概要
全て色の名前を冠しており(玄は黒)、これは方角に対応する五行の色となっている。
方角とモデルの動物との関係は、星座の形から来てるとされる(二十八宿を七宿毎で合体させたもの)。
風水においては、それぞれが守護するに適した地形が存在するとされ、土地選びの目安にされた。
例えば、玄武なら山が適しているため、北に山があると良いとの具合であり、全ての四神において良い条件である土地の状態は四神相応と呼ばれる。
元々中国の霊獣ではあるものの、上記のような土地選びの目安に四神を用いる思想は日本にも輸入されている。例えば平安京は四神相応になるよう配慮して建設されている。
別名に四獣(しじゅう)、四象(ししょう)、四霊(しれい)が存在。
創作物中では四聖獣や四神獣と呼ばれる扱いが多いが、Wikipediaによれば、日本のフィクションにおける造語とある。
「四霊」と呼んだ場合には通常、応龍・鳳凰・麒麟・霊亀を指し示し、逆に四神がこれらを意味する伝承もある。
四神と四霊の詳しい関係は不明だが『龍・鳥・獣・亀』の組み合わせが共通しており、「五虫」の考えにおいては、四霊と五行との対応が四神と整合する形で示されている。
五行との対応のため、中央を守護する神として黄龍や麒麟(黄麟)を加えて五神(五獣)ともされる。
また、五行思想の異説によっては、方角に対応した色と同色・同属性の龍に置き換わる扱いもある。南は赤龍、西は白龍、北は黒龍などの感じである(=五龍)。更に福建省では4色の虎に置き換わっているともある。
後世の道教においては擬人化され、青龍は「孟章」、朱雀は「陵光」、玄武は「執明」、白虎は「監兵」なる個人名が定められた。『天皇至道太清玉冊』では「四靈帝君名諱、青龍帝君孟章、白虎帝君監兵、朱雀帝君陵光、玄武帝君執明」と記される。「孟章神君」「監兵神君」「陵光神君」「執明神君」との呼び方もなされる。
四海龍王や仏教の八大竜王のように人型の姿でも表現される(白虎監兵神君の例)。
玄武のイメージからはまた、玄天上帝なる有力な神が派生して成立している(図像学的には『蛇と亀の妖怪を降伏させる武神』の形であり、執明神君とも別人)。
陰陽道においては全て十二天将に挙げられており、九字の陰陽道版においても読み上げられる。
方角と動物が対応する中国の伝承としては十二支も存在しており、四神と同様、龍と虎を含んでいるが、龍にあたる辰は東の少し南で、五行は土、虎にあたる寅は(白虎とはほぼ真逆の)東の少し北で、五行は木となっており、特に関連性は見られない。
また、朱雀と鳥類繋がりで酉が、玄武と爬虫類繋がりで巳があるが、酉は真西で金、巳は南の少し東で火となっており、こちらも関連性は見られない。
各要素との関係
四神をモチーフとしたキャラクターの登場する作品
ゲーム
- アイドルマスターシンデレラガールズ…『ダイスDEシンデレラ』にて、フリルドスクエアが担当している。
- IZUMO(初代,2)…異界(ネノクニ)編 にて、女性の姿をした守護精霊として登場。
- ガイストクラッシャー…レジェンドガイストのカテゴリーに聖獣ガイストとして登場。属性と色違いのアルファガイストも存在。
- けものフレンズ…NEXONアプリ版にて四神のフレンズがカタカナ表記で登場する。それぞれジャパリパークの各方角を守護する"守護けもの"という設定がある。アニメ版では直接登場していないが、彼女らをモチーフにした石版が重要な役割を果たす。
- サガシリーズ…魔界塔士では中ボスとして、秘宝伝説では仲間として(DS版では中ボスとしても)、ロマサガ3では術の系統(ただし青龍は蒼龍、朱雀は朱鳥となっている)として、アンサガでは装備品の材料名として登場。サガフロ1にも登場するが欠員あり。
- 真・三國無双シリーズ…『真・三國無双6』以降。玄武は登場せずに麒麟となっており、朱雀も鳳凰に置き換えられている。各勢力の象徴として曹操・曹丕が率いる魏は鳳凰、孫堅・孫策・孫権が率いる呉は白虎、劉備・劉禅が率いる蜀は青龍、司馬懿・司馬師・司馬昭が率いる晋は麒麟となっており、(張角・呂布・袁紹と言ったこれ等の勢力に属さない人物は他勢力として菊の花が象徴となっている)直接登場する訳ではない。余談だが、鳳凰を朱雀と見ても四神の方角と魏呉蜀の地理配置は真逆である。Onlineでは上記通りの四神(作中では四聖獣)がレイドボスとして直接登場。VSでは初回特典のDLCにて四神を象った装備が登場した。
- 真・女神転生…四神が歴代作品を通して登場。
- スーパーロボット大戦…四神をモチーフにした生体機動兵器が登場する。詳しくは超機人を参照。またソウルゲインの武装名も四神(+麒麟)から取られている。
- ダンボール戦機…神谷重工製LBXに四神モチーフのアーマーフレームが確認されている。
- ドラゴンクエストⅨ…扇に四神の名前を冠したそれがある。
- パワプロ2011…甲子園決勝戦で四神黄龍高校という名の高校と四神をモチーフにした選手が登場する。
- beatmaniaIIDX…四神をモチーフにしたボス曲専用の名義として登場。詳しくはCARDINAL_GATEを参照。
- 飛竜の拳2…最終エリアの四天王に四神の名前がついている。ちなみにラスボスのモチーフは…。
- ペーパーマリオオリガミキング…四体のカミさまが登場するが、白虎がおらず、代わりに白熊が出る。
- ペルソナシリーズ…カタカナ表記。ピアスなどや主人公達が従えるペルソナとして登場。対応アルカナには異聞録罪罰では ビャッコは隠者セイリュウは世界、3以降は朱雀以外は節制、朱雀には太陽で準えており、法王のコミュやコープをMAXにした時の解禁ペルソナは四神を合体する事で誕生する黄龍。対応アルカナは勿論法王。
- ポケットモンスターシリーズ…『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』から登場する伝説のポケモン(通称:コピペロス)が該当。ボルトロス、トルネロス、ランドロスのれいじゅうフォルムがそれぞれ青龍、朱雀、白虎を意識したデザインとなっており、後に『Pokémon LEGENDS アルセウス』に登場したラブトロスが玄武モチーフとなったことで、四匹全て揃った。→四神(ポケモン)
- 無双OROCHIシリーズ…上記の三國キャラが達が登場している。四神達の羽など体の一部がアイテムとなってたり強力な武器やアビリティを作成する為の素材に使われており、こちらも直接登場する訳ではない。
- モン娘☆は~れむ…四神をモチーフとしたモン娘がいる。白虎のブラン(CV:白城なお)、青龍のカゲツ(CV:谷口夢奈)、朱雀のラビリエ(CV:小市眞琴)、玄武のドルチェ(CV:戸田めぐみ)の4人。同じく方角を司る存在である四大悪魔とはライバル関係にある。
- YandereSimulator…生徒会(Student Council)に所属する副会長とメンバーの名前の由来が四神モチーフになっている。
TCG
小説
- 異世界はスマートフォンとともに。…召喚可能な中で最高クラスの存在である四神獣として登場。登場順に、白虎⇒白帝(琥珀)、玄武⇒玄帝(珊瑚&黒曜)、朱雀⇒炎帝(紅玉)、蒼龍⇒蒼帝(瑠璃)。
- 転生したらスライムだった件…東の帝国の魔獣軍団の三将の異名が各々、朱雀(ナジム)、青龍(バラガ)、玄武(ゴウザリン)。白虎に相当するのは軍団長のグラディム。
- 剣聖の称号を持つ料理人…かつて聖剣を創った存在。聖剣を受け継ぐ事になった主人公は、四神を巡る旅に出た。
- 蜘蛛ですが、なにか?…召喚士のブイリムスが使役していた4体の召喚獣の構成(鳥型のキレコーク、亀型のロックタートル、虎型のフェべルート、水竜のスイテン)を見て、蜘蛛子は四神を連想した………が、カラーリングがバラバラ。青龍に相当するスイテンに至っては、見た目はフグに似た丸い魚だったり………と、ツッコミどころ満載。決して弱くはないのだが…………。
漫画
- 陰陽大戦記…四神をモデルにしたキャラが、各四神に対し複数存在。GBA『零式』では元長『黄龍』が登場。
- 烏天狗カブト…主人公カブトの配下に「四神」の称号を持つ戦士がいる。
- ぐるり…喜多尚江の漫画作品。
- GetBackers…『神の記述』編に、四神の守護カードを持つ戦士「四方守護聖獣」が登場する。
- 双星の陰陽師…十二天将の称号の中に四神と同名のものが存在する。
- TOUGH…四神の名を冠する特殊な脚質「虎腿(タイガー・フット)」「龍腿(ドラゴン・フット)」「鳳腿(ファルコン・フット)」「玄腿(モンスター・フット)」が登場。珍しく玄武ポジションが一番強いとされている作品。
- Dr.リンにきいてみて!…主要メンバーが四神の生まれ変わり。
- 爆転シュートベイブレード…日本チームの4人が使うベイブレードの獣のモチーフに使われている。
- ヒカルの碁…トレーディングカードゲームのパック名に用いられる(青龍乱舞、朱雀飛翔、白虎咆哮、玄武不動)。
- ふしぎ遊戯…作中で守り神として登場。
- 幽☆遊☆白書…霊界探偵編に妖怪として登場。
- ラルΩグラド…特殊融合が可能な五体のカゲのうち三体が青龍、白虎、朱雀をモチーフとする。残る二体は黒サイと人間がモチーフ。
- るろうに剣心…雪代縁率いる上海マフィアの副官呉黒星の護衛として四神をモチーフとした「四星」という四つ子の武人が登場する。それぞれ「青龍大刀(チェンロンダイトウ)」「朱雀双剣(チューチャソェンギム)」「白虎掌拳(バーフーチェムクン)」「玄武蛇棍(ユンモウセイクァン)」というモチーフとなった四神の名を冠した武器を使用する。
アニメ
- Yes!プリキュア5GoGo!…パルミエ王国の周りにある4つの国の王が四神をモチーフとしている。
- 犬夜叉…アニメオリジナルエピソードに、四神をモチーフとする「妖忍四人衆」が登場する。
- クロスファイトビーダマンes…四聖獣、麒麟、鳳凰をモデルにした機体がメインキャラとして登場する。
- KO世紀ビースト三獣士…主人公4人のビースト形態のモデルとされる。
- 無限戦記ポトリス…四神をモデルにしたキャラクターが登場。内、玄武以外はメインキャラクター。
- 新幹線変形ロボ_シンカリオン_THE_ANIMATION…キトラルザスのエージェントにセイリュウ、ビャッコ、スザク、ゲンブが登場している。物語当初は敵対関係であったが、物語後半より心強い味方となった。
特撮
- 仮面ライダー鎧武…今作の敵であるインベスとしてビャッコインベス・セイリュウインベス・デュデュオンシュ(朱雀)・シンムグルン(玄武)が登場。後者二人は幹部怪人であり、前者二匹も雑魚怪人だがビャッコインベスは重大な意味を持つ怪人なのにセイリュウインベスだけは特に因縁がなく、頻繁に使い回しが見られるなど、四神モチーフの怪人では不遇な立ち場にあたった。
- 仮面ライダーセイバー…玄武神話ワンダーライドブックを使用する仮面ライダーバスターが登場。四神モチーフにしては珍しく玄武以外のモチーフは登場していない。
- 幻星神ジャスティライザー…巨大メカ4種のモチーフの動物が四神と共通。
- 獣拳戦隊ゲキレンジャー…幻獣拳の四幻将のモデルとされる。
- 手裏剣戦隊ニンニンジャー…ゲキアツダイオーを構成するオトモ忍の内、ホウオウマル・セイリュウマル・ゲンブマル・ビャッコマルが該当する。
- パワーレンジャー・ダイノフォースブレイブ(獣電戦隊キョウリュウジャーブレイブ)…ネオテーボス軍が使役する『ボージン魔』と言う巨大戦力が四神をモチーフにしており、それぞれ四神を模したマスクを付けている。
大河ドラマ
- おんな城主直虎…主人公である「井伊直虎」を「白虎」として、物語で直虎に関わる登場人物である「井伊直親(史実での幼名:亀之丞)」を「玄武」、「小野政次」の架空の幼名を「朱雀」から取り「鶴丸」とし、更に「架空の登場人物」に「青龍」に由来する「龍雲丸」と名付けた。また直虎の養子でありその後継者である「虎松(井伊万千代:後の井伊直政)」を「白虎」とする見方も出来る人物構成となっている。
その他
- ニンジャスレイヤー…四聖獣として登場するが、内訳が「ドラゴン」「ゴリラ」「タコ」「イーグル」に変更されている。
- 四獣チャンネル…2020年から活動している解説系ゆっくり投稿者
- ろふまお…2023年5月15日に発売されたグッズが四神モチーフ
キャラクターのモチーフとしての扱い
四神が全面に出た作品では玄武以外が良いポジションに選ばれる傾向が強い。
また四神なのに朱雀モチーフではなく、鳳凰モチーフにしている作品も結構多い。
西洋の四大元素と対応させられる作品もあり、この場合、玄武が土属性、青龍が水属性、白虎が風属性のようにされる扱いが多め。
余談
1995年3月1日・光栄社にて出版された書籍『中国魔物図鑑』よると、実は「四神の中にも格差がある」とされており、青龍と朱雀が上位、白虎と玄武が下位とされている。
理由は要約すると「実在しない・あるいは飛べる動物が上位、実在する・あるいは飛べない動物が下位」となっている。
週刊少年ジャンプ始め少年誌では「四神をモチーフにしたキャラを出すと打ち切られる」とのジンクスがある。
まぁこれは「あまりに設定として使い古されすぎていて目新しさがないから」を下地とする問題であり、「四神を出すと打ち切られる」よりは「四神を出さなければいけないほど発想が貧困では、遅かれ早かれ打ち切られる」と見た方が妥当だろう。四天王なども同じような扱いである。
逆にそれだけ多くの作品で使われてきた魅力的なモチーフであるのも事実であり、今までにない斬新な形で四神を取り上げるのも決して不可能ではないだろう。