「早くあの装置を破壊してください!アイツは…私が倒します!」
カナタ「っ…Dフラッシャー…!?」
『Ultra Dimension!』
「ディナァーース!!」
『Ultraman Dinas!』
イチカ「デッカー!?」
リュウモン「どういうことだ…!?」
DATA
概要
『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』に登場したウルトラマン。
本作の世界では(トリガー、ゼット、リブット、ティガ、デッカー、ダイナに続く)実に“7人目”となるウルトラ戦士であり、ラヴィー星人ディナスがウルトラDフラッシャーにウルトラディメンションカード「ウルトラマンディナス」を読み込ませて変身する。
変身ポーズはデッカーのものを踏襲しているほか、変身音もフラッシュタイプと同じ(ただしバックのSEが異なる)。カラータイマーの発光音もデッカーと同じ。インナースペースもトリガーやデッカーと同じく白い背景となっている。
容姿
基本的な容姿はデッカー・フラッシュタイプと同一であるが、カラーリングは銀と紫色の2色に変化し、デッカーの特徴でもあったプロテクターの銀河柄も無くなっている(クリスタル周辺のものは残っている)。
プロテクター自体も胸部分は中央で左右に分割され、左腕部分にあったものは無くなっているなど、デッカーよりも軽装になり、色以外はデッカーよりも原点のダイナに近しい姿になっている。
一方で、女性が変身者でありながら”ウルトラウーマン”ではなく、女性らしい外見も見られない。
また、カラータイマーが常に赤に点灯しているというウルトラ戦士としては特異な状態となっており、活動限界が近くなると他のウルトラ戦士と同様にカラータイマーが点滅するため、活動時間も短い(これまでのウルトラマンにおいては、タイマーが常に赤く点灯しているのは闇落ちした姿や暴走状態などが主であった)。ちなみに原点のダイナもカラータイマーが赤に点灯したままの状態で氷漬けになっていた事がある。
能力
変身者のラヴィー星人が元々戦闘に向いていない種族のため、ウルトラマンディナス本人の戦闘能力はフラッシュタイプのデッカーと比べると心許ないものである。
本人もこのことは理解しており、心を通わせた怪獣たちから譲り受けたモンスディメンションカードで怪獣の技を一時的に使用することで身体能力を補っている。
必殺技
ディナライズバーンズ
ゼットンのディメンションカードを使用すると発動できる、お馴染み一兆度の火球。オリジナル以上の速度で連射が可能と結構コスパが良く、連続攻撃でキングジョーを撃破した。(技名はパンフレットに記載)
ディナライズサンダー
エレキングのカードで発動する、両手から放つ電撃波。イカルス星人との戦闘で使用したがかわされてしまった。片腕から発射するパターンもある。
ケルビムのムチ
ケルビムお得意の尻尾「超音速クラッシャーテイル」を模したムチを敵に打ち込む技。オリジナルのケルビムとは異なり、ムチそのものは赤く発光している。
ウルトラかかと落とし
ゼットンとケルビムのカードで発動した技。一兆度の火球と弾道エクスクルーシブスピットのパワーで炎の力を纏ったかかと落としを敵に叩き込む。
バリアー
ガギのカードで発動したバリア。
余談
名前の由来はデッカーと同じく、ウルトラマンダイナだと思われる。
実は、デザイン班は、ウルトラマンディナスは最初期は女性が変身するとはデザイン段階では知らなかったらしい。
武居監督曰く「ゆくゆくはフラッシュタイプに進化していくが現在は未完成な状態である」とのことで、ウルトラマンネクサスでいう所のアンファンスに当たるとのこと。プロテクターがオリジナルのデッカーと異なり宇宙模様がなく二枚柄なのもこのためである。デッカーではあった金色の部分が省略され銀色のみとなっているのも未熟さの表現。
キャラクターデザインを手掛けた脇貴彦氏によれば、ディナスの色が紫となっている理由は、
「ダイナって、『ウルトラマンサーガ』でゼロとコスモスと一体化しているじゃないですか。その後、ゼロが『ウルトラゼロファイト』でストロングコロナとルナミラクルになったように、ダイナもコスモスのスペースコロナモードの力を受け継いでてもおかしくないんじゃないかなと。そういう脳内妄想で紫にしてみたんですよ(笑)」
出典:円谷造形探訪-『ウルトラマンデッカー』ウルトラマンディナス編-より
とのこと。あくまでもこれは完全に正式なものではなく「半公式」であるという注意書きではあるが、ダイナとコスモスの関係性が巡り巡ってディナスへと反映されたわけである(それ故にディナスの名前をダイナとコスモスの合成とネタにする声もある)。
脇氏にとっては以前担当したイーヴィルトリガーなどに次いで初の実写作品におけるヒーロー側のキャラクターデザインだったため、ダイナの系譜に当たるディナスを担当することができて感慨深かったという。
スーツは頭部以外は新造となっている。
他にもキャラクターデザインに関する情報がいくつか記載されているため、気になる方は「TSUBURAYA IMAGINATION」に登録して「円谷造形探訪」をチェックしてみることをお勧めする。
ディナスを演じた中村加弥乃氏は好きなウルトラマンとしてウルトラマンティガを上げており、ウルトラマンディナスの姿を見た際にはそのカラーリングからティガのスカイタイプを想起したようである。
関連タグ
スペースコロナモード:同様のカラーリングを持つコスモスの形態の一つ。多少形式は異なるが、劇場公開作品が初出である事も共通している。
ウルトラマンタロウ、ウルトラマンタイガ:とある理由(タイガは例外)でカラータイマーが赤になったままの状態になった事がある。
ウルトラマンビクトリー、ウルトラマンエックス:怪獣の力を借りて戦うウルトラマン。
ウルトラウーマングリージョ:同じく劇場版で初登場しており、メイン監督が同じ。こちらはれっきとしたウルトラウーマンである。
ウルトラマントリガー/トリガーダーク→(ウルトラマンレグロス)/(リピアー)/ウルトラマンデッカー/ウルトラマンディナス→ウルトラマンブレーザー
正体(ネタバレ注意)
ネタバレ注意!
出自
ディナスの故郷であるラヴィー星が宇宙人軍団によって襲撃され危機に陥った時、ウルトラマンダイナが飛来、宇宙人たちを撃破して彼女の窮地を救った。瀕死となっていたディナスに、ダイナは光の力で治療を試みた。
すると彼女の前にウルトラDフラッシャーが出現し、そのまま彼女はウルトラマンディナスへと巨大化したのだった(ダイナ曰く、「光の力とディナスの意思が反応したのではないか」とのこと)。つまりはダイナの光を継ぐ者である(同じ変身アイテムを使用するデッカーも、恐らくは同じ出自と考えられる)。
終盤、ディナスを庇って生死の境を彷徨っていたカナタを目覚めさせるべくディナスのカードを核にGUTS-SELECTのメンバー全員の思いを乗せてディナスとしての「ウルトラマンの力」をカナタに継承、目覚めたカナタはDフラッシャーで変身し、再び地球にウルトラマンデッカーが誕生した。
終盤ギベルスがディナスに対して口にした「ウルトラマンのなり損ない」という台詞や、ディナスのカードを核として新生GUTS-SELECTのメンバーたちの絆の力でデッカーのカードが生成されるシーン、怪獣カードを使わないディナス自身のオリジナル技が使用されなかったこと、タイプチェンジも不可能なこと、デッカー復活後に再変身して共闘しなかった事などからデッカーの不完全体ではないかとも推測できる。
事実、前述の余談で武居監督がその様に述べているため、ほぼ確実と見ても問題ないだろう。
ある意味、トリガーとトリガーダークの関係に近い。
『NEW GENERATION The LIVE ウルトラマンデッカー編STAGE5』にて本編では叶わなかったデッカーとの共闘を果たしている。カナタがDフラッシャーの光をディナスに渡すことでディナスは再び変身出来るようである。
ディナス役の中村女史は、ウルトラギャラクシーファイトのスピンオフULTRAMANREGULOS配信に合わせて配信された龍臣プロのTSUBURAYAIMAGINATIONのコラム『濱田龍臣のウルトラEYE』の特別配信番組にカナタ役の松本氏と共に出演した際に視聴者からの質問でスピンオフみたいに何かしたいことありますかという質問に対して何かしらの形でディナスがまたウルトラマンの力を得るみたいなスピンオフを作ってもっと活躍するシーンを見たいと語っている。
中村氏は、スピンオフの客演に先輩ウルトラマンとしてカナタと朝倉リクに出てきて欲しいと語っている。カナタ役の松本氏も具体的な展開を述べてそれらの展開をデッカーのメイン監督である武居監督とシリーズ構成脚本の根元氏監修の元坂本監督に撮ってもらいたいという趣を語っている。
その特殊な立ち位置故か、新世代ヒーローズはおろか公式サイト等で記載される歴代ウルトラマンにはカウントされていない。
あくまでデッカーの形態のひとつ、或いはソラやボーイの様な番外的な立ち位置のウルトラマンだと思われる。
関連タグ2
ウルトラマンティガ:外伝で本編の主人公の息子が光を継いで変身したが、身長も戦闘力も大幅に低い不完全な変身をしたウルトラマン。
ウルトラマン・ザ・ネクスト、ウルトラマンネクサス:こちらも、本来の姿の不完全体(または進化途中)とされるウルトラマン。
劇場版限定タイプ:立ち位置的にはこれに該当する。
アーリースタイル:ある意味ではこれに該当する。