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概要

暗君とは、暗愚で統治能力が低いか国政を顧みない君主のことである。

暴君とは何かと類義語にされがちだが、意味は完全に異なる。暴君は統治した内容が問われ、暗君は本人の君主としての資質の低さが問われるためである。
暴君とされる君主でも有能な統治をした者もいれば、積極的な悪政は敷かなかったがあまりにも無能すぎたために暗君扱いされる君主もいる。
また当初は名君だったのだが、次第に政治に厭いてきて暗君に堕ちた君主もいる。

「ある分野では成功したが別の分野では失敗した」「世の中を良くすることに積極的に取り組んだが裏目に出た」などのように名君か暗君かをはっきりと区別しにくい場合もある。また、後世の創作や歴史の改竄・間違った説が広まるなどによって名君だったのに暗君扱いをされてしまうことも少なくない。名君の素質を有していても、外患を誘発させたり王朝を断絶させたりした場合だと、暗君のそしりを受けることになってしまう。

主な暗君とされる君主

暴君を兼ねているものもあり。

日本

  • 北条高時:14歳の若さで執権に就任するも、24歳で病気により退任。闘犬や田楽に興じて政治を顧みなかったために、足利尊氏新田義貞の離反を招いて、鎌倉幕府を滅亡させてしまった。
  • 足利義政:8歳で室町幕府の将軍職に選出され、13歳の時に正式に就任。文化人としては一流だが、国政を顧みないどころか後継者問題にも無関心だったため、応仁の乱を誘発させてしまった。
  • 一条兼定:7歳で家督を相続。実はキリシタン大名。大友氏・宇都宮氏と組んで伊予への進出を試みるも失敗。その後、長曾我部元親の侵攻を止められず、忠臣を殺すなどの不行状も重なり、30歳の時に隠居を強制された。
  • 今川氏真:大名としての今川家を滅ぼしてしまったために暗君という評価を受けてしまったが、高い教養を生かして徳川家に仕え、孫の直房が高家今川家を興す下地を作った。
  • 酒井忠勝:大老にまでなった小浜藩主でなく、酒井忠次の孫の庄内藩主。庄内藩に入部早々重税をかけた上に三弟忠重の傀儡と化しお家乗っ取りの危機を招くが、成立寸前のところで死去したため辛くも防がれた。
  • 松倉勝家:見栄で実高4万石を面高10万石と申告し、領民に過酷な搾取を行って島原の乱の主因を作った。勝家は乱の責任を問われ、江戸時代の大名として唯一、斬首に処された人物として知られる。
  • 伊達綱宗祖父譲りのあまりの放蕩ぶりに伊達騒動を起こしてしまい、隠居を余儀なくされた。
  • 徳川家斉:15歳で将軍に就任。在任初期には松平定信寛政の改革を行っていたが、在任の後半は家斉とその側近の水野忠成が幕政をみるようになり、先人たちが苦心して立て直した財政を盛大に使い倒し、幕政の腐敗・綱紀の乱れなどが横行。挙げ句隠居しても贅沢を止めず、息子・家慶の執政に口を挟んで来るなど、政治面では非常に残念。


中国

  • 劉禅(懐帝):彼の幼名「阿斗」が中国ではどうしようもない人物を指す言葉になるほど。
  • 恵帝(司馬衷):「穀物がないのならば、肉粥を食べればいい」という発言を残し、八王の乱を引き起こしてしまう。
  • 懿宗僖宗:宦官が権力を専横したいがために、暗愚だからこそ皇帝に担がれた存在。
  • 徽宗:画人としては当代随一の人物であったが、趣味に没頭しすぎて、庭園の造営のための重労働や重税を課してしまう。極めつけはを裏切ったせいで息子の欽宗ともども金に拉致されてしまう。その際に皇帝を廃された上で「徳公」に封じられてしまった。
  • 万暦帝:当初は名臣・張居正がいたため政治は安定していたが、彼の没後は政治を放棄して後宮にこもっては贅沢に明け暮れていた。その間に官僚間の対立が深刻化し、豊臣秀吉の朝鮮出兵や後金のヌルハチの台頭などもあって明は一気に衰微してしまう。


ヨーロッパ

  • ジョン欠地王:父王ヘンリー2世からリチャード1世など子供達に領土の分与が行われた際、彼だけ領地が分け与えられなかったことから、即位前から「領地の無いジョン(John the Lackland)」と呼ばれていた。しかし皮肉なことに、即位後に綽名通り大陸にあった領土を失ってしまう。そのせいか、彼以降のイギリス王室は男児に「ジョン」という名前を付けるのを憚られるほど。
  • ルイ15世:5歳でフランス国王に即位。その在位期間は64年間に及ぶ。当初はフルーリー枢機卿の元で善政を敷いていた。しかし、枢機卿の没後に親政を開始すると、オーストリア継承戦争など外征を繰り返すようになり、結果として北アメリカ大陸での植民地全喪失や5回に及ぶデフォルトなどフランス王国の衰退を招いた。フランス革命ルイ16世の悲劇は、ルイ15世による失政の「後始末」としての側面も有している。
  • ルートヴィヒ2世 :中世ロマンに魅せられノイシュヴァンシュタイン城をはじめ建築普請に狂った「メルヘン王」。「狂王」という不名誉な二つ名で有名で、精神に異常をきたしたとされ幽閉された末不可解な死を遂げた。


朝鮮王朝

  • 綾陽君仁祖):比較的善政を敷いていた叔父(光海君)をクーデターで追い出して即位したが、家臣に操られ、反乱の度に首都から逃げ出し、幾度となく後金(清)の朝鮮蹂躙を許し服属を余儀なくさせ、実の長男(昭顕世子)を毒殺した(毒殺は説の域を出でいないが昭顕世子の弟(鳳林大君)が次の王として即位していることから何らかの関わりがあると現在でも唱えられている)。結果、後世において傀儡王仁祖と称される程。


架空の暗君

  • 三船栞子スクフェスALL_STARS):1stシーズンでは新生徒会長として、自らの適正至上主義思想を信じて疑わず、権力をもって生徒を強制的に転部させるなどの強引なふるまいを繰り返した結果、自治機構を機能不全にしてあわや学校説明会の中止寸前まで至るという事態を引き起こした。その後の20章以降は、鐘嵐珠というお友達への優遇の為だけに、「監視委員会」という組織を作り同好会の活動を妨害するという組織的な人権侵害を実行するなど生徒会長にあるまじき暴挙を引き起こし、中川菜々政権まで脈々と受け継がれた伝統の「自由な校風」を破壊した。


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君主 暴君 バカ殿 名君

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