乗しているヨウコがクリヤマ(に寄生しているアイツ)に煽られた事によってD4レイを使用、3体の怪獣を撃破するもウルトロイドゼロ自体もダメージを受けて機能停止し、パイロットのヨウコも気絶してしまった。
なお、本編ではデマーガ達は明らかにウルトロイドゼロを狙って進軍しており、ユカもそれに気付き「地球の怪獣たちがウルトロイドゼロを排除しようとしている」と解釈している。
現に、デマーガ達と共に現れたキングゲスラとタッコングは暴走状態になっており、ウルトラマンゼットの攻撃を受けて怯むと暴走が解けて大人しく帰っていった。
第24話「滅亡への遊戯」
自身の目的のため利用せんとするヘビクラ・ショウタ…否、ジャグラスジャグラーによって鹵獲されそうになるが、ハルキを人質に取ったクリヤマ長官…もといセレブロによってジャグラーが撃退された事で、防衛軍に回収されてしまう。
前回の機能停止の原因だったD4レイのエネルギー逆流を改善され、起動テストが再び行われようとしていた矢先、クリヤマ長官からヨウコに乗り換えたセレブロによりベリアルメダルを埋め込まれてしまい、そのままセレブロの操縦により格納庫から強引に脱出する(この時、ジェット噴射で飛び立つのではなく、生き物の如く壁をよじ登っており、その有機的な動作は操るセレブロに乗っ取られたヨウコの狂乱振りも合わさってなかなかのトラウマ級となっている)。
基地から逃亡すると世界各地の防衛軍が保管していた怪獣の細胞や、休眠中の怪獣(その中にはかつてゼットが見逃したレッドキングの母親も含まれていた)を次々に襲撃して吸収。レッドキングを取り込み、その卵までをも手に掛けようとしたところでウルトラマンゼットに阻止されるも、コックピット内のセレブロがばらまいた大量の怪獣メダルを吸収・融合し、ついに最凶最悪の悪魔…否、『死と破壊の王』へと変貌してしまう…。
総括
以上は人造ウルトラマンの有名な失敗例だが、ウルトロイドゼロは基本的に自律稼働型であったこれらと異なり搭乗型である。
つまりウルトラマン相当の力に人の頭脳と心が加わった物がウルトロイドゼロであり、尚且つ危険なのはどちらかと言えばウルトロイドゼロ本体ではなくそれに内蔵されたD4レイの方である、と言う少し特殊な立ち位置の兵器でもある(もっとも、抑止力としてではなくD4レイの使用そのものを前提としている機体という点では問題である)。
大前提として地球に破滅をもたらすために開発を誘導されていたという背景こそあれど、普通であればパイロットやその周囲の人間の自制心や倫理観がブレーキとなり、暴走や悪用の危険性は比較的低かった……のかもしれない。
最終回後の特別編「リ:ストレイジ」のサブタイトル画面でまるでゼットやストレイジの仲間かのように一緒に映るウルトロイドゼロに対して「なんでお前が一緒にいるんだ」というツッコミが上がる一方で、「D4レイを中心に設計を見直して要用を誤らなければあるいはこうなれた可能性も…」という声があったのも上記の観点を含んだ期待だったと言えるだろう。かつては結局暴走するポジションであったものの本作では最後まで味方として戦い抜いたキングジョーがそうであったように…
一方で何かと不安要素の塊であるD4レイを除けばかなり真っ当な「特空機の集大成」に恥じぬ機体であり、パイロットであるヨウコがD4レイ使用をためらっていたため決め手に欠けていたものの、50m級のゴメス、パゴス、デマーガの3体相手にヒロイックな立ち回りで互角以上の戦いを見せていた。
玩具では基本的にウルトラマン側のアクセスカードでは特定のウルトラマンの合体以外は怪獣メダルをスキャンしてもエラー扱いされていたが、メモリアルゼットライザーではハルキのアクセスカードを使用する事により特空機のメダルもスキャン出来る様になっており、ウルトロイドゼロのメダルもスキャンが可能になっている事から公式からは仲間若しくは味方の戦力として扱われている節がある。
ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突
アブソリュートタルタロスが調達してきた並行同位体のロボット兵器としてデアボリックと共に登場。バット星人によって調整され、パイロットを必要としない自立稼働となっている。
『Z』の世界で、「セレブロに強奪される前の時間軸」から奪われてきたと思われる(D4レイの反動が無いことから、おそらく最終調整済み)
バット星人が完全に滅びた後、惑星バベルでの戦いで撤退するアブソリュートティターンと入れ替わる形で参戦。ネクサスとの戦いで消耗していたウルトラマンリブットにトドメを刺そうとD4レイを放つが、再度現れたネクサスジュネッスブルーのオーバーアローレイ・シュトロームで相殺される。その後格闘戦に移行し、至近距離でマグネリュームメーザーを放つもナックレイ・ジェネレードで跳ね返され、ネクサスがさらに変身したウルトラマンノアのライトニングノアを受け爆散した。
皮肉にも、ヒトが作り出して悪意によって牙を剥いた人造ウルトラマンが、ウルトラマンノアによって倒されるという上述のダークザギと同じ結末を迎えている。しかも、ジュネッスブルーの時点で終始ネクサスに圧倒されている。
モデルとなったウルトラマンゼロも登場していたが、タルタロスを相手にしていたのとノアの出現に気を取られていたため、特に掛け合いはなかった。
また、ウルトロイドゼロの事を知っているゼットも惑星バベルの戦いには参戦しなかった。(第4話で諸先輩方とタルタロスと戦い、そのダメージの回復をしていたと思われる。)
ネクサスとノアがロボットと戦ったのはウルトロイドゼロが初めてである。
余談
本編登場に先駆けて、番組の公式ツイッターでその存在が明かされており、一種の公式ネタバレとなった。
それ以前にも、児童誌やバンダイの公式ツイッターにてソフビ人形の発売が告知されていた。
『ウルトラマン80』第37話では、「ウルトラマンは防衛チームが作ったロボットなのか」という趣旨のことを問われるシーンがあるが、この発言が40年後に現実のものになるとは誰が想像しただろうか。
なお、同作の最終回では防衛チームがウルトラマンに頼らずに自分達の力で怪獣を倒していた。
兵装名の「マグネリューム」は、かつてウルトラセブンがガッツ星人に敗れ磔にされた際、ウルトラ警備隊が救出の為セブンに照射した「マグネリウムエネルギー」のオマージュと思われる。
他の特空機は、大破して戦闘不能になることすることこそあれど完全に破壊されることは最後までなかったが、このウルトロイドゼロは最終的にセレブロに強奪されて殲滅機甲獣デストルドスへと変貌し、さらにそのデストルドスもウルトラマンゼットとの戦いに敗れて最終的に爆散してしまったため、劇中に登場した特空機の中で唯一の喪失機となってしまった。(後にキングジョーSCも破壊されているが、そちらは後に無事修復されたことが『ニュージェネレーションスターズ』にて明らかになっている)。
『ニュージェネレーションスターズ』にてオオタ・ユカ隊員いわくこの特空機4号のことはいい思い出ではないらしい。
この惨事はゼロの耳にも届いていたらしく、『ウルトラマンクロニクルZヒーローズオデッセイ』第5回「誰のために なんのために」ではかなりご機嫌ナナメな様子でZ本編23話を紹介。
ウルトロイドゼロの戦闘シーン後、この言葉で視聴者に呼び掛けている。
「俺たちウルトラマンは力を見せびらかすために地球に来たワケじゃない。守りに来たんだぜ!この違い、わかるか……?確かにウルトラマンは大きな力を持つ。だがしかし、その力を振るうのは平和を守るために戦う時だ!!」
力の使い方は間違えると大変なことになる……
かつて父親に認められたいがために力を欲したゼロが言うと、かなり刺さるモノがあるといえよう。
…もっとも、「守りに来た」という事情をウルトラマン側が地球人に明かす事は滅多に無いため、要らぬ疑念や不安を与えているのも事実ではあるのだが…
その後、放送された『ウルトラマンクロニクルD』第17話では特空機がメインテーマだったため最終的に取り上げられ(事実これを見せたデバンもこれを出すことに躊躇していた)マルゥルが最初3機ほど喜んでいたが、末路と結末を見て『強力な兵器もいいが、過ぎたるは何とやら…だな。今後の開発にいい教訓になったぜ。』と宇宙人であり技術者、そしてこのことを知っていた第三者としての力の危険性に関しての意見を述べた。そして第20話の内容ではダイナの最終決戦回であり皮肉にも人造ウルトラマンの始祖とその末路を目撃する事になった。
当初はダークロプスやテクターギア・ブラックの改造を想定していたが、結果的には改造や流用のない新規造形となった。マスクも新規造形で、ゼロの型から抜かれており、パーツをその上に付けている。耳を削ぎ落とし、バイザーのゴーグル部分も一体しているため、取り外すことは不可能になっている。
他にも検討稿ではダークロプスゼロの色味をそのまま引き継いだものやニセウルトラマンゼットの登場も想定されていたが、企画の時点で人気が出るか不明なゼットよりも安定した人気のあるゼロの偽物を上層部が求めた為、現在の形となった。
スーツは本体以外に、マスク、ベスト、グローブ、ガントレット、シューズ、背骨、ヒップアーマーなどパーツごとに細分化されており、腰と肩のパーツは取り外すことが可能だが、それを固定する構造はデザインにはなく、マジックテープではアクション時にズレてしまい、ストラップ留めであると浮いてしまうことから、キャッチ金具を使って固定し、外から留め具が見えないように隠して仕込んでいる。腰はアクション時に暴れないようにという要望から、上下ともに固定すると太腿と繋がり、アクションがしにくくなることから、暴れずにアクションが可能な位置に取り付けている。腕は左右対称に、線の太さの不均衡や位置ずれが起きないように直しながら作成し、見え方が腕の角度によって異なることから、いかなるポジションでもカッコよく見えるように、腕の軸に対して捻って斜めに取り付けている。エネルギーチューブは筒状に加工したウェットスーツ生地となっている。背中の飛行ユニットは甲冑側に付いているが、後方に倒れた際に潰れないように中身を詰め、噴射口のフィン状になっている板状の薄いパーツは、すぐに歪まないようにPET樹脂の薄板を挟んでいる。
胸部D4レイ発光部のカバー裏側に施されている電子回路のようなパターンのモールドや足裏のトレッドはデザイン画では存在せず、造形で追加されたもの。胸の電飾部分はウルトラマンエックスの目のディテールのデータをレーザーで彫刻している。またマスクは額のビームランプのみ発光することができ、バイザー部分が覗きになっている。紗幕をゴーグルの内側に貼り、衝立を鼻筋に入れることで内部がどの角度から見ても透けないようになっている。首周りは胴体とつながっておらず、メンテナンスや着脱がしやすいようにベストに隠れる長さで切られている。
関連項目
F計画:ある意味で特空機4号の先駆けと言える計画。
電脳巨艦プロメテウス、ヘルズキング改、ロボバルタン、キングジョーⅡ、ビクトリウム・キャノン:ストーリー終盤もしくは重要局面にて登場した、防衛軍のタカ派が作り出した兵器。軒並み暴走、あるいは敵に鹵獲・悪用されている。
イーヴィルティガ、ウルトラマンオーブダーク:ウルトロイドゼロをはじめとする人造ウルトラマンとは少し毛色が異なるが、「正しい心を持たない者や自己満足が目的の者がウルトラマンの力に手を出すとどうなるか」を体現した存在。
テラノイド:TPCのタカ派が主導して作り上げたシリーズ初の人造ウルトラマンであり、ウルトラマンの力を人工的に再現された兵器を製造しようとした先例。だがスフィアに乗っ取られゼルガノイドと化し、ウルトラマンダイナに倒されるという末路を辿っている。また、ストーリー終盤で登場している点も共通。更に言えば本機の完成した時点では、防衛軍は実質セレブロに乗っ取られたも同然であり、開発を主導したユウキ・マイ自身も(ゼロ本人曰く)『ハルキ達ストレイジの意志を無視して、強さだけを求めようとした連中』と開発の経緯や周辺事情に至るまでテラノイドと共通しており、不穏な予感に拍車を立てていた。
ダークザギ:スペースビーストに対抗すべく地球人とは別の種族が作り出した巨人。歪んだ自我に目覚めた結果暴走し、ウルトラマンノアと相打ちになり力の大半を失った後は地球で暗躍しのちに復活を遂げるも、同じく復活したノアの手により今度こそ完全に破壊された。
プロトマケットウルトラマンメビウス:防衛チームが実戦投入を検討していた人造ウルトラマン。人造怪獣「マケット怪獣」の試作型の内一体であり、ウルトラマンメビウスと同じ姿と戦闘力を持つ。ただし遠隔操作型であり、多人数からの命令は処理できないのが欠点。幸いにも、こちらは防衛チームにいたサコミズ・シンゴがメビウスに配慮して採用を却下、その後同じく投入が検討されていた試作型マケット怪獣の一体が不慮の事故により暴走を起こした為に、正式に中止された。この他にもGUYSにはウルトラマンの力のみならず地球外のオーバーテクノロジーを使った兵器が数多く見られるが、その内訳は採用が中止されたものや使用に制限のあるものが殆どであり、『Z』の地球防衛軍との事情の違いを垣間見ることが出来る。
ダークロプスゼロ:ウルトラマンゼロを模したベリアル銀河帝国の侵略ロボット兵器。ウルトロイドゼロとは胸部に次元干渉型の武装を搭載している点も共通。その点で、ウルトロイドゼロはある意味地球版ダークロプスゼロといえるだろう。
ニセウルトラマンベリアル:前作に登場した人造ウルトラマン。チブル星人マブゼが創ったゼロの宿敵の偽物。
にせウルトラセブン:ゼロの親父を模して造られた、シリーズ初のロボットウルトラマン。
これを開発したサロメ星人も、ウルトラ戦士のビームデータを組み込んで完成させたという点ではユウキ・マイと共通し、後に同族がゼロ相手ににせセブン(も含めたウルトラロボット軍団)をけしかけている。ちなみにその同族はゼロそっくりのロボット(上記のダークロプスゼロ)を利用しようとした結果、破滅に追い込まれている。
ネオメガス:第10話に登場した怪獣で前述のDG計画001の試作機として作られた怪獣でタカ派の技術者が悪用、撃破後悪に完全利用された姿と化したなど似た意味を持つ。ただし、ウルティロイドはロボットに対してこちらはクローン技術を使った一種の生体兵器怪獣のためどちらかと言うとコンセプトはグルジオライデンに近い(ちなみにこの着ぐるみはグルジオライデンのスーツの改造品)。
超神ゼスト:クロスオーバー作品のオリジナル設定ではあるが、こちらもウルトラマンの力を欲した宇宙人が生み出した人造ウルトラマン。
ウォーロック:『ストライクウィッチーズ』に登場した兵器でタカ派軍人が敵の超技術を使い生み出し最終的に暴走を引き起こす大問題を起こし最終的に主要メンバーの手で失脚したと同じような物を持っておりウルトロイドゼロが人造ウルトラマンと称するならこちらはさしずめ人造ウィッチと呼ぶと思われる。但し、ウルトロイドゼロが黒幕の手駒に対してこちらは半ば事故的要因である。
テラフェイザー:11話に登場し黒幕によって作られた人造兵器であるが、最終決戦では味方として復帰しそれ以降も人類の守護神として活躍している。