データ
別名 | 豪烈暴獣 |
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身長(頭頂高) | 44メートル(四足歩行時)、56メートル(二足歩行時) |
体重 | 4万4千トン |
出身地 | 不明 |
スーアク | 高橋舜(『R/B』、『Z』) |
デザイン | 後藤正行 |
初登場 | 『ウルトラマンR/B』第10話「湊家の休日」 |
概要
第10話「湊家の休日」~第12話「俺たちの守るべきもの」、第21話「あめ玉とおまんじゅう」~第22話「異次元かあさん」に登場。
姿はライオンに似ており、オレンジの外骨格に覆われた前足と青い体表、そして白い鬣が特徴。鳴き声はライオンや狼の遠吠えに似ている。
四足歩行状態(第一形態)
「キミ達は視野が狭いねぇ! では、私から一つ提案があります。
今から、キミ達が本当にウルトラマンとして私よりふさわしいか、最終試験を行いますっ!
じゃ、始めます♡ よ~い~ドンッ!」(by愛染)
湊兄弟が最初に戦った、愛染マコト(チェレーザ)に召喚されて操られていた状態。
前足が爪のついた長靴を履いたような形状で、獣そのものの四つん這いの姿勢(いわゆるアンギラス体型に近いが膝は着かない)で移動する。
火を吐くなどの特殊な能力は持ち合わせていなかったが、この状態からすでにウルトラ戦士の必殺光線を数発喰らっても耐え抜く高い耐久力と、相手を翻弄し、時に相手が飛行している高さにも到達できる俊敏かつ軽快な動き、そして高い攻撃力の持ち合わせており、一度は純粋な接近戦のみでロッソとブルに完勝した。
ただし、後述の事情を鑑みるに、この形態は本来の力を無理矢理制御した状態だった可能性がある。
直立状態(第二形態)
「きょうだい……?」
第11話で美剣サキに拾われたクリスタルから再度召喚された際の状態。
白眼だった両目は赤く染まり、両腕が獣の前足の形状からヒトに似た五本指の手に手甲鉤をつけたような形状に変化し、二足歩行で移動するようになった。
さらに、美剣が直接二足歩行状態に変身することも可能。
物を掴めるようになった事で攻撃の幅が広がり、相手の首を掴んで締め上げたり叩き付けるといった、より荒々しい攻撃を行うようになった。
動きは前形態に比べると人間っぽくなっており、ドロップキックのようなプロレス技を好んで多用する。
さらに相手の動きを読むような素振りを見せる等、より知性的な動きをするほか、ウルトラマンルーブとほぼ互角に戦えることからさらに戦闘能力が増していると思われる。第21話以降は頻繁にこの姿になっていた(というか以後はこの姿がほぼデフォルトになっており、完全な複製品のジャイロを使って召喚された最初の個体の方が、本来の力を引き出せない状態だったと見るべきなのかもしれない)。
必殺技は両手の爪「ホロボロクロー」から繰り出すラッシュ攻撃「メガンテクラッシャー」で、強化後は飛び道具として紫色の斬撃光波を放てる様になった。
総じて、特殊な能力を持ち合わせてはいないものの、純粋な戦闘能力に優れた怪獣である。
クリスタルには最初から二足歩行の姿で描かれており、ソフビも二足歩行の姿が採用されていることから、第二形態というよりはこれこそが本来の姿である可能性が高い。
なお、『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』でもこの形態で登場している。
活躍
チェレーザが「湊兄弟への最終試験」として召喚。
開幕早々オーブリングNEOを使用したロッソのゼットシウム光線を喰らうも難なく耐え抜き、ビル群の中に体を隠しながらの奇襲戦法や持ち前のパワーで兄弟を苦戦させる。途中ビクトリーのクリスタルを使用したブルのグラビティスラッシャーや、ロッソグランドとブルウインドの合体技をも耐え抜き、跳躍した上で尻尾を叩きつけて上空のブルを倒す。その後、ロッソのスペリオン光線を前足で払いのけ、それによって倒壊した高層ビルからウシオとアサヒを守って隙ができたロッソを強襲し、強固な爪の一撃で撃破してしまう。
その直後、オーブリングNEOを奪い返したチェレーザが変身したオーブダークが現れ、戦闘に突入。
やはり身軽な動きと怪力を駆使してオーブダークを圧倒するが(とはいえ、元を辿ればチェレーザが召喚させた怪獣であり、相手の手の内をある程度読めていたと考えられることや、彼が作成したウルトラ通信簿に「簡単に敵を倒さず適度にピンチを迎える」という項目があること、「そろそろ頃合いか」と発言していたこと等から、わざと苦戦しているふりをしていた可能性も指摘されている)、最後は召喚者であるオーブダークの操作で活動を停止させられ、ダークオリジウム光線を浴びて敗北した。
しかし、回収されずに放置されていたホロボロスのクリスタルを美剣サキが回収し、オーブダークとロッソ・ブルの戦いの場に再度召喚される。
召喚されたホロボロスは瞳が赤く染まり、さらに体から凄まじいエネルギーを発しながらそれまでの四足歩行から二足歩行へとシフトし、すでにエネルギーを消耗していたとはいえ、オーブダーク・ロッソ・ブルを驚愕させ、そのまま圧倒的なパワーで三体のウルトラマンを倒してしまう。
一旦はサキによってクリスタルに戻されて回収されるも、その後しばらくして彼女に再召喚され、町で暴れ回る。今回もロッソグランドとブルフレイムの「縄文土器作戦」(土を炎で固めて動きを封じるというもの)も物ともせずに2人を終始圧倒し、あと一歩のところまで追いつめたものの、アサヒを介してオーブリングNEOを手に入れた二人のスペリオン光線とゼットシウム光線を立て続けに喰らって怯み、最後は二人とオーブリングNEOの合体技「トリプルオリジウム光線」を受け、斬撃波で応戦するも押し返されて爆散。今度こそ完全に倒されたのだった。
第21話ではグランドキングメガロスを倒されたサキがカツミとイサミを抹殺する為に変身。
最初から二足歩行形態でロッソとブルを追い詰めるが、アサヒを守るために二人がウルトラマンルーブに変身すると逆に圧倒され、ボルテックバスターで倒されかけたが、アサヒの願いを汲み取ったカツミとイサミの判断により、倒される事なくサキの姿へと戻った。
第22話では異次元より出現したカミソリデマーガを倒すべく前話に続いてサキが再び変身。
カミソリデマーガに立ち向かうも、その前の戦いでのダメージが残っており万全ではなかった為、軽くあしらわれ逃げられてしまう。翌日再び出現したカミソリデマーガに奇襲を仕掛け一時は吹き飛ばすも、前回と同様圧倒され、カッター光線で撃破されサキの姿へと戻った。
物語の進行の関係上、生態や出自など、怪獣としてのバックボーンのほとんどが明かされないまま退場してしまったが、3話連続でウルトラ戦士と戦い続け、2度も勝利した圧倒的な強さと非常にカッコいいビジュアルから、多くのファンを魅了しており、設定を掘り下げてほしいと言う声も多く聞こえる事となった。
その後の作品での登場
ウルトラマンZ
第16話「獅子の声」に登場。
初めて登場した野生のホロボロスであり、『R/B』では不明瞭だったバックボーンが2年越しに解明される事とになった。
また、初代は見せなかった、上半身から青白い雷撃を放つ「ギガンテサンダー」なる技を披露した。
大昔から地球に生息しているとされる怪獣で、「滅幌様(ホロボロさま)」という一種の荒神として崇められていた。獅子ヶ丘で休眠状態にあり、現地の人々によって祀られていた(完全な地球産怪獣か、大昔に地球に飛来した宇宙怪獣なのかは不明)。また、「獅子」と呼ばれていることからライオンの怪獣に区分されている模様。
『太平風土記』によると333年周期で目覚めている古代の魔物らしいが、ヘビクラは「昔の人は自然災害を魔物の仕業と思っていた」と言って信じていなかった。
「金烏の陰りし日、午の刻。荒ぶる滅幌主目覚めるなり」
つまり、太陽の黒点の一部が数時間だけ膨張する日の正午に目覚めるとされている。
鎮める為には巻き貝の貝殻状の楽器を吹いてその音色を聞かせることが必要(『太平風土記』には「潮騒のさざめき」とのみ記されており、その楽譜が載っている。また、獅子ヶ丘の住民の一部にはその音色を鼻歌で奏でる者もいる)。
幼少期に曾祖母の元へ遊びに来ていたユカに目撃されたことがあり、彼女が怪獣の研究者を目指す切っ掛けにもなった(ユカが行った調査も「ホロボロスの復活(というよりは暴走)を止め、再び眠りにつかせる」ことが目的だった)。
本来は333年周期で目覚めるはずだったが、ユカが曾祖母の言いつけを破り、禁足地である山に足を踏み入れたことが原因だったのか、本来より10年くらい早いタイミングで一時的に姿を見せた(もっとも監督の越知靖氏の個人的な設定ではただの寝返りらしく、目覚めたわけではなかった模様。結局この後すぐに姿を消した)。
『太平風土記』の記述通り、正午になり地中から姿を現し目覚める。
目覚めて早々に体中からギガンテサンダーを放って暴れ回り、持ち前のパワーと身体能力でゼット・ベータスマッシュやガンマフューチャーを苦しめるが、ユカが『太平風土記』を解読し、調査中に公園で掘り起こした貝殻の化石と幼少期に曾祖母から聞いていた唄が「潮騒のさざめき」だと推測、貝殻に特殊装置を用いてその音色を聞かせたことで狙い通り大人しくなると、再び眠りに就こうとした。
しかし、そこへベリアルメダルを奪われて内心怒り心頭のカブラギ・シンヤ(セレブロ)が現れてしまい…
「コシ・カレカレータ…行けえぇ!メツボロス ! ! 」
※この後の展開はメツボロスの記事を参照。
ウルトラマントリガー
第13話にて、GUTS-SELECTの管理する怪獣のデータとして登場。元々はメトロン星人マルゥルが持ち込んだデータのようである。
イグニスによってザイゴーグのデータ共々盗み出され、ホロボロスの力を宿したGUTSハイパーキーが生成されてしまう。
イグニスは、このハイパーキーをトリガーダークの状態で使用することで、稲妻を纏った高速の攻撃「ライトニング」を繰り出した。
形態変化というわけではないがスカイタイプに該当する能力として抜擢されたということになる。
余談
- 名前の由来は「滅ぼす」という言葉と、犬のような見た目から「ケルベロス」を基にしていると思われる(実際の語感はウロボロスに近いが)。
- スペックが「4」の字ばかりなのは獅子(あるいは死)をもじったものだろうか。
- 派生型ではない完全新規怪獣であり、新世代ヒーローズでは恒例となっている中ボスの役割を担うが、ラスボスやレギュラー格以外で3話連続登場を果たした怪獣は、何気に新世代ヒーローズでは初めてであり、『ウルトラマンネクサス』のメガフラシ(ラスボスを含めればビクトルギエル)以来である。
- 初登場は第10話だが、ソフビは第11話の放送日に発売されている(クリスタルの初登場は第9話であり、そちらは放送日に発売となっている)。これは上記のように途中で体型が変わることを見越しての措置だったと思われる。
- 偶然だが、四足歩行時のホロボロスの身長(頭頂高)・体重は『ウルトラマンナイス』に登場したザゴン星人と一致する。
- ポジション的にこの手の怪獣は誕生や復活の瞬間が描かれるか、それまでにその怪獣についての説明がなされることが一般的なのだが、『R/B』放送時にはそういったバックボーンが一切描写されておらず、加えて特殊能力らしいものを一切備えていないにもかかわらず兄弟を圧倒した為、正体も含めて謎の多い怪獣であった。
- 後に登場した『Z』の個体は召喚された訳でもなければ誰かが変身した訳でもない純粋な野生怪獣として登場し、(『R/B』の個体も同様だったかは不明だが)謎の多かったバックボーンが2年越しに解明された。
- 逆に言えば、(一応神獣扱いではあったが)野生怪獣でありながら素でウルトラマン二人を倒すという中々に規格外な力の持ち主ということになる。
- なお、信仰の対象となっている点では、同じくサキが変身したグルジオと類似している。
- また初登場回を担当した武居正能監督はホロボロスのような四足歩行怪獣を演出するのは初だったため演出をする際のテーマとして野生の動物が獲物を狩る際に森の中で獲物の周りをぐるぐる回りながら狩りをするというシチュエーションを街中でやってみたと語っている。
- 途中で姿勢が変わったものの四足歩行型の怪獣は何気に新世代ヒーローズのTVシリーズでは初である。劇場版も含めればグクルシーサーに続き2体目で、デザインも似通っている。
- デザインを担当した後藤正行は、劇場版『ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』に登場するグクルシーサーに続く四足歩行怪獣への挑戦としており、四足歩行形態では手の延長パーツを装着することでアクションに対応している。また、首周りを布地にして毛で覆うことで首の動かしやすさを向上させている。
- 厳めしい風貌や、劇中で圧倒的な力を振るい“強敵”としての存在感を示した一方で、昨今のウルトラ怪獣としては比較的珍しい哺乳類的でもふもふとしたその見た目や四足歩行の要素も相まって、一部ではわんこ扱いされることも…(もっとも、四足歩行状態はほぼ愛染の支配下にあったため、あながち間違いとも言えない)。
- 『Z』第16話では『R/B』に登場したホロボロスがバックボーンがなかった事から、監督の田口清隆の要望から掘り下げた設定を作るものとなった。また、当初はギャラクトロンの首を上げた四足形態の状態のものを出す予定だったが、首をいじる改造は難しいという事から、怪獣倉庫にあったホロボロスを出す事となった。
関連タグ
ウルトラシリーズ
バルキー星人&ティガダーク/ファイブキング/ツルギデマーガ/マガオロチ/ペダニウムゼットン:新世代ヒーローズにおける同ポジション。
バードン/ビクトルギエル:3話に渡ってウルトラ戦士と激闘を繰り広げ、2度勝利した怪獣。
ギロス:同じく偽のウルトラマンと自作自演の戦いを繰り広げた怪獣。ただしこちらの目的は防衛チームの陽動。
モンスアーガーⅡ:同じくデモンストレーションのため偽のウルトラマンと戦わされた怪獣。こちらは本物のウルトラ戦士とは戦っていない。
デアボリック/ヘルベロス:同じく明確なバックボーンが不明なまま召喚された怪獣。
他作品
ボルボロス:名前が似ているモンスター。実際に、モンハンの製作スタッフの1人がそのことに言及している。