概要
『ウルトラマンX』で初登場した書物(古文書)で、これ以降のシリーズでもたびたび登場している。
シリーズに参加している脚本家の小林雄次が自作で多用している名称でもあり、ウルトラシリーズ以外では中野貴雄が河崎実監督の映画『大怪獣モノ』に登場させている。
ウルトラシリーズの太平風土記のイラストは助監督の越知靖氏が担当している。
『ウルトラマントリガー』(及びデッカー)に登場する超古代の石版は風土記と似た重要アイテムとなっている。
ウルトラマンX
第1話「星空の声」に8世紀の歴史書として登場。正式名称は『日本太平風土記』。
デマーガやそれを封印した光の巨人等の情報が記録されており、この時点では『帰ってきたウルトラマン』等に登場する怪獣について記載した古文書と同等の扱いだった。
ウルトラマンオーブ
今作では作品を代表するキーアイテムの一つして扱われている。
かつて日本に現れ、歴代ウルトラ戦士たちによって封印された魔王獣たちや戀鬼(紅蓮騎)、カマイタドンなど幾多の怪現象やそれに纏わる怪獣たちの存在が記された歴史書。
ネット上にその内容の断片がアップロードされており、SSPが魔王獣を取材する際の情報源として利用していた。また原本にはマガタノオロチの存在も記述されている。
最終的に、実際には過去の予知能力者が記した予言の書であることがシンによって推測されている(つまり当時の事件についてではなく未来について描かれており、タロウ等に似ているウルトラマンは現在におけるフュージョンアップしたオーブのことであったのではないか、という推測。カマイタドンもジャグラー本人のことだった可能性がある。予知能力を持っていたとされる執筆者はもしかすると、第7話ゲストの予知夢を見る少女・霧島ハルカの祖先だったりして?)。
ウルトラマンジード
劇場版『つなぐぜ!願い!!』にて登場。
ジャグラーがこの世界にも太平風土記があるか聞いた際にAIBがその存在を認めていた。『オーブ』の世界と同様、書籍の内容がデジタル化されているらしく、劇中では愛崎モアがデジタル端末を使って星雲荘内のディスプレイに表示させていた。
怪獣等の情報以外にもギルバリスや赤き鋼ことギガファイナライザーについての記載もあるが、こちらの書物も何かしらの秘密があるようで……?
未公開映像によればジャグラーはオーブの宇宙の太平風土記には「赤き鋼」などの記述がなかったために、AIBに確認しに来たらしい。
また、この件により、数多の平行宇宙に『太平風土記』の名を関した複数の書物が存在することが示唆されている(実際、ウルトラシリーズ以外の宇宙にも上記のように存在が確認されている)。
ウルトラマンZ
第16話「獅子の声」にて登場。333年周期で獅子ケ丘町に現れる荒神「ホロボロス」について記載されており、今作でも古来からの伝承が劇中の事件を解決する鍵となるのだが……。
ウルトラマンブレーザー
放送直前スペシャルにてアオベ・エミの紹介の際にゲードスらしき怪獣の絵と共にモニターに写っている。
第2話ではテルアキのセリフにて古い文献として登場し過去に登場したゲードスの生態が事細かく書かれていた。
第5話でもミナミ・アンリの友人ミズホがドルゴに関する記述のある巻物を出しており、エミが同種の古文書も科学博物館のデータベースで発見している。(科学博物館の方は出所不明だったらしく、もしかしたら太平風土記と同種の物かもしれない。)
大怪獣モノ
鎌倉時代に記された書物として登場。
怪獣モノについての記述があり、陰の気を纏うモノを倒す術について「生命力あふれる陽の気を持つ者が、裸で立ち向かう他ない」としている。
その他
ウルトラシリーズで小道具を担当されている方のツイートによると、『R/B』や『タイガ』にも太平風土記は登場しているらしい。
また、『Z』の第8話「神秘の力」に登場したピット星人ファ&シィが持っていたゴルザ・メルバ・超コッヴが描かれた資料は、ヴィラン・ギルドが所有する宇宙語で書かれた太平風土記との事。
これらの太平風土記は作中であまり大きく取り上げられておらず、どのような事が書かれているのかは不明である。
で、太平風土記って結局は何なのさ
このように、ほぼ全てのニュージェネウルトラマン達の世界に跨って存在する太平風土記。『怪獣や、その討伐や封印の方法が描かれた古文書』とはされているが、オーブ世界のもののように預言書の一面も併せ持っている。もしかすると、太平風土記はニュージェネウルトラマン達の世界におけるアカシックレコードのようなものなのかもしれない。