概要
主にウルトラマンゼロが活躍するシリーズで描かれる世界線。劇場映画『超決戦!ベリアル銀河帝国』では舞台となった。
この宇宙の太陽はディファレーター光線を含んでいないため、M78ワールドのウルトラマンはエネルギーは急激に消耗する。回復手段が少ないため、別のエネルギーでの補給をしなければ再変身も基本困難。
エメラル鉱石と呼ばれる高いエネルギーを持つ鉱物資源をもとに発展しており、各惑星間の移動や惑星開拓が身近なものになっている。万能戦艦マイティスターを旗艦とした宇宙艦隊や、炎の海賊といった宇宙海賊も存在する。また三次元人とはかかわりを持たないという鏡の星の二次元の民の存在も確認されている。さらに、この宇宙にもウルトラマンノアが伝説の存在として語り継がれている。
しかし、別次元であるM78ワールドから襲来したカイザーベリアル率いるベリアル銀河帝国からの侵略を受け、戦乱状態に陥ってしまう。
だがカイザーベリアルを追ってやって来たウルトラマンゼロの来訪を機に、種族を越えて協力し、共に危機に立ち向かうという変化がもたらされ、ベリアル銀河帝国打倒を成し遂げた。
略史
ベリアル銀河帝国の時代
ある日、光の国を襲撃したダークロプスに、M78ワールドにはないエメラル鉱石が使われていたことが発覚したことで、ゼロは発せられていたマイナスエネルギーを逆探知してこの宇宙へ辿り着く。
ベリアルがこの宇宙に危機を陥れていると知り、開拓民のラン、ナオ兄弟や惑星エスメラルダの王女エメラナ姫といった旅で出会う仲間達とともに戦いを繰り広げる。
やがて様々な種族同士が協力することでカイザーベリアルを内倒し、ベリアル銀河帝国を崩壊させた。
その後もゼロは元の宇宙には戻らず、この宇宙を拠点とした独自の宇宙警備隊ウルティメイトフォースゼロを結成した。
1年後
ベリアル銀河帝国の崩壊から1年後、有機生命体抹殺を目論むビートスターが管理するビートスター天球が襲来。ジャンボットとエメラナを連れ去り、M78ワールドへと転移する。
ウルトラマンサーガの時代
冒頭にてベリアル銀河帝国残党勢力がゼロと戦っている。
ウルトラゼロファイト第二部の時代
謎の5人組宇宙人ダークネスファイブと、蘇ったウルトラマンベリアルとの死闘が繰り広げられる。
劇場版ウルトラマンジードの時代
ギャラクトロンがサイドスペースから襲来。ウルティメイトフォースゼロに倒される。
用語
ウルティメイトフォースゼロ
詳しくは該当項目にて。
エメラル鉱石
エメラルドグリーンに輝く鉱石。
惑星アヌーの人々の生活資源であり、灯としても使用される(明かりを灯す際にはナオの持つ「ドラゴノガン」という光線銃を使用している)。
ベリアル銀河帝国のダークロプスの動力源としても使用されており、各惑星でエメラル鉱石の略奪行為を行ななう要因となっている。ベリアル軍の巨大要塞マレブランデスには奪った大量のエメラル鉱石が貯蔵されており、これをカイザーベリアルが大量に吸収した事でアークベリアルが誕生してしまった。
また、エメラナ姫は体内にこの鉱石と同じエネルギーを内包しており、ジャンバードの炉心に飛び込む事で動力源の代用が可能。
ゲーム『ロストヒーローズ』ではデザート・キューブにてケルディムガンダム/アリオスガンダムによってライドマシンの動力源用に回収された。ちなみに、その他の資材となったのはガイアキャノンとガンダリウム合金である。
続編の『ロストヒーローズ2』ではマウンテン・キューブ地下に鉱脈が存在しており、仮面ライダービーストに魔法石と勘違いされるシーンがある他、硬度がフラット(ジョゼフ・ヨット)のソニックブラストでも破壊できないほど硬いという設定になっている。
NEVERが研究していたが、エネルギー源と気付いた時には既に遅く、巨大要塞マレブランデスによって根こそぎ強奪されている(カイザーベリアルの見積もりによれば100万年は戦える量が埋まっていたようだ)。
しかし、こちらでもアークベリアル誕生の触媒となってしまっている。
アベユーイチ監督がコミックマーケットの参加者に語ったという(非公式の)裏設定ではウルトラマンノアがアナザースペースに蔓延ったスペースビーストを位相反転させたものという扱いになっている模様。
アヌー
一面が荒野の開拓惑星で、限りなく地球人に近い外見をした宇宙人が暮らしている。
ランとナオはこの星で生まれ、ハスキーというビーム砲付きの地表艇を移動手段に持つ。
ラン兄弟の父母はヒロとミナといい、ナオは父から伝承された「アヌー拳法」なる拳法を体得しているが、二人が死亡してしまった為、祖母が面倒を見ている。
地下にはエメラル鉱石の鉱脈があり、ベリアル軍の侵攻を受けるが、折しもそこへウルトラマンゼロが現れてレギオノイドを撃破した。
ちなみに、ヒロを演じたのは石橋保氏、ミナを演じたのがさとうやすえ氏と『ウルトラマンネクサス』出演者となっており、ランにエナジーコア型のお守り(その正体はバラージの盾の欠片)を渡すというファンならニヤリとする展開がある。
鏡の星
宇宙に浮かぶ鏡がゲートとなっている星で、二次元世界にある。
空にはオーロラが輝き、地表を川が流れる美しい惑星である。
詳しくは二次元の民にて。
バラージ神殿
鏡の星地下にある「ノアの神」を祀った巨大神殿。
『バラージの盾』の伝承の元となっており、ナオが欠片を神像にはめ込むが、何も起こらず、鏡の星ごとアイアロンの襲撃で砕け散ったかに思われたが…。
炎の海賊
詳しくは該当項目にて。
隠れ宙域
炎の海賊の根城である小惑星帯。「スペースニトロメタン」という起爆性の高い物質が充満しており、ベリアル軍のブリガンテ艦隊に侵攻された際にはグレンファイヤーがグレンスパーク発動して大爆発を起こすことにより、艦隊を撃退している。
惑星エスメラルダ
エメラルド色に輝く大草原が広がる美しい惑星。ジャンボットの出身惑星。
王政であり、王家はエメラド王、エメルル王妃、エメラル王女、エメラナ姫の4人で構成されている。
アヌーの民同様、この星の民の姿形は地球人に酷似している上、他種族との交配が可能らしく、ミラーナイトは二次元人とエスメラルダ人の混血児という設定である。
惑星全体がエメラル鉱石で構成されているためにベリアル軍の襲撃に遭い、ミラーナイトによってエメラナ姫がジャンバード内に転送され、居住区をディフェンスミラーで覆ったために民は無事であった。
なお、エメラド王を演じた南原健朗氏は『ミラーマン』に出演した上月左知子(鏡京太郎の母・鏡優子役)の長男である。
レジスタンス艦隊
終盤でベリアル銀河帝国に反旗を翻した惑星の民が結成した大艦隊。
『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』(デアゴスティーニ・2009年~2011年・101-24より)によると全部で11の惑星が参加しているとのことで、鏡の星の艦隊からはミラースター級宇宙戦艦、炎の海賊からはアバンギャルド号とその同形機であるファイヤーパイレーツ級戦艦が参戦している。
マイティ号に似たマイティスターの所属は不明ながら、11の惑星の勇者が搭乗しているとされる。
余談
『ベリアル銀河帝国』のパンフレットによれば、ゼロとウルトラマンノアが対面したことで、映画『ULTRAMAN』やTVシリーズ『ウルトラマンネクサス』で描写された「ULTRA N PROJECT」の設定と、M78ワールドの設定が初めて映像作品でリンクしたという。
当初はアナザースペースがNプロ世界なのか明確に設定はしていなかったらしく、ベリアル銀河帝国の監督・脚本を担当したアベ・ユーイチは「そうだったら素敵なことだと思う」とインタビューで語っていた。
現在は、2つの次元が別のものであることが書籍で明言されている。