概要
『トリガー』劇中におけるスーパーヴィランであり、かつて3000万年前の地球で暴れていた、カルミラ・ダーゴン・ヒュドラムの3体の闇の巨人の総称。
3体ともウルトラマントリガーによって宇宙の彼方に封印されていたが、ヒュドラムがカルミラよりも100年早く封印を破り復活、その後カルミラも自力で封印を破り、残るダーゴンも彼女の手により解放され、3000万年後の現代で暗躍を始める。
3体の中ではカルミラが筆頭とされている。また、超古代文明に関わる「エタニティコア」と呼ばれる謎の物体を狙っている模様。
それ故に必要に応じ闇怪獣を使役する、自ら戦闘に出向いたりする場面はあっても、無闇な破壊活動は行わず、むしろそうしようとする仲間を止めにかかる事態すらある。
隠密行動および地球人への接触を行う際は、基本的に身長を人間サイズにまで縮小させて活動するが、カルミラのみ人間態を披露している(残る2人の人間態の有無は不明)。
普段の会話は超古代の言語を使用するが、声帯チューニングによって現代の言葉の会話が可能。超古代の言語を理解できるのは現状、トリガーの変身者であるマナカ・ケンゴのみであり、他の人達には何と話しているのかは分からない(宇宙人であるマルゥルでも『超古代の言語である』のは分かっても、会話の内容までは分からない)。ただ、いずれの個体も現代人とコンタクトを取る際には早々に現代語を使用するようになっている(仲間内での会話も現代語で行うようになっているが、これは作劇上の都合でそうなっているだけで、実際は超古代語若しくは闇の一族の言語で会話していたものと推測される)。
彼らの復活を危惧したシズマ・ミツクニの働きかけによって、地球平和同盟TPU及びGUTS-SELECTは設立された。
第11話にて明らかとなった彼らの目的は、エタニティコアのエネルギーを利用して人間達を消し去り、宇宙を闇の一族だけの世界に作り変えるというもの。
また、ダーゴンの「我ら闇の一族」という台詞から察するに、彼らもまた起源が一種族であると同時に、出自そのものから闇であるようだ(原典であるカミーラたち闇の巨人は元々光の巨人が闇に堕ちた存在である)。
つまり、ティガの変遷が光→闇→光であるのに対し、トリガーは闇→光という事にもなる。
ただ、強大過ぎるエネルギーを持つコアが彼らの思い通りの結果をもたらしてくれる保証は無く、ユザレもまた闇の世界の到来以上にコアの暴走による破滅を恐れている。
当の三巨人は彼女のそんな考えを一蹴してコアに執着するも、そのコアに近づく度に予期せぬ事態が次々と起きて思惑が何一つ上手くいかず、それどころか自分達以外にコアを狙う強大な侵略者が現れて敵対する等、状況は悪化の一途を辿っており、いつの間にか彼らもまた人類共々コアの存在に振り回されているかの様な状態に陥っていき…。
メンバー
- 妖麗戦士カルミラ(イラスト中央)
三巨人のリーダー格。
トリガーを執拗に狙う残忍な本性を持つ。
人間態の姿を持つ。
- 剛力闘士ダーゴン(イラスト右側)
卑怯を嫌い、自身の力のみで正々堂々と闘うことを望む怪力闘士。
トリガーを「我が好敵手」と考えている。
- 俊敏策士ヒュドラム(イラスト左側)
知能戦を好む狡猾な策士。
紳士的に振る舞うが、キレると粗暴な本性が露わになる。
- 闇黒勇士トリガーダーク
第10話の終盤で明らかになった4体目の闇の巨人。
その姿はトリガーに似ているが……
なお、劇中では自分たちのことを“闇の一族”と称していたが、彼ら以外にも仲間がいる(若しくはいた)のかは不明。
結末
最終的に、トリガーに盲目的なまでに執着するようになったカルミラに愛想を尽かす形で、22話でヒュドラムが、23話でダーゴンが離反するも、いずれも最終的に死亡し、カルミラによって闇の力を吸収される(ヒュドラムに関してはカルミラが直々に粛清した。ダーゴンに関しては直接手を下さなかったものの、暴走させて人間たちに殺されるよう仕向けており、間接的にではあるが死に追いやったことに変わりはない)。
そして、生き残ったカルミラはエタニティコアに触れたことで邪神メガロゾーアに変貌するが、コアの暴走を招き、地球ひいては宇宙全体が消滅の危機に陥る。
当のカルミラ本人は既に正気を失い、本来の目的を完全に忘れてしまっていたが、皮肉にもこれによりユザレの警告が正しかった事、コアの掌握と制御は闇の巨人達でも到底不可能だった事が証明されてしまった。
戦いの末にメガロゾーアは撃破され、カルミラも敗北を喫するが、最後にケンゴ=トリガーの言葉で憑きものが落ちたのか、 光の温もりに包まれながら、穏やかな気持ちのまま消えていった。
その後、コアもケンゴが内部から制御する事で暴走が止まり、兎にも角にも人類と闇の三巨人の戦いは人類側の勝利という形で終結した。
その後
しかし、同時に彼らが地球に残した爪痕もまた非常に大きいものであり、2年後には彼らの置き土産とも言うべき事件が起きてしまうことになる。
そして、それから更に7年後、「闇の巨人」消滅後の「ネオフロンティアスペース」がそうであった様に、この世界の地球もあの球形生命体と同義の存在と思しき侵略者の脅威に晒される事態となる。最終決戦から既に10年が経過し、この頃には闇の巨人の存在は既に過去の物になりつつあったが、ムラホシ・タイジの様に未だに彼らのもたらした災厄を忘れず、再び闇の脅威が襲来する可能性を危惧する者達もおり、それは不幸にも最悪の形で的中してしまうことになる。
しかし、この時メガロゾーアの中核部となっていたカルミラもまた同時に復活しており、最終的に2人のウルトラマンの活躍によってスフィアメガロゾーアと切り離される形で復活した彼女は、トリガーと改めて和解した後、トリガー・デッカーとの共闘の末にスフィアメガロゾーアを撃破。
その後は地球を離れるケンゴに便乗する形で、自身が取り込んでいたダーゴンとヒュドラムの精神態と思われる赤い球と青い球と共に、自分達の新しい居場所を求めて旅立っていったのだった。
地球側にとっては危険な侵略者ではあったが、(元より悪辣な性格であったヒュドラムはともかくとして)ダーゴンやカルミラを見ればわかる様に、決して「人類とは全く相容れない存在」とは言い切れず、『トリガー』の終了後は「気持ちを通い合わせれば和解する道も十分にあり得たのではないか」という同情的な意見もあり、それは続編である『デッカー』においてようやく果たされることとなった。
危険性を知らないままエタニティコアに関わったが為に、人類と不幸な出会い方をしたばかりか、仲間の絆や命の何もかもを失いかけた事を考えると、彼らもまたコアの存在によって運命を大きく狂わされた犠牲者だったと言えるのかもしれない。
終わらないエタニティコア争奪戦
『トリガー』の時代、闇の三巨人への対抗戦力としてDG計画001が発案されていた。戦いは終結したためこの計画は凍結されたが、『デッカー』でのスフィア襲来に際しアサカゲ・ユウイチロウ博士の尽力により計画は再開され、新生GUTS-SELECTの新戦力・テラフェイザーとして日の目を見ることとなったが、それは誰も予期していなかった事態を起こしてしまう。
そして、スフィアとの最終決戦において、降臨したマザースフィアザウルスは、地球に刺激を与えて地中内部に存在するエタニティコアに干渉を開始。かつての闇の三巨人やアブソリューティアン達と同様、スフィアもまたコアの掌握を目論んでいたのだ。
かくしてコアの暴走が10年ぶりに発生する事態となるが、前回ほどに深刻な状況に陥る前にマザースフィアザウルスを撃破した事が幸いしてか、接触したスフィアのみが全滅するだけの結果となり、コアは無事に沈静化した。
しかし、これにより「時空を超える能力ならばコアへの接触が可能」という事実が証明され、コアを巡る問題はこれからも続いていくと思われる。
元ネタとの関係性
『NEW GENERATION THE LIVE ウルトラマントリガー編STAGE4 -僕らが咲かす花-』ではキリエル人の余興(ティガとトリガーどちらの時空が優れているか決着を着ける為らしい)として現実世界と黄泉の狭間の空間に呼び寄せられ、元ネタの闇の三巨人とまさかの対決をする事に。
しかし、それは暗示によって互いに争う羽目になっただけであり、利害の一致からティガとトリガーに加勢する事になった際には意気投合していた。
本人たちも彼らに似ている事は認めており、ダーゴンとダーラムの間には友情が生まれていた。
一方で、本編での彼らと元ネタの三巨人はそれぞれ対になる末路を辿っている。
余談
モチーフは『ウルトラマンティガ』の劇場版『THE_FINAL_ODYSSEY』に登場した3体の闇の巨人、愛憎戦士カミーラ・剛力戦士ダーラム・俊敏戦士ヒュドラ。
キャラクターデザインは3体とも武藤聖馬氏が担当している。
暗躍するタイプのヴィランだった前作『ウルトラマンZ』の「セレブロとの差別化や設定を作り易い」との理由から、明確に敵だと分かる存在として設定された。
モチーフのいるキャラクターがいる特殊な性質であるものの、(ギリギリ平成生まれかつ劇場版初出のウルトラマントレギアを除外するならば)令和ウルトラマン初の悪のウルトラマンでもある。
3人揃っている場面での言動故に、一部視聴者からは愛着を持って『三馬鹿』扱いされている。
また『どっかのドクロベエからお仕置きされる三人組』『闇の湊家』等とも言われている。
更にナツカワ・ハルキ役の平野宏周からは『赤トゲトゲ・青トゲトゲ・黄色トゲトゲ』呼ばわりされていた(2021年9月14配信のオンラインイベントより)。
メインヴィランを務めていた『トリガー』では別次元のウルトラ戦士達が何度も来訪しているのだが、何故か彼らと直接交戦する機会はおろか、対面する事も無かった。
そして、『デッカー』の時代にカルミラが復活し、遂にトリガー以外のウルトラマンと初めて対面となったが、その時には既に改心していた為共闘する流れとなり、結局のところ交戦する事態は最後まで起きなかった。
関連タグ
湊家:人数とカラーリングから、配信では3者が揃うと「闇の湊兄妹」とコメントが飛び交う事態も。
トライスクワッド:令和ウルトラマンの1作目に登場した3人チーム。バランス型、パワー型、スピード型で編成され人間態を披露していない点が似ている。ただしこちらは主人公サイド。
三悪:「女王様風のリーダー格の女性」「怪力自慢の男性」「頭脳担当の男性」という人員構成に共通点が見られる。
ガイアーク三大臣:「女1人男2人の3人組」「三悪とは異なり明確な上下関係がない」「一人称が『我』の怪力メンバーがいる」といった共通点がある。ただしこちらは三巨人に比べコメディ色がかなり強い。
災魔一族:『物語が進むに連れてメンバー間の結束が崩壊していく』様が近似している。
セレブロ → 闇の三巨人 →宇宙浮遊物体スフィア