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猩々

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しょうじょう

中国の伝説上の動物。または、それを題材にした能楽などにおける演目。 さらにそこから転じて、大酒家や赤いものを指すこともある。

概要

 人語を解し、赤い顔をした人間のごとき容姿で、を好むとされている。

元来は礼記に「鸚鵡は能く言して飛鳥を離れず。猩々は能く言して禽獣を離れず」とあるのが出典である。

姿に関しては毛も含めて全身が赤い人型の幻獣として描かれることが多いが、これは後述の「能楽」の影響である。中国での記述では毛色や姿は一定しない。

人語は解するが知恵が足らず、奇妙な捕える方法が伝わっている。

①罠を仕掛けた靴を置いておく。

②それを見つけた猩々は罠があることに気付き、文句を言う。

③靴が気に入り履いてしまう。

④身動きをとれなくなり捕えられてしまう。

中国語では猩猩シンシン(Xingxing, Xing-Xing, Hsing-Hsing)、もしくは狌狌と書いてションション(Shengsheng)と呼ぶ。

上古中国語ではスレンスレン(Srengsreng, sreŋsreŋ)、広東語ではセンセン(Singsing)、韓国語ではソンソン(Seongseong)、ベトナム語ではティンティン(Tinh Tinh)、北アジア辺りの言葉ではシルシン(Sirsing)と呼ぶ。

オランウータンは赤い体毛から漢名が猩々になっている。それに倣ってチンパンジーの漢名は黒猩々、ゴリラの漢名は大猩々である。

能「猩々」

 唐土の揚子の里に、親孝行で評判の高い高風という酒売りがいた。

そこに毎回酒を買って飲むが顔色の変わらない不思議な客がおり、その素性を高風がたずねたところ、自分は海中に住む猩々であると告げて立ち去った。

 おどろいた高風が川のほとりに酒壷を供えて夜すがら待っていると、猩々があらわれ、酒の徳をたたえ、高風と酒を酌交して、酔態のまま舞を舞ってふたたび海中に帰ってゆくのであった。

 『猩々』の舞にはいろいろな種類があり、もっとも代表的なのが『猩々乱』もしくは『乱』という曲名に変わるもので、水上を戯れ遊んでいる様子を表す特殊な足運びが印象的である。

 江戸時代には付祝言として半能形式で上演されることが多かった。

創作での扱い

  • もののけ姫:森の賢者と呼ばれる赤い目の猿のようなもののけ。森を蘇らせるために植樹を行っていたが間に合わず、劇中では人間を喰って力を得ようと言い出した。
  • 妖怪大戦争2005年版:(演:近藤正臣)主人公タダシが引っ越した町で祀られており、全身赤い姿で登場した。魔を払う伝説の「麒麟送子」の後見人として魔人加藤と戦うために協力をする。
  • 宝石泥棒:始まりの地マンドールに生息し、女呪術師ザルアーに従う黒毛でひげが生えた醜い亜人。尾も手のように使うことができ弓矢をつがえている。
  • サンサーラ・ナーガ:シャクンタの村周辺の森林地帯などに出現する、白毛の人喰いマントヒヒ。倒しても獲物としての価値はあまりないので、リメイク版には登場しなかった。

※イラスト左

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  • 能楽

    猩々

    能の演目の一つ、「猩々」の自己解釈+妄想です。 他の演目もそのうち書いていきたいです。

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