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怪獣墓場

かいじゅうはかば

特撮ヒーロー番組『ウルトラマン』第35話のサブタイトル、及び同エピソードに登場する場所の名前。
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概要編集

1967年3月12日に放送された、実相寺昭雄監督によるウルトラマン第6回監督作品のタイトル。

もしくはウルトラシリーズに登場する地名を指す。


ウルトラマン第35話「怪獣墓場」のあらすじ編集

宇宙のウルトラゾーンの中で、科特隊の面々はウルトラマンや自分達が倒してきた怪獣達の霊が漂う怪獣墓場を発見。

今まで倒してきた怪獣達を弔うため、怪獣供養を行う事に。

その時、彼等の前に新たな怪獣が現れたが…(詳しくはこちら)。

登場怪獣編集

亡霊怪獣シーボーズ


怪獣墓場の主な登場エピソード編集


地名としての怪獣墓場編集

特撮4コマ

ウルトラ戦士達に倒された怪獣や宇宙人の魂が眠っている場所。

2009年に発売されたOV作品『ウルトラマンメビウス外伝 ゴーストリバース』の解説書ではもっと詳しい解説が書かれ、曰く「多世界解釈における複数の宇宙にまたがって存在する定常的な空間の歪み」らしく、簡単に言うと次元を超えて様々な怪獣たちの亡霊が流れ着いてくる吹き溜まりのような場所だという。

これを裏付けるものとして、ウルトラマンベリアルの配下であるベリアル軍団(怪獣墓場に眠っていた怪獣・宇宙人の亡霊を復活させたものとされる)には、スペースビースト根源的破滅招来体の手先であったガンQといった昭和ウルトラマンのシリーズとは世界観の繋がっていない世界の怪獣も多数登場している。

そのため、色々な宇宙に繋がる空間でもあるので、様々な宇宙を旅しているダイナZAPを怪獣墓場まで案内している他、ここでの戦いで敗れたベリアルは別宇宙に流れ着いている


また、亡霊の他にも概念などの存在そのものも流れ着くので、本編で死亡していないキャラクターや、ロボット怪獣などの生命体ではない存在も見られるのが特徴。それだけでなく、企画段階のベムラークラプトンといった没になった怪獣も流れ着いているらしく、メタ的な意味でも円谷怪獣の墓場と言える。


空間の密度やベクトル位相が一定せず絶えずランダムに波打っているため、エネルギー収支という宇宙の最も基本的な法則が成り立たない場所でもあり、怪獣の亡霊以外にも小惑星等も漂着し、巨大な浮遊大陸も存在している。

また、何故か空気が存在し地球によく似た環境が形成されているため、生身の人間や生命体が普通に活動できる場所でもある。


ジャンボーグA第21話にも怪獣墓場が登場するが、新ウルトラマン列伝にてマルチバース設定の一つに組み込まれている事が確定した為、恐らく同一の場所だと思われる。尤も、「列伝時空」での発言なのでアテにならないと言いたいところだが、アメコミ版レッドマンウルトラマンタイガのボイスドラマなどでウルトラシリーズと円谷特撮の世界観が往年以上にリンクし始めている為、あながち列伝時空だけの設定というわけでもないのかもしれない。


近年の作品ではこの場所を舞台に事件が多発しているのであまり知られていないが、『ゴーストリバース』時点ではウルトラマンマン曰く「怪獣達の魂が流れ着く神聖な場所」セブン曰く「戦いとは無縁の空間」らしく、本来は争いごとのない神聖な場所であり、遠足でここに来るウルトラ戦士もいるほどである。

実際、『ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突』ではウルトラマンボーイが綺麗な石を見せる為にウルトラウーマングリージョウルトラマンゼアスウルトラマンナイスを連れて怪獣墓場に向かっている。しかし、その石がよりにもよって新世代ヒーローズたちが回収しているデビルスプリンターだった為にアブソリューティアンの襲撃に巻き込まれてしまったのだが…。


主な地名編集

グレイブゲート編集

三つの輪が組み合わさったような外見をした怪獣墓場に出入りするために必要な巨大建造物で、少なくとも60万年前に作られたと言われている。

誰が作ったものなのかは不明で、様々な宇宙に存在していると言われる。

突発的に発生する宇宙の歪み「ウルトラゾーン」から行く事も出来、このウルトラゾーンは様々な時空に通じており、例えばDXウルトラコクピット「出撃!ウルトラゾーンの旅編」ではウルトラ6兄弟の活躍していた時間軸へガンフェニックストライカーが飛ばされた事があった(それぞれ第36話第14話〜第15話第4話第1話第33話〜第34話の時間軸となっており、脱出するには同じように通ってきたウルトラゾーンを通過する必要がある)。


小惑星編集

レッサーボガールが棲息している。


浮遊大陸編集

広大な怪獣墓場の中でも一際広い空間。数千万もの怪獣たちの魂が浮かんでいる。

運命の衝突では、デビルスプリンター編の決戦の場となり、レイバトスは怪獣墓場に眠ってる怪獣達の魂とタルタロス新世代ヒーローズ達が回収したデビルスプリンターで自身の持つレイオニクス能力を増幅させてギガバトルナイザーを復活させた上でギナ・スペクターを素体として彼女の兄であるモルドと弟のジュダの魂を融合させグア・スペクターを復活させた。


炎の谷編集

浮遊大陸の深部にある秘境で、生きとし生けるものすべてを焼き尽くす灼熱の炎で覆われている。

たとえウルトラ戦士であろうとも立ち入ることはできず、バーニングブレイブに変身できるウルトラマンメビウスでようやく通り抜けが出来るが、それでも大きなダメージを負ってしまう。

かつてウルトラマンキングギガバトルナイザーを封印した場所で、EXゼットンが棲息し、ギガバトルナイザーの警護に当たっている。

ウルトラマンベリアルがベリュドラとなったときには、体の一部に他の怪獣共々一体化していた。


映像作品以外での設定編集

SDヒーロー総決戦編集

ステージとして登場。普通の墓地のような所になっている。


ウルトラボーンランド編集

食玩「ウルトラボーン」に登場する空間。

一度土にかえったが不思議な力により、意思を持った骨格「ウルトラボーン」となった怪獣たちが暮らしている。


モンストリア編集

ドラマCD「ウルトラ怪女子」に登場する空間。

人間たちの想像が実体を持つ特殊な場所で、もともとは人間の創造によって生み出された怪獣たちは死後少女の姿になる

前提となる設定からして完全に第四の壁無視している気がするが気にしてはいけない。


怪獣墓場学園編集

漫画『ウルトラ怪獣擬人化計画 feat. POP Comic code』に登場する女子校で、ウルトラ戦士たちとの戦いに敗れた怪獣たちが、女子高生(!)に生まれ変わって通学している。

怪獣墓場のほぼ中央に位置しており、ここを中心に怪獣墓場は未来ゾーン、昔ゾーン、自然ゾーン、不思議ゾーンの4つのエリアが伸びているが、その外がどうなっているかははっきりしていない。

また、怪獣墓場の一角に霊園が存在しており、作中の描写から、死亡した怪獣たちはここで少女の姿に生まれ変わっているのではないかと推測される。

なぜ怪獣たちが少女の姿になるのかは今のところ特に説明されていない(主人公メフィラスは、地球人の男性の弱みを握るためではないかと勝手に解釈している)が、学園の校長が何かの目的のために怪獣少女たちを集めているらしいことが語られており、物語の展開に関わる重要な要素になっていることが推測される。

ちなみに、上記のモンストリアとの関連性は不明。


ウルトラマン Fighting Evolution Rebirthの雪原地帯編集

便宜上こちらも怪獣墓場として扱う。

不審な地震の震源地でツインテールグドンバキシムなどが氷に閉じ込められている。

その氷に閉じ込められていた怪獣に、事件の黒幕でかつてウルトラマンに倒されたジェロニモンもいた。


ウルトラ兄弟VS暗黒大軍団編集

物語の舞台として登場。浮遊していた怪獣の内訳は次の通り。


ジェノサイド・キューブ編集

ゲーム『ロストヒーローズ』のラストダンジョンの元ネタとなっている。

中ボスはグランドマスターガンダムウルトラマンベリアル恐竜グリードなど。

最深部にリジェス・コアがあり、デビルガンダム(最終形態)、仮面ライダーコアベリュドラとの三連戦が始まる。


酩酊!怪獣酒場2ndでの怪獣墓場編集

最終話で登場。こちらでは「死後の世界」という扱い。

主人公のうるま寅次郎は若い頃に何らかの理由でこの世界に迷い込み、怪獣酒場の従業員として働いていたらしい。


余談編集

ピープロの作品スペクトルマンにも怪獣墓場という空間が存在しているが、ウルトラシリーズとは無関係である。

またキン肉マンにおける「超人墓場」は、怪獣墓場のパロディである。


現実世界での怪獣供養編集

初代円谷の社長、円谷英二が亡くなった後、立て続けに怪獣がらみの事故や不幸が続いたため、昭和48年、「ウルトラ怪獣大行進」というファン交流イベントの中でお祓いの意味も兼ねた怪獣供養祭行われた。


これまで使われてきた怪獣の着ぐるみをお祓いした後に焼却したりするだけかと思いきや、そこは円谷。


円谷作品に出演する役者やヒーローたち(一見供養しなさそうな赤いアイツまでいる)も総出で登場し、怪獣の遺影を掲げて参列した。

ウルトラの父を先頭にウルトラ兄弟が少し頭を下げた沈痛な面持ちで怪獣の入った棺を運び、献花し、火葬し、最後には「怪獣さん安らかに」と書かれた墓碑も建てられるというとても特撮イベントとは思えないような非常に本格的な怪獣供養が行われた。


時が経った現代からすると、ものすごくシュールかつ「そもそもウルトラマン達が仏教徒なのか?」を始めツッコミどころだらけなのだが、実は当時は円谷英二社長の後を継いだ円谷一社長までもが若くしてこの世を去ってしまうという悲劇に見舞われており、円谷もフィクションと現実の両立を目指して本気で行っていた。

この話はトリビアの泉でも取り上げられている。中でも当時出演していた同じヒーロー仲間である金子昇は非常に驚いていた。怪獣撃破シーンは何故か各ウルトラマンの切断技や残酷な倒し方ばかり取り上げられている

…それはさておき、当時は小規模で行う予定だったらしいが、会場にはなんと約2000人程のファンが押し寄せていた。写真を見てわかる通り、当時の円谷の気持ちを支えながらファン達が別れ花を捧げているのが拝見できる。当時これがどれ程の切ない気持ちで本気行っていたのかがよく分かる。そしてこの供養以降、撮影現場でも大きな事故は起こらなくなったらしい。


ちなみに参加していた子供たちは誰一人も泣いていなかったらしい。泣いてやれよ……


時代の流れによって二子玉川園は残念ながら1985年に閉園してしまったが、その後も怪獣供養祭は部分的に復活し、お盆の時期にウルトラ怪獣をテーマにした飲食店「怪獣酒場」で行われている。

こちらは一応バルタン店長が人間界のお盆の習慣を参考にしたという設定があり、碑や遺影、更にはウルトラマンの顔の形をした木魚も置いてある。

生存している怪獣たちも供養に参加しているそうだが、怪獣たちが手を合わせて拝む姿はやっぱりシュール。

…とはいえ、怪獣たちも心の中で悼んでいる気持ちがあるのは間違いない。例えどんなに悪い怪獣であっても、命を残酷に奪わればと一緒である。実の所、当時の歴代ウルトラマン達も罪悪感も背負いながら正義を守っていたのだろう。


…今後もこの怪獣たちの魂が永遠の安らかに眠る日がいつまでも続く事を祈るばかりである。


関連タグ編集

怪獣墓場(ウルトラマン) ウルトラ怪獣

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