カナタ「コイツが……!?」
アサカゲ「ええ。あれが君達の新戦力……“DG-001”、テラフェイザーです」
DATA
概要
『ウルトラマンデッカー』に登場する、対怪獣用人型巨大ロボット兵器。
地球平和同盟TPUが宇宙浮遊物体スフィアの脅威に対抗すべく、かつての地球の危機の際に計画されるも軍縮により凍結されていた計画・DG計画001を再始動して開発・建造され、新生GUTS-SELECTに配備された。
操縦は内蔵されたAI制御により行われているが実戦データが不足していたため、急遽実戦経験が豊富なAIユニットであるHANE2が操縦することになった。
外見
映画『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』に登場する電脳魔神デスフェイサーを彷彿させるシルエットと、黒を基調としたカラーリングか特徴で、頭部と胸部にシアンの幾何学模様が施されている。
頭部中央のフェイスモニターには、起動時に赤いハニカム状のラインが一瞬走る他、HANE2の制御下に置かれている際は逆三角形の上下を「一」と「V」で囲った赤い表示が灯る。このフェイスパターンでは、「テラフェイザー スタンダードシグナル」と称される。
スペック・戦闘能力
特殊な粒子「TR粒子」を動力源としており、背部ユニットに貯蔵された粒子を粒子コンバーターを介してエネルギーに転換し、駆動する。
武装としてクローアーム、TRビーム砲、TRメガバスターを固定装備。
なお、補助動力源として従来のマキシマドライブも搭載されており、TRメガバスター発射時の出力安定化などにも活用されている。
飛行時には背部からTR粒子を散布して飛行する。この際の副次効果として、電撃による攻撃を散らす防御効果がある。
また、機体表面にはナノマテリアルコーティングが施されている。
- クローアーム
2指のマニュピレータを特徴とする右腕の固定装備。伸縮機構を内蔵しており、近~中距離で威力を発揮する。
主な用途は空中を飛んでる対象を撃墜したり、アームで掴んだ対象を投げ飛ばしたりする等
伸縮機能を応用して対象に連続パンチを決める事も可能。
- TRビーム砲
砲身が2股に分かれた左腕の固定装備。ビーム兵器という仕様上遠距離で威力を発揮するが、近接戦では鈍器として用いる事もある。TR粒子の作用によって放たれたビームを屈折させることも可能で、狙った相手を追尾するといった運用もできる。第11話では2発でガゾートを追い払う威力を見せた。
- TRメガバスター
本機最大の兵装である砲撃武装。
平時はショルダーアーマーの形を取っているが、発動の際は前方へ折り畳むように連結して砲身となり、さらに胸部に格納された砲口と接続されることで一撃必殺の威力を持つ粒子砲として使用可能となる。
開発には、GUTSグリフォンのハイパーソーンレーザーで得られたデータが用いられている。
立体化
DX玩具が第11話の放送日である9月24日に発売。
サイズ全長20cmと、現行ウルトラソフビシリーズと組み合わせるにはやや大きめ。
同じDX玩具のキングジョーストレイジカスタムやナースデッセイ号のような変形ギミックが無い代わりに音声ギミック付きで、収録音声は19種類と多めである。
例年同様PVも制作されている。
動画内では作中での披露に先立ち、途轍もなく禍々しい形相をした「フェーズ2」なる形態が確認されており…?
また、プレミアムバンダイ限定でS.H.Figuartsも発売された。
こちらにはボーナスパーツとして、デッカーのアーツで使用可能なウルトラデュアルソード・デッカーモードが付属している。
劇中での活躍
作中での登場以前
元々は10年前、闇の巨人に対抗するために開発されていたが、完成する前に戦いは終結。GUTS-SELECTの縮小と共に「強力過ぎる」と計画は凍結された。しかしスフィア襲来にデッカーの登場を受け、アサカゲ・ユウイチロウ博士の尽力の下で計画は再始動、GUTSグリフォンなどの稼働データも反映され完成へと至った。
特別総集編①「マルゥルの帰還」
ラストシーンにて、「DG計画001」の図面として初めて描写された。
第9話「誰がための勇姿」
アサカゲ「今回の結果で、ハイパーソーンレーザーがスフィアに対して有効だということが立証されました。開発中の新兵器にも応用できるかと…」
カイザキ「新兵器……“DG001”ですか?」
ハイパーソーンレーザーによるスフィアレッドキングの撃破に成功したことを受け、アサカゲとカイザキ・サワ副隊長の会話の中で言及された(「この戦いで得られたデータが開発に応用できる」とのこと)。
第10話「人と怪獣」
ムラホシ・タイジ隊長とカイザキ副隊長の会話の中で言及。
完成と近日中の稼働実験の予定が知らされると共にビジュアルが2カット映し出されており、これが『デッカー』本編での初登場となった。
第11話「機神出撃」
同話より本格的に登場。
稼働実験のためにTPU第1演習場へ輸送されていたが、輸送途中にガゾートの襲撃に遭い、期せずして初めての実戦となる。
ガゾートを撃退し、そのまま演習場へ着地。稼働実験のために各部の点検を行っていたところ、今度はライバッサーが出現。性能を図るべく迎撃するが、搭載されたAIの実戦経験が圧倒的に足りなかったため苦戦を強いられ、電撃攻撃を受け中枢を焼き切られてしまう。
アサカゲ達は再起動のため、「実戦経験豊富なAI」としてハネジローを組み込むことを決断。途中ヒナバッサーの妨害があったものの、人間大のデッカーの援護もあり、内部への侵入に成功。
ハネジロー「わ…私には航空用のOSしか積まれていません。これまでの実戦データを加味しても、専用に開発されたAIにスペック上届きませんが……」
アサカゲ「そうかもしれません…。ただ…こんなところで壊されては困るんです。……テラフェイザーは私の“希望”なので」
ハネジローを組み込んだテラフェイザーは再起動に成功し、これまでとは打って変わってライバッサー相手に善戦する。
だが、TRメガバスターを使おうとしたところでハネジローがオーバーヒートを起こしてしまい、再び機能停止。トドメはデッカーに譲る形になった。
アサカゲ「美味しいとこ持っていきますねぇ…」
なお、本作メイン監督の武居正能氏は、先行登場イベント『ウルサマ2022 ウルトラマンデッカースペシャルナイト』にて「第11話くらいから活躍する」と明かしており、その予告通りの登場となった。
第12話「ネオメガスの逆襲」
関節アライメント(関節ズレ)の調整不足で初戦は参加できず。
しかし、デッカーを倒すほどに強化されたスフィアネオメガスに対抗するため、ハネジローはTRメガバスターの使用を進言。未だ調整が済んでおらずロック解除も現場で行わなければならない上に出力調整を誤れば機体が爆散する危険もあったが、ハネジローが「努力で補う」ことで承認され、出撃する。
地上部隊との連携の下奮戦するが、ネオメガスの猛攻によりTRメガバスターを使う暇が無く、カナタに応援を要請。
ハネジロー「TRメガバスターを使う暇がねぇ!ウルトラマンになって援護してくれ!」
カナタ「無茶言うなよ、皆の前で!」
ハネジロー「問題無い!」
機体をわざと横転させ、粉塵でカナタを隠す「無茶苦茶な方法」で傍目を誤魔化しデッカーに変身させると、息の合った連携でスフィアネオメガスを追い詰めていく。
最終的にはデッカーが時間を稼いでいる間に発射準備を整え、TRメガバスターを発射しスフィアネオメガスを撃破。機体も無事であり、本機の初白星を飾った。
第13話「ジャンブル・ロック」
TPU上層部などへの報告会において、ムラホシ隊長によってテラフェイザーの性能と、先の対スフィアネオメガス戦における活躍がレポートされている。
※ここから先は、『デッカー』本編のネタバレを含みます。閲覧にはご注意下さい。
第14話「魔神誕生」
序盤、デッカーとの連携でノイズラーを撃破して4度目の勝利を飾り(作中描写外でも2体の怪獣を倒しているとされる)、民衆からも高い支持を集めていた両コンビ。
だが、同じ頃スフィアソルジャーも活動を活発化させており、これに呼応するように怪獣の出現頻度も上がっていた。
そんな中で、スフィアネオメガスが地中に送り込んだエネルギーから再生・復活したスフィアザウルスが宇宙港に出現。GUTS-SELECTの総力を挙げこれを迎撃するが、スフィアネオメガスの力で以前よりも強化されて再生能力まで付与されており、苦戦を強いられる。
デッカーの参戦で盛り返すと、そのままTRメガバスターを打ち込もうとしたが……
発射直前に突如機体が停止し、ハネジローもそれに連動する形で異常をきたし、機体から追い出されてしまう。
誰もが困惑する中で静かに姿を現したのは……
アサカゲ「花……木……空……風……雲……太陽……虹……海……浜辺……森……石……砂……大地……ッ!」
『SUMMON TERRAPHASER!』
見たことのない装いに身を纏ったアサカゲ。彼は銃のようなアイテムを手にテラフェイザーに乗り込むと、自身とそのアイテムを接続。機体はこれまでにない禍々しいフェイスパターンに顔を変えて再起動する。
アサカゲ「君を倒すために創ったテラフェイザーだ。これ以上邪魔はさせない…!」
それはまさしく、人類を守るはずだった守護神が、破壊の魔神となって牙を剥いた瞬間だった。
彼の手で動かされたテラフェイザーは、只ならぬ事態にバトルモードに変形しようとしたナースデッセイ号を一撃で撃墜させ、スフィアザウルスと2体掛かりでデッカーを圧倒。デッカーが呼び出したウインダムもクローアームの一撃で消滅させ、TRメガバスターでデッカーを変身解除にまで追い込む。
変身が解け、アサカゲが敵であったことに愕然となるカナタ。そんなカナタを消そうとフェイズライザーを突き付けるアサカゲ。
だが、そんな彼らの間に割って入るかの如く空から飛来したのは……。
???「悪ィ……待たせちまったかな?」
スペック・戦闘能力(フェーズ2)
頭部のフェイスモニターに表示される顔が、逆三角形の無機質なものから一転して、悪魔の怒り顔のような途轍もなく禍々しいものに変化。このモードは「テラフェイザー アークシグナル」と称される。
どことなく原典のデスフェイサーの顔付きをより生々しく凶悪にしたような形相で、まるで主人のアサカゲ=アガムスの怨念が乗り移ったようにも見える(実際、アガムスが搭乗した後にこのフェイスパターンが表示される)。
フェーズ2においても基本的な機能は変わりないが、操縦がAIによるものから人によるものに切り替わっており、操縦の際はアガムスの身体を直接テラフェイザーに接続し動かしている。これにより、アガムスの動きとリンクした挙動をすることが可能。
しかし、操縦にかかる負担はかなりのもののようで、劇中ではアガムスが滝のように大量の汗を流している。
操縦者であるアガムスの癖なのか、劇中では相手の首をクローアームで掴む攻撃をすることが多く、カナタの変身したデッカー、デッカー・アスミの変身したデッカー、ウルトラマンダイナの三者に同じ攻撃をしている。
フェーズ2では新たに、フェイズライザーに怪獣のディメンションカードを読み込ませることで、TRビーム砲から怪獣の力を宿した攻撃を行うことが可能となっている。その際は、元の怪獣の鳴き声が入る演出が取られている。
劇中で行った攻撃
ATTACK:GOMORA! | TRビーム砲からゴモラの超振動波の効果を付与した赤色のビームを放つ |
---|---|
ATTACK:ELEKING! | TRビーム砲からエレキングの放電光線の様な三日月型電撃ビームを放つ |
ATTACK:NEO-MEGAS! | TRビーム砲からネオメガスの青色熱線を放つ |
ATTACK:MONS-AHGAR! | TRビーム砲からモンスアーガーの赤色破壊光弾を放つ |
この内、ゴモラとエレキングの攻撃技は上記のDX玩具にも音声ギミックが収録されており、軽くネタバレにもなっていた。
また、たとえ破壊されたとしてもフェイズライザーにテラフェイザーのカードを読み込むことで、五体満足の完全修復された状態で再び召喚することが可能となっている。
フェーズ1と比べると、破壊されても復元して再び召喚することができ、怪獣の力を宿したバリエーションに富んだ攻撃が可能となっているという点で勝っているが、有人操縦に切り替わっていることで操縦者自身に多大な負担がかかり、操縦者がダメージに耐え切れなくなった場合や、コクピットから排出された場合は撤退を余儀なくされるという明確な欠点も生まれてしまっている。
劇中での活躍(フェーズ2)
第15話「明日への約束」
未来から来訪したデッカー・アスミとの交戦の末、TRメガバスターとセルジェンド光線の打ち合いの余波により一度は引き上げる。しかし地球人類との交流を「自身の過ち」と称し、命を懸けて地球を滅ぼそうとするアガムスがフェイズライザーで地中から出てくるように召喚し、再び搭乗。負傷したデッカーとカナタを追い回すが、巻き込まれたからではなく「今、自分の世界を守りたい」という決死の思いを胸に再び力を託されたカナタが変身したウルトラマンデッカーと激突する。
対ウルトラマン用兵器としての性能を存分に発揮し、フラッシュ・ストロング・ミラクル全ての形態を完封し圧倒、再びTRメガバスターで撃破しようとするが、現代と未来のデッカーの決死の想いに応えるように新たな力=デッカーシールドカリバーが出現。デッカーがダイナミックタイプにチェンジすると逆に圧倒され、自慢のTRメガバスターもシールドで防ぎ返されてしまう。
勢いそのままスフィアソルジャーの大群とスフィアザウルスを倒したデッカーに再びTRメガバスターを放つが、最期はダイミュード光線に押し返され爆散した。
しかしアガムスはボロボロになりながらも生き延び、地球滅亡(復讐)のために絶叫に身を打ち震わせ、暗躍を続けて行く…。
特別総集編②「テラフェイザーの脅威」
TPU技術部・特務3課のホッタとマルゥルの二人による、テラフェイザー関連の振り返り回。
テラフェイザーの型式番号にある「DG」が、「“Decker Genocide”=デッカーを破壊する者」の略ではないかと考察され、テラフェイザーが最初から対デッカー用の兵器として造られたのではないかとホッタ、マルゥル共に身震いしていた。
さらに、デバン経由の別次元の情報としてデスフェイサーについても言及されており、アガムスがモネラ星人由来の情報をテラフェイザー開発時に利用した可能性も示されている。
また、技術3課の面々が今後テラフェイザーと戦うことになるGUTS-SELECTやデッカーを案じる場面があるなど、テラフェイザーが復活するのを確信しているかのような口ぶりで話していた。すると案の定第18話予告映像において、何らかの方法で復活し、再びアガムスの主戦力としてデッカーの前に立ち塞がってくることが確定した(一応公式の情報でも、早い段階からテラフェイザーの復活が公言されていた)。
第18話「異次元からのいざない」
カナタと再び接触し、改めて敵対する意向を示したアガムスが、フェイズライザーを使って召喚する形で完全復活した状態で再登場する。
一連の描写からして、(テラフェイザーの)ディメンションカードとフェイズライザーさえ無事であれば、木端微塵に壊されようとも、何度でも復元できるらしいことが明らかになった。
これについてはGUTS-SELECT側も把握していたのか、テラフェイザーが現れた際、ムラホシ隊長もアガムスの参戦に驚きこそすれども、破壊されたはずのテラフェイザーが復活していることについては驚いたり、戸惑ったりする様子を見せていなかった。
また、アガムスがテラフェイザーを操縦する描写も初めて書かれ、今までハネジローが居たところにライザーを置いていたことから操縦桿タイプと思われていたが、劇中での描写を見るにパイロットと動きを連動するタイプのようである。
戦闘では共闘関係を結んだヤプールの配下であるアリブンタと2対1でデッカーを追い詰め、アリブンタに羽交い締めにされたデッカーをクローアームで何度も執拗に殴り付け、TRメガバスターでトドメを刺そうとするが、ミラクルタイプにタイプチェンジしたデッカーに背後から攻撃され、TRメガバスターの発射がキャンセルされてしまう。
それでも負けじとデッカーに襲い掛かるが、ウルトラデュアルソードも用いた攻撃に苦戦し、フラッシュタイプにタイプチェンジしたデッカーのデュアルセルジェンドブレイクを受けアガムスがコックピットから排出されてしまい、テラフェイザーも今回は破壊こそされなかったものの、紫色の亜空間の中に消えてしまった。
しかし、アガムスやヤプールはテラフェイザー(とアリブンタ)が敗北した場合に備えた二段構えの作戦を用意しており、その計略にかかったデッカーはアガムスに扮したヤプールの手で異次元空間に追放されてしまった。
第21話「繁栄の代償」
未来からスフィアザウルスを呼び寄せる最中だったスフィアジオモスの行動が、突如未来から現れたウルトラマンダイナに妨害されたため、アガムスが召喚。
ダイナを後ろから攻撃し、スフィアジオモスと2対1で追い詰めるが、ストロングタイプにタイプチェンジしたダイナの反撃を食らう(なお、ダイナ・ストロングタイプはかつて原典のデスフェイサーを破った形態であり、因縁の対決となった)。それでもダイナの首を掴んで優位に立つが、GUTS-SELECT隊員達に右足の膝関節を銃撃された隙に拘束を外されてしまう。その後、迷いを振り切ったカナタの変身したデッカーが足元から登場し、後ろに倒れてしまう。
向かってくるダイナとダイナミックタイプにタイプチェンジしたデッカーに対して、スフィアジオモスと共に光線を繰り出すが、怯まず向かってきた二人の強烈なパンチを受け、スフィアジオモス共々後ろに吹っ飛ばされてしまう。負けじとスフィアジオモスと交戦するデッカーにTRメガバスターを放とうとするが、野球のモーションで放たれたダイナのウルトラフォークの光弾が主砲に直撃し、発射をキャンセルされる。
それでもなお戦闘を続けようとするが、生体接続するアガムスに突如スフィアのエネルギーが逆流し、これ以上の戦闘続行は不可能と判断し紫色の亜空間の中に撤退した。
後に第22話にて、アガムスが対デッカー用に強化するため、テラフェイザーに(Sプラズマ増殖炉と同様に)スフィアのエネルギーを利用した機関が搭載されていたことが判明した。
第22話「衰亡のバズド」
GUTS-SELECTを排除するために呼び出したチャンドラーを撃破され、追い詰められたアガムスが直接手を下すためにマサトシティ市街地に召喚。
上記の通りスフィアのエネルギーを利用していたのもあってか、大量のスフィアソルジャーをわざと棒立ちのまま機体に取り憑かせて吸収することで、緑色に発光しながら衝撃波と電撃を放ち、街を破壊し始める。
直後に現れたデッカーと交戦。開幕早々モンスアーガーの力を宿した火炎弾でデッカーを吹っ飛ばし、さらにクローアームによる追撃を試みるが、ダイナミックタイプにタイプチェンジしたデッカーに押し返される。さらに押し倒され、パンチを何度も受けるが反撃し、互角の格闘を繰り広げる。
そして一気に決着を付けようと、TRメガバスターを最大出力で発射。デッカーストロングダイナミックを機体に食らってもなお発射し続け、デッカーに直撃させる(なお、ダイナミックタイプにTRメガバスターを命中させたのは今回が初)。
そのまま両者共に相手に向かって接近していくが、互いの強大なエネルギーが衝突したことにより街を巻き込む大爆発を引き起こし、それにより生じた燃え盛る廃墟で囲まれたクレーターのような地下空間で、二者は満身創痍になりながらもなお格闘戦を続ける(この際、カナタとアガムスが互いに組み合うような演出が取られた)。
そして、背部からTR粒子を散布しながら上昇し、掴んだデッカーを岩壁に擦り付けながら地上に突き上げるが、そこで力尽きたのかデッカー共々地面に落下し、赤い光と共に亜空間へと消えた。
今回はスフィアソルジャーを大量に吸収した影響により、以前自身を圧倒したダイナミックタイプ相手に互角の戦いを繰り広げた。
第23話「絶望の空」
記憶を取り戻したアガムスが召喚。前回と同様にスフィアソルジャーを機体に取り憑かせ(この際、フェイスモニターの顔が緑色に変化)、スフィアを元にした3本の巨大な支柱「スフィアオベリスク」を作り出し、地面からエネルギーを吸収させる。
その後、3体のスフィア合成獣を倒した直後のデッカーにTRメガバスターを発射。激戦でエネルギーを消耗していた上、デッカーシールドカリバーがシールドモードでなかったこともあり、デッカーを変身解除させる。
第24話「夢の果て」
スフィアオベリスクを破壊したGUTS-SELECT隊員達に向かって攻撃を行い、それを止めようと現れたデッカーと交戦。スフィアの侵食に苦しみながら戦闘を行うデッカーを容赦なく追い詰める。
しかし、リュウモンとイチカの援護射撃を受け、そちらの方を向いた隙にデッカーに組み付かれるが、カナタからの必死の説得ごとデッカーを振り払う。その後、TRメガバスターとダイミュード光線の撃ち合いになるが競り負け、テラフェイザーは真後ろに倒れる。
しかし、それでもなお立ち上がり、デッカーに向かってTRメガバスターを発射した…
…かに見えたが、TRメガバスターはデッカーではなく、真後ろのスフィアオベリスクに命中。
実は先程の撃ち合いの最中、アガムスはレリアとの記憶を取り戻したことでスフィアの呪縛から脱し、本当に自分がやるべきことを思い出していたのである。
改心したアガムスは、スフィアオベリスクを破壊するためにTRメガバスターを発射、デッカーもアガムスの呼びかけに応じてダイミュード光線を発射し、修復されていたスフィアオベリスクの破壊に成功、地球を覆っていたバリアを消滅させる。そして力尽きて倒れそうになったデッカーを、テラフェイザーは優しく抱き止めたのであった。
…が、安心したのも束の間、宇宙から大ダメージを負ったウルトラマントリガーが墜落、立て続けにトリガーを地上へ墜落させた元凶にして、先程までアガムスが待ち望んでいたスフィアの親玉たるマザースフィアザウルスが地球に降臨したことで事態は一変。
トリガーやデッカーに加勢するも、その圧倒的な力に全く太刀打ちできず、拘束されたテラフェイザーはエネルギーを吸収され倒れてしまう。
最期は、マザースフィアザウルスのビームをシールドカリバーでも防御し切れず、満身創痍のデッカーへ再び放たれたビームからデッカーを庇い、アガムスごと爆破されてしまった。
第25話(最終話)「彼方の光」
爆発はしたものの、機体そのものはどうにか残っており、フェイズライザーもリュウモンによって回収され、そこに保存されていた情報からマザーを倒す作戦が立案される。
決戦時は応急処置を施した上でハネジローを載せて再起動(フェイスはスタンダードシグナルに戻っている)、マザースフィアザウルスのスフィアトルネイダーをシールドカリバーで受け止めるデッカーの肩を支えるなど、デッカーとタッグを組み戦う。
一度はスフィアソルジャーに取り憑かれ身動きが取れなくなるが、デッカーの放った黄金の光により拘束が外れる。
その後、今までどんな攻撃を受けても傷一つ付かなかったマザースフィアザウルスのコアにTRメガバスターを命中させ、コアにヒビを入れるという快挙を成し遂げ、マザースフィアザウルス撃破に貢献した。
テラフェイザーの復活及び再びハネジローが搭乗したことに関して、元を辿ればハネジローもテラフェイザーもアガムスの忘れ形見と言えるため、最終決戦はウルトラマンとGUTS-SELECTの総力戦であると共に、同じくスフィアに抗う者としてアガムスの魂もそこに存在するかのような演出とも取れる。
自らの身勝手な復讐に地球と人類を巻き込んだアガムスであったが、彼の遺したものは本来の望みであるスフィア打倒(及び未来のバズド星の救済)に多大なる貢献を果たし、道は違えどその想いは決して無駄ではなかったという、ある種の救いともなっていると言えよう。
余談
デザインモチーフは前述した通りデスフェイサーと思われ、立ち位置はデスフェイサーの変形前・電脳巨艦プロメテウスのオマージュと思われる。
駆動時の電子音も、デスフェイサーのものが流用されている模様。
デスフェイサーとの特徴の類似性は総集編「テラフェイザーの脅威」でもホッタやマルゥルらから言及されており、マルゥルは「アガムスがどこかでモネラ星人の話を耳にし、デスフェイサーを参考にテラフェイザーを作り上げたのではないか」と推測している。
ネーミングとSEから、発表当初から早くもプロメテウス→デスフェイサーやテラノイド→ゼルガノイドのように、「地球防衛のための兵器として開発されたのに敵側に乗っ取られる」という事態が起こる可能性を不安視する声が挙がっていた。
そして第14話にて、その不安は現実となってしまうこととなった。
しかもアガムスの発言が正しければ、危惧されていた略奪からの暴走による悪堕ちというよりは、最初から対ウルトラマン用の戦闘兵器として製造された模様。言うなれば、機能に異常をきたしたように見えたフェーズ2はテラフェイザーやアガムスにとって元々備わっていた機能の一つであり、最初からデッカーとの衝突は避けられなかったとも言える。
ネタ元のデスフェイサーも、プロメテウス開発の時点で敵の介入を受けた可能性が示唆されていたためそのオマージュとも取れるが、洗脳されたわけではない開発者本人から明確に断言された分、テラフェイザーの場合はそれ以上にタチが悪いと言える。
第11話にて、起動実験を妨害するように次々と怪獣が出現したことについても、ムラホシ隊長が「以前デスドラゴやゴモラがスフィアを警戒して暴れたように、地球に生じた異物と本能的に認識して排除しようとしたのではないか」という説を唱えた際、カイザキ副隊長に「それではスフィアもテラフェイザーも怪獣にとっては同質ということになってしまう」と指摘されており、スフィアのエネルギーを利用した機関が搭載されていた事への伏線になっていた。
一方で『ウルトラマンデッカー』スペシャルナイトでは、まだ先行登場故にその後の本編での動向については未発表だったのもあって、周囲の人にアピールするように手を上げる、デッカーや防衛チームメンバー達と一緒に光線ポーズを取る、帰り際に舞台の隅から覗き込む、トリガーと共に決めポーズで登場するなど、マスコットキャラのような愛嬌のある仕草を見せていた。
第11話冒頭では、テラフェイザーを吊り下げ輸送するTPU機(作中では「キャリー1」というコールサインで呼ばれている)として、TPCの幹部用輸送機TPC1の同型機が登場している。これもかつてのガッツウイング1号と同様、ネオフロンティアスペースと繋がりがある機体なのだろうか?
第11話の起動実験中での会話で、カナタ達が10年前にあったキングジョーSCが落ちてきた事件を思い出している。
当時は子供だったカナタ達にとっては印象深い出来事で、教本にも載っているらしいが、特別総集編②での描写から考察すると、あちらが「別世界の防衛チームが運用している兵器」という事実が一般的に認識されている訳ではない模様。特に補足も無くテラフェイザーはそれと違いAI制御であると解説していたため、搭乗型ロボットであることは周知されている様子。
また、テラフェイザーは右腕に伸縮機構の付いたクロー、左腕にビーム砲を装備しており、左右それぞれで異なる兵装を装備している点など、キングジョーSCから影響を受けたと思われる部分もある(ただし、キングジョーSCは右腕に遠距離用装備、左腕に近~中距離用装備を備えており、この点に関してはテラフェイザーと左右逆である)。
なお、キングジョーSCとテラフェイザーには第11話で初出撃し、続く第12話で強力な怪獣を撃破して初白星を上げたという共通点がある。
さらに、あちらは元々悪の宇宙人が操っていたロボットを鹵獲して人類側の兵器として生まれ変わったという経歴を持ち、当初はテラフェイザーと同様(前例がある故に)その行く末を不安視されていた。しかしキングジョーSCの場合は、最終的に人類の頼もしい味方として最大最悪の敵を相手に戦い抜き、後に新たな敵に乗っ取られ暴走してしまうものの、最後は持ち主に残骸を回収され、持ち帰って修理されることが仄めかされるという、希望のある終わり方であった。
第11話のライバッサー戦では後半、雨中での戦闘となったが、このシーンでは特撮セット内で人工的に雨を降らせる「雨降らし」が行われている。
雨降らしは前作『ウルトラマントリガー』第1話のカルミラ&ゴルバー戦でも行われているが、あちらは火星での戦いだったため、地球での雨の特撮は『ウルトラマンジード』最終回のウルトラマンベリアル アトロシアス戦以来5年ぶりである。
また、ロボットの雨天戦はウルトラシリーズではテラフェイザーが初めてである。
原典のデスフェイサーはダイナのストロングタイプに敗北したが、テラフェイザーはデッカーのストロングタイプを完封しており、本家とは逆の力関係になっている。
前作『トリガー』に登場したトリガーダークとは、「敵と味方、どちらの立場でも登場する」「最強タイプの初戦の相手」「一度撃破されてもレギュラーキャラの戦力として再び登場する」「怪獣の力を宿した攻撃を行うことができる」「なりきりアイテムやS.H.Figuartsがプレミアムバンダイで販売される」など多くの共通点を持つ。
アガムスの巨大戦力となってからは、怪獣や超獣とタッグを組み、2対1でウルトラマンを追い詰めることが多い。しかし、明確に協力関係にあったのはヤプールの呼び出したアリブンタくらいで、どちらかと言うと怪獣とウルトラマンの戦闘に途中から乱入しているというのが実態。怪獣の方もテラフェイザーを味方と認識しているのかは不明である(というかスフィアザウルスやスフィアジオモスは、アガムスの母星を滅ぼしたスフィア側の怪獣である)。
企画段階では、テラフェイザーのモデル・立ち位置にはマウンテンガリバー5号が候補に挙がっていたが、原点での登場経緯から結局没になったという(『フィギュア王No.300』より)。
マウンテンガリバーのリブートメカはライブステージにて、マウンテンガリバーⅡ-Ⅴとして登場している。
関連タグ
ナースデッセイ号、GUTSファルコン、GUTSホーク:同僚機。
特空機:ウルトラマンの活躍する世界の防衛チームが運用しているロボット兵器繋がり。劇中では計4機が登場しているが、内1機はフェーズ2のテラフェイザーと同じく、敵の暗躍により人類の敵と化してしまった。一方で残りの3機は、フェーズ1のテラフェイザーのように人類の味方として活躍し、最終決戦でも大いに貢献したという共通点がある。
サイドバクター、サタンデロス:黒と青のカラーリングが共通するロボット怪獣繋がり。後者は『デッカー』の世界でも10年前に出現したことがある。
ジャンナイン:元々は敵として製造されたが、最終的にウルトラマン達の味方に落ち着いたロボット繋がり。前述の通りテラフェイザーはジャンナインへの皮肉と言える存在である。
ゼガン:5年前の作品で、敵戦力としても味方としても活躍した巨大戦力。最終決戦においても重要な役割を担うなど、大いに貢献していた。
ギロン人:上半身のシルエットがどことなく似ている。『デッカー』第18話でのアリブンタとの絡みは、恐らくこちらのオマージュと思われる。
アースガロン:次回作に登場する後輩ロボット怪獣。ウルトラマンと共に戦う相棒だがアガムスの暴虐から不安視されており、第6話にて、ある宇宙人により暴走する事態が起きている。
※以下、劇場版未見の方はネタバレ注意
マザーとの戦いから1年後…テラフェイザーはデッカーに変わる人類の守護神として活躍していた。
ギベルスの配下であるペダン星人が召喚したキングジョーを迎撃するため、ハネジローの操縦で出撃、キングジョーとの新旧ロボット怪獣対決を繰り広げる。
近接戦闘ではキングジョーと互角に立ち回るものの、倒し切るために発射したTRメガバスターを分離により回避され、逆に四方八方から攻撃を喰らって倒れてしまう。しかし、その後現れたデッカーによく似た紫色のウルトラマンの戦闘中にも、ビーム砲でキングジョーを狙撃して援護した。
ギガロガイザとの決戦の際は、カナタが搭乗して出撃。この時はマニュアルでの有人操作を可能としており、GUTSファルコンの無人機時代に遠隔操作をするために使っていたゴーグルとヘルメットを着用し、腕にはモーション用のグローブを装着している。これによりアガムスのように直接身体を機体に接続することなくパイロットに負担が掛らずに操縦することを可能としている。
初搭乗ながらウルトラマンとしての経験があるためかなかなかに乗りこなしており、途中までディナスとの連携でギガロガイザを追い詰めたが、ゾルガウスと合体しゾルギガロガイザへとパワーアップされると、GUTSグリフォンとナースデッセイ号を叩き落とされてしまい窮地に陥る。
一気に勝負を決めるためにTRメガバスターとゼットン火炎弾の同時攻撃を撃ち込むもそれすら耐えられてしまい、ディナスが集中攻撃を受けて倒される。そのままトドメの一撃を放たれるが、その際ディナスを放たれた光線から(かつてカナタがアガムスに救われた時のように)身を呈して庇う。これによりテラフェイザーは胸部が大破し、機能停止状態に。胸部のコックピット内のカナタも致命傷を負い、リュウモン達がコックピットからカナタを回収した際には、カナタの心拍が停止し死亡してしまった。
しかし、仲間達の絆とディナスの力によって復活したカナタが再びデッカーに変身した後は、ゾルギガロイザを構成するゾルガウスを破壊するために、再びハネジローの操縦でGUTSグリフォンとナースデッセイ号と共に残った僅かなエネルギーで再出撃し、胸部破損によってTRメガバスターは使えずとも残ったTRビーム砲でゾルガウスをギガロガイザから剥ぎ取らせる活躍を見せた。
NEW GENERATION The LIVE ウルトラマンデッカー編 STAGE5
最終章に引き続きハネジローが操縦しており、アガムスが使っていたフェイズライザーの機能の一部をハネジローに組み込むことで、自由にテラフェイザーを呼び出して戦えるようになっている。
第1部では、アブソリューティアンを相手にネタ元のデスフェイサーと共闘するという夢の共演を果たしている。また、パイロットがハネジローなのもあって、(先行登場したウルサマと同様に)愛くるしい動きを時折見せていた。アブソリュートタルタロス含むアブソリューティアンの幹部級3人が襲撃してきた際にはアブソリュートディアボロ相手にカナタとタックで挑むもディアボロのパワーに押されてしまいTRクローをもぎ取られてしまい1時戦闘不能に陥るも、再起動し直し、ウルトラマン達に合流した。
第2部では、カナタ、ケンゴ、ダイナと共にキングモネラとキングフラワーの花粉で暴走している惑星グリンの住民達との戦闘中、キングモネラによってカナタが拐われてしまった。
その後別時空でモネラ星人と戦ったことのあるダイナからの情報で、キングモネラはカナタを花粉で操って、カナタが守った地球を破壊させようとしていることに一同は気付く。急いでカナタを救いに行くも、グリンの住民を狂わせている花粉の対抗策も見つからない中、デスフェイサーのネオマキシマ砲を3人で耐え切った後、ダイナ達と共にカナタとディナス、そしてティガの元に駆け付ける。その後、植物学者でもあるケンゴの策により、ルルイエの花粉によってカナタ達は救われた。
最終決戦では、デッカーに変身したカナタ達と共に立ち向かい、第1部とは逆にネタ元でもあるデスフェイサーとある意味因縁の対決を繰り広げ、最後はTRメガバスターでデスフェイサーを倒した。
その後、モネラ星人が寄生して誕生したファイブキングをTRメガバスターとウルトラマン達の合体光線で倒した。
戦いが終わった後、カナタがディナスに「勝手に飛び出したからイチカプンプンだよ」と言われたことで、ハネジローはそのままカナタ達と共にナースデッセイ号に帰還した。
NEW GENEREATION THE LIVE ウルトラマンブレーザー編未来へ
第二部終盤に登場。今回もハネジローが操縦者で別時空からやって来たチャリジャがエタニティコアのエネルギーを利用してその時空の凶悪な宇宙怪獣を復活させ暴れてるためなにかできる事はないかと模索してたカナタから作戦立案を頼まれて最終決戦に参戦。解析の結果チャリジャが現れた次元の穴に強大なエネルギーをぶつければとざすことができると説明し穴をチャリジャの力で足止め要因として呼び出されたスフィアザウルスを倒した後トリガーとデッカートリガーダークカルミラの光と闇を合わせた合体光線にあわせてフルパワーのTRメガバスターを撃って次元の穴を封じてエタニティコアのエネルギー供給を弱らませてヴァラロンを弱体化させその時空のウルトラマンの勝利に貢献するというファインプレーをしている。