説明
Nurhaci
(ぬるはち・ヌルハーチー)
清朝初代皇帝・廟号は太祖。〈ヌルハチ〉ついての当て字は諸説ある。
明帝国末期の一部族だった女真族の族長〈覚羅(ギョロ)〉一族に生まれる(一説には白頭山生まれ)。
その後の〈伊爾根覚羅〉〈西林覚羅〉〈舒舒覚羅〉〈通顔覚羅〉〈阿顔覚羅〉〈呼倫覚羅〉〈察喇覚羅〉〈阿哈覚羅〉の各覚羅族長を実力で屈服させ、女真全族長として自身の姓を〈アイチンギョロ(当て字愛新覚羅)・ヌルハチ〉と名乗りだす。こうしてヌルハチは全女真族を統一した。
1616年に女真族国家の〈金(アイチン)〉を立て明帝国から独立、自身は元首の汗(ハーン)となった。ヌルハチは女真という『中国側』の呼び方を捨て〈満州族〉と改めた(満州という呼び名は文殊菩薩に由来するとも言うが詳細は不明)。その後ヌルハチは騎馬軍団制度として八旗軍を設立し、ヌルハチ一族率いる八旗軍〈金軍八旗〉は北朝鮮・明帝国北部の瀋陽まで攻め入る。その後激戦の末〈金軍(清軍)〉はサルフの大戦にて明軍に大勝し、明帝国との力関係を完全に逆転させた。ヌルハチはさらに中国大陸に大攻勢にでたが、その戦闘中に戦死したといわれる。
その他のエピソード
- ヌルハチの肖像画は徳川家康のように明確に残っていないので、風貌や衣装が断定できない(一応康煕帝などをモデルにして後代の絵師が描いた画などが残るのみ)。女真族は朝鮮王朝や北朝鮮に接したところにすんでいた民族でもあるので。朝鮮王朝の服装などに少し手がかりがあるかもしれないが、定まるのは難しい。
- 女真族は朝鮮にも近いが、モンゴル族にも近いので。玉座に座るという習慣よりも、族長でもあぐらをかくほうが普通だった可能性がある(朝鮮王朝は椅子に座る習慣があるようだ)。
- 女真言葉(のちの満州文字)を使っていた、しかし女真言葉は乾隆帝時代にはほぼ死滅した。
- ヌルハチが清の初代皇帝とされるまでにはその〈異民族の出生〉ゆえか時間がかかり、当時北京の紫禁城でもなかなか異民族時代の清を容認できなかったという。ヌルハチ以前までは康熙帝が清朝初代皇帝とされていた。
- 餃子の起源は、まだまだ実力が無く放浪していた若き頃に出会った「麻虎子」という凶暴な化け物が、真の王者には手向かいできないと無防備で撃たれたことから、それを記念して村人達が調理したものであるという伝承がある。
- ヌルハチくんというマスコットキャラクターがいる。
関連イラスト
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→ホンタイジ(二代皇帝)