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古代中国の三国時代の人物。蜀漢)第2代、そして最後の皇帝


史実上編集

劉備の子。中国語ではリォウ・シャン(Liu Shan)と呼ぶ。字は公嗣。幼名阿斗。223年に父の崩御を受け即位。諸葛亮(孔明)らに政務を任せた。

在位終期には奢侈により国を傾け、263年に侵攻してきた軍に降伏し、蜀漢は2代42年で滅亡した。


その後は魏・両王朝の元で安楽公として遇された。


評価としては「幼名がアホの語源説」(信憑性は低い)が唱えられるということでお察しください


蜀の柱石であった諸葛亮の死後も内政においては未だそれなりに優秀な部下は残っており、彼らの尽力と相まって三十年近く国を治めることが出来た。

ただ蜀後期に親政を行った際は大赦を濫発したため(※1)政治は弛緩し、また宦官黄皓を重用したため(※2)政治は乱れ、姜維の相次ぐ北伐のために国力は疲弊した。

以上のことから史書には「白い糸は染められるままに何色にも変ずる」と書かれており、それを基にするならば「部下次第で良くも悪くもなる」というのが正史での評価である。

少なくとも『優秀な部下を猜疑心の末に粛清』という亡国テンプレを全くと言っていいほどやらかしていないことは留意すべきだろう。ただし劉備の豫州刺史時代からの古参の将軍(もっとも、実務を執ることはほぼない名誉職だったと推測されている)だった劉琰の妻を寝取った疑惑があり、その劉琰を理不尽な罪で処刑している(これは諸葛亮が没する前の話である)。

自分の我儘を聞き入れなかった宰相格の董允を嫌い、また諸葛亮死後に「諸葛亮みたいな簒奪しそうな奴が死んでよかったわ」と奏上した家臣を即刻処刑したり、楊儀の放言にブチギレて最後は死に追いやっていることから、人物の好き嫌いの激しい性格であったようだ。


もっとも、実際のところ名指しで暗君暴君呼ばわりされている人物が複数名いる中では必ずしも評価が極端に低いわけではない。

正史で暗愚だったという評価もあるため、その他の記述を見ても一個人としては無能な暗愚と言ってもいい人物だったようだが、少なくともいるだけで事態を悪化させるような最低の暗君暴君の類とは言えない。

董允を嫌っていたのは史書にも記述があるが、一方で董允存命中は黄皓も好き勝手できず、董允を積極的に排除しようとはしなかったようである。


実際の所は、父である劉備とそのライバルである曹操、(二宮の変を起こす前の)孫権、曹操の跡を継いだ曹丕曹叡があまりにも有能で存在が大きすぎたこと、そして魏の圧迫を受け続ける蜀という自国の立場、父の代より残っていた荊州閥と益州閥の確執、時代が悪かったこと(そもそも彼が継いだ時点、もっと言えば関羽と荊州を失った時点で中原制覇の夢はほぼ潰えたに近かった)

……といったことが絡み合って割を食っている気がしないでもない。


(※1:大赦自体は諸葛亮が死後の後継者に指名した蒋琬費禕が政務を取り仕切っていた時代から増えている。政治が弛緩してしまったのは、やはり才覚の差であろうか。

劉禅政権後期には「人的損失を埋めるために行わざるを得なかった」という側面も大きい)


(※2:黄皓が何か暴政をしたという具体的な記述は史書にはない。が、そもそも政治的権限の無いはずの黄皓が政治に口出しする時点で大問題である。そのため蜀の政治に混乱をもたらしてしまった。

綿竹で「やつの専横を許さねばこうはならなかった」と叫び突撃した諸葛瞻の長男・諸葛尚の言葉、の薛珝(薛綜の子)が当時の蜀を評し孫休に奏上した「主は暗愚で過ちに気づかず、臣下はわが身が可愛くて只管罪を被らないように努め、朝政でも正論を聞く事が出来無い」という発言、羅憲のような優秀な臣の左遷、占いを信じて魏が攻めてこないと信じたなどが言及されている。)


部下の霍弋からは、劉禅が鄧艾に降伏した時には、


今、交通は断絶して主君の安否が分からないので、重大な決定や身の振り方を決めてはいけない。

もし陛下が魏と和睦していれば、周辺を鎮めてから降伏すれば良い。

もし陛下が辱めを受けるようであれば、死を覚悟の上で抵抗するつもりだ。


と答えたりなど部下からは意外にも慕われていた話があったり、

また諸葛亮の悪口を言った家臣に激怒したりなど、信頼している部下に対してはちゃんと思いやる気持ちがある模様。(家臣たちも黄皓を恨む声はそれなりにあるが、意外にも劉禅を恨む声があまりなかったりもする。)

個人としては才が低い人物であったにせよ、才ある他人に職務を任せ、その邪魔をしなかったというのは君主として悪い振舞ではない。才もないのに陣頭指揮を執りたがり、結果として国を乱す君主も少なくないのである。

実際それで弱小国である蜀が40年も持ちこたえ続けている。40年も皇帝の地位にありつづけた人物は三国志には他にいない。

魏に対しての降伏も、色々な落ち度は背景にありつつも成都を攻められた時点で姜維は前線に釘付け、防衛に派遣した諸葛瞻が戦死し、防衛能力はほぼ喪失していた状況下であったことから、降伏という結論はやむを得ないという意見が少なくない。

また、蜀が滅亡し魏に移り住んで以降は、優秀な部下である郤正に従い落ち度無く過ごし、天寿を全うした。

お世辞にも名君とはいえなかった劉禅だが、自分の才能の無さを自覚して、自分で行動せずに最後まで素直に他人に従っただけでも救いだったかも知れない。


創作上編集

三国志演義編集

一言で言えば「史実以上のアホ扱い」。

当然ながら演義をベースとした横山光輝三国志など各作品でも扱いは似たようなものである。

ある意味で魏将の方々以上に演義の被害者であり、必要以上に悪く言われる種悪の根源を作ってしまった作品とも言える。


反三国志編集

暗愚評価を前提とした待遇を作者から受ける。

劉備在位中に呉の刺客に暗殺され、劉諶が劉備の後継者になる。

魏延馬謖も救われている中で、蜀漢のメインメンバーの中で唯一(!)敵に殺されるなどあんまりな扱いである(己の身勝手で家族と心中した劉諶さえ救済されのに…)。


三国志Three Kingdoms編集

CV:古谷徹

登場当初は演義同様暗愚な人物として描かれていたが、近年の評価が見直されつつあることも考慮されてか、「未熟ながらも自分の愚かさを素直に受け止め、助言を聞き入れることができる人物」という描かれ方になっている。

劉備の病死や諸葛亮の度重なる北伐を機に君主として少しずつ成長していき、最後の六度目に向かう諸葛亮を今生の別れになると察して義理の息子として涙ながらに見送った。

ゲーム上編集

三國志シリーズ編集

『VIII』までは魅力以外が軒並み低水準なだけで、さほど目立った武将ではなかった。作品によっては魅力が高いことさえあったほど。

『IV』においては特技は唯一「虚報」のみという事を、(一仕事終えたような)顔グラフックと相まって、下ネタ的な意味でネタにされたこともあるが。

…が、初めて魅力が廃止された『IX』ではまさかの全能力一桁という仕打ちを喰らってしまう。

『X』以降では能力値で「魅力以外が3・5・9・4(三国志)、魅力の十の位と一の位の和がナンバリング」(『13』のみ「三国志13」「30周年」のアナグラムで全能力2桁となった)と遊ばれており、ファンには「ネタ君主」として名高い。(一部のファンからは真面目にやって欲しいと言う声あるが、真面目に評価したところで大して能力は変わらないという声も)

一応、配下は優秀なので縛りプレイでもなければ難度自体はそこまで高くない。


ちなみに「統率」が追加された『IV』以降の作品における能力値は以下の通り。

統率武力知力政治魅力合計
IV ※2013173670156
V-7303278147
VI2417212392177
VII-33242762146
VIII11-283064133
IX3247-16
X35946485
1135945677
123594-21
1334193035-118
1435946889

DS版では「3・5・9・4」が反映されている。


あと『11』における彼主催の評定は「公式MAD」と言われる程にカオスである。

詳細は以下の動画参照。


ぶっちゃけ嫌われているというよりは、むしろ愛されているが故のようであるが‥

(一部から悪意が酷すぎるや、これのせいでマナーが悪い人が増えたや愛してると言っとけば何してもいいのか?など色々言われる。)

真・三國無双シリーズ編集

劉禅

劉公嗣だ、仁の志を受け継いでいるぞ

劉禅(真・三國無双)を参照


三国志パズル大戦編集

【さんぱず】劉禅様しょた可愛い

ガチャ限定で追加された超レア武将として登場。

まろまゆげのいかにもぽややんとしたルックスなのであるが・・・


大将に立てれば味方の「蜀」武将の攻撃力と回復力を2倍、

武将としてのスキルも「魏」と「呉」ユニットを「蜀」ユニットに変換(三国統一できちゃうじゃん)

・・・と非常に優秀な能力で、このゲームでもはっきり言って暗君詐欺。


それ以上に大事なのはこの劉禅は「覚醒してもショタっ子」であることである。

献帝と並ぶショタっ子枠に君臨する貴重な!武将である。


関連イラスト編集

三国志大戦 1 No.87/UC劉禅戦場にて花を愛でよ


関連タグ編集

三国志 三国志演義 阿呆 阿斗

三國無双 司馬昭 星彩 関平

甘皇后:生母

今川氏真織田信雄:割と境遇が似ている。

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