「さあ、今回もたっぷり怯えてくれ...我がゼットンのために!」
概要
『ウルトラマンサーガ』のメインヴィラン。
声にエフェクトが掛かっていて分かりにくいが、声を演じたのは元宮崎県知事のタレント東国原英夫(旧芸名:そのまんま東)。
暗躍の目的は「自ら育てたゼットンの力を使って全ての宇宙に破滅をもたらす神となる」事で、まずウルトラマンの居ない次元の地球である“フューチャーアース”に侵攻、一部の女子供(女子供だけを残していたのは、ゼットンの育成に必要な恐怖と絶望のエネルギーを効率よく回収するためであった)以外の人間を消滅させてフューチャーアースを完全に制圧し、先代が果たせなかった地球征服を一時的とはいえ実質的に実現した。
なお、現代の地球を完全征服できたウルトラ世界の宇宙人はバット星人が史上初である(別宇宙を含めた前例ではグラキエスがいる)。
また、映画の前日譚であるOV作品『キラー・ザ・ビートスター』によると、かつてビートスターや天球のあった宇宙を破滅させたのもこのバット星人であると言われており、かなり大々的な破壊活動を行っていた模様。
制圧した地球を新たなゼットンの育成の養殖場もとい実験場と定めてゼットンの繭を置き、捕まえたスフィアをゼットンの餌にしたり、怪獣墓場から連れてきたアーストロンやゴメス、グビラに生き残った人々を襲わせてそれによって生ずる人間達の絶望と恐怖の心(マイナスエネルギーの類いかは不明)をもゼットンに吸収させてその成長を促してきた。
途中、他の次元から駆け付けたウルトラマンダイナに計画を邪魔されるが、捨て身の攻撃で力尽き石化したダイナを繭に入れたまま、尚も怪獣達を使いゼットンの育成を続けた。その後、ダイナのテレパシーを受けてM78ワールドからウルトラマンゼロが、コスモスペースからウルトラマンコスモスが現れ再び計画を邪魔されるも、遂に繭からハイパーゼットン(ギガント)が誕生。ギガントの力で残された人々の生活拠点を火球の雨で焼き払い、更にタイガ・ノゾムの覚悟と共に戦いへと赴いたゼロとコスモスを相手に圧倒する。
しかし、チームUとタケルの決死の作戦によりダイナが復活した事で形勢が逆転。三人のウルトラマンの連携を受け、ギガントが敗北。しかし、今度は宇宙船ごとギガントと融合し、ハイパーゼットン(イマーゴ)へと進化させ、さらには自らもハイパーゼットンと一体化して3大ウルトラマンに逆襲を仕掛け、一度は彼等を変身不能の状態にまで追い込んだ。
彼等がウルトラマンサーガとして復活を果たしてもなおハイパーゼットンを操ってサーガと互角の戦いを繰り広げるが、人間の策にはまってからは一転不利となり、最後は宇宙空間でハイパーゼットンもろともサーガマキシマムを受けてバラバラに消し飛び、完全に滅ぼされた。
なお、当然ながら本人の戦闘力はあまり高い訳ではないようで終始円盤の中におり、戦闘を行ったのもハイパーゼットンと融合してからである。
しかしサーガを相手にしても最初こそサーガアクセラレーション等に不意を突かれたものの、即座に対応し互角に渡り合うなど戦闘センスは中々に高い。
一方で最後の罠など不意を突かれた際には立て直しに時間が掛かっており、不測の事態に弱い傾向がある。
また、映画でカットされたシーンでは、ハイパーゼットンとは別にスフィアの力を利用し改造した怪獣:怪獣兵器も生み出させ、ウルトラ兄弟と激闘を繰り広げさせた。ベースとなった怪獣はアントラー、キングパンドン、ブラックキング、ベロクロン、タイラントと過去にウルトラ兄弟を苦しめた強豪怪獣であり、首や胸にスフィアの発光器官が着いているのが特徴。だが、実力を上げた彼らの敵では無かった。
ゼットンに関しては、ハイパーゼットンの強さから初代以上の実力とインパクトを見せつけるなど、“ゼットン養殖業者の面目躍如”と言える成果を出している。但し劇中での彼のハイパーゼットンの育成は「養殖」というよりは単体を育て強くさせるという方向性なので初代のバット星人がサーガ版の彼に比べ必ずしも劣っていたとは言い難い。
ウルトラギャラクシーファイトでは(ネタバレ注意)
『大いなる陰謀』
CV:田久保宗稔
第2章にて、アブソリュートタルタロスが過去のベリアルを招き入れた異空間で宇宙恐魔人ゼットらと徒党を組んでいるバット星人の姿があった。
第1章で『サーガ』の舞台だったフューチャーアースでタルタロスが何らかの干渉を行った事が示唆されていたが、第3章の冒頭でタルタロスの連れてきたレイバトスの手で蘇ったことが判明。蘇った段階で「私はサーガを…!」と口にしている。つまり、このバット星人は『サーガ』で登場した個体と同一存在である(公式ツイッターでもビートスターのいた宇宙を破滅させ、フューチャーアースでハイパーゼットンを作成した個体と明言されている)。
始終人間サイズだった『サーガ』と異なり、作品の都合上巨大サイズで蘇っている(補足説明しておくとタルタロスは56m、レイバトスは49m)。
もっとも初代の事を考えれば巨大化自体は出来てもおかしくは無いが。
復活した当初は事情が呑み込めずに混乱し(セリフからサーガマキシマムで粉砕された段階から記憶が継続している様子であり、混乱するのも当然と言える)、目の前にいたレイバトスとタルタロスに食ってかかったが、直ぐにタルタロスに拘束され、状況を説明されると協力することを約束。「以前から試してみたかったプランがある」と述べ、ラボに移動すると「ゼットンがウルトラマンに勝てなかったのは“心”を持たなかったから」という自身の研究成果を基に、宇宙恐魔人ゼットを誕生させる。
そして自軍の兵隊として様々なゼットンの養殖を行い、人工ゼットン軍団をも作り上げる。
このゼットンらは複製体ではあるが能力を的確に使いこなす事と数の暴力も合わさり、トライスクワッド達をして手強いと言わしめる程の完成度を誇る。
手塩にかけたハイパーゼットンは失われているが、その怪物じみた個体を育て上げた優秀な育成手腕と頭脳は健在である。
『運命の衝突』
引き続き登場。
タルタロスを「様」付けで呼ぶなど、完全にザ・キングダムの尖兵に成り下がっており、彼が様々な次元から調達してきたロボット兵器の調整を行っている。
怪獣墓場にてギナ・スペクターとグリージョの交戦中にタルタロスに伴って介入、かつてウルトラダークキラーの使用していたキラープラズマを解析により会得しており、グリージョダークネスを生み出した。
恐魔人ゼットを葬ったトライスクワッドと直接対決となり、トライストリウムを相手にする。やはりタルタロスからアブソリュート粒子を注入されていたらしく、元の戦闘センスと合わせかなりの戦闘力を見せたがトライストリウムレインボーには敵わず、レインボーストリウムバーストを喰らい、「私の頭脳が…こんなところでぇぇぇっ!!」と叫び爆散した。
皮肉にもサーガに続いてまたしても三位一体のウルトラマン…それも、「タイガ」という名を持つ人物に敗北する事になり、『ウルトラマンサーガ』での登場から実に10年目にしてようやく真の滅びを迎えたのだった(死に場所がかつて墓荒らしをした怪獣墓場と言うのも因果なものである)。
今作ではゼットン関係の作業は行っていないが、ロボット兵器の調整からキラープラズマの再現など短い出番ながらもその優れた頭脳を遺憾なく発揮していた。
そして、彼の調整を受けた兵器たるデアボリックは、後に(フューチャーアースと同じく、ネオフロンティアスペースから来たTPC所属の人間の協力で地球防衛の術を得た世界であり、後にダイナことアスカも関わる事になる)『ウルトラマントリガー』の宇宙でザ・キングダムの刺客として地球を襲撃。街を破壊し、立ち向かってきたグリッタートリガーエタニティにダメージを与えるなどの甚大な被害をもたらしており、間接的な形ではあるが、最後の最後にまたも別次元の地球に爪痕を残す事となった。
関連タグ
再生怪獣 アブソリュートタルタロス 宇宙恐魔人ゼット デアボリック 特空機4号ウルトロイドゼロ
プロフェッサー・ギベルス:「スフィアとの戦いが終わった地球」に現れた宇宙のマッドサイエンティスト。「実験」と称して命を弄び、大勢の人間を誘拐する等、バット星人に近い立ち位置にいる。