宙(そら)を歪める恐怖の要塞!
カナタ終(つい)の戦い、始まりのディナス。
概要
2023年2月23日より全国劇場で公開されたウルトラマンデッカー』の劇場版。
正式タイトルは『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』。
また、前作『ウルトラマントリガー エピソードZ』同様、公開日同日よりTSUBURAYAIMAGINATIONで独占配信。
予告編やポスターには、デッカーに酷似した紫色の謎のウルトラマン・ウルトラマンディナスが写っており、本作の目玉であると思われる。
劇場公開版では本編開始前にHANE2の解説によるTVシリーズのダイジェストが、配信版では本編後にインタビュー映像が流れる。
あらすじ
空に響きわたる奇々怪々な音。さらされた人々は昏倒し、ついに姿を消してしまう。調査に向かうエキスパートチーム「GUTS-SELECT」を待ち受けていたのは、次々に襲い来る異星人軍団と、漆黒の要塞艇「ゾルガウス」を駆り地球の宙を歪める支配者「プロフェッサー・ギベルス」。苦戦するカナタたちの前に突如、ギベルスを知る謎の女性が舞い降りる。
不思議な力を持つ彼女の名は、ディナス。GUTS-SELECTと力を合わせ「守る使命」を胸に凶悪な企てに立ち向かうが、ついにその頭上に銀河をも歪める「皇獣」の凶暴な姿が影を落とす。地球そして宇宙の存亡をかけ、カナタ、ディナス、そしてGUTS-SELECTの命がけの総力戦が、いま始まる!
※公式より引用
登場人物
GUTS-SELECT
- アスミ・カナタ/ウルトラマンデッカー(演:松本大輝)
- キリノ・イチカ(演:村山優香)
- リュウモン・ソウマ(演:大地伸永)
- カイザキ・サワ(演:宮澤佐江)
- ムラホシ・タイジ(演:黄川田雅哉)
- HANE2(CV:土田大)
本作ゲストキャラクター
- ディナス/ウルトラマンディナス(演:中村加弥乃)
TPU
その他
登場怪獣・宇宙人・兵器
※太字は本作初出の新怪獣。
ギベルス一味
- ゾゾギガ星人プロフェッサー・ギベルス(CV:中尾隆聖)
- 銀河皇獣ギガロガイザ
- 要塞艇ゾルガウス
- ???
- 宇宙ロボットキングジョー
- 策略宇宙人ペダン星人(CV:団長安田(安田大サーカス))
- 昆虫宇宙人クカラッチ星人(CV:HIRO(安田大サーカス))
- 宇宙怪人ゼラン星人(CV:クロちゃん(安田大サーカス))
- ガルメス人(CV:荒井義久)
- 異次元宇宙人イカルス星人(CV:関智一)
- 宇宙帝王バド星人(CV:よなはら伊織)
- 幽霊怪人ゴース星人
- 暗黒星人シャプレー星人(CV:本郷章)
- グローザ星系人
- 憑依宇宙人サーペント星人
- 電波怪人レキューム人
- 殺戮宇宙人ヒュプナス
- 反重力宇宙人ゴドラ星人
- サーベル暴君マグマ星人
GUTS-SELECTの装備・味方
その他
- 若親怪獣ヤングマザーザンドリアス
- 雛怪獣ベビーザンドリアス
余談
- これまで新世代ヒーローズの劇場作品は3月に公開されるのが通例だったが、今回はウルトラシリーズ全体で見ても初となる2月に公開される(恐らく、3月公開の同じく円谷制作である『グリッドマンユニバース』の影響で、バッティングを避けたものと思われる)。また、祝日に公開されるのは(アガムス役の小柳友氏が主演を務めた)劇場版『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』以来13年ぶりであり、どちらも天皇誕生日という共通点がある。
- また、本作は『超決戦!ベリアル銀河帝国』以来、12年と2ヶ月ぶりのエンドロールで映像が流れない劇場版作品となった。
- 近年の劇場版作品では珍しく、過去作からの客演者がゲストとして登場しない作品である。
- 特に前作主人公の顔出し客演に関しては、『ウルトラマンオーブ』の劇場版『絆の力、おかりします!』における大空大地/ウルトラマンエックスより長らく続いていたものだが、本作にマナカ・ケンゴ/ウルトラマントリガーの出演は無く名前のみが登場となり、ここで途絶える事となった(トリガーは『デッカー』TV本編で大いに活躍したため、本作に出演しない分も補完されているという事だろう。ちなみに劇場では総集編パートに一応写っている)。なお、舞台挨拶の寺坂氏曰く「宇宙船から手を振っている」らしい。
- また、本作には(回想とはいえ)ダイナも登場するが、キャスト発表はされておらず、TV本編同様にCV含めてアスカ・シン(演:つるの剛士)としての登場は無かった。
- なお、別役としての出演ならば、関智一氏はウルトラシリーズでは常連として出演し続けており、中尾隆聖氏も劇場版『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』からナックル星人役以来の出演となる。本職が声優以外のゲストでも、荒井義久氏は過去に『オーブ』や『ウルトラマンZ』にてチョイ役で出演している。
- 基本的に変身可能な全ての形態が登場する新世代ウルトラマンの劇場版だが、本作にはストロングタイプやミラクルタイプはおろか、本編最強形態たるダイナミックタイプは登場していない。さらにウルトラデュアルソードやデッカーシールドカリバーなどの武器、ディメンションカード怪獣の召喚能力なども一切使用されていない。これは本作に登場するデッカーにとある事情があり、フラッシュタイプ以外が「使えない」状態だったためである(一応その代わりとして、配信・劇場公開のどちらも冒頭にTVシリーズ映像を流用したダイジェスト映像が流れ、そこで多少は映っている)。
- 前作に引き続き劇場版限定タイプは未登場で、ウルトラマンディナスがその代わりの枠とも言える。
- ポスターにあるデッカーの写真は、ウルトラヒーローズエキスポ2022サマーフェスティバルのポスターや入場特典のウルトラディメンションカード(カードナンバーPR-009)の写真と同じである。また、その後発表された入場特典のカード(PR-017)は、その写真を少し枠の下にしてその上にディナスが映った映画ポスターをイメージしたデザインになっている。
- 劇場版作品のゲスト声優にお笑い芸人が起用されるのは、『オーブ』の劇場版『絆の力、おかりします!』以来6年ぶりとなる。あちらもトリオ芸人が参加しており、担当したのも敵の配下の宇宙人役である。また、本作にも登場するクカラッチ星人とガルメス人が初めて登場した作品でもある。
- 本作ゲストの安田大サーカスの3名は、特撮作品では過去にトミカヒーローシリーズの第1作目『レスキューフォース』でネオテーラの三幹部・マール、サーン、シーカの声を演じ、『仮面ライダードライブ』ではクラッシュ・ロイミュードとその舎弟役で出演していた。前者ではクロちゃん、後者ではHIROがリーダー格であったが、本作では現実と同じく団長がリーダー格を担当する。
- また、同じくゲストの荒井義久氏は、安田大サーカスと同じ松竹芸能所属の後輩でもある。
- 『デッカー』TV本編の放送年は『ウルトラセブン』が放送55周年、『大怪獣バトル』が稼働開始15周年に当たるためか、本作で敵として登場する既存の怪獣・宇宙人のほとんどは、セブンや『大怪獣バトル』シリーズと何らかの関わりのある者が占めている。
登場怪獣・宇宙人 | 備考 |
---|---|
キングジョー | 『ウルトラセブン』初出。『大怪獣バトル』では強化機体が登場。『デッカー』の世界では、過去に改造された機体が現れたという縁もある |
ペダン星人 | 『ウルトラセブン』初出。『大怪獣バトル』シリーズでは重要な役職で登場。今作のペダン星人も『大怪獣バトル』時のデザインとなっている |
クカラッチ星人 | セブンが客演した『絆の力、おかりします!』初出 |
ガルメス人 | 同上。なお、『ULTRASEVENX』に登場したガルキメスを操っていたエイリアン集団の正体ではないかという考察もある |
ゼラン星人 | 『ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO』にも登場 |
マグマ星人 | セブンが客演及びモロボシ・ダンとしてレギュラー出演した『ウルトラマンレオ』初出 |
ゴドラ星人 | 『ウルトラセブン』初出 |
イカルス星人 | 同上 |
バド星人 | 同上 |
ゴース星人 | 同上 |
シャプレー星人 | 同上。『大怪獣バトル』の劇場版『ウルトラ銀河伝説』にも登場 |
ヒュプナス | 『ULTRASEVENX』初出。セブンが客演した『絆の力、おかりします!』にも登場 |
レキューム人 | セブンが客演した『絆の力、おかりします!』にも登場 |
サーペント星人 | 同上 |
グローザ星系人 | かつて同族がセブンと交戦。アーケード版『大怪獣バトルNEO』でも同一人物が登場 |
- ペダン星人とキングジョーが直接共演するのは『ウルトラゾーン』以来、番外作品を除くと『ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO』以来、通常のキングジョーに限定すれば、初出の『セブン』以来である。
- 本作も前作『エピソードZ』と同様に、これまでウルトラシリーズの劇場版を配給していた松竹が関わっておらず、バンダイナムコアーツと円谷プロダクションでの独自配給となる。本作では前作よりも若干公開される映画館数が増えたもののそれでもまだ少ない方であり、「前作同様ツブイマ未登録の人にとってはわざわざ遠出しなければならない」「『ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突』 同様、鑑賞する前にネタバレを喰らう」など、なかなかに厳しい事態となっている。前作では無かったパンフレットの販売は復活しているが、これも入手できるのは劇場だけであるため、購入のハードルはやや高くなっている(さらに公開はされていてもパンフレットの販売が無い劇場もあるため、注意が必要である)。
- なお、次作『ウルトラマンブレーザー』の劇場版『大怪獣首都激突』は通常の上映形態へと戻ったため、ツブイマでの同時配信が行われた最後の作品となった。
- 本作は、ヴィランであるギベルスの「マッドサイエンティスト」という立場と、「スフィア戦後の地球圏を襲撃」「一度に大量の人々を誘拐」などの劇中での暗躍、そして主人公の旅立ちとダイナが深く関わっているストーリー展開が、『ウルトラマンダイナ』の後日談の側面を持つ『ウルトラマンサーガ』(及び『大決戦!超ウルトラ8兄弟』)の出来事を彷彿とさせるものがある。
関連動画
関連項目
ウルトラマントリガーエピソードZ/シン・ウルトラマン←旅立ちの彼方へ…→大怪獣首都激突
特異点ノその先に
舞い翔ガる闘志
『キミは、あの50m級の宇宙人をどう思う?』
『我々を助けてくれた。それは、まぎれもない事実です』
『何十年も前から宇宙飛行士たちの間で噂されていた、未確認大型宇宙人のコードネームだ』
Monitor 4.21
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