概要
『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』の主な舞台となる惑星。アマテ女王が収める平和で緑豊かな惑星で、惑星の全ての命を生み出した「命の木」という巨大な大木が生えている。
地球から7万光年離れた場所に位置し、科学技術が発展し宇宙船も存在している星でありながら、和風建築やシャーマニズムなど古代日本を思わせる文化が根付いていて、武装は刀や旧式の銃といった前時代的な物を使っている。
医師(演:針原滋)がいることから医学、アマテがロケットを所持している為、撮影技術が発達しているのは確か。
惑星の住民であるカノンの人々(カノン星人?)は見た目は地球人とほぼ同じヒューマノイド型宇宙人だが、視力は地球人よりは上の模様。
王立防衛軍も存在し、王族も有事の際に民を守る事を義務としており、アマテも戦神と呼ばれる巨人に変身する能力を有してはいるものの、民には自衛の意識が芽生えず、王族に依存してしまっている。
ちなみにカノンの神話によると命の木の実が宇宙に知恵を与えたと言われ、また戦神とベゼルブは命の木から生まれたものであると伝えられている。
すなわちこの惑星は、命の木を狙う者達による命の木が生み出した災厄に遭いながらも、その命の木がもたらす戦神の力で守られることに文明が依存してしまっているという、ある意味破滅的とも取れる矛盾を抱えた状況に置かれているのである。
上層部も穏健派である近衛隊長シンラ派とタカ派である防衛軍将軍ライゴウ派に分かれており、シンラが物語途中でアマテ暗殺容疑を掛けられてしまうが、民を守りたいという志は同じであり、サイキとの戦いで共に手を取り合った。
命の木を狙うサイキとベゼルブの攻撃で窮地に立つがアマテの変身した戦神が応戦、さらにウルトラマンダイナ、ウルトラマンコスモス、さらにガイことウルトラマンオーブやジャグラスジャグラーといった光の戦士たちもこれに参戦する。だが戦いのさなか、王族の近衛兵であったミコットが戦死。彼女の死を深く悲しんだジャグラーは上述の矛盾への怒りを抱くあまり、戦いを終らせるためとして命の木を戦神(すなわちアマテ女王)もろとも切り倒すと言うとんでもない暴挙に出てしまう。
結果的に目的を失ったサイキたちは撤退しアマテ女王も大事には至らなかったものの、惑星は象徴であった命の木を失う最悪の結果となり、更にはこの戦いでミコットを始め多くの犠牲者が出た模様。命の木を切ったジャグラーはその行動を惑星の民にはもちろん「文明のあり方にその意思を無視して干渉するもの」としてウルトラマン達にまで非難・否定されたことがもとでガイらと袂を分かち、彼らのもとから去ってしまった。
ただし命の木は他の惑星に種を残しており、この事件の直後にその一つが発芽。それを知ったサイキや光の戦士たち、ジャグラー、そしてアマテ女王は、新たに命の木が芽吹いた惑星「地球」へと向かうこととなる…。
ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀
第1章に登場。この時の女王イザナがギャラクシーレスキューフォースに所属しており、また少なくともM78星雲光の国とも交流があるようでユリアンがソラと共に会談の為にこの惑星に訪れていた。
尚、ORIGINSAGA以前の時間軸なのか並行宇宙の別惑星なのかは不明だったが『ギャラクシーレスキューフォースボイスドラマ』を聞く限りではORIGINSAGAに登場したカノンではなくM78ワールドのカノンである模様。
第3章では、銀河連邦平和会議の会場となっておりユリアンやエイティが向かっていた。
ジャの道は蛇
『THE ORIGIN SAGA』より数世紀後の惑星カノンにジャグラーが来訪。
星間連盟に加盟しネオン輝く都市惑星へと変貌。王政では無くなったようで連盟のレベシエが政務を担っている。
命の木が聳え立った広場には木の外観を再現したショッピングモールが建造された。一方、発展の代償に酸性雨が発生している。
ちなみにジャグラーが持っているあの盆栽は命の木の枝だったものらしい。
人物
- アマテ女王
該当項目参照。
名前の由来は日本神話の太陽神『天照大神』からだろう。
- 先代女王(演:向井琴)
アマテの母で先代の戦神。
- 新鋭隊長シンラ(演:前川泰之)
アマテの近衛隊長で彼女の父親がわりを務めてきた。赤い羽織にヘッドバンドが特徴的。
刀で武装しており、実は音痴という意外な一面も。
ライゴウの部下であるが、戦神の力を使う事に反対しており、彼からは目の敵にされている。
アマテの命でサイキとの交渉役に派遣されるが、ライゴウにアマテ暗殺容疑を掛けられただけでなく、ベゼルブによって惑星ザインに囚われるなど踏んだり蹴ったりな目に遭うが、近衛兵コンビに救出される。最終的にライゴウとも和解できたようだ。
名前の由来は恐らく「森羅万象」ではないかと思われる。
- ライゴウ将軍(演:榎木孝明)
日本の武将のような身なりの人物で、王立防衛軍の将軍。
刀を武器に持ち、戦神による武力で星の平和を守ろうと考えるタカ派で、シンラにアマテ暗殺容疑を掛けるなどダーティな手段も辞さないが、本質的には民思いの志士である。最終的にシンラと手を組んだ。
ザナミ(演:霧島れいか)という妻がいる。
名前の由来は恐らく「来迎」ではないかと思われる。妻の名前は日本神話の女神「イザナミ」からであろう。
- ブゲン(演:湯江健幸)
ライゴウ派の副官。
- ミコット(演:文音)
該当項目参照。
- リッカ(演:渋谷飛鳥)
お団子ヘアーが特徴的な近衛兵の片割れ。
ミコット同様に巫女装束と武将の鎧を合わせたような衣装を着ており、ミコットが刀を武器にしているのに対して、こちらは白いフリントロック式の銃が武器としている。
シンラを慕っており、彼から命令を受けると声がハイトーンになる。
漢字変換した場合の表記は公式での発言はないが、「六花」ではないかと思われる。
並行世界の惑星カノンの女王と思われる人物で、常時戦神の姿を取っている。
詳しくは該当項目にて。
名前の由来は恐らく日本神話の女神イザナミ。
- レベシエ
星間連盟カノン執政省執政官。
メカ
- スザーク号
親衛隊専用の航空機で、宇宙空間や水中でも活動でき、食料といった物資も積み込んでいる。
ビームやレーザーネットなどの武装を持っており、コクピットは2人で操縦する方式。
それ以外の乗員はテーブル付きの後部座席に座る。
同形機と思しき機体が複数配備されている。
名前の由来は恐らく四神の朱雀。
余談
- 小中監督によれば、『宇宙からのメッセージ』や『スターウルフ』を参考にスペースオペラに日本風の要素を合わせるという発想で設定が構築されていった。
- 統治者が世襲制、キャラ名が漢字変換できる、スザーク号のモチーフが鳥居、衣装のモチーフには花や鳥居の要素が、イメージカラーには紅白が採用されるなどの要素が盛り込まれた。
(以上の出典は『てれびくんデラックス 愛蔵版 ウルトラマンオーブ 完全超全集』・「ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA 監督インタビュー 小中和哉」(小学館)P116より)
関連タグ
ガーゴルゴン:かつてカノンを襲った怪獣
ジャグラスジャグラー/ヘビクラ・ショウタ:後の時代において、この事件での出来事を未だに根に持っている描写がある。
「昔、大きな木を切った事があってな」
「戦争を止める為、自分の正義を貫く為だった。だが全てを否定されたんだ。だからそのオモチャがいるんだ。自分の正義が絶対だと思ってる連中に、その正義の危うさを味あわせる為に」