「史上最大の侵略」
データ
身長: | 60m |
---|---|
体重: | 6万t |
別名: | 奇機械怪獣 |
出身地: | 不明 |
概要
『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』にて初登場した怪獣。
ムルナウがダークリングの力で召喚したサイボーグ怪獣で、全身のありとあらゆる部分に武装が施されている他、強力な装甲による高い防御力を兼ね備えている。
時折低い笑い声のような、不気味な咆哮を上げるという特徴も持つ。
全身に装備された砲門やハッチからミサイルやビームを乱射し、大都市をあっという間に壊滅状態に追いやる程の圧倒的な火力を有する。
右腕のジェムアームから発射する「ジュエリックブレーズ」は、ウルトラ戦士をも問答無用で宝石に変えてしまう。
また、背中にガピヤ星人サデスが腕を接続する事で口から出現する巨大なビーム砲「デアボリックキャノン」が最大の武器。
その威力は絶大で、オーブトリニティが長時間の戦闘で疲弊していたとはいえ、一撃でバリアを突き破り、カラータイマー点滅まで追い込んだ程。
デアボリックそのものの総合的な強さは、直近の劇場版作品のボスであるザイゴーグやギルバリスなどに比べれば突出したものは無いとは言え、スペック自体は決して前二者に激しく劣るとも言えず、一瞬の油断が命取りとなる可能性すらある危険性を秘めた怪獣と言える。
後に登場する別個体は製作者が違いながらも改造痕が全く同じであったり、改造元となったと思われる怪獣の正体に関しては未だに不明だったりと、何気に出自には謎の多い怪獣でもある。
劇中での活躍
出現して間もなく全身の武器を乱射して大規模な破壊活動を行い、破壊した市街地を宝石へ変えていった。
ウルトラマンオーブやウルトラマンエックスとの戦いでは、サデスが乱入した隙にジュエリックブレーズでエックスを宝石に変えてしまう。
その後もオーブトリニティとなったオーブや復活したウルトラマン達との決戦でも、他の宇宙人達の加勢も相俟って互角以上の戦いを繰り広げた末、再生したサデスとの合体技であるデアボリックキャノンで追い詰める。
しかし、ウルトラセブンの加勢によりだんだんと劣勢になり、デアボリックキャノンもセブンのアイスラッガーに真っ向から切り裂かれて無効化されてしまう。
最後はサデス共々、トリニティウム光輪で一刀両断されて倒された。
その後の作品での登場
ウルトラマンタイガ
第4話「群狼の晩歌」に登場。
監督インタビューでは「怪獣爆弾デアボリック(MB)」と表記されている。ただし、デアボリックそのものが倒されると爆発するという訳ではなく、時限式爆弾の爆炎からデアボリックが現れる、要は怪獣が出現する爆弾である。
元々はヴィラン・ギルド配下の怪獣兵器であり、ゼットン星人ゾリンがマーキンド星人から落札し紛争地域へと転売される予定だったが、組織を裏切ったヴォルクに強奪されている。
肩書が変わった関係上、ジュエリックブレーズやデアボリックキャノン等の一部兵装はオミットされた代わりに高速射撃に特化しており、相手のスピードを補足して撃ち落とす戦闘を得意とする。
近付く事すらままならない程の弾幕と火力でタイガを圧倒するものの、ウルトラマンフーマにバトンタッチされた事で形勢が逆転。
フーマのスピードを捉え切れずに翻弄され、一発も攻撃を当てる事が出来ないまま頭からの激突で右腕を破壊され、最後は七星光波手裏剣を背後から2発撃ち込まれて爆散した(奇しくも先代を倒した戦士の同胞により、その戦士の片割れの力で倒される事となった)。
後に『ウルトラマンZ』の前日談小説『ジャの道は蛇』にて、このデアボリックを作製し、ギルドに売り付けたのはチブル星人マブゼだった事が仄めかされている。
ウルトラマントリガー
第14話「黄金の脅威」に登場。
映像作品では初めて田口清隆監督が担当ではない作品での登場となる。
肩書きは『オーブ』劇場版の時のものと据え置き。
今回はアブソリューティアンの配下として登場し、ウルトラマントリガーの戦闘力を調べる目的で派遣された。
大規模破壊を繰り返し、例によって圧倒的な弾幕でGUTSファルコンの攻撃を物ともせず、トリガーすらも追い詰める。
最後はグリッタートリガーエタニティのエタニティゼラデスで真っ二つに切断され敗れるも相打ちに追い込み、トリガーから元に戻ったケンゴも重傷を負った。
初めて純粋な一対一の勝負でウルトラマンに敗れた個体となったが、それでも過去の最強形態の中でも特に強力なグリッタートリガーエタニティと(使いこなせなかったとは言え)事実上相打ちになるなど、相変わらずの難敵ぶりを見せた。
また、奇しくも今回もまた『オーブ』劇場版の時と同じく、真っ二つに切断されて倒された。
後に『ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突』にて、アブソリュートタルタロスが別宇宙から調達した並行同位体であった事が判明。
前作で宇宙恐魔人ゼットを生み出し、かつてフューチャーアースを襲撃したバット星人の手により、別宇宙のロボット兵器と共に調整が行われていた。
なお、『トリガー』第14話の時点でバット星人自身はトライスクワッドによって完全に滅ぼされており、言うなればこのデアボリックは彼の「最後の置き土産」だったのである。
ただ、上記の通り肩書きは『オーブ』劇場版と同じだが、この個体はどの世界の並行同位体であるかは不明で、ジュエリックブレーズやデアボリックキャノンが使用可能だったかは定かではない。ジェムアームからの光線技はタイガの個体を想起させる。
ウルトラ怪獣モンスターファーム
デアボリック自体は育成出来ないが、特徴(従来作品における状態変化)を継承するクッキーとして登場している。
デアボリックから継承される能力「ジュエリックブレーズ」は「残り時間が30秒になった時、ガッツが一定値以上なら相手の回避をダウン」というものとなっており、回避型怪獣が数多く所持しているバジリスの能力「骨翼の機動」に対するメタとして、対戦環境においては無視出来ない存在になっている。
余談
実はサデスと共に、『ウルトラマン80』に登場したバルタン星人六代目以来、久々に切断されて止めを刺されたウルトラ怪獣である(今まで怪獣の尻尾などが切り落とされる事自体はあったが、『ウルトラマンティガ』に登場した宿那鬼以降、凶悪事件の影響で切断技の描写自体が稀となり、あったとしてもインペライザーのようにロボット怪獣である事がほとんどで、生物であっても『ウルトラマンメビウス』のアリゲラのように切り口が見えにくい位置かつ光っていたり、ウルトラマンエースが放送当時以来で久々の切断技で倒した『ウルトラファイトビクトリー』でのベロクロンなどのようにすぐ爆死するような描写ばかりで、切断自体が無くなって久しい為)。
これについて田口監督は、「最後は八つ裂き光輪で敵を切ってトドメを刺したいが、今のウルトラマン作品の撮影で切断がギリギリ許されるのは、相手がロボット怪獣の時なので、敵をロボット(サイボーグ)怪獣にし、その切断は今の規制内で表現出来る、ギリギリの線を目指していた」と明かしている。
『タイガ』第4話で出現して戦った場所は平成ウルトラマンシリーズで数多くの舞台になったお台場である。ちなみに劇場版『オーブ』では、お台場の近くの品川を襲っている。
『タイガ』第4話で脚本を担当した中野貴雄氏は、「劇場版の怪獣は安易に弱体化させられないので再登場させるのが難しいが、『生みの親である田口監督なら愛着を持って撮ってくれるだろう』との判断から登場させた」と述べている。
関連タグ
ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします! ウルトラ怪獣 サイボーグ
ザイゴーグ:前年の映画の敵怪獣。
兄怪獣ガロン:こちらも相方との連係プレーが脅威で、「単独では大した事がない」と言われる怪獣。ちなみに、最初にそれを明言したのはモロボシ・ダン=セブンである。
ゴーストロン:こちらの肩書は「爆弾怪獣」。
ヴァラロン:こちらの肩書は「宇宙爆弾怪獣」。