概要
『ウルトラシリーズ』に登場する防衛チームは毎回現れる怪獣や侵略宇宙人に対抗する為に、戦闘機・専用自動車やドリル戦車、潜航艇といった乗り物を保有している事が多い。それがライドメカである。
ウルトラマンや怪獣のそれと同じく、当時から子供向けの玩具として発売される事があったものの、シリーズを重ねる事に売り上げが伸び悩んでしまった。
それが影響して新世代ヒーローズの時期には『ウルトラマンX』のライドメカを最後に発売されなくなった。以後の作品でも主人公が防衛チームに所属しなくなったり、防衛チーム自体が存在しなかったり、描写が極端に薄くなってしまう事もあった(該当組織が存在してもライドメカがないということも珍しくない)。
それでも防衛チームの復活を望むファンも多く、『ウルトラマンZ』ではロボット怪獣をポジションに立たせるという方針がとられ、これが一定の成功を収めたことから、ライドメカを所持する防衛チームというコンセプトは『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』にも引き継がれていった(ただし、GUTSファルコンは遠隔操作機であり(機体前部に孫悟空やギャバンよろしく乗れんこともないが)、実質的なライドメカはナースデッセイ号だけである。)
ライドメカあれこれ
傾向
ライドメカといえば戦闘機、自動車、ドリル戦車、潜航艇といった初代ウルトラマンで採用されたカテゴリの乗り物が採用される傾向にあるが、歴史と共に様々な種類のライドメカが増えるようになっていった。
航空戦力
基本的に花形となるのはミサイルやビーム兵器を積み込んだ戦闘機がほとんどであり、ライドメカといえば戦闘機というイメージを思い浮かべる人も多い事であろう。
中にはローター機が登場する事もあり、MATのマットジャイロ、スーパーGUTSのコネリー07、XIGシーガル・フローターがそれである。これらローター機のうち、ヘリコプターは機動力で大きく劣る為なのか、それとも映えなかったのか、ZATのドラゴンで出番が終了している(実はマットジャイロこそヘリコプターとして登場させることが構想されていた機体である。なお、他の円谷作品ではバギーやバモスⅠ世(変形後)が確認できる)。
各ライドメカの核となるパーツが一個の「メカ」として初めて認められた例はEYESのコアモジュール(より正確にはSRCのトロイB)であり、単独で飛行できるだけでなく、必要に応じて様々なメカのコアパーツとして運用される画期的なアイデアだった。
GUYSのガンスピーダーがこれに続き、こちらは潜水艇としても使用された(実は昨年のDASHもライドメカに本体とは独立したコクピットが存在していたが、独立したメカとしての活躍はなかった)。
昭和シリーズでは基本的に戦闘機とは基地から直接出動するものという扱いであったが、科学警備隊のスーパーマードック号を境に母艦を兼ねた大型戦闘機が登場するようになった。中には戦闘機を格納するのではなく、下部に合体させて持ち運ぶドルギラン形式のものもある(GUTS-SELECTのナースデッセイ号がそれ)。
ちなみに、合体戦闘機の類はウルトラ警備隊のウルトラホーク1号が最初であるが、基本的に昭和時代の機体は状況に応じて分離するといった傾向にあり、分離しないで戦う事の方が多かった。
独立した機体が状況に応じて合体するという展開はスーパーGUTSのガッツイーグルから本格的に始まったと言えよう。さらにナイトレイダーのクロムチェスターはこの発想を飛躍させ、初期の三機体だけで2つの三機合体を備えている(ストライクチェスターとメガキャノンチェスター、ディグチェスターの3つ)。
一方で、一つの戦闘機が複数の形態を持っている例もある。ハイパーモードを持つGUTSガッツウイングシリーズやDASHのダッシュバードシリーズなどがそれである。
宇宙へ飛び出す為の戦力は科学特捜隊の宇宙ビートルが最初であり、科特隊の守備範囲の広さには驚かされるばかりである。以降も宇宙用の戦闘機は度々登場しているが、通常使う戦闘機が宇宙にも行けるという形で兼任する事も多い。
こうした航空戦力もビートル隊のゼットビートルで登場が一旦ストップしてしまう(あくまで防衛チームに限って言えばの話である)。
ネーミングとしては鳥類の名前や「アロー」を付けるのが定番となっている。機体名に付けられる事の多い鳥名は次の通りである。
順位 | 名前の由来 | 該当機体 |
---|---|---|
1 | ホーク | ウルトラホーク1号、ウルトラホーク2号、ウルトラホーク3号、ステーションホーク1号、ステーションホーク2号、GUYSホーク1号、GUYSホーク3号、GUTSホーク |
2 | バード | ダッシュバード1号、ダッシュバード2号、ダッシュバード3号、ダッシュバードα |
3 | ファルコン | タックファルコン、GUTSファルコン |
同率 | フェニックス | ガンフェニックス、ガンフェニックストライカー |
4位 | イーグル | ガッツイーグル |
同率 | コンドル | コンドル1号 |
同率 | スワロー | スーパースワロー |
同率 | ガル | シルバーガル |
同率 | しらとり | しらとり |
とこのようにこの手のネーミングの始祖である「ホーク」が圧倒的多数のようだ。
陸上戦力
防衛隊の陸上戦力としては自動車が多い傾向にあるが、攻撃手段(あるいは防御手段)を装備していない移動用の自動車というのが一定数存在する(科特隊専用車、タックパンサー、ステッグなど)。
ちなみに攻撃手段と防御手段を初めて組み込んだ自動車はウルトラ警備隊のポインターである。
また、オフロードを想定してか、ジープなどの4WD車両が登場する事も少なくはない。Xioに至っては大型トラックを有している。
事例は少ないが飛行能力を持っている場合もあり、さらにXioの車両は飛行ユニットと合体する事で戦闘機のコックピットになるという機能を持っている。
バイクに関してだが、意外に登場は少ない。『TAC』でも運用されたが、こちらには名前がなかった(旧バンダイからTACのロゴが描かれたバイクが販売されたことはあったが)。
名前があり、専用の塗装やカスタマイズがされた機体はGUTSのスタッガー、DASHのダッシュドゥカ、GUYSのガンブレイバー(小説版のみ)の3つだけしかない。
ドリル戦車こそ古参の部類であるが、作劇上地中での戦闘自体ほとんど描かれないためいても1回しか出てこない場合がほとんど(数少ない例外がウルトラ警備隊のマグマライザーで、5回も登場し重要な局面での活躍もあった)。MACに至ってはマックモールというドリル戦車が存在し、造形物が作られたにもかかわらず肝心の本編では出番なしだった。そういう事情やそもそもドリル戦車自体現実的なメカではない事もあってか、純粋なドリル戦車はスーパーGUTSのガッツディグを最後に登場しなくなり、以降は他のメカがドリル戦車形態を持つという形で登場していたが、それもDASHのダッシュバード3号(小説も含めればGUYSのガンスピンドラー)を最後に途切れてしまった。
純粋な砲撃戦車は(防衛軍などを除いて)XIGのスティンガーが実質唯一の存在であり、以降は他のメカが砲撃戦車形態を持つという形をとる。ナイトレイダーでは戦闘機の合体形態のひとつとしてメガキャノンチェスター、Xioではホバー式のランドマスケッティが運用されている。ストレイジではキングジョーストレイジカスタムタンクモードという形でキャタピラ戦車が復活している。
巨大ロボットはTPCが開発したマウンテンガリバー5号が最初であるが、結局は夢オチであり、長らく巨大ロボットが登場することはなかった(スーパー戦隊シリーズとの競合の関係もあったのだろう)。そして『ウルトラマンサーガ』に登場したチームUのUローダーを経て、『ウルトラマンZ』にて本筋で巨大ロボットを操る防衛隊ストレイジが登場した。
意外に思われるかもしれないが、消防車あるいはレスキュー車の類も確認でき、XIGのシーガル・ファントップがそれに該当する。
水上/水中での戦力
大抵の場合、潜水艦が殆どで、一般的な戦艦のような水上艦は持っていない事が多い。ただし作劇上水中での戦闘はあまり描かれないため、ドリル戦車ほどではないものの出番は少ない。
潜水艦を初めて運用したのは科学特捜隊(特殊潜航艇S号)であり、その後もハイドランジャー、マットサブと続いたが、TACで一旦、潜水艦の運用が打ち止めとなる。設定上には存在していたのだが、タックスペースという空・宙・水の三環境で活動できる万能機だった為に登場が見送られたのだろう(というよりも『A』ではメカによる水中戦があまりない)。ZATからMACまでの防衛隊にはアイアンフィッシュやマックシャークといった潜水艦が存在し、造形物が作られたが、肝心の本編で出番なしという扱いをされた。
以降もしばらく潜水艇の出番はなく、W.I.N.R.が特殊潜航艇S-22号を運用した事で復活。続いてGUTSのドルファー202からEYESのシーダイバーと4作続けて潜水艇が運用され、そして1作空けて『ウルトラマンマックス』では航空機/地底戦車/潜航艇の三モードを使い分けられるダッシュバード3号が登場。『ウルトラマンメビウス』では専用のマシンこそ作られなかったが、ガンスピーダーがその役割を果たした(より厳密にはGUYSオーシャンが水中でも活動できるシーウインガーや、移動司令部を兼ねた潜水艇ブルーウェイルを運用している)。
しかし、この作品以降は水中戦力の出番はなくなってしまった。制作側もあまりに出番が少なすぎるという自覚があったらしく、『ガイア』では出番が少ないことをネタにしていたりする。
ライドメカ一覧
※武装や特殊装備がなく、なおかつ専用名を持たない一般車とほぼ同等の車両については割愛。
科学特捜隊
地球防衛軍TDF、ウルトラ警備隊
MAT
TAC
ZAT
MAC
科学警備隊
- スーパーマードック号
- バーティー
- ベータミー
- シューターASS
- パッセンジャー号
- スペースバーディ
- ウルトリア
UNDA、UGM
ウルトラフォース
- マザーシップ
- ウルトラジェット
UMA
- ハマー
- サルトプス1号
- サルトプス2号
- サルトプス3号
W.I.N.R.
- スカイハンター
- ストライクビートル
- 特殊潜航艇S22号
- ローバー
MYDO
- スカイフィッシュ1号
- スカイフィッシュ2号
- スカイシャーク
TPC、GUTS
- ガッツウイング1号
- ガッツウイング2号
- アートデッセイ号
- ガッツウイングEX-J
- スノーホワイト
- ブルートルネード
- クリムゾンドラゴン
- シャーロック
- デ・ラ・ム
- スタッグ1号
- スタッグ2号
- ピーパー
- ドルファー202
- TPC-1
- ガロワ飛行艇
TPC、スーパーGUTS
- ガッツイーグル
- ガッツウイングゼロ
- クラーコフNF3000
- αスペリオル
- コネリー07
- ゼレット
- ボッパー
- ガッツマリン
- ガッツディグ
- ガッツシャドー
- プラズマ百式
- スノーホワイト改
- パッションレッド
- TPC宇宙艇
- 電脳巨艦プロメテウス
- (曙丸)
- (マウンテンガリバー5号)
GUARD、XIG
- ピースキャリー
- XIGファイターSS
- XIGファイターSG
- XIGファイターEX
- XIGファイターST
- XIGファイターGT
- シーガルフローター
- シーガルファントップ
- ベルマン
- MLRSバイソン
- GBTスティンガー
- セイレーン7500
- ダヴライナー
- XIGアドベンチャー
- ノーマルファイター(GUARD戦闘機)
KCB
- リレイラー
GOKAZOKU隊
- ヘキサウイング
HEART
- ハートウィナー
- ハートワーマー
- ハートビーターSX
- ハートビーターRX
SRC、EYES
- トロイトータル
- コアモジュール
- テックサンダー1号
- テックサンダー2号
- テックサンダー3号
- テックサンダー4号
- テックスピナー1号
- テックスピナー2号
- (テックスピナー3号)
- (テックスピナー4号)
- テックブースター
- シェパード
- テックダイバー
- テックスピナーKS-1
- テックライガー1号
- テックライガー2号
- テックライガーKS-1
- (テックライガーKS-2)
- テックライガーKS-3
- テックライガーKS-4
- コスモ・ノア
統合防衛軍
- ロボバルタン/スターバルタン
ナイトレイダー
デュナミスト
UDF、DASH
CREWGUYS
- ガンスピーダー
- ガンフェニックス
- ガンウィンガー
- ガンローダー
- ガンブースター
- ガンクルセイダー
- シーウィンガー
- GUYSアローMA1
- ガンスピンドラー
- ガンブレイバー
ZAP
- スペースペンドラゴン
- ドラゴンスピーダー
- ゴースタードラゴン
ウルティメイトフォースゼロ関連
- ジャンバード
- 地表艇ハスキー(惑星アヌー保有メカ)
- アバンギャルド号(炎の海賊旗艦)
- マイティスター
- ミラースター級(鏡の星の戦艦)
チームU
UPG
- UPG-EV1 シュナウザー
- UPG-EV2 マラミュート
XIO
- ジオアトス
- ジオアラミス
- ジオポルトス
- ジオマスケッティ
- スカイマスケッティ
- スペースマスケッティ
- ランドマスケッティ
SSP
- SSP-7
ビートル隊
王立惑星カノン
- スザーク号
星雲荘
E.G.I.S.
- E.G.I.S.専用車/SUV
ストレイジ、GAFJ、特機群
- 特空機1号セブンガー
- 宇宙セブンガー
- 特空機2号ウインダム
- 特空機3号キングジョーストレイジカスタム
- 特空機4号ウルトロイドゼロ
- ステッグ
- ストウラー
- 19式特殊潜航艇甲型(ドルフィン6号)
GUTS-SELECT
新生GUTS-SELECT
SKaRD
SKIP
禍特対
- 禍特対専用車