概要
『ウルトラマントリガー』本編の最終決戦から2年後である『エピソードZ』における「GUTS-SELECT」の通称。その後の『ウルトラマンデッカー』では、対スフィア部隊として再編成された。
本記事では主に後者について扱う。
沿革
7年前の『エピソードZ』での事件を最後に怪獣災害が途絶え、ライドメカも自動操縦方式に切り替わり、TPUの主要な人材も宇宙へ進出するなどの大幅な変化が起こっていた。
第1話でTPU訓練校怪獣対策課の面々がヤオ・マモル博士(『ティガ』に登場したヤオ・ナバン博士が元ネタ)ら18人の火星第2コロニー開発チームを乗せたロケットの警備に当たったが、突如として出現したスフィアの襲撃に遭い、TPUの戦力は壊滅状態にされただけでなく、スフィアが生じさせたバリアによって地球が宇宙の孤島と化してしまい、残されたTPU訓練校怪獣対策課(宇宙飛行士志望の生徒を含む)のメンバーが実戦に向けて訓練を積む事に。
なお、元々は民間人であったカナタは勇気を見込んだムラホシのスカウトを受けてTPU訓練校に入学しており、1年後の最終行軍訓練を経て同じ班になったリュウモンやイチカと共に新生GUTS-SELECTへの入隊が決まった(ただし、正規に合格したのではなく、デスドラゴ出現に際して避難誘導に真摯に取り組んだ様を評価されての入隊である)。その為、アサカゲやTPUの上層部からは実質的に新人部隊である新生GUTS-SELECTの実力を懸念する声もあったが、先代から受け継いだ膨大な資料とメンバーのチームワークにより多数の怪獣を討伐、後にアサカゲには「素晴らしいチーム」と呼ばれる程の成長を遂げた。
また、怪獣災害対策に加えて、スフィアバリアによって宇宙に出る術を失い難民となった友好的な宇宙人への支援なども行っている。
特徴
チームロゴに大きな変更はないが、『デッカー』で再編成された際には、隊員服はデザインが一新され、黒地にオレンジ色のラインに変わっている。また、地上戦用装備としてヘルメットと両膝両肘用のプロテクターが追加されている。他にも、ロゴが入ったフライトジャケットらしき装備も確認できる。
移動基地であるナースデッセイ号の内装はあまり変更されていないが、ディスプレイによる操作方式から操縦桿による方式へと変更されている。
また、ナースデッセイ号やテラフェイザーなどの大型装備はTPU本部に格納施設が設けられている模様。
戦果
友好的な存在の協力を受けつつも結成直後から複数体の怪獣撃破に成功しており、先代から受け継いだ膨大な資料・情報やメンバーの活躍もあって、様々な戦果を残している。
現時点では、
- モンスアーガー
- パゴス
- ツインテールの群体(10体以上)
- ギジェラン
- スフィアレッドキング
- ヒナバッサー数体
- スフィアネオメガス
- スフィアソルジャー多数(スフィアネオメガス、スフィアザウルス、スフィアオベリスクの護衛など)
- ノイズラー
- ゴメス(S)
- スフィアザウルス1体(スフィアジオモスが呼び寄せた新たな個体)
- チャンドラー
を倒している。
特に、スフィアレッドキング、スフィアネオメガスなどは目下の脅威であるスフィア合成獣であり、これらを撃破したことでスフィアへの対抗能力も実証されつつある。
また、上には書かれていないがスフィアゴモラ戦やネオメガス戦のように新生GUTS-SELECTの協力がデッカーの危機を救った例も少なくはなく、撃破数も含めればニュージェネシリーズに登場するUPGやXioはおろか歴代防衛チームの中でも屈指の功績を残している。
メンバー
隊長のムラホシと副隊長のカイザキ以外は、同時期に入隊した新人隊員で構成されている。また、アサカゲはTPUからの出向に近い形でチームに加わっている。
- 隊長
- ムラホシ・タイジ(前所属:TPU訓練校校長)
- 副隊長(ナースデッセイ操縦・オペレーター兼任)
- カイザキ・サワ(前所属:TPU怪獣研究室)
- 前線支援要員(GUTSホーク操縦担当)
- HANE2(ハネジロー)
- メカニック
- アサカゲ・ユウイチロウ(現所属:TPU技術(出向))
装備とメカニック
『デッカー』開始時点では怪獣研究室や怪獣対策課よりも宇宙開発課に大幅に予算が割かれた結果、メカニックも全て無人操縦に移行するという改革が成されており、ジャミングを使うスフィアとの戦いでは大幅に苦戦を強いられてしまった。
この反省から、メカニックは全て人間あるいはAIが直接搭乗して操作する形に切り替わっている。また、ナースデッセイ号の動力源として「ネオマキシマエンジン」を導入しているようだ(ネオフロンティアスペースの「ネオマキシマ・オーバードライブ」とはどう違うのかは不明)。
装備
- セレクトハイパーガン
隊員が装備するハンドガン。
開発者はTPU特務3課主任のホッタ・マサミチ。
かつてのGUTSスパークレンスよりもミリタリー要素の強い武骨なデザインが特徴。黒地に赤のラインが入り、ビジュアル的には中折れ式機構でバレル下部にピカティニー・レールらしき部位が存在するなど、現実の銃火器に近くなっている。
基本は光線銃だが、銃身中央に装填するハイパーカートリッジを交換することで、電撃、火炎、冷凍、麻酔などの様々な種類の弾を撃つことが可能。威力も高く、連続で撃ち込めばヒナバッサー程度の脅威なら撃破することができる。
また、アタッチメントパーツを装着することで重装備仕様のブルパップ式カービン「セレクトハイパーガンカービン」形態となり、射程・威力の向上に加えて新たに銃身下装着型のハイパーグレネードランチャーが使用可能になる。さらにここから、長距離精密射撃のためのスコープやバイポッドを取り付けた狙撃銃仕様「スナイパーカスタムモデル」に換装することもできる。この状態ではスフィアソルジャーも迎撃可能。
ファンの間では、セレクトハイパーガン形態は『ウルトラマンガイア』のXIG隊員が装備していたジェクターガンに似ているという意見もある。
なお、GUTSスパークレンスやGUTSハイパーキーといった旧GUTS-SELECTの携行装備は火星でスフィアと戦う旧メンバーによって使用されているほか、地球に残存していた個体もあったようで、シズマ・ユナが新生GUTS-SELECTと共闘する際に持ち出している。
また、TPU訓練生および一般隊員は形式が異なる銃を携行しており、M4カービンのカスタムモデルと見られる小銃に加え、架空のハンドガンを用いている。こちらは形状から、ハピネットから販売されているサウンドバスターガンのリペイントだと思われる。
- バズーカ(仮称)
第22話に登場。先端がパラボラ状になっているのが特徴のバズーカ。精密射撃のためのスコープも搭載され、セレクトハイパーガン以上の威力を持った光線を発射する。
プロップは『ウルトラマンギンガS』のマグネウェーブ作戦バズーカの流用。
- 通信器
小型で指輪サイズ。スフィアの電波妨害により一時期通信が途絶えた。スマホ型PDIがどうなったのかは現時点では不明。
- メガアース
対災害用バッテリー。旧式かつ人間1人で持ち出せる程度のサイズながら、1台で1つの街に3日間供給を続けられるだけの電力を蓄えている。
本来はTPUの装備だが、エリーへの給餌のためにGUTS-SELECTによって使用された。その後、正式にナースデッセイ号に配備されており、電力供給の他にスフィアオベリスクを破壊するための特殊爆弾の構成要素として使用される拡張性も見せている。
- 対ガス装備
半面形の直結式ガスマスク。プロフェッサー・ギベルスの装置によって人々が昏睡した区域の調査に際して、電波遮蔽装備と併せて用いられた。
ライドメカ
旧GUTS-SELECT時代から使用されている戦闘機。
元々は遠隔でのドローン操作による無人戦闘機だったが、『デッカー』の時代には有人仕様に改修されている。
詳細はリンク先参照。
旧GUTS-SELECT時代から使用されている艦艇。
詳細はリンク先参照。
新たに開発されたAIユニット「HANE2」が操作する戦闘機。
GUTSファルコンとの合体が可能とのことで……。
詳細はリンク先参照。
HANE2が操作する巨大ロボット。
詳細はリンク先参照。
- エアーシャトル
旧GUTS-SELECT時代より地上連絡に使われている小型飛行メカ。
機関砲を搭載していたことが判明しており、GUTSファルコン、GUTSホークの運用が不可能となった際には戦闘機の代わりとしても使用されている。
外観のデザインなどは『ウルトラマンメビウス』のガンスピーダーの流用。
余談
『デッカー』のリスペクト元の『ウルトラマンダイナ』では、本編終了後にスーパーGUTSが火星担当のスーパーGUTSマーズ、地球担当としてネオスーパーGUTSに再編成されており、それぞれ『ウルトラマンサーガ』や『古代に蘇る巨人』に登場している。
隊員服のカラーリングはスーパーGUTSとは差別化されており、あまり繋がりは意識されていない。
どちらかと言うと、50周年を迎えた『ウルトラマンA』に登場する防衛チームであるTACの隊員服に近いカラーリングである。
前作のメンバーは『ティガ』のGUTSメンバーや関係者を連想させる名前になっていたが、今作の場合はスーパーGUTSメンバーを意識している登場人物はカナタ("アス"ミ・"カ"ナタ→アスカ→アスカ・シン)とHANE2のみであり、ほかのメンバーはウルトラ6兄弟と共闘した歴代防衛チームの隊長の名前をモチーフにしている模様。
GUTS-SELECT隊員 | 元ネタ |
---|---|
ムラホシ隊長 | ムラマツキャップ(科学特捜隊) |
キリノ隊員 | キリヤマ隊長(ウルトラ警備隊) |
カイザキ副隊長 | 加藤隊長/伊吹隊長(MAT) |
リュウモン隊員 | 竜隊長(TAC) |
アサカゲ博士 | 朝日奈隊長(ZAT) |
関連タグ
- ウルトラマンデッカー
- GUTS-SELECT
- 新生ウルトラ警備隊、スーパーGUTS、TEAM EYES、科学特捜隊日本支部:本編終了後に編成された防衛組織。
- GUYS:メンバーのほとんどが新人だったチーム。こちらも不測の事態により短時間での再編成を余儀なくされた。
※以下、ネタバレ注意。
スフィアとの戦いから2年が経過した劇場版『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』のラストシーンでは、人員を中心とする大規模な再編が行われている。
以前からのメンバーで残留したのは隊長職を引き継いだリュウモンのみ。カナタらの訓練校時代の同期であるサトウ、ノジマ、イソザキの3名が隊員となり、AIユニットもHANE3(ハネサブロー)が新たに配備された。
ムラホシ隊長はTPU訓練校に戻り、カイザキ副隊長は新設の怪獣予知対策センターのセンター長に就任、カナタ、イチカ、ハネジローは護衛艦の任に就いたナースデッセイ号に乗り組み、太陽系外を目指す宇宙探査航海チームの第2陣に参加している。
なお、ハネジローは元々宇宙探索用として開発されており、イチカも元々は宇宙探査志望だったため、ともに夢を叶えたことになる。
装備面では、ナースデッセイ号が長きに渡る戦闘でボロボロになったこともあってか宇宙探査に転用されたことを受け、新たに同型艦の「ナースデッセイ2号」が配備されている。2号のカラーリングにはオレンジが入り、隊員服のラインと共通する意匠となっている。