概要
「高次元捕食体」の別名を頂く宇宙生物。底無しと形容して差し支えないほどの旺盛な食欲を持ち、その赴くままに宇宙各地を渡り歩き、気に入ったものを捕食して回っている。
その食性は大食かつ悪食の一言に尽き、巨大な怪獣から惑星まで、捕食対象の守備範囲は実に広く多岐に亘る。そのため宇宙では「怪獣の天敵」として悪名が知れ渡っている。
「ボガール」という名称は特定の個体を指すものではなく、あくまでボガールという種族そのものを指し、初登場となる『メビウス』にてボガール、及びレッサーボガールの2種が確認され、外伝にてさらに上位の種の存在が判明している。
初代
『ウルトラマンメビウス』第6話「深海の二人」から第9話「復讐の鎧」にかけて登場。ハンターナイトツルギ=ウルトラマンヒカリが見守っていた惑星アーブを滅ぼした張本人であり、地球に再び怪獣頻出期の恐怖を呼び込んだ元凶。
灰白色の爬虫類のような肌と口器を持たない顔、背中に備わった翼のような被膜が特徴。比較的霊長類に近い体型をしており、その姿は怪獣というよりグレイタイプのエイリアンを思わせる。
実はこの被膜こそが捕食器官であり、大きく広げることで無数の牙が並んだ巨大な口を形成する。膜は伸縮自在で、怪獣サイズの獲物をハエトリグサのように丸呑みにしてしまう。(この時、両腕は膜の内側に収納され、大口を開閉するのに使う。)
また、食べた物は一瞬で消化・吸収され、食べカス一つ残らない。
直接的な戦闘力も高く、掌から野球投げの要領で放つ光弾を武器とする他、テレポートや念力などの特殊能力を使う。
尻尾も伸縮自在だが戦闘には利用せず、メテオールで地球外に投げ出されたシーピン929を奪回するために伸ばした描写がせいぜいであり、メビウスに即座に切り落とされている。切られた尻尾はGUYSが回収し、実験により電撃が弱点である事を突き止めている。
行動原理はあくまで「お腹いっぱい食べる」ことの一点に尽きるが、ただの怪獣とは一線を画す高い知能を有し、闇雲に獲物にかぶりつくのではなく「複数の怪獣が現れやすい状況を作り出し、現れた怪獣をまとめて食べる」「標的をより大きくしてから捕食すべく障害を排除する」「邪魔者を相手に分が悪くなれば獲物を諦めて撤退を選ぶ」と言った理性的な行動を見せる他、片言ながらヒト語を解し話すことも可能。地球上では人間の姿(ボガールヒューマン)に擬態して潜伏し、ディノゾールやケルビムなどのエサとなる様々な怪獣を呼び寄せていた。
また、脱皮という生理現象を利用し、変わり身の術のようにメビュームシュートを回避する機転も見せている。
劇中では複数体現れたサドラを捕食している他、第9話ではツインテールとグドンの戦いに乱入し、二体を圧倒した後に捕食した。この他、呼び寄せられた怪獣により生じた副産物が何度もメビウスとGUYSを苦しめることとなる。
エレキミクラスの活躍で一時は無力化に成功したと思われたが、ボガールモンスに変異し復活した際に耐性を得てしまった。
一貫してシリアスな悪党ではあるが、怪獣を捕食した後は満腹を示すかの如く腹を叩くなど、明らかに食事を楽しんでいる事を示すユーモラスな面もある。
ボガールモンス
第9話にてボガールが突然変異を起こし、パワーアップした姿。
暴食の末にエネルギーを限界まで溜め込んでおり、生命活動の停止と同時に直径100㎞の大爆発を起こす歩く爆薬庫になってしまっている。
詳細は当該記事を参照。
レッサーボガール
第21話「虚空の呼び声」、第22話「日々の未来」に登場した亜種。ウルトラゾーンにて複数個体が確認されている。
サイズは人間大で知能も低いが、貪欲さは初代にも引けを取らず、仲間の死肉を食べて巨大化する特性を持つ。
詳細は当該記事を参照。
アークボガール
ボガール族の王。元暗黒四天王の一角であり、巨大ヤプール以前に邪将の座に就いていた男。
皇帝によってブラックホールに封印されていたが、その崩御と前後して復活を遂げた。
貪欲さは並のボガールの比ではなく、惑星一つを跡形もなく食い尽くしたという大食漢。
詳細は当該記事を参照。
以降の作品での登場
『大怪獣バトル』
AC版無印2弾にて技カードとして収録。「応援怪獣を一体使用不能にする代わりにアタックとディフェンスを200ずつ上げる」という効果を持つ。
NEO版ではゲームシステムの変更に合わせた調整が加えられ、「メンバーの内1体を永続的に交代できなくする代わりにアタックとディフェンスを200ずつ上げる」という内容に変わっている。
『ロストヒーローズ』
ウェザー・ドーパントと共に行動しており、原作では片言だった口調も流暢になっている。
底知れない食欲の持ち主だが、セルメダルでできたシャムネコヤミーは食欲が湧かないらしい。
また彼女の口調から察するに、かつてメビウス本編に登場したボガールと同一人物らしい。
なお、ショッカー・キューブには言葉を話さない別個体が出現、本能のままにダダ、ケムジラ、ロードラを捕食して回り、ボガールモンスへと進化を遂げた。
『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』
2020年1月7~8日のメンテナンスにより、ついにプレイアブルとしてゲーム作品にデビュー。相性「技」の☆3キャラクターとして期間限定マーケットに陳列される。
ステータス構成は、HPと運が低めだが攻撃・遠近防御・回避が高水準にまとまったバランス型。
弱点属性は雷で、異星人と言語を介したコミュニケーションを取れる知能の高さから「宇宙人」枠に分類されている。
固有スキルは「恐るべき捕食器官」、必殺技は翼と腕を変形させた口で相手にかぶりつき、咀嚼した後に吐き出して爆殺するえげつないモーションを添えて「捕食行動」の名義で設定されている。
固有スキルは、行動完了時にHPが一定以下のキャラクターを敵味方の区別なく復活無効にし、HPを0にする効果を持ち、必殺技は隣接1マスにいる敵1体に強烈なダメージと共にフェイズ終了まで復活無効を押し付ける。
総じて、相手を丸ごと腹に収めて復活を封じる凶悪なまでの暴食ぶりを徹底再現した仕様になっている。
同年10月14日から21日の一週間、覚醒対応キャラとして再びマーケットに登場。
固有スキルのLv.10効果である復活無効の効果時間が2ターンに伸び、Lv.12時の覚醒効果として
- 敵・味方のいずれか1体のHPが0になった時、3ターンの間攻撃力が中アップし、移動力が1増える
- 3ターン目の自分のフェイズ開始時にツインテールを出現させる
という効果が追加された。ツインテールはおそらく1つ目の効果発動の生贄である。
余談
デザインモチーフは白蛇。ただし捕食器官を広げた時はさながらコブラの様。
上記の通りウルトラマンヒカリが復讐に囚われる要因となった存在だが、さらにこの出来事があるウルトラマンが正義に疑問を持ち、闇堕ちする原因や、そのあるウルトラマンによってとあるウルトラウーマンが誕生するという副次的な作用ももたらしている。何気に彼らもエンペラ星人やレイブラッド星人と同じく、肉体が滅び、長い時を経てなお全宇宙に影響を及ぼした存在であると言える。
関連イラスト
関連項目
ブラウゴール:こちらも惑星を食べ尽くした怪獣。
ウーラー:宇宙規模の食害そのものである怪獣。ボガールが食事を楽しんでいるのに対し、こちらは強すぎる食欲に任せて目に映る全てにかぶりつくも全く満たされず、そもそも生きてすらいないので餓死する事も許されないという生き地獄を味わい続けている。
マガオロチ/マガタノオロチ、ルーゴサイト、メツオーガ/メツオロチ:同じく宇宙規模の食害。ルーゴサイトは暴走状態であり、マガタノオロチはそもそも凶暴すぎて明確な自我があるのかどうかすら不明。