「私は、私のものを取り戻す。誰にも邪魔させないよ」
プロフィール
人物
メインストーリーのプロローグ時に連邦矯正局を脱走した「七囚人」の一人で、元山海経高級中学校の生徒にして錬丹術研究会の元会長。
異名は五塵の獼猴(ごじんのびこう)。
周囲の人間を凡夫と見下し、自らの目的の為なら周囲にどれだけの被害をもたらしてもそれを他人の判断だからと断言する傲慢な性格をしている。
また話術や詐術に長けたタイプの人物で扇動や計画立案能力も高い。
伝統やしきたりを重んじる山海経の関係者だが良くも悪くも伝統には無頓着。
右が白、左が黒の特徴的な髪色と胸元が大きく開いたセクシーなチャイナドレスが目を引く。
また、元錬丹術研究会所属とあってか中華風の装飾が施された白衣を肩にかけている。
その真の目的は錬丹術研究会の悲願でもある、神仙へと至る「仙丹」を完成させること。この神仙が何を指すのかは不明ながら、試作品の仙丹を服用した時には、近衛ミナや鹿山レイジョといった山海経屈指の実力者を(彼女たちが疲弊していたとはいえ)瞬時に退けたほどだった。
現錬丹術研究会会長の薬子サヤが、被験者に配慮した(比較的に)人道的な研究を推進していることにより、研究が遅々として進んでいないことに苛立ちを募らせる錬丹術研究会員もいるようで、危険人物ながら、現会長のサヤを認めずカイを未だに信奉する者もいる。
錬丹術研究会の会長をしていた頃は、山海経の生徒に頼まれては様々な薬剤を提供していた。例えば運動能力の上がる薬剤や、新たな味覚を獲得する薬剤など。
だがそのどれもが強烈な副作用が伴うものであり、カイはその副作用の解毒薬を取引材料に、生徒たちを奴隷のように支配し更なる研究のために利用していた。
そのため、願望者の願いを歪めて成就させる伝説になぞらえて、「猿の手」とも呼ばれていた。
(当然ながらカイとの取引に乗らなかった者もいたようで、その生徒たちは後にサヤが治療したとのこと)
この動きを危惧した竜華キサキにより、カイは強制的に永久追放(退学)となり、また山海経では手に余るとして、ヴァルキューレへと引き渡された過去を持つ。
カイが去った後、キサキ主導により模倣犯が生まれないようにカイに関する一切の資料が封印または破棄された。そのために七囚人の中では知名度が低く、山海経内でも名前を知らない者がいるほど。また、この事件のどさくさに紛れてキサキに一服毒を盛ったようで、キサキの虚弱体質の原因でもある。
初出はイベント「龍武同舟 ~思い描くは、ひとつの未来~」で発生した、萬年参密輸事件の黒幕としてエピローグで登場した。
玄龍門の幹部やブラックマーケットの傭兵などを巧みに使役し、麻薬にも等しい効能を持つ希少植物「萬年参」を校外に持ち出していたのだ。しかも、手を出す事は恥という風潮の強い梅花園の園児達を、本人たちが知らぬ間に密輸に加担させており、その豪胆さと悪辣さを持つ。
また、この頃にも「猿の手」と恐れられた手法を用いていたらしく、捕らえられた密輸犯達が「カイの情報を言ってしまうと自分達の身が危ない」と恐怖させ、カイまで捜査の手が及ぶことはなかった。
続くイベント「月華夢騒」では、キサキの(緩やかな)改革路線に不満を持っていた京劇部とその部長である漆原カグヤを焚き付け、クーデターを起こさせた。
カイとしてはクーデターの成否は興味が無く、それによって竜華キサキに対する山海経の不信感を増長させるのが目的であった。
そしてさらに続く「五塵来降」では遂に本格的な行動に移り、様々な動乱と扇動でキサキを失墜させて権力を握り、遂に邪魔されない仙丹開発(とついでの復讐)を成し遂げる。
しかし自らの能力と得た成果に驕っていた事もあり、最後はカイの策を逆用して一時的に全盛期の力を取り戻したキサキに敗北。
全てが終わった後、以前から興味を持っていたという先生との問答を始める。そしてその果ての先生の"答え"を聞き、憑き物が落ちたかのように晴れやかな気持ちで負けを認める。
その後山海経の混乱を直す解毒薬を提供し、身柄は再びヴァルキューレへと引き渡され、七囚人の中では最初に矯正局に再収監される事になった。
余談
登場前時点で判明していた七囚人のうち、以前の二人はそれぞれ身体特徴として獣耳と尻尾を有しており、何かしらの動物がモチーフとなっている可能性をファン間から考察されていた。
では獣耳も尻尾もないカイのモチーフは何かというと、二つ名の「獼猴」が「猿」を表す言葉の一つであることから猿がモチーフと予想されている。
苗字に使われている「申」も十二支において猿を表すため、予想の信憑性を高めている。
ただ、次に出てきた七囚人は特に動物要素は(ムササビを飼っている事くらいしか)ない為、全員が動物モチーフなのかはやや怪しい所。
また七囚人のモチーフには他にも「人を化かす怪異」という説もあり、その場合、カイは猿から中国の妖怪である「猩々」がモチーフではないかとも考察されている。
その後の「五塵来降」では、過去の行いから猿の手に例えられており、取り敢えず猿モチーフは確定な様子。
ちなみに二つ名の「五塵」とは仏教用語で、塵の様に人間を汚す五つの欲望(色、香、触、音、味)を表す言葉。自らの欲望を抑える事なく密輸に手を出した(と思われる)彼女らしい二つ名と言えるか。
本人曰く退学されていなければ卒業の身らしい為、年齢は18歳以上の可能性も。
推測の域を出ないが、かつての錬丹術研究会時代の話から、薬品によって人の願いを叶えた一方、なにか問題が起きれば責任を追及される身勝手さに絶望したと受け取られる場面もあった。
先生のことは以前から興味を持っていたようだが、五塵来降の一件でその言葉に大いに感化された様子から、他の七囚人同様にフラグが立ったのではと(冗談交じりにユーザーから)噂されている。