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概要編集

反三国志とは、1924-30年に発表された三国志演義二次創作小説である。

内容は、劉備軍がも下して中華を統一するというもの。


著者は中華民国の官僚、周大荒

日本語版は渡辺精一訳・講談社刊で、ハードカバー版が 1991年、文庫版が 1994年。


著者の属する中国国民党の北洋軍閥征伐を鼓舞する意図で書かれ、執筆当時の政情に対する風刺が度々出てくる。小説としては、作者の政治的手腕や文学的教養がうかがわれる反面、戦闘の描写は単調過ぎるといわれる。







(ネタバレのため下に詳細)






詳細編集

まず正史三国志演義も偽史だと宣言し、古本屋の片隅に眠っていたボロボロの真の史書の現代語訳という体裁で描き始められる。


前述の通り劉備軍が完勝し天下統一する話であり、そのため史実・演義の劉備軍の失点はすべて改められ、また劉備軍で報われなかった者には救いが与えられている。

反面、曹操曹丕をはじめとする魏・呉の王族や文官は徹底して国賊として酷評される。ただし武将は死を覚悟で主君に忠義を尽くしたとして讃えられる。


具体的な改変は以下の通り。

  • 徐庶が偽手紙に騙されず、母も救出される。
  • 龐統は撃ち殺されない。逆に張任を撃ち殺す。
  • 関羽は居丈高にならない。
  • 張飛は酔っぱらわない。
  • 馬謖はポカをしない。だから孔明も泣いて斬らない。
  • 魏延は孔明に逆らわない。孔明も魏延を疑わない。
  • 演義で却下されていた魏延の子午谷作戦が実行され成功する。
  • 馬超が主人公級の活躍をし、仇討の悲願を果たす。
  • 上記の際に、曹操の懐刀だった華歆は馬超によって(比喩表現ではなく)焼肉にされる。
  • 劉禅が劉備在位中に呉軍に暗殺され、劉諶が劉備の後継者になる。
  • 劉表は明確に蔡夫人より劉備を信用している。
  • その蔡夫人も、徐庶の母に諭されて改心するため、息子共々生き伸びる。
  • 鄧艾鍾会が仲違いせず、共に勇戦して戦死する。
  • 司馬懿孔明の罠で丸焦げにされて死ぬ。
  • 黄氏月英)の活躍で南蛮征伐が速やかに完了、孟優が殺される。
  • 夏侯惇が右目まで失くす。
  • オリキャラ馬雲騄の存在。
  • その馬雲騄は趙雲と結婚する。
  • 曹彰が曹魏陣営のメインとして活躍。
  • 本編での「活躍に反比例する地味さ」に定評のある李典が名実共に曹魏陣営の武将の第一人者として曹彰を援けて活躍する。

……等等。


関連タグ編集

三国志演義


三次創作


後西遊記…中国古典文学の二次創作つながり。但し、こちらは「続編」の体裁をとる。

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三国志演義 さんごくしえんぎ

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