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概要編集

2000年3月11日に公開された『ウルトラマンティガ』の劇場版で、正式なタイトルは『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』。

20世紀に公開されたウルトラシリーズ最後の劇場作品であり、ファンからは「TFO」の略称で呼ばれる事が多い。

監督・特技監督は村石宏實氏、脚本はテレビシリーズを担当していた長谷川圭一氏。


ティガの映画ではあるが、1998年公開のダイナの劇場版『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』や、1999年公開のガイアの劇場版『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』から遅れての制作となっており、これは主演の長野博氏がスケジュール多忙でテレビシリーズと並行して作れなかったことが原因の一つとされている(というか、テレビシリーズですらスケジュールの都合などであまりダイゴの出番がない回も少なくない)。


『ティガ』最終回の後日談にして『ダイナ』の前日談でもあり、テレビシリーズでは明かされなかったイルマ隊長とユザレの関係(本作にてユザレのカプセルは破損)、ダイナ終盤に登場した「F計画」とそれが封印される経緯、ウルトラマンティガの過去が描かれている。本作においてはヤズミマユミの関係は良好のようだ。

また、アスカ・シンを始めとする後にスーパーGUTSの隊員となる面々も登場しており、事実上ティガからダイナへのバトンタッチを描いたエピソードとも言える。


内容としては、『光の星の戦士たち』と比べてヒューマンドラマ要素が強くい。(ダイゴレナの関係、カミーラのティガに対しての愛憎。)


平成ウルトラマンの劇場版としては初めて同時上映作品がない。

これは「同時上映するよりも、その制作費をこちらに持ってきた方が良いから」とのこと。

TDG三部作を経ての制作となった事で撮影・制作ノウハウがテレビシリーズ時よりも向上しているが、ティガの闇落ちという後付け設定や、ギジェラを始めとした各種設定の矛盾(メインライターの)などから、ファンからの評価はかなり賛否両論となっている(ただし本作で明かされた設定は元々テレビシリーズ当時から構想されていたものであり、完全な後付けという訳ではない。ギジェラの件も長谷川氏が「ギジェラも光と闇の巨人達の争いもあくまで原因の一つにすぎない。」とコメントしている。)。


とはいえ、スタッフも本編との整合性は気にしていたらしく、『テレビマガジン特別編集 平成ウルトラ映画全集』(講談社2001年)によれば、鈴木清プロデューサー(以下、鈴木P)と長谷川氏が打ち合わせを行っており、整合性を気にする上で特に守るべき部分を列挙したという(うち一つは『ティガ』〜『ダイナ』までの間にティガが公の場に現れていない事)。なお、ストーリーを制作する上で右田昌万氏(過去に第1話『光を継ぐもの』や第45話『永遠の命』などの重要回を担当)の掲げたプロットも折衷され、この時点では『光よ、永遠に』という仮称が付けられていた。


ティガが能力を取り戻していく展開やティガダークの登場も鈴木Pの案によるもので、脚本第2稿段階ではキリエル人の登場も考えられていた(同書P86〜P87より)。


なお、劇場で販売されたパンフレットに記載されている設定はメインライターの一人である小中千昭氏ではなく、本作のライターである長谷川氏によるものだと明記されている。

そちらでは理想郷であった超古代文明に怪獣が出現し、降臨した光が人々と同化する事で『光の巨人』が誕生したと語られている。


『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』(デアゴスティーニ)におけるウルトラマンティガの『戦いの系譜 PART4』(39-4)によれば、『ウルトラマンティガ』の本史には組み込まれているとの事なので、公式的にはティガ本編とは繋がっているという認識のようである。


本作が後世に与えた影響は大きく、後に続く闇の巨人の概念を定着させた作品と言っても過言ではない(先発であるイーヴィルティガは光の巨人が暴走した姿であって、『闇の巨人』とするかは微妙な所)。


主題歌はテレビシリーズから引き続き、V6の「TAKE ME HIGHER」。


入場特典はグリッターティガ指人形




あらすじ編集

ウルトラマンティガガタノゾーアとの戦いから2年後の2012年

GUTSイルマ隊長はTPC隊員たちと共に古代遺跡ルルイエの調査に向かっていた。


一同は遺跡の奥地で三体の巨人の石像を発見し、調査隊のリーダーであるサエキ隊長は上層部からの命令により石像の運び出しを計画。

反対するイルマはこの場所を爆破し封印しようとするが、サエキにより武器をすべて取り上げられる。

だがその時、石像の封印が突如解け、闇の巨人カミーラダーラムヒュドラが復活。

調査隊を次々と襲い、シビトゾイガーを解き放つ。

混乱のさなか気を失ったイルマは、ユザレの力によってルルイエ全体にバリアを張り、巨人たちとシビトゾイガーをルルイエの中に閉ざすことに成功した。


一方、マドカ・ダイゴは恋人のレナとの結婚を間近にし、平和な時を過ごしていた。

だが彼の周囲に謎の女が現れるようになり、その女の口から古代文明滅亡真相、そしてウルトラマンティガはかつて闇の巨人だったことを告げられる…。


登場キャラクター編集


ダイナとの繋がり編集

  • 物語のベースは『ダイナ』第49話に登場した『F計画』。
  • スーパーGUTSの隊員のうち、この時点ではヒビキはZERO教官、コウダカリヤリョウはZEROの訓練生、ナカジマはTPC分析セクションの科学者、アスカはTPC作業員、マイは花の女子中学生という扱い。
  • ブラックバスター隊長のサエキ・レイカの兄が調査隊隊長として登場。
    • ダイナ本編でもレイカが「大切な人が怪獣に殺された」という発言をしている(ただし、兄が殺されたとは明言していない)。
    • 皮肉にもレイカは『ダイナ』で再始動した「F計画」の関係者になってしまった。

余談編集

劇場公開前の1999年1月から本作のPRとして『ウルトラマンティガ』の再放送が行われた。この時のCMキャラクターとして活躍したのが誰あろう『ウルトラマンナイス』なのである。

CMを見て貰えばわかるように、劇場公開に合わせて『ガッツマシンシリーズ』、『ウルトラマンティガ変身スーツ』、『ガッツ隊員シリーズ』、『変身アイテム ブラックスパークレンス』などのティガ関連商品が販売された。


本作でティガの掛け声はテレビシリーズの真地勇志氏からダイゴ役の長野博氏が兼任する形に変わっている(これは8年後の『大決戦!超ウルトラ8兄弟』においても同様)。

真地氏は予告編のナレーションを担当している。ただし、『ウルトラマンクロニクルZヒーローズオデッセイ』で放送された際には大人の事情で掛け声が真地氏のものに差し替えられている。


物語中盤の回想で登場する超古代の巨人達はウルトラマンダイナのスーツを改造したもの。

劇中ではシルエットのように加工されているので分かりにくいが、明度を上げると各タイプの模様などその面影が見える。

また、朽ち果てた巨人の石像の中にはウルトラマンエースウルトラマンパワードウルトラマンアグルなど、様々なウルトラマン達を改造あるいは類似したものも確認できる。


最後は教会でレナと再会したダイゴだがルルイエからどうやって帰ってきたのかは劇中では明らかになっていない


長谷川氏と谷崎あきら氏による小説『ウルトラマンダイナ 未来へのゼロドライブ』によると、本作の事件は「ルルイエの悲劇」と呼称され、闇の巨人やウルトラマンティガの一時的な復活も含めた重要情報は「Ωファイル」として厳重に保管され、GUTS解体後に情報局参謀の任に就く事になったイルマによって管理されている模様。


長谷川氏が執筆した小説『超時空のアドベンチャー』では本作は二度も別世界からの干渉を受けており、一度目はチャリジャによってガルラが(本作には直接登場していないので、映っていない所にいたのだろう)、二度目は新星勉によってティガが連れ出されている(この影響でカミーラが早くに倒されている)。


関連タグ編集

ウルトラマンティガ 劇場版ウルトラマン

ティガダーク ティガブラスト ティガトルネード

愛憎戦士カミーラ ダーラム 俊敏戦士ヒュドラ ゾイガー デモンゾーア

イーヴィルティガ:本作の事件と関連がある。


のび太の太陽王伝説:同日公開の20世紀最後の映画ドラえもん。どちらもラスボスが女性であるという共通点がある。


機動戦士Vガンダム:本作の元ネタとして、主人公メインヒロインと共に凶悪な女との最後の戦いに挑むという終盤の要素が似ている。


スーパーヒーロージェネレーション:1面ステージが本作となっている。ただし、ティガダークSDとしての登場でティガ本人とは別キャラとして扱われている。


ウルトラマントリガー:テレビシリーズと本作をベースにした作品。


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