概要
現代理論物理学には、「現在、自分が存在している宇宙とは別の宇宙が複数存在する」とする多次元宇宙(マルチバース)という理論があり、ウルトラシリーズではそれを設定として採用している。
同じ「ウルトラマンの存在する世界」でも、作品によって設定が大きく異なっている。
例えば……
過去に怪獣やウルトラマンが地球に現れた世界でも、
- ウルトラQ~ウルトラマン80(ザ☆ウルトラマンを除く)+メビウスの舞台である「M78ワールド」
- 上から派生して、初代ウルトラマンの物語を高田裕三が再構成した漫画『ウルトラマン_THE_FIRST』の世界
- これとは別に初代ウルトラマンから派生した漫画『ULTRAMAN』の世界
- さらに別に初代マンの最終回から派生した映画『甦れ!ウルトラマン』の世界
- 「セブン以外の作品とは関係のない」、平成ウルトラセブンの世界
- 全く無関係であるティガ・ダイナ(+『ブースカ!ブースカ!!』)の世界
今まで怪獣やウルトラマンが地球に現れていない世界でも、
他作品との関係が曖昧な
グレート、パワード、コスモス、ネオス、マックス、ギンガ、X、オーブ
さらにはゲームや漫画、アニメなどなど……
もうお分かりかと思うが、これらはそれぞれ別の世界である。
このような「様々な世界」が無数に存在し、それぞれの世界は「壁を挟んで隣り合っている」というのが、多次元宇宙=マルチバース理論である。
設定として明確にされたのは映画『超決戦!ベリアル銀河帝国』が最初。同時に「時空を超える」要素が物語中で登場した事で、以降の作品で「世界観が異なるウルトラ戦士達が時空を超えて共演する」展開が定着した。
詳しい世界観はウルトラシリーズも参照。
マルチバースレベル
レベル3マルチバース
IFの世界、という言葉を聞いたことはないだろうか。『マックス』に出てきた白饅頭ではない。
「この世界に存在するあらゆる因子が、別の選択肢、別の事象を歩んでいたら」という過程である。
これを「レベル3マルチバース」と呼ぶ。
具体例を挙げてみよう。
『平成ウルトラセブン』では、セブンが最終回で改造パンドンを倒した後、ウルトラマンジャック、あるいはそれ以降に連なるウルトラ戦士が来訪「しなかった」(そしておそらく、初代ウルトラマンも地球に来訪「していない」)。
当然、ヤプールやテンペラー星人、マグマ星人にブラック指令も地球には来ないまま平和な時が過ぎていったのである。
これにより、『平成セブン』の世界は、『帰マン』以降とはレベル3マルチバースの関係であることになる。
また、『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』では、アブソリュートタルタロスが歴史に介入することで、本来のウルトラの歴史からは外れたパラレルワールドが複数発生、そこから連れて来られた存在を“並行同位体”と呼称していた。
小説作品の『ウルトラマンデュアル』及び続編の『デュアル2』、『ウルトラマン妹』、『ウルトラマンF』も、それぞれ光の国が存在する設定のため、レベル3マルチバースに該当すると思われる。
レベル2マルチバース
それとは別に、世界観自体が全く別物ということもある。
例としては、『ウルトラマンティガ』及び続編の『ウルトラマンダイナ』の舞台となった世界「ネオフロンティアスペース」が挙げられる。
この宇宙では、光の国出身のウルトラマンではなく、まったく別の出自を持つティガら超古代の戦士たち、およびダイナが人類を守ってきた。
つまり、『メビウス』までの世界『M78ワールド』から視れば、ネオフロンティアスペースはIFで派生しうる世界ではない。
これを「レベル2マルチバース」と呼ぶ。
ネオフロンティアスペースの他にレベル2マルチバースに該当する世界は、
- ウルトラマンガイアの世界・・・ウルトラマンは地球の力で生まれた存在である。
- Nのワールド・・・ネクサス(=ザ・ネクスト=ウルトラマンノア)が活躍した世界。
- ウルトラマンコスモスの世界「コスモスペース」・・・ウルトラマンは異星人らしきことが示唆されている他、本編開始前の時点では、実際に遭遇したムサシ少年などを除けば地球人たちにはサンタクロースのような伝説的存在として捉えられている。
- エメラナ姫たちの世界「アナザースペース」・・・ゼロが現れるまで、類似の存在はいてもウルトラマンは(例外を除いて)存在しなかった世界。
- チームUの世界の地球「フューチャーアース」・・・こちらはウルトラマンどころかヒーロー自体存在しなかった世界。 なお、「フューチャーアース」はあくまでこの世界の地球の名前である。
- ウルトラマンギンガの世界・・・様々なマルチバースからスパークドールズに変えられてしまったウルトラマンや怪獣が飛ばされてきた世界。元々この世界にいたウルトラマンはビクトリーのみである。
- ウルトラマンXの世界・・・エックス以外のウルトラマンは存在しない世界、と思われていたが……?
- ウルトラマンオーブの世界・・・様々なマルチバースからウルトラ戦士たちが結集し、地球で暴れまわっていた魔王獣を封印してその力の一部を残していった。オーブ、先代ロッソ、先代ブル、フーマが元々この世界にいたウルトラマンとして確認されている。
- ウルトラマンジードの世界「サイドスペース」・・・かつてウルトラマンベリアルの引き起こした「クライシス・インパクト」により一度崩壊の危機に直面した宇宙。
- ウルトラマンR/Bの世界・・・ロッソとブルが活躍した宇宙。グリージョはこの宇宙で誕生したほか、ジードがトレギアによって飛ばされてきた。
- 大怪獣ラッシュの世界「プラズマギャラクシー」・・・プラズマ怪獣をおなじみの宇宙人たちがハントしている世界。あのガタノゾーアを一蹴するレベルの怪獣がウヨウヨいる、ある意味宇宙一危険な怪獣無法地帯。
- ウルトラボーグの世界「マシンボーグワールド」
などが挙げられる。
その他、ウルトラマンギンガやダークルギエルは「未来の時間を持つ世界」からギンガの世界に来訪している。
近年のウルトラシリーズも明言こそされていないものの、このレベル2マルチバースの設定が用いられているものと思われる。
補足
全ての宇宙を包括する超空間(映画『ベリアル銀河帝国』参照)からは、レベル2マルチバースが泡のように無数に浮いているように見えるものの、その裏側には「レベル2マルチバースの数×無限」のレベル3マルチバースが存在しているというわけである。既知の世界への移動はウルトラマンなら比較的簡単に行えるようだが、この宇宙の外側の超空間には光の国の全エネルギーを使ってもウルトラマンゼロを送り込むのが精いっぱいであった。
このマルチバースのレベル分類は理論物理学者マックス・テグマークが考案したものを参考にしたと思われる。
また、近年の作品を見る限りでは、時間軸の進行の度合いも各世界によって大きく異なっているらしいことが窺える。
- 例えば、現在のM78ワールドは、『大怪獣バトル』シリーズ以降、既に『メビウス』の時代(西暦2006年ごろ)から少なくとも数千年は経過した未来の世界へと突入している。
- 一方で、『ギンガ』や『X』の世界の地球は、現代(2010年代)の地球と技術・生活の水準が殆ど変わっておらず、数千年も先の未来とは到底思えないような描写がなされている。
- 『オーブ』でも同様の描写が見られることに加え、ゼロやメビウスなどの若い戦士が遥か昔(古代~中世ごろ?)の地球に飛来して魔王獣の掃討に当たっていたらしいことが示唆されている。
- 映画『ウルトラマンサーガ』では、ダイナ最終回から15年後のネオフロンティアスペースが登場したが、ワームホールによって別宇宙に飛ばされたダイナがサーガ本編の50年以上前に発生したある事件に参戦し、異世界であるM78スペースの住民に存在を確認されている(本人もその事を自覚済。)など、ダイナ目線ではTV版最終回から数十年が経過している事が窺える。実際、アスカのキャラ付けにはつるの剛士氏による「アスカは何百年も宇宙を旅してきたのではないか」という考えが反映されている。
- 劇場版『ウルトラマンタイガニュージェネクライマックス』では、湊イサミの口から「自分たちのいた世界とは時間の流れが違う」ということが語られ、マルチバース間で時間の進み方が大きく異なっていることが初めて明言された。
この設定が扱われた作品
以下、レベル2マルチバースに関する場合は☆を、レベル3に関する場合は★を付けさせていただく。
映像作品
ウルトラマンVS仮面ライダー★
甦れ!ウルトラマン ★
最終話でゼットンに敗れた初代ウルトラマンが、死亡せずに地球に留まり、その後も科学特捜隊と共に怪獣・宇宙人たちと戦っているという設定。
平成ウルトラセブン ★
『セブン』の直接の続編で、ウルトラ警備隊が引き続き地球の防衛に当たっている。
『帰ってきたウルトラマン』以降の設定はなかったことになっているが、まだ設定が曖昧だった第1作『太陽エネルギー作戦』ではバルタン星人やオイルドリンカーなど、他作品に登場した怪獣たちの存在が語られた。
ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦 ☆★
『ウルトラマンガイア』が特撮番組として放送されている世界(レベル3マルチバース)に、本物のガイアが飛ばされてしまう。
また、クライマックスではネオフロンティアスペースからダイナとティガが直接呼び出された。
新世紀2003ウルトラマン伝説 THE KING'S JUBILEE ☆
ウルトラマンキングが30万歳の誕生日パーティを行うため、本来M78ワールドに存在しないTDG三部作の面々やコスモスを招待した。
ウルトラマンマックス ☆★
第24話「狙われない街」ではセブン第8話「狙われた街」でアイスラッガーで真っ二つにされたはずのメトロン星人が北川町で存命していたことが明らかになる。また、第29話「怪獣は何故現れるのか」では円谷プロが特撮番組「ウルトラQ」を制作している様子が描かれる。
一方、最終回後のスペシャルフィナーレで、マックスが「私は別の宇宙へ旅立つ」と語っている。
マックス自体メタ的な話が多いこともあり、マルチバースの尺度で語ることが難しい作品である。22話「胡蝶の夢」のように、夢と現実が行き来する展開もあり、レベル2マルチバースよりも、言語哲学の「可能世界」に近いのかもしれない。
ウルトラマン怪獣伝説-40年目の真実- ★
最終回で初代ウルトラマンがハヤタと分離して地球を去ってから約40年が経過しており、初代ウルトラマンとゾフィー以外のウルトラ戦士は現れず、科学特捜隊は地球防衛軍に吸収され、一部の隊員は退役している設定。
大決戦!超ウルトラ8兄弟 ☆★
ウルトラシリーズが特撮番組として放送されていた世界にメビウス/ヒビノ・ミライが迷い込んでしまう。
作中には、ただの人間のハヤタ、ダン、郷、北斗、マドカ・ダイゴ、アスカ・シン、高山我夢らが登場。
ULTRASEVEN X ☆
セブンが別世界からM78ワールドの侵略をたくらむ「支配者たち」を食い止めるためにやってきたというストーリー。
設定上、このセブンはエンペラ星人没後、ギャラクシークライシス以前のセブンとのこと。
ウルトラギャラクシー大怪獣バトル ☆
レイブラッド星人がブルトンの持つ能力を使って時空を捻じ曲げたことで、異なる世界から怪獣が大量召喚された。これが「ギャラクシークライシス」である。
そのため、「M78ワールド」が舞台ながらも他の世界の怪獣やウルトラマンの記録も残されることになった。
ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ ★
分裂した並行世界のレイがM78ワールドに召喚される。
ウルトラマンゼロ 超決戦!ベリアル銀河帝国 ☆
ゼロがアナザースペースへ向かうため、光の国のウルトラ戦士たちのエネルギーで次元の壁を突破するという無茶をやってのけた。
ウルトラマンサーガ ☆
ウルトラマンの存在しない宇宙にある地球「フューチャーアース」が舞台。
ゼロ、ダイナ、コスモスが登場したほか、カットされたシーンではウルトラ兄弟も駆けつけている。
ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!! ☆
超時空魔神エタルガーがウルトラマンを倒すためにM78ワールド、ネオフロンティアスペース、ガイアの世界、コスモスペース、Nの世界を巡り、礼堂ヒカルの住む地球に飛来。それを追ってウルトラマンゼロも現れた。
大怪獣ラッシュ ☆
希少鉱石・プラズマソウルを身に纏った「プラズマ怪獣」と呼ばれる巨大生物が跋扈しており、これをハンティングするラッシュハンターという職業が確立されている。
後に、闇のエージェントやベリアルとその手下がこの世界を訪れている。
ウルトラマンX ☆
M78ワールドとは別次元の世界が舞台だが、ゼロがM78ワールドからXの世界に逃げ込んできたナックル星人を、マックスがXの世界の侵略を企むスラン星人(実際には同族を倒したマックスへの敵討ち)を追ってそれぞれ来訪。
また、同一人物かどうか明言されていないが闇のエージェントそっくりの3人が素性を隠してひっそりと暮らしていた。
他にも、ギンガの世界からグア軍団がXの世界に侵攻した際、ビクトリー(と巻き込まれる形でアリサ)がグア・スペクターによって、それを追ってギンガがグア軍団の開けたワームホールに飛び込んでXの世界にやって来た。
さらに、『Q』と同一個体と思われるM1号が地球を訪れている。
映画でもTVで客演したウルトラマンがサイバーカードで再びXの宇宙に召喚されている。
ウルトラフレアの際に時空が歪んで別次元の宇宙と繋がったと明確に説明されており、これが世界観が異なるウルトラマンや怪獣が来訪できる理由になっているものと思われる。
ちなみにこの世界にはティガも存在するが、ネオフロンティアスペースのティガとはまた別の存在(別個体)である。
ウルトラマンオーブ ☆
遥か昔、地球に出現した魔王獣たちを7人のウルトラ戦士達が封印しており、歴史書にも記されている。
オーブは先輩ウルトラマンたちのことをよく知っているようだが、どういった関係にある存在なのかは不明である。
スピンオフでは戦いの舞台自体がオーブの宇宙とは別の宇宙である。スターゲートを使用して明確に別宇宙へ移動するシーンがあり、ダイナやコスモスも登場している。
映画でもギンガやビクトリー、エックスに加えてセブンとゼロが客演している。
ウルトラマンジード ☆
かつてウルトラマンベリアルの引き起こした「クライシス・インパクト」により一度崩壊の危機に直面した地球が舞台。M78ワールドと同一の世界かは不明だったが、後に別の宇宙(「サイドスペース」と呼称)であると明言された。
生後間もなく父:ベリアルの元から引き離されたジード=朝倉リクが自らの素性を知らぬまま地球で生活を送っていた。
また、この事件以前の記録は殆どが失われてしまっており、世間一般では「クライシス・インパクト」の真相は隕石衝突によるものであるとする説が一般化している他、ウルトラマンや怪獣の存在も「都市伝説」的な存在としてしか認知されていない。
ウルトラマンZ ★
M78ワールドやサイドスペースと別次元の世界であるが、かつてケムール人の引き起こした事件の後日談が存在しており、このことから『ウルトラQ』と同一の時間軸(地続き)である可能性が示唆されている(少なくとも『ウルトラQ』の出来事が過去に起こった歴史を持つ、一つの地続きの世界。ただし、後に登場したM1号の事を考慮すると、『ウルトラQ』の全ての出来事が発生しているわけではない模様)。
また、終盤でヤプールの怨念の生み出した超獣バラバの動向を察知してエースがゼットの救援に駆け付けるという展開もあった。
ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀 ★
アブソリュートタルタロスの介入により、本来歩むべきはずだった歴史から外れた世界線と、そこから連れて来られた存在である並行同位体と呼ばれる敵が登場する。
ウルトラマントリガー・ウルトラマンデッカー ☆
『ティガ』のネオフロンティアスペース出身であるシズマ・ミツクニが、次元の歪みを通じてやってきた(飛ばされた)世界。彼の出自が防衛チームのTPU・GUTS-SELECT設立のきっかけの1つとなっている。『デッカー』は世界観を同一とした『トリガー』の続きのお話。
『Z』の主人公であったナツカワ・ハルキが、ブルトンの発生させた次元の穴を通して『トリガー』の世界へやってきた(最終的にベリアロクの力によって無事に元の世界に帰還できた)。トリガーの劇場版ではハルキ/ゼットがベリアロクの力で再びこの世界を訪れた他、あるキャラクターがこちらの世界に逃亡してきていた。
また、運命の衝突で、時空の歪みに巻き込まれたリブットも、トリガーの世界へと行き着いた。
シン・ウルトラマン ★(推定)
ゾーフィがマルチバースについて言及しており、この世界の光の星においてもマルチバースの概念は知られていることがわかる。
同時に、「人類がベーターシステムで巨大化できる」という事実が最初に知られたのは神永新二とリピアーの事例が初とも言われており、他の世界のウルトラヒーローに関する知識は得られていないことがわかる。
このことから、この世界で知られている「マルチバース」はレベル3マルチバースに限られるとも考えられるが、この世界がM78ワールドのレベル3マルチバースではないのかも実の所不明瞭である。
(M78ワールドに酷似した点は多いが、光の星のスタンスが光の国とは丸っきり異なることや『人類がベーターシステムで巨大化できる」という事実が最初に知られたのは神永新二とリピアーの事例が初』とされている点等M78ワールドのレベル3マルチバースであるとするには不都合な点も多い)
ウルトラマンブレーザー ☆
「ウルトラマンの存在」は都市伝説とされており、本編の何十年前も前から、宇宙飛行士達の間で噂されていた未確認大型宇宙人のコードネームとして、「ウルトラマン」の呼称が用いられていた。
映像作品の本編では他ウルトラマンの客演も他バースとの交流も一切なかったが、『NEW GENERATION THE LIVE』シリーズでは『Z』世界からバロッサ星人が侵略に来たり、『トリガー』&『デッカー』世界のエタニティコアを利用して野望を果たそうとする敵が現れたりと次元を股にかけた戦いが繰り広げられている。
加えて、何らかの形で既作品バースに情報は届いている模様。
そして、次作「ウルトラマンアーク」にて遂に別次元の地球と繋がる事態が発生する。
その他
スチール連載小説 バトルオブドリームNOA ☆
Nの世界から飛ばされてきたダークザギがM78世界で暴れ回るが、同じく飛ばされてきたウルトラマンノアはウルトラ戦士(登場する戦士は媒体によって異なる)と協力して闘い、ノア・ザ・ファイナルによってザギを自分もろともM78ワールドからNの世界へ戻した。M78ワールドなのにコスモスがいる場合もあるが、彼が飛んできたかどうかは明言されていない(まあ雑誌展開では良くある事)。
他にも雑誌展開では複数の宇宙のウルトラマンが一堂に会することがよくある。
ちなみに映像作品では『大いなる陰謀』がコスモスのM78スペースへの初来訪ということになっており、正史とは矛盾が生じる。
アンデレスホリゾント ★
『ウルトラマンメビウス』第31話以降の地球が舞台だが、テレビ版とはまた異なった展開が描かれており、結末も大きく異なる。
Another Genesis ★
『ウルトラ銀河伝説』 のIF展開を扱った外伝小説。
ゼロは登場せず、ウルトラ戦士のデザインも大きく変化している(設定が大幅に変更されてしまった者もいる)。
ULTRAMAN(漫画) ★
『ウルトラマン』最終話以降の地球が舞台だが、初代マン以外のウルトラ戦士は地球を訪れておらず、科学特捜隊も形を変えて存続し続けているという設定。
地球は星団評議会という宇宙規模の連合組織に加盟しており、怪獣災害はほぼ根絶されている。
…と思われていた矢先、『ウルトラマン』終了以前にすでに光の国は滅びていたと、原作からかなり早い段階で分裂した世界線であることが判明した。
ウルトラマンF ☆★
『ウルトラマン』最終話と『ウルトラセブン』の間に位置する物語。
ブルトンの細胞を利用して「超次元微小経路」と呼ばれる他世界との連絡通路ができてしまい、ここを通ってビースト・ザ・ワン、ダークザギ、ヤプール一味、イフ、ハイパーゼットンが襲来した。
劇中では結局この通路を塞ぐことは最後までできず、ラストシーンでは現在でも地球が多くの侵略者たちから狙われており、それを防ぐためにウルトラ兄弟たちが奮闘しているらしいことが語られている。
ウルトラ怪女子 ☆★
「モンストリア」と呼ばれる場所が舞台。作中では「我々の住む世界に並行して存在するいくつもの世界の1つ」「様々な世界から怪獣の魂が流れ着く、怪獣墓場の一種」として設定されている。
つまり、これ自体も「怪獣墓場が関係する作品」のマルチバースと言える(ただ、レベル2とレベル3のどちらに相当するかは少々解釈の分かれるところではある)。
一説には、人間たちの空想の影響を受けたことで、怪獣の魂が人間の少女の姿を取るようになったらしい(これについてはドラマCD冒頭のナレーションなどで語られている)。
……要はシリーズのファン・そして製作者たちが時流の流れに沿ってしまった結果と言える。
ウルトラ怪獣擬人化計画 feat. POP Comic code ★
ウルトラ戦士に倒された怪獣・宇宙人たち本人が人間の女性のような姿になり、怪獣墓場で女子高生として暮らしているという設定。
上記の怪女子と同様、「怪獣墓場が関係する作品」のマルチバース。
本編と同一の個体が登場することから、レベル3に相当すると思われるが、一方で、世界観や時間軸の繋がりについては(大人の事情などもあって)意図的にはぐらかされている部分も多く(例えば、作中に登場した怪獣たちが地球に出現したのは昭和時代だが、擬人化された姿になってから訪れた地球は平成時代である)、どの程度のつながりがあるかは未知数。作者のツイートによると、「円谷プロが存在していない世界が舞台になっている」とのことで、我々の住む世界に限りなく近い別次元の世界が舞台となっているようだ。
怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜 ★
「第一次大怪獣時代」と呼ばれる怪獣頻出期から20年以上が経過した地球を舞台としており、怪獣たちの魂を宿して生まれた(早い話が怪獣の生まれ変わり)怪獣娘という女性や、彼女たちが中心となって結成された国際怪獣指導組織「GIRLS」が存在する。
小説版では、人類たちが外宇宙から差し伸べられた助力も得ながら怪獣災害を根絶したこと、シーボーズに関する資料が当時地球の防衛に当たっていた組織により克明に記録されて残されていたこと、登場人物がティガについて言及するシーンがあることなどから、過去のあらゆるウルトラシリーズと何かしらの繋がりをもっているものと考えられる。
また、『オーブ』に登場したジャグラーとよく似た人物が登場しているほか、同作の敵キャラクターであるシャドウがグレイブゲートを通じて別世界へも魔の手を広げようとしていると思われる描写がある。
ウルトラジャーニー ツインテール少女とツインテールな僕☆
ストーリーそのものが「主人公一行が異世界を旅する」という内容であるため、様々な世界が描写される。
怪獣が存在しない地球、心を持つアンドロイドがロボットと平和に暮らしていた「ペダンシティー」、角の生えた人間がミクラスのような牛を飼育している世界、あらゆる世界の記憶が流れ着く「神樹マルス」などが存在する。
基本的には怪獣の特徴を持つ小さな現生生物が生息する世界が多いが、バードンなど原典そのままの怪獣も少ないながらも登場し、『ウルトラマンタロウ』での出来事についても言及されている。
魔女サバトが、何らかの目的のために様々な世界から「大切なもの」を奪い取っている。
グリッドマンユニバース
作中で生じた事件(ネタバレ注意)の実態に関する仮説が示された際に、内海将によって「ウルトラシリーズにおけるマルチバース」の概念が引き合いに出されている。
マルチバース間の移動や弊害について
マルチバース間を移動する方法としては
- 膨大なエネルギーを用いて強引に宇宙の壁を突破する(ゼロが初めてアナザースペースに向かった時及びベリアルが光の国にダークロプスを送り込んだ方法)
- 超能力で次元に穴を開ける(ブルトンなど)
- 時空に干渉できるアイテムを使う(ウルトラマンゼロのウルティメイトイージス(上の画像)、ナックル星人バンデロなど)
- 時空間移動可能な乗り物を作る(『サーガ』でのバット星人やエタルガー、『超時空の大決戦』での高山我夢など)
- 環境的な要因で複数の宇宙が繋がる(『ULTRASEVEN X』のAQUA PROJECT、ギャラクシークライシス、『X』のウルトラフレアによる時空の歪み)
- スターゲートのような既に存在する入り口を利用する(『オーブ』スピンオフでオーブが別の宇宙へ移動した方法)
- 無理矢理移動させる(セレクト!絆のクリスタルよりウルトラマントレギアによって朝倉リクが湊家のいる地球に移動させられた)
が存在する。
ウルトラマンノアは背部にあるノアイージスの力で次元移動ができるとされている(こちらは設定からウルティメイトゼロに近いものと推測される)ほか、ギンガやマックスも単体ならば次元移動が可能なようだ。
また、怪獣墓場は全ての宇宙と繋がっていると明確に設定されており、ここでの戦いで敗れたウルトラマンベリアルはここからアナザースペースに流れ着いたと思われる。
ただ、最近はどんな手段を使っているのか不明なパターンも多い。
例えば、『ウルトラマンサーガ』ではウルトラ兄弟も次元移動を行っている他、ダイナやコスモスなどの平成ウルトラマンも『ウルトラマンサーガ』や『オーブ』スピンオフにおいて単体で次元移動を披露しているが、具体的な手段は描かれていない。
そもそもベリ銀での制限がアベ監督のこだわりによるものと言う事情もあって、『ウルトラマンサーガ』以降は手段が説明されないまま割とあっさり移動される事が多い(特にウルトラ兄弟を客演させるときに不便という事情もあるだろうが)。
しかし『オーブ』スピンオフにおいてスターゲートが登場した事で、特殊な能力がなくても次元移動ができる可能性は示唆されている)。
また、ウルトラマンゼットが所有しているベリアロクは、「宇宙の穴を縫う針」としての役割を持っており、これを応用することで別次元に移動することが可能となっている。
ウルトラマンX第5話では次元移動を「複数枚重ねたパンをナイフで貫く」という例えで解説している。少なくともゼロやバンデロの次元移動はこれに該当するようだ。
次元移動が可能な者はそうでない者に対して大きなアドバンテージを有することになり、自らの脅威となる存在がいない世界を侵略したり(ウルトラマンベリアルやバット星人)、ピンチの際に別世界に逃げ込む(ナックル星人バンデロ)など、悪用されることが多い。
また、レイブラッド星人の引き起こしたギャラクシークライシスや、ダークルギエルが引き起こしたダークスパークウォーズなどに巻き込まれたりして、その世界にしか存在しなかったはずのモノが、別世界に流れ着き、そこで現地に甚大な被害を与えているケースも多々存在する(例えばスペースビーストなどは細胞レベルで完全に焼却しなければ際限なく増殖するため、それらの知識がない世界では大繁殖しかねない)。
とはいえ、次元移動が多くなった事によって光の国も他の世界のウルトラ戦士との交流が進んでいるようで、光の国で開発されたウルトラカプセルやウルトラメダルには他の世界のウルトラ戦士が反映されている。
特にウルトラメダルの解説に際しては、別世界のウルトラマンが光の国を訪れたことが明言されている。
時系列等の設定
マルチバースによる世界の時間の流れは世界ごとによって異なっていたり、ある時期には同じになっていたりと混沌的な状態になっていることが確認されている(メタ的な事情ももちろん関わっているが)。
例を挙げると『THE_ORIGIN_SAGA』は『ウルトラマンオーブ』本編よりも前の時系列だが、ムサシとアスカは『ウルトラマンサーガ』等での共闘を経た後の時系列の存在である。設定上はこの数千年後にオーブ=ガイはゼロやギンガたちと共闘することになるが、そのギンガ=ヒカルたちは『ウルトラ10勇士』にてムサシやダイナ(アスカ)と共闘している。
共通して存在するもの
容姿や立ち位置が違っていても様々な平行世界で存在するものがある。
パラレルワールドにも存在する本編ではウルトラマンである人物
昭和作品は『ウルトラマン』から『A』までのダンディー4と、平成の『ティガ』から『コスモス』までのMBS制作のウルトラマン全員は、パラレルワールドにも存在している。
本編終了後の主人公の客演時及び続編にて登場した世界
他世界の要素が全くない世界
- ウルトラマンガイアの世界
- Nのワールド
- M421のある世界(ウルトラマンブレーザー)
関連タグ
マルチバース 物理学 量子力学 パラレルワールド 多次元宇宙 クロスオーバー
錦田小十郎景竜:『ティガ』から『コスモス』までのMBS制作のウルトラマンの全ての世界にてその名が確認されている。
スパイダーバース:同じように別世界に存在するスパイダーマン達。こちらはニューヨーク。
MM9:公式にはウルトラシリーズとは無関係な独立した作品だが、単なるパロディやオマージュの枠を超えてマルチバースを想起させる世界観設定を持つ。ただし、作中で述べられる「多重人間原理」および「パラダイム・シフト」の概念を鑑みる限り、「ウルトラマンが実在する世界」との連続性は持たない模様。
スターシステム:近い概念。