スペック
分類 | 多目的可変ドローダー |
---|---|
設計者 | ヒジリ・アキト |
全長 | 25m(フライトモード)/15m(ハイパーモード) |
主な武装 |
|
概要
『ウルトラマントリガー』にて初登場した、GUTS-SELECTが保有する多目的無人可変ドローダー。
平時は母艦であるナースデッセイ号の船体下部にドッキングされており、出撃時はブリッジからナナセ・ヒマリ隊員が遠隔操縦する。
操縦ではコントローラーおよびVRゴーグルを用いるが、メンテナンスブースには非常時の緊急運用を想定した簡易コクピットもある(もともとは有人式として設計が進んでいたが、人的被害を削減するために急遽遠隔操縦に変更されている)。
通常飛行形態「フライトモード」と四肢を展開した対怪獣戦用形態「ハイパーモード」の二つの形態を持つ。
怪獣攻撃以外にも災害時における救助活動にも使用されるが、現状は1機しかない上にエネルギー切れを起こすとしばらくの間は出撃不可能となる。
ネオフロンティアスペースから次元を超えて漂着したガッツウイング1号を参考に作られたため、形状およびカラーリングはガッツウイングのそれに準じている。一方、ハイパーモードが実装された代わりに可変翼機構がオミットされている他、何故か主武装がレーザーではなく機関砲(おそらく実弾)になっている。GUTSスパークレンスのようにビーム兵器はあるので、技術的に再現できなかったということはないと思われるが、上記のエネルギーの都合か、他に理由があるのかは不明(このためメガロゾーア戦でガッツウイング1号と共闘した際には両者で異なる演出がなされていた)。
トリガーの続編である『ウルトラマンデッカー』でも続投。
『デッカー』ではAIを搭載した自律型の無人機として運用されていたが、スフィアに遠隔操縦を妨害され無力化してしまった事を踏まえ、1年後には正式にコクピットスペースを搭載した有人機仕様へと改修が施されていた。
ただし、元々有人操縦は想定されていなかった為、ムラホシ隊長曰く「乗り心地はサイアク」らしい(一応前述の通り、当初の設計では有人での操縦を想定されていたが、途中で急遽無人機へ変更された後に更に有人機へと改造した為、度重なる強引な変更で設計に無理が生じたものと思われる)。
実際、トリガーのときのメンテナンスブースと比べると「背もたれもなければシートベルトもない」極悪仕様である。
また、新たに建造された戦闘機のGUTSホークとの合体機能も備えており、合体することでGUTSグリフォンになる。
有人化はされてはいるが、有事の際は、GUTSホークとリンクしてパイロットもしくはHANE2が両機を遠隔操作する事が可能。(但し、機体同士が離れ過ぎるとスフィアの電磁波の影響で、操作不能になるとの事。)
第3話では、カナタがデッカーに変身する為にHANE2に操縦を引き継がせ、第14話のスフィアザウルス戦ではカナタがファルコンに搭乗し、HANE2がテラフェイザーを操作している為に、GUTSホークを操作してGUTSグリフォンに合体。第18話では、カナタ達が地上で行動中の為に、出撃時からHANE2が両機を操作している。
形態解説
フライトモード
GUTSファルコンの基本形態。
飛行能力に特化しており、目的地へといち早く飛び立つことが可能。
主翼下部には機関砲を装備している。
ハイパーモード
怪獣およびラプトル…というよりはマクロスシリーズのガウォークに似た地上戦用形態。
主に低空飛行時や怪獣との地上戦においてこの形態に変形する。
ハイパーモードでは、主翼下部の機関砲と機体後部のジェットエンジンが前方に向いており、これらを戦闘で活用している。
『トリガー』での活躍
- 第1話
主人公マナカ・ケンゴが火星で観たニュース映像では、タツミ隊長の口からGUT-SELECTの結成、ナースデッセイ号の完成とともにその存在が公表された。
- 第2話
突如出現したギマイラを撃退するため初陣を飾る。
TPU本部に鎮座していたナースデッセイ号から出撃、ギマイラを迎え撃つ。
持ち前の機動力を生かし、ギマイラの触手を躱しつつ機関砲からの攻撃を加えたが、元来強敵怪獣と目されるギマイラだけあってか、決定的なダメージは与えられず、その後はウルトラマントリガーにバトンタッチする形となった。
ダーゴンの2度目の襲撃の際もタツミ隊長から出撃命令が出されたが、ギマイラ戦でエネルギー切れを起こしていたために出撃することはなかった。
- 第3話
出現したガゾートを攻撃するために出撃し、ここでハイパーモードを初披露。ガゾートと地上戦を繰り広げ、その後フライトモードに再び変形し現れたトリガーと連携しガゾートを追い詰めガゾートの撃破に一役買った。その後ヒュドラムに対しても攪乱する活躍を見せた。
- 第4話
地中を掘り進むオカグビラ出現に際し出撃。ハイパーモードに変形しワイヤーでオカグビラを釣り上げ地上に姿を出させるも、オカグビラのドリルでの攻撃を受けてしまい操縦不能となってしまった。
- 第5話
出現したデスドラゴを迎撃すべく出撃し、機関砲で攻撃するも電撃を受け撃墜されてしまう。この後に闇怪獣となって再び出現したデスドラゴと相まみえるも、強化された電撃を受けてまたもや撃墜されてしまった。
- 第6話
強敵サタンデロスの持つバリアを封じるべく、イグニスを機体に乗せナースデッセイ号のナースキャノンでバリアに穴が空いたところにイグニスを飛び込ませEMPでサタンデロスのバリア発生装置を破壊することに成功。その後ヒュドラムによって再起動したサタンデロスと戦闘となり、トリガーによって動きを止められたサタンデロスをナースデッセイ号との一斉攻撃で撃破した。
- 第7話
巨大化したバロッサ星人と交戦するが撃墜された。
- 第8話
ナースデッセイのコンピューターに侵入したダダを倒すべくファルコンのVR操縦システムに駆除プログラムを入力し、ダダを攻撃した。
しかしどう見ても昔のシューティングゲームのような画面になっていた。
- 第9話
出現したガーゴルゴンを攻撃するが撃墜され、ミツクニとユナの方へ墜落しそうになるもトリガーが救助した。
ちなみにこの回でGUTSファルコンのベースが異世界から来たガッツウイングである事が判明した。
- 第14話
突如現れたデアボリック相手に出撃。
デアボリックの弾幕を完全回避し、ピンチに陥ったトリガー・マルチタイプの援護も行っている。
- 第17話
メツオロチのエネルギー吸収能力に対応するため、旧式のミサイルを搭載して出撃する。突如現れたトリガーダークに遠隔操縦装置を壊されて墜落してしまうが、近くにいたマナカ・ケンゴがメンテナンスブースの非常用簡易コックピットから直接操縦で再起動。変形を駆使してメツオロチの猛攻をかいくぐり、弱点であるツノに至近距離からミサイルを命中させて破壊した。
- 第23話
カルミラの魔力に操られたダーゴンによってピンチに陥ったユナを守るために出撃。
ハイパーモードの機動性を駆使し、一度ダーゴンを退けていた。
- 第25話(最終話)
ガッツウイング1号とともにトリガーとトリガーダークの援護に出撃。
メガロゾーアの触手に囚われかけたスカイタイプの触手を破壊し、アシストしている。
『デッカー』での活躍
概要で述べた通り1話では自律式の無人機、2話以降からは有人機として運用されている。
操縦する際はGUTS-SELECT パイロットヘルメットを被る。
- 第1話
TPU内で対怪獣災害用の予算が削減されたあおりを受け、ナースデッセイ号と共にパイロットを必要としない完全無人仕様機として運用されていた。
地球に襲来したスフィア迎撃のため出撃、スフィアソルジャー相手にそれなりの戦果を挙げるも、キングスフィアから召喚されたスフィアザウルスの電磁波攻撃による電波妨害によって機能停止に追い込まれてナースデッセイ号ともども墜落。
この結果、遠隔操作による無人機の運用は電磁パルス攻撃によって悉く無効化されてしまうことが発覚、次なる襲来に備えるためにも早急な改修が求められることとなった。
- 第2話
スフィア襲来と地球封鎖から1年後にデスドラゴが出現した際にムラホシが有人仕様に改造された本機に乗り込んで、デスドラゴを迎撃、ミサイルで角を片方折ったがそれでもデスドラゴは戦意を喪失せず、更に避難民を連れたカナタたちを庇って墜落した。
- 第3話
冒頭、HANE2の操作する新型機GUTSホークとの連携のためシミュレータでカナタ、イチカ、ソウマが操縦するも各々の一回目は見事なまでに失敗続きになってしまう(カナタ→ホークにぶつかる、イチカ→機関砲を撃っていたらホークに当ててしまう、ソウマ→前進しすぎてシミュレータのデスドラゴの雷に当たる)。
その後ゴモラ出現に伴い、ムラホシの指示でカナタが乗り込む。この際ムラホシはカナタの緊張をほぐすために「乗り心地はサイアク」という情報をいいことを教えると称するなどしておどけてみせた。
滅気ずに訓練し続けた成果か、今度はGUTSホークと見事な連携を見せ、ゴモラの近くまで近付き尻尾攻撃を回避。そのままハイパーモードに移行し、ホークとの集中砲火で尻尾を破壊した。
しかしスフィアが襲来しスフィアゴモラが誕生、突然の変化にゴモラ自身も戸惑ったためにスフィア超振動波が放たれ、その余波で電波障害が巻き起こりホークやナースデッセイ号もろとも一時的に操縦が鈍ってしまう。
ここでカナタはHANE2に操縦を任せることを思いつき、彼(?)にファルコンをリンクさせ、自身はデッカーに変身。ファルコン自体はHANE2が操縦し、スフィアにより強化されたゴモラの怪力に劣勢気味のデッカーを、本機の機関砲とホークのレーザー砲で援護した。
なお今回はデッカー本編で初めて撃墜されなかった。
- 第6話
パゴスの巣を捜索する為にリュウモンが操縦して出撃。
新たな地底怪獣に地底に引きずり込まれたデッカーを援護するために引きずり込まれた穴から地底に侵入。
苦戦するデッカーを救うべく、ニュートリノマーカー弾をパゴスに撃ち込み、それを目印にナースデッセイ号によるネオマキシマナースキャノンによる攻撃を成功させる。
- 第20話
珍しくGUTSホークとのドッキングもなく、カナタが搭乗しての久々の単体での出撃。
巨大ラゴンに攻撃を仕掛けるも、ラゴンの口からの水流をもろにくらってピンチになっていつものようにカナタは変身し、乗り捨てられて不時着か…。
と思いきや、なんとデッカーがいつの間にかハイパーモードへと変形した本機を抱きかかえており、地面にそっと下ろした。
- 最終回
マザースフィアザウルスとの決戦で、初めてイチカが操縦する。リュウモンが操縦する有人機に改造されたGUTSホークとの連携攻撃で、スフィアソルジャーを迎撃する。
立体物
DX玩具が7月10日に発売。
劇中同様フライトモードとハイパーモードへの変形が可能で、ソフビ人形と合わせて遊べるように小さめのサイズとなっている。
上部にナースデッセイとのドッキング用ジョイント、スラスター部分にGUTSホークとの合体用ジョイントが設けられている。合体機能自体は『デッカー』で活用されたが、『トリガー』本編の時点で次回作での登場と合体を前提に玩具を設計していたことが分かる。
(GUTSホークの商標登録が『トリガー』放送終了後であるため)
ハイパーモード時の股間部分にもジョイントが設けられているがGUTSホーク登場時点でも未使用であり、更なる拡張性が期待される。
余談
元ネタはガッツウイング1号。
有人機から無人機への移行やVRゴーグルに駆使して現実のドローン同様に操縦する点など、今の時代ならではの要素が取り入れられた、まさに令和のガッツウイングとも言える設定となった。
実はガッツウイングにも設定上ハイパーモードが存在していたが、こちらは作品中に登場することはなかったため、実質的に玩具オリジナル形態に近い扱いとなっていた。その意味では、今回のハイパーモードはガッツウイングのときのリベンジと見ることもできる。もっとも、ガッツウイングの派生機であるクリムゾンドラゴンは劇中でハイパーモードを披露していることから、そちらを踏まえれば作品中のハイパーモード登場は2例目とも言える。
名称の由来は、ガッツウイングや『ウルトラマンダイナ』に登場した後継機のガッツイーグルがいずれも鳥(特に猛禽類)に関係する名前であったため、それに倣ってファルコン(ハヤブサ)と命名されたものと思われる。
なお、一部のファンやシリーズ出演者からは『トリガー』の3年前の作品に絡んだネタも囁かれている(一例)。
防衛チーム所有の戦闘機型無人メカは、シリーズ史上初と思われる。
また、パイロットが直接搭乗しているわけではない為、公式の場においてはライドメカとして分類されていない。ただし『デッカー』では有人操縦機となったため、正式にライドメカ扱いになると思われる。
無人機であるため人的被害を出さずに済むという合理的な設定やこれまでの戦闘機にはなかった演出が好評を博した一方で、怪獣の攻撃を受けてピンチになってもパイロットがいないため緊張感に欠けるといった否定的な意見も見られるなど、斬新な設定故に賛否が分かれることもあった。
関連タグ
タックファルコン:ファルコン繋がりのライドメカ。
アーウィン(スターフォックス):似たような形態を持った戦闘機。
スカイフィッシュ1号機(Mydo):同じ黄色でかつ2作品連続登場繋がり。また2号機も赤色である。
3式機龍:遠隔操縦が基本だが、緊急時にメンテナンスブースで操縦した機体繋がり。