TPC
てぃーぴーしー
西暦2005年、当時の国連事務総長サワイ・ソウイチロウ氏が数年の時を掛けて国家間の枠組みを超えて創設させた国際平和維持組織。
その役目は“世界中の人々がより良い暮らしを営めるように世界で多発する異変の解決や地球環境を整備すると共に人類の恒久的平和を維持する”事である。
当初は先進国の首脳陣から「ドン・キホーテの如きもの」と冷笑されていたが、世界中の科学者達のフォーラムがサワイ氏を支持した事でようやく実現へと漕ぎ着けた。
各地の紛争の根絶や地球防衛軍(UNDF)の解体、環境問題の改善など、サワイ氏が目指していた世界平和の実現をほぼ達成させ、下記の怪獣宇宙人における災害多発以降も当初の理念は失われておらず、平時の時は世界中の人々がより良い暮らしを営める為に地球環境の整備をすると共に、最新科学を駆使した様々な研究開発が行われており、また、外宇宙に宇宙資源を求める為の開発などがなされている。
だが2007年の隕石落下に端を発して頻発するようになった怪現象やその影響で目覚めた怪獣による自然災害など(恐らく邪神ガタノゾーアの復活の前兆)により各国TPC支部で武装強化が訴えられるようになる。
その後のガタノゾーアや闇の巨人の復活、更にダイナ時代でのネオフロンティアによる人類の活動範囲の拡大による宇宙球体スフィアやモネラ星人といった脅威の増加などによりその在り方は次第に豹変して行き、再び軍備増強を図らなければならなくなるというジレンマを抱える事になってしまった。
これは単純に防衛や争いのリスクのみではなく、軍隊を解体した影響で「TPCが暴走した場合止める存在や抑止力が存在しない」という裏返しでもある。
ネオフロンティア時代以降は軍事力の実働を抑制するために複数人の参謀を設置するようになったが、意見が一致しないことも多く決断力を損なう面もあった。
また上記の通り科学者との繋がりが強い事や技術の使用制限もされていないこと、組織内に待遇に不満を持つ者がいるために、イーヴィルティガやネオザルス、改良エボリュウ細胞などTPC関係の科学者の暴走や離反などの問題も発生するようになった。
ブラックバスター隊が設立されたのもこのグレーな問題を内部で極秘裏に対処するのが理由の一つである。
このように「人類の発展を進めながら防衛する」という両者の両立故に、ウルトラシリーズ内の組織でもかなり問題を抱えた組織であり、結果的にナグモ副長官やコンドウ参謀の暴走を起こす切っ掛けにもなり、最終的にゴンドウ参謀の殉職どころか、ナグモ副長官の逮捕という国際機関の上層部の人物が逮捕される事態にまでなっている。
ただし、まがりなりにも技術力はウルトラシリーズ全防衛組織でも最強クラス。ネオマキシマ砲を始め、ウルトラマンに匹敵する超兵器を多数輩出している。
地球防衛軍や地球防衛庁があった昭和ウルトラマンとは連続性が無い世界であることもあり、極東本部は、ダイブハンガーと通称される日本の千葉県沖に所在する本部基地に、GUTS作戦司令室などと共に置かれている。
ガタノゾーアによりダイブハンガーが機能停止に陥ると、ダイブハンガーから脱出したアートデッセイ号にTPC、GUTSの指揮中枢が移り、前線の移動司令部としてガタノゾーアとの戦いに用いられている。
戦いの後、ダイブハンガーは復興のシンボルとして再建され、以後2014年までTPC本部として運用された。
その後、2012年にネオフロンティア計画の始動による組織拡大に合わせて日本の中央山岳地帯に総合本部基地・グランドームの建設が開始され、2014年に完成。完成と同時にTPCの本部機能が移転し、グランドームが新たなTPC本部となった。
なお、本部移転後のダイブハンガーは取り壊されることなくTPC航空司令部として運用されている。
支部は「ティガ」時点では、北アメリカ支部(アメリカのフロリダ)、南アメリカ支部(チリ)、ヨーロッパ支部、西アジア支部(ネパール)、アフリカ支部(エチオピア)、南太平洋支部(アメリカのマウイ)に置かれている。
「ダイナ」の時代には、南アジア支部(インドネシア)とオセアニア支部(フランス領ニューカレドニア)が増設、ヨーロッパ支部が北ヨーロッパ支部(ノルウェー)と南ヨーロッパ支部(オーストリア)に分割される。
南極には「南極海底基地アイスキャッスル」、太平洋には「海底研究基地トライトンJ2」が置かれていたが、いずれも怪獣の襲撃で壊滅している。
クリオモス諸島には、会議場や警務局管轄の兵器工場があり、TPCの要の一つになっていたが、これもデスフェイサーのネオマキシマ砲で消し飛ばされた。
モネラ星人との決戦後は、兵器工場は閉鎖されて宇宙開発局の管理下となっている。
宇宙にも月面基地ガロワ、火星基地マリネリス、木星衛星ガニメデ基地、宇宙ステーション・デルタ、カムイ、オメガといった基地が存在する。
また、ガニメデ基地設立前には火星と木星間のアステロイドベルトの小惑星を利用した『ロックランド』という防衛基地が使われていたのだが閉鎖された後にヤマザキ・ヒロユキが根城として改良エボリュウ細胞を積み込んだロケットを発射しようとしていた。
ティガ、ダイナ共通
サワイ・ソウイチロウ総監
TPCの創立者にして初代総監(任期2005年-2013年)。
TPCの設立目的からも分かるようにかなりの人徳者で、GUTSのメンバー達も彼を尊敬し、信頼しているが、その立場上、時には非情な命令を関係者らに下す苦渋の決断を行う事もある。
『ダイナ』の時点では総監を退任し顧問に就任。
ウルトラマンティガ(時代設定2007年-2010年)
ヨシオカ・テツジ警務局長官
国連の管理下に作られたUNDF地球防衛軍の日本代表から提督を経てTPCに参加した根っからの武闘派の男性。
当初はティガを地球防衛を妨げる不穏因子と危惧していた為、ただの嫌味なオッサンのイメージが強かったが、後にティガ本人=ダイゴ隊員と本音でぶつかり合った際に実はGUTSの良き理解者であったことが発覚。実際にはただのツンデレおじさんであったようだ。
ダイナ時点では警務局の顧問に就任し、戦力の整わない支部を訪問し指導しているようだが劇中には写真のみの登場となっている。
ヨシオカ・テツジ役を演じた岡部健氏は『ウルトラマンコスモス』第56話でも別人としてゲスト出演している。
ヤオ・ナバン博士
マキシマ・オーバードライブ開発者。
当初はGUTSと折り合いが悪かったが、夢に対する熱意もあって打ち解けていった。誰も見たことのない凄い船を造ることが子供の頃からの夢であり、アートデッセイ号の完成でその夢を叶えることとなる。
タツムラ参謀
情報局所属。第38話時点から半年前にヨーロッパ支部より赴任。ティガに不信感を持つ。民衆の行動パターンデータを収集する目的で流したデマで失脚。結果的にファルドン出現に加担してしまう。
演じたのは後に「ウルトラマンネクサス」で和倉隊長を演じた石橋保氏。
THE_FINAL_ODYSSEY(時代設定2012年)
ナグモ副長官
警務局の副長官。
F計画を主導し、ルルイエ調査隊によるF計画遂行を強行。目的のためなら犠牲も辞さない性格。
なお、演じたのは後に「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」でナグモとは対照的な人物のヒュウガ船長を演じた小西博之氏。
ウルトラマンダイナ(時代設定2017年)
ゴンドウ・キハチ参謀
警務局を率いる参謀。
武装強化による地球防衛を主張し、電脳巨艦プロメテウス及びネオマキシマ砲の建造やF計画、人造ウルトラマンテラノイド建造を主導。また警務局の特務部隊としてブラックバスターを設立。
キサラギ・ルイ博士
ガニメデ基地科学局所属の科学者にして電脳巨艦プロメテウスの開発最高責任者。モネラ星人に洗脳される。「人間の不完全さ」をどうしても許すことが出来なかった事が心を持たない兵器であるプロメテウス開発の切っ掛けとなった。しかし、モネラ星人の侵略にあっても希望を捨てない少年に心動かされ、光となってティガ復活に貢献した。
デスフェイサー及びクイーンモネラ戦後にガニメデにネオマキシマ砲を封印していたが、グランスフィア戦で封印を解き、スーパーGUTSに託した。
オオトモ博士
生物工学研究所所属。
怪獣を遺伝子改造し、人間の労働力にしようと考えていたが、倫理的な問題から研究を中止に追い込まれた。
ヤマザキ・ヒロユキら賛同者と共にザリーナ地帯で研究を続けていたが、ネオザルスの暴走で死亡する。
ヤマザキ・ヒロユキ
オオトモ博士の信奉者。詳細はリンク先参照。
フドウ・ケンジ
アスカとトップを争っていたZEROの訓練生フドウ・タケルの弟。
タケルはその腕を買われて試作機のテストパイロットとなったが、事故により死亡。
ブラックバスターに所属しており、ゾンボーグの事件ではアスカと息の合ったコンビネーションを見せた。
優秀な兄があっさりと死んでしまった絶望から、一度はミスを冒したアスカを責めてしまうが、やがてアスカを認め、ある意味で自分のIFとも言えるヤマザキのあり方をみっともないと一蹴、事件の終結後はスーパーGUTSを目指すためにZEROに入学した。
なお、ゾンボーグの事件では一時的にダイナと融合しているが、これはゴンドウ参謀が光になってダイナと一つになった件やグリッターティガに近しい現象と言えよう(どっちかというとこれに近い)。
後に組織の再編でネオスーパーGUTSのメンバーに選ばれている。
サエキ・レイカ
機密保持などを担当する『ブラックバスター』の隊長で、F計画主導者であるサエキの妹。
人類を防衛するという情熱はゴンドウに負けず劣らずであり、過去に兄を失った背景から「F計画」に賛同した。
しかし、心を持たないテラノイドはスフィアに乗っ取られてゼルガノイドに変貌してしまう結果に終わり、ガッツシャドーで出撃するも、部下は全滅してしまう。リョウをアスカの元に送り届けた後の消息は不明である。
上述の理由があるとはいえ、兄と同様の過ちを犯してしまったのはあまりにも皮肉である。
リョウに吐露した「昔、大切な人を怪獣に殺されてな」というセリフは『THE_FINAL_ODYSSEY』の出来事を指しているが、当時はまだ製作されていないため、「大切な人」=「兄」は完全な後付設定である。尚、少し勘違いされがちだが闇の巨人はあくまで間接的な形であり、直接手にかけたのはシビトゾイガーなので「怪獣に殺された」というのは別に間違っていない。
アスカ・カズマ
アスカ・シンの父。プラズマ百式のテストパイロットだったが、ゼロドライブ航法の実験飛行により行方不明となった。
自身が乗るプラズマ百式に対して、安全装置を省いてでもゼロドライブに全てを注力してほしいと主張するなど型破りで無鉄砲な変わり者だったが、「絶対に諦めない」姿は息子アスカにも大きな影響を残しており、今でもカズマを慕う人物は多い。
ミシナ・マサミ教官
アスカとフドウ兄弟の恩師の養成機関ZEROの教官で、カズマの同期だった。
グラレーンがグランドーム付近に侵攻した際には、命令違反を承知で訓練生と共にガッツウィングゼロで援護に駆けつけている。
ゼロドライブ計画にもたずさわっており、カズマが光に消えた時スノーホワイト改で随伴してその目撃者となっている。
プラズマ百式が発見された後に、アスカを上層部に推薦してゼロドライブ計画再開の働きかけを行った。
最終章のグランスフィアとの決戦で、コスモネットでの中継でダイナの正体を知りカズマへ呟いている。
ダイモン・リュウゾウ班長
月面基地ガロワの技術主任。
ゼロドライブ計画のプラズマ百式の整備も務めており、カズマが行方不明になったときには子供の頃のアスカに、その事を伝えておりこれが初めての出会いだった。(この事についてはアスカは、途中まで思い出せなかった)
乗りこなせないアスカに叱咤して、乗りこなすきっかけをつくるが内心では、カズマのこともありゼロドライブについて帰ってこられないという恐れも抱いており1度はアスカを計画から下ろそうと考える。
しかし、突如太陽系に飛来してきた彗星の破砕に半ば強引に志願したアスカの熱意に負けてプラズマ百式に、ファイナルメガランチャーを搭載して送り出した。
ウルトラマンサーガ(時代設定2032年頃)
ヒビキ・ゴウスケ総監
TPC警務局隊員、訓練学校ZEROの教官、スーパーGUTS隊長などを経て(恐らく3代目の)総監となる。
ガッツウイングゼロ
訓練機で、演習モードと実戦モードに切り替えることが出来る。
外見はガッツウイング1号と同じ。
ガッツイーグル
リンク先を参照。
クラーコフNF-3000
リンク先を参照。
赤外線式自動地雷
マキーナ戦で初登場した自動攻撃用小型砲台。敵の動きを感知して自動的に砲撃を開始する。その為、付近に人間や宇宙人がいても敵認識すると攻撃してしまう。設置式なので、怪獣の出現予測地点や活動を停止している怪獣の周囲に展開される。ゴルザ(強化)やジョバリエ、ゴルドラスとの大規模戦闘でも動員されている。地雷というよりトーチカだが、見た目はセントリーガンその物。
TPC宇宙艇
月面基地ガロワなどの宇宙空間で運用されている垂直離陸機能を持つ飛行艇。地球でも飛行が可能で、二門のロケット砲を装備している。通常色はピーパーやドルファー202を思わせるオレンジだが、ハヤテ隊長専用機はGUTSの隊員服を思わせるカラーリング、木星の衛星ガニメデに配備されたコスモアタッカー隊専用機はグレーとなっている。
マグナス1/グラバス2
反時空界エネルギー照射装置を搭載した特殊車両で、第36話ではゴルドラスの能力で発生した時空界を消滅させる為に出動した。
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