演:和泉元彌 生駒星汰(少年期)
概要
『ウルトラマンオーブTHE ORIGIN SAGA』に登場する宇宙人。
見た目は人間に近いが、掌ほどの大きさの垂れ下がった耳を持ち、両頬・両顎に傷跡のような筋が存在することが特徴。
レイフ星の非常に優秀な科学者で、宇宙悪魔として恐れられるベゼルブの女王クイーンベゼルブと精神をリンクさせており、ベゼルブを自在に使役する事が出来る。
かつて戦争で両親を失った過去を持ち、そのとき目の前に現れたクイーンの姿を見た事から「力こそが正義」という思想を嫌うようになり、争いが存在せず、誰も虐げられることない世界を創るという理想を掲げている。その理論武装はガイとの議論でも一切揺らぐことなく、一見完璧なものにも見える。
しかし、その実態はクグツの力で全宇宙の知的生命体から思考能力を奪って操り人形にした上で、唯一思考能力を残した自らがすべてを支配するという歪んだ方法であり、本質的にはただの侵略者である。そのため争いを繰り返す人間たちを「野蛮人」、ウルトラマンの事も「野蛮な暴力を正義とはき違えている連中」と呼んで見下している。
一方で精神を同調しているクイーンには全幅な信頼を寄せており、自分が指示していない行動を取ったとしても「自分をフォローしてくれている」と都合のいい解釈をしていた。
サポートAIのパーテルを伴い、自らの歪んだ理想郷を実現するために戦神と命の樹を狙い、ベゼルブの大群を引き連れて王立惑星カノンへと襲来。手始めにアマテ女王の引き渡しを要求する。交渉に現れたシンラ近衛隊長に対しては譲歩すると見せかけ、アマテの血の採取という名目でクグツの入った注射器を使わせようとする。しかし、目論見を阻止され、ガイ達がアジトの惑星ザインに乗り込んできたためアジトを宇宙船に変形させて脱出。再度カノンに襲来し、アマテの引き渡しを改めて要求すると同時にベゼルブや超獣で攻撃を開始する。
戦いの末、ジャグラスジャグラーの凶行により命の樹が消滅したため野望は潰えたかに思われたが、命の樹の種が地球で芽吹いたことを知ると今度は地球に襲来する。
地球ではクグツを浄化できる命の樹の種が実るのを待ってから(クグツを全宇宙にばら撒いて全ての生命体から知性を奪い、その後に自分のみを解毒するため)戦神にクグツを注入しようと企んでいたが、本性を現したクイーンが自分の意に反する行動を取り、自分の思想や行動のすべてがクイーンに利用されていたことに気付き、愕然とする。
それでも理想の実現を諦められず、パーテルによって肉体を量子分解してもらうことでクイーンと融合。宇宙悪魔サイクイーンとなって命の樹を破壊しようとしたが、五大ウルトラマンの総攻撃を受けて敗北。サイクイーンが撃破される直前、パーテルに肉体を分離されたところをオーブに救われる。
直後、ガイとの対話で命の樹とベゼルブの本質に気付き、ようやく自らの考えが間違っていた事を認めた。その後、パーテルがシンラ達を庇って機能停止したことで悲嘆にくれるが、アマテから「諦めずに争いのない世界を願い続けよう」と諭されたことで僅かながら笑顔を浮かべ、彼女との和解の兆しを見せた。
余談
演じる和泉元彌氏はこれが特撮作品初出演。
和泉氏はサイキについて「自分を悪役だと思って演じてはいない。自分が思っていることは一切間違っていないと自分の正義を信じて演じた」と述べている。
関連項目
マッドサイエンティスト ギャラクトロン・・・・こちらはテレビ作品における歪んだ正義。後に仕える本体も平和の為に暴走していた事が判明する。
???:こちらも同じく身内が理不尽に殺された事がきっかけで狂い、歪みきった方法で人類を救済しようとした特撮悪役
カギ爪の男:こちらも大切な人を亡くしたのが原因で歪んだ思想に染まり、歪んだ方法で争いを無くそうと行動していたのが共通。