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小型集合体グラキエス

こがたしゅうがったいぐらきえす

グラキエスとは『ULTRASEVEN X』に登場するエイリアンの一人である。別名は小型集合体。
目次 [非表示]

データ編集

別名:小型集合体
身長:4.8メートル
体重:2.5トン
出身地:不明
演:野口雅弘、千葉誠樹、ナカヤマミチコ


ここから先はULTRASEVENXに関する重大なネタバレを含みます。


























「君達は食事をするだろう」

「食物は生物が生きるのに必要不可欠なものだ」

「同様に、人類は情報がなければ生きていけない」

「彼らは自ら、そんな世界を作り上げてしまった」

「そこで我々は情報を提供する側に回ることにした」

「需要と供給…人類と我々はその信頼の上に成り立っているのだ」


ジン「どこから現れた…なぜこの地球を侵略する!?」


「侵略?そんな低俗な意思は我々にはないよ」

「地球を覆う大気のように、我々はただここに存在する」

「故にもう一つの世界にも存在するのは必然だ」

「この世界と平行して存在する、もう一つの世界」

「そう、君が生きる世界のことだ」


ジン「俺が生きる世界…?」


「さぁ、そろそろ終わりにしましょう」

「君は既に役目を終えたのだよ…」


「「「ウルトラセブン」」」


概要(ネタバレ)編集

ULTRASEVENX』Episode12(最終回)『NEW WORLD』に登場。

何処からやって来たのか、何時からそこに居たのかが全く不明の地球上の蜘蛛によく似た謎の生命体(エイリアン)。


地球人が情報に頼り切っている事に着目し、ジン達が住まう地球の情報網を支配、その管理者となる事で、誰にも悟られることなく地球を秘密裏に支配していた支配者の正体にして、ジンの記憶にまつわる一連の事件の黒幕たる侵略者。


政府が原子力に代わる新エネルギーを得るために推し進めていた「AQUA PROJECT(アクア プロジェクト)」の実験中、偶然並行世界への扉が開くというアクシデントが起こり、凍結されたその計画に目を付け、並行世界へ侵攻、支配しようと画策する。


その姿からは想像もつかないが、高い知性、高度な科学力を持っており、人類とコンタクトを取る際は精神に干渉する。その際は、全体的に赤くぼやけたような色の精神世界で、湖畔に佇む洋館を背景に老紳士、中年の男女の姿で現れる(別名が小型集合体なので、恐らく、このイメージ内の3人は夥しい数のグラキエスが、実は三体の群体である可能性を示唆していると思われる)。


口から吐く糸状の電撃が主な武器だが、個々の戦闘力は皆無に等しく、もっぱら全世界に配置されたTVやモニターで(早い話が監視カメラを全世界に設置して)状況を監視して情報操作を駆使し、自分達以外の侵略者達は監視システムであるDEUSのコンピューター(DEUS指令)を使って地球人達を利用し排除していた。

また、戦闘力の低さを補う目的で、護衛機として自分達の姿を模して制作した機械生命体・メカ・グラキエスを使役している。


主人公であるジンの記憶喪失の元凶でもあり、物語が始まる以前、自分達の事を嗅ぎつけたジンとエレアを何も知らないDEUSのエージェント達を使って排除しようとした際、ジンが重傷を負い、追い詰められた2人は咄嗟に飛び込んだ能朱湖で、二人はグラキエスの侵攻を止める為に現れたウルトラセブンと遭遇。

彼を助けるため、セブンはジンと一体化するが、その際、セブンの意識と共にジンの記憶も封印されてしまったというのが事の真相であった。


一命を取り留めたジンを一度は亡き者にしようとするが、記憶喪失であることを知り、しばらくの間その動向を見守っていたが、エレアによってジン達にその存在を伝えられ、計画も大詰めになったため、本格的に動き出した。


多数のグラキエス達が「AQUA PROJECT」の重要施設が設置されている能朱湖の地底深くに巣食っており、終盤で遂にその悍ましい姿を現すが、メカ・グラキエスとの戦闘で記憶が戻り、本来の力を取り戻したセブンに本拠地に乗り込まれ、抵抗するもののなす術も無く、ワイドショットアイスラッガーダブル無双の前に殲滅された。


余談編集

一部ネットでは暴政を敷くわけでもなく、情報統制で戦争やテロを根絶してくれたり、凶悪なエイリアンから守ってくれたりで「侵略されたままで良かったんじゃないか?」との意見も多いそうだ。


しかし、「自分達と人類との関係は信頼の上に成り立っている」「侵略には興味がない」と言っておきながら、並行世界の存在を知るや「当然その世界も自分達が支配下に置くべき」と高慢な選民思想の下にそちら側への侵攻を図ろうとする、自分達のことを探ったり知ってしまった人物が現れれば、彼らの情報を捻じ曲げ抹殺しようとする、ウルトラセブンウルトラセブンXの正体や彼に関する情報をいち早く掴み、物語の冒頭で暗殺しようとし、記憶喪失と知るや否やしばらく泳がせて他の侵略者の排除に利用、用済みになれば始末しようとするなど、やっている事は他の侵略者たちとあまり変わりないように見える。

また、本作の特徴と言うべき作中のCMの内容を見れば、人類に対して「社畜になる」事を強要しており、社会不適応者やドロップアウトした人々に対するケアを行う事やその受け入れ機関などはない。ストレス対策の商品がたびたび流れるが、身も蓋もない事を言えばこれも「さっさと仕事に復帰させる」事が目的で、治らない人間自体は受容していない。


また、戦争やテロが根絶されたというのも、彼らの情報操作によって作られたものである可能性があるため、本当かどうかは疑わしい。

凶悪なエイリアンから人類を守っているのもあくまで表向きで、その実は自分達が支配した地球を横取りされたくない、彼らが原因で自分達の存在が明るみに出ることを恐れたなどの理由からの、単なる自衛や保身と考えられる。

何よりも現場はDEUSのエージェントに任せ、彼等は基本的に自分達自身を危険に晒さないどころか上層部についてエージェントは全く認知できず、存在や責任を如何様にも回避出来る立場を確立させている。

(事実、先記のとおりジンをはじめとした、自分を探ろうとした相手を抹殺しようとしていた他、マーキンド星人の一件も彼らにとって有意義な結末を迎えている。人類にとっては有益な話であるが、結局のところ結果的なものだったのかもしれない)


直接的な侵略でこそないにせよ、彼らの行ったことは、

「世界の裏で自らが頂点に立ち、繁栄を謳歌するために自らの望む存在へと人間を改変し思うがままに操作する」

「思うとおりに操作できない存在を人間か否かに関係なく容赦なく排除し、操作できる存在である人間を平然と使い潰すことで、侵略者との争いや社会活動による苦しみの一切を人間に押し付け、自らは寄生虫のごとくその恩恵を受ける」

といったものであり、下手な侵略者よりもよほどタチの悪い存在であったと言える。


その一方で、侵略を狙っていた並行世界(M78ワールド)の地球だが…


セブン以外の宇宙警備隊の皆さん

ヤプール皇帝陛下等、私怨を晴らすついでに侵略を企てる皆さん

レイブラッド星人ベリアル陛下等、色々と別方面でタチの悪い侵略者の皆さん

神出鬼没に現れては星々を破壊して回る人工知能の皆さん

惑星を己のエサ場に変え喰らい尽くす悪魔はじめ、さらにタチの悪い生命体の皆さん

上記のような存在に対抗できるまでのレベルに達した防衛隊の皆さん

怪獣と互角に渡り合う一般人の皆さん


等々の不安要素が結構多いことから、「ひ弱なグラキエスには無理なんじゃないか?」との厳しい意見もあるようだ。事実、劇中の彼らのスペックを見ると、本当にどうやって侵略する気だったのか、些か疑問に残る。

※ただしこれは、本作のセブンがウルトラ兄弟の一員として存在している世界線の存在だったら…という仮説の元で語られているものである。元々『ウルトラセブン』は、前作の『ウルトラマン』や後の『帰ってきたウルトラマン』以降のウルトラマンシリーズとは独立した作品として描かれており、本作のセブンがウルトラ兄弟の一人としてのセブンかどうかは不明である。

尤も、これほどの強敵が存在する宇宙に手を出すほど、情報操作や自己保身を念入りに行うグラキエスが無謀な存在とは考えにくいので、恐らく『ウルトラ兄弟の存在する』世界ではなく、『恒点観測員のウルトラセブンの世界』(もしくは平成ウルトラセブンの世界)を狙っていた可能性が高い。


因みに彼らは、映画『ウルトラマンサーガ』に登場したバット星人のように、「地球侵略済み」という偉業を成し遂げた数少ない宇宙人だったりする(しかもシリーズにおいては初のケース)


とはいえ、並行世界の侵略という余計な欲を出した時点で、文字通り墓穴を掘ってしまった黒幕であることに変わりはない。現状維持に徹していれば、こうはならなかったであろう…。


関連タグ編集

ウルトラセブン ULTRASEVENX

ラスボス(ウルトラシリーズ) ラスボス(笑)

メトロン星人:武力に頼らないやり方で地球を支配しようとしていた点ではある意味同業者。

バット星人(ウルトラマンサーガ):同じく『ウルトラマンサーガ』で地球侵略の偉業を達成した宇宙人。しかし、ラスボス相応の実力や活躍を見せている点は、彼らとは対照的。

ダークザギ:こちらも防衛組織に潜入していたラスボスという点では共通している。実力の差に関しては言わずもがな。


ゼイリブ:グラキエスの先駆けと言える宇宙人が登場する作品。

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