概要
『ウルトラマンガイア』に登場する青い巨人ならぬ青いウルトラマン。
変身者は藤宮博也。
科学者である彼はアルケミースターズの未確認粒子観測センサー「プロノーン・カラモス」での海洋実験中、謎の青い光との出逢いにより変身能力を得た。変身には専用ブレスレット「アグレイター」を用いる。
正式に名前が出たのは第16話であり、それまでは単に「青い巨人」や「青いウルトラマン」と呼ばれていた。最初に名前が出たのはパソコンのコンソール画面に表示された「AGUL」のローマ字から。
「アグル」という語自体は造語で、「agressive(=攻撃的な)」「agreement(=同意・承諾・契約・協定)」「悪」を掛けている。
ウルトラマンシリーズでは初となる青であると同時に体色に赤色が一切存在しないウルトラマン。フォームチェンジ以外での最初からの体色である。後の他社作品でいうところの2号ライダー的設定や容姿、いままでのウルトラマンになかったクールなキャラクター性が人気を博し、本来のメインターゲット層の子ども達以外からの支持をも得るに至った。
なお、現時点で長編映画には一度も登場していない。そのため、番外編的な作品(『新世紀ウルトラマン伝説』等)を除いて他作品のウルトラマンと共演したことは長らく無かったのだが…(後述)。
容姿
体色は黒みがかった青(群青色)と黒と銀。初期の形態は第3~26話前半まで活躍した。
この姿の頃は藤宮が人類抹殺思想に取りつかれていたこともあり、ガイアやXIGと敵対しヒール的な戦法を取りながらも、一方で罪なき子供を助けるなどといったダークヒーロー的な要素が濃かった。
第25・26話でのガイアとの戦いの影響でゾーリムを呼び寄せてしまい、破滅招来体に利用されていたことを知り、自らの過ちに気付き戦意喪失。アグレイターから青い光の力を解放し、我夢に託した。これがガイアV2のパワーアップのきっかけとなる。
能力
出身地 | 地球・海(地球が遣わした存在であるため便宜上) |
---|---|
身長 | 52メートル(ミクロ化も可能) |
体重 | 4万5000トン(ミクロ及び等身大時は不明) |
活動時間 | なし(大ダメージを受けるとライフゲージが点滅する) |
飛行速度 | マッハ23 |
走行速度 | マッハ6 |
水中速度 | マッハ2.2 |
潜地速度 | マッハ2.5 |
ジャンプ力 | 1300メートル |
握力 | 60000トン(人間換算で60キロ) |
テーマ曲 | アグル降臨(作曲:佐橋俊彦) |
アグルの戦い(作曲:佐橋俊彦) | |
アグル復活~アグル・ヴァージョンアップ~(作曲:佐橋俊彦) | |
青い狼(歌:菊田知彦)(※) |
(※劇中未使用)
主な技
フォトンクラッシャー
頭部(ブライトスポット)から光の刃を垂直に伸ばし、敵に向けて放つ必殺技。アグル版フォトンエッジといったところで、フォトンエッジと同等の威力を持つ。
この技で倒した怪獣
アパテー、サイコメザード、ニセウルトラマンアグル(アルギュロス)、ギールII
リキデイター
両手の間に作り出した光弾を放つ。ガイアのクァンタムストリームと同等の威力を持つ。
この技でボクラグを蒸発させた。
アグルブレード
右手に発生させる光の剣。非常に鋭く抜群の切れ味を誇るが、長時間使用すれば大量のエネルギーを消費するというリスクがある。
アグルスラッシュ
手から発射する光弾。ガイアのガイアスラッシュと同系統の技だが、こちらの方が威力は上。アグルショットとも。
アグルシールディング
突き出した右手から放つ光線で、ブラックホールなどの次元の裂け目を塞ぐ。
ディメンショナルクローザー
アンチマターの作り出した反物質シールドに空いた穴を塞いだ。
アグル回転キック
体を空中回転させて放つキック技。
アグルフライングアタック
空中高く突進した勢いを利用して相手を投げ飛ばす技。
スピニングクラッシャー
体をドリルのように回転させて、敵に突っ込む。
ウルトラバリヤー
突き出した両腕の先から発生させる赤色のバリヤー。
飛行中にも発生させる事が可能。
アウェイクニングインパクト
大地にエネルギー波を送り込んで、地中に眠る怪獣たちの覚醒を促した技。
反物質化光線
対象を反物質化させる光線を放つ。ウルトラマンガイアを反物質化させ、アンチマターの領域に送り込んだ。
ウルトラマンアグルV2
初登場は第41話。詳細はリンク先を参照。
ウルトラマンアグル(スプリーム・ヴァージョン)
「ウルトラヒーローズEXPO 2021 サマーフェスティバル」バトルステージで初登場したアグルの最強形態。初登場から実に23年越しの新形態である。
なお、情報公開日はちょうど「海の日」であった。
余談
容姿の元ネタはウルトラセブン。実はセブンは初期では青いカラーリングが検討されていた(現在の赤になったのは当時の撮影技術の都合による)ので、30数年ぶりにその案が日の目を見たことになる。また、口元のデザインはセブンのBタイプをイメージしている。ちなみにセブンタイプの戦士は青トラマンではアグルが唯一である。
当初のシナリオでは、アグルは第2クールの第26話で降板し、以降はガイア単独で戦う予定だった。
しかし、ファンからの人気が非常に高かった為、第4クールの第41話でパワーアップして再登場させる事になった(ガイアがアグルの技を使えるようになったのは、その名残である)。
・・・と思われていたが、アグル復活については決定事項であったことが20周年の超時空のフェスティバルで語られている。
小中氏はガイアのV2登場以降も、どうにかして最終盤にアグルと二人で肩を並べて戦う姿を実現させたいという思いもあったという。
因みにこの質問をしたのは、藤宮博也役を演じた高野八誠氏であり、高野氏自身も20周年の超時空フェスティバルを迎えるまで、長らく疑問を抱いていたようだ。
デザイン画では、「アクル」という名称もあった。
当初は頭部は二重線の案もあったため雛形を作っていたが、しつこすぎるためシンプルな方向性のものとなった。なお序盤はダークヒーローとして登場するため、黒のラインを入れている。
NHKが放送した『全ウルトラマン大投票』では、人気投票で第18位にランクインしたが、これは主役ではないウルトラマンの中では最も高い得票である。
アグルのカラータイマーの音声のリズムは同じサブウルトラマンであるウルトラマンジャスティスの他に、色合いが似ている怪獣であるカオスウルトラマンにも引き継がれている。
エイプリルフールでのアグル
変身者と違って割とフランクなようだ。
乙女ロード守れよと言ったり、2010年円谷ッターのHPで日本語でおkと言っていたり…。ガイアには君つけされている。
後のシリーズでの客演・影響
相方のガイアはもちろん、歴代のサブトラマンよりも再登場はかなり少ないものの、要所要所で出番が設けられている。劇場作品にもあまり恵まれていないが、一応『新世紀ウルトラマン伝説』などの作品でも参戦している。
歴代ウルトラマン達が一堂に会する『ウルトラギャラクシーファイト』でも、青トラマンとサブトラマンの中では現状、唯一未参戦のままである(相方のガイアはウルトラマンゼット・ガンマフューチャーが召喚した分身として参戦したが、本人ではない)。
なお、商品や舞台作品ではティガ、ダイナ、ガイアとの共演が多いが、2024年現在ティガとは共演すらしていない。
本人が登場した作品
『THE_ORIGIN_SAGA』
「待て、どんな事情があるのか知らんが、いつまでも一人で戦い続けられるもんじゃない」
我夢と同様に「命の樹」を護衛するよう地球の意思に呼ばれる形で『ORIGIN SAGA』の地球に飛来、EP8の「アグル復活」をオマージュした登場からのベゼルブを圧倒する場面はかつてのアグルファンを大きく喜ばせた。
専用テーマも新規アレンジが成されている。
フォトンクラッシャー、アグルセイバー、アグルストリームと必殺技も幅広く披露したり藤宮としての姿でもサイキと知的生命体について会話するシーンがあったりと、ぶっちゃけ『ORIGIN SAGA』の歴代キャラの中では一番扱いが良かったりする。特にジャグラー対してかつての自身を重ねた忠告を送り、藤宮が精神的に『ガイア』よりも強く成長したことを感じさせる。
『列伝』を除けばOV『ガイアよ再び』以来、実に16年ぶりの登場を果たした。また、『新世紀ウルトラマン伝説』のような番外編を除けば、初めて歴代ウルトラ戦士との共闘も果たす事になった。
ちなみに、今作では青いウルトラマンの後輩コスモスとの共演が実現し、初めて青いウルトラマン同士の共演が描かれた。余談だが、アグルはセブンタイプ、コスモスは初代ウルトラマンタイプのデザインであり、青トラマンのマンタイプ、セブンタイプの両方が揃うことになった。
ちなみにアグルのカラータイマーのリズムはカオスウルトラマンにも流用されている。
その他本編外、映像作品意外での客演
『ウルトラ8兄弟』
アグル自身は登場しないものの、パラレルワールドの藤宮が登場。一応我夢が別世界の自分の記憶を思い出す場面でちょっとだけ当時の藤宮との映像が流れたりした。
『超時空のアドベンチャー』
今作ではガイアやXIGとがっつり敵対していたV1時代のアグルが登場、TV版本編よろしくガイアと激突していたのだが、丁度同時期の我夢は別世界の介入を受けていて…。
『ウルトラマン列伝』
「地球か…本当に青く、美しい星だ」
ガイアの特集回のラストで我夢と共に登場、2人で地球に思いを馳せていた。そしてTV本編から15年近くもの月日を経て久しぶりにアグルへの変身、ぐんぐんカットも『列伝』用の新撮が使われていた。
『フュージョンファイト』
ゲーム『ウルトラマンフュージョンファイト』にて、ウルトラマンヒカリとフュージョンアップしたナイトリキデイター、ベリアルとフュージョンしたサンダーストリームが登場。素材が素材だけに、どちらも細身を生かした剣術、棒術を得意としている。
担当した主なスーツアクター
関連イラスト
関連タグ
青トラマン
ウルトラマンタイタス:同じく変身時に両腕を突き出す様にして巨大化していくウルトラマン。なお、それ以外はむしろ相方に近い。
仮面ライダーライア、仮面ライダー2号(リメイク版):中の人繋がりのヒーロー。