概要
古代中国の聖人である舜帝によって中原の四方に追放されたとされる四柱の悪神。
『書経』と『春秋左氏伝(左伝)』に記されているが、内容が異なり、後者の方が一般的。『書経』の方は「四罪」として区別される場合もある。
ただ、どちらも記述は簡略な為、他の書物の内容を加味して語られる場面が多い。特に、両者ともに外見の描写はないので、視覚化する際には『山海経』『神異経』等の記述が用いられている。
書経(舜典)
詳細は四罪を参照。
春秋左氏伝(文公十八年)
魯の宰相季文子が舜帝の功績を語る中で登場する。
- 渾敦(渾沌、こんとん、ホェントェン):帝鴻氏(黄帝)の子。
- 窮奇(きゅうき、チョンチー):少皞氏(黄帝の子)の子。
- 檮杌(とうこつ、タオウー):顓頊氏(黄帝の孫)の子。以上を三凶ともする。
- 饕餮(とうてつ、タオティエ):縉雲氏(炎帝の子孫)の子。
その末路……
最終的に全ての四凶は、舜により全員が四方の果てへと流刑に処された。
死刑に処されなかったのは何れの四凶が高貴な血統であるからと思われるが、四凶を配置し凶事の侵入を防ぐ為である。
余談
よく、四聖獣と対の存在と言われることがあるが、実際のところ特に関係はない。
四凶と四罪を同一の存在とする考え方もあり、その場合は渾敦は驩兜、窮奇は共工、檮杌は鯀、饕餮は三苗の別名とされる。
四凶を扱った作品
- 『魔都拳侠傳マスクド上海』
- ライアーソフトから発売された18禁ゲーム。
- 『パトパトチャンネル茶番劇』
- YouTubeチャンネルパトパトチャンネルが投稿している物語。第5章 専属神篇2幕 〜監獄塔〜にて四凶は登場。ちなみに本物の(神としての)四凶ではなく、4人の人間の能力にちなんだ名前をつけている。それぞれが非常に強い実力者。
- 『半妖の夜叉姫』
- 週刊少年サンデーで連載されていた高橋留美子の原作漫画『犬夜叉』の続編として放送されたアニメ作品。
- 主人公一行の宿敵・麒麟丸が率いる勢力。詳しくはこちらをご覧ください四凶(半妖の夜叉姫)。
- 『ハイガクラ』
- 中華風ファンタジー漫画。
- 四凶:『窮奇』『渾沌』『饕餮』『共工』と呼ばれる悪神によって地面が支えられた仙界が舞台で、そのうちの二神が逃げ出したことにより危機的状況に陥っていた。主人公は四凶の代わりの人柱となっている育て親を自由の身にするために、逃げ出した四凶を探す。
- 『黙示録の四騎士』
- 週刊少年マガジンで連載されていた鈴木央の原作漫画『七つの大罪』の続編として放送されたアニメ作品。
- 主人公一行の宿敵・アーサー・ペンドラゴンが率いる勢力。詳しくはこちらをご覧ください四凶(黙示録の四騎士)。