CV:細谷佳正
概要
妖獣の頂点として「獣王」と呼ばれ、西を治めていた犬夜叉の父に対し、東を治めていた大妖怪(ここに竜骨精や豹猫族の頭もパワーバランサーとして存在した)。
キャラクター像
若い頃は人前で高いびきをかくなど、やや粗暴な部分も見られたが、現在は東国妖怪の長に相応しい、威厳ある姿を見せている。
戦いに関しては正々堂々を好み、姉の是露からは「その性分さえなければ天下を獲れているものを」と苦笑されていた。
彼と犬夜叉の父は、東西に並び立つ事で均衡を保っていたが、殺生丸が西を治める後継者とならずに己の道を進んでいったため、それを好機と捉えた麒麟丸は時空を歪め、この世を末法末世で飲み込み、全てを無に帰そうとしている。
ただ、彼を知る冥加からは「時空を歪める真似をするなんて到底思えない」と評されている。
なお、竜骨精に対してどんな対応をしていたのかは不明。
春秋時代に大陸から渡ってきた四凶と呼ばれる四体(窮奇、檮杌、饕餮、渾沌)の強大な妖獣たちを束ねて配下にしている。
しかし何らかの要因で記憶が曖昧になっているらしく、後述した眠りから覚めた当初は、配下の四凶のことを思えていなかった。檮杌が夜叉姫に斃されたことを気にとめる様子もないが、後には窮奇に「夜叉姫が邪魔」として刺客を差し向けることを許可している。
暗躍する理玖のことは「切り捨てた己に不要な部分」と称しており、彼と麒麟丸自身の間には複数の共通項がある。麒麟丸は大船を拠点とするのに対して理玖は陸に上がった海賊を自称。麒麟丸が葡萄を食べてそれを不味いと言ったのに対して理玖も食べた葡萄を不味いと口にするなど、食べ物の趣味にも似通った部分が見られた。
時代樹の精霊に麒麟丸討伐を依頼され、もろはは相応の報酬があるならばと引き受けるが、日暮とわ、せつなはそれを拒否する……
過去と思惑
600年前、勢力を二分していた犬の大将と対決するが、右腕と左角を折られて敗北。娘のりおんが見ているという理由で止めを刺されることはなかった。敗北と屈辱の戒めとして折られた左角から理玖を生み出し、骨食いの井戸に右腕を捨てさせた。以降理玖は自覚がないまま、夜叉姫と是露の動向を探る役割を担うことになる。なお娘のりおんはこの時期に命を落としていたが、死を認めずに幽体にし、産霊山に封印し、夢の胡蝶を利用してりおんと会い続けた。
第1期の物語の中盤、理玖の第四の壁を無視した語りによって詳細の一部が明かされる。
殺生丸がいる時代の約500年前(2020年前後から見た場合は約1000年前)、地球に飛来した「妖霊星」と呼ばれる巨大隕石を、当時犬の大将と協力して砕いた麒麟丸は、再び元の対立関係に戻ってしまう。
200年前、犬の大将が竜骨精との戦いで弱体化したのを見とどけた窮奇と渾沌が「この機に犬の大将と決着をつけよう」と献策したことに対し「やつが元気なときに戦うべきだ」と激怒、理玖に「(犬の大将に)薬を届けるよう」と命じる。
50年前、渾沌が冥王獣を襲っており、150年間のうちに麒麟丸に何らかの事件が起こり、深い眠りに落ちてしまったと思われる。
18年前、500年ぶりに飛来した妖霊星を犬夜叉と殺生丸が砕いた後で是露に起こされ、かつて
四魂の玉からもたらされた「麒麟丸を滅ぼすのは、時空を越えてやってくる、人間でも妖怪でもない存在である」という予言への警戒を促された。
それから4年後、条件を満たす夜叉姫たちの命を(姉の是露が主に)奪おうとしている、というのがこれまでの行動の真意である。
なお、この時犬夜叉達は麒麟丸たちの襲来を把握しており阿波の八衛門狸も待機していたことから、殺生丸が何らかの対策をして事前に犬夜叉達に知らせていた可能性がある。
第4話の麒麟丸の回想図は、構図が大神シリーズの常闇ノ皇の墜落後の妖怪の拡散、麒麟丸の姿勢はアマテラスとほぼ同じである。
第18話で夜叉姫たちと初めて対面し、3人を軽くあしらったがとわには頬を傷つけられる。止めを刺そうとしたところで殺生丸に乱入され、殺生丸と交戦。刀をぶつけ合うだけで天と地が鳴動し、とわとせつなはその衝撃で気絶させられる。殺生丸に対し「おぬしにはまだまだ働いてもらう」と言い残して去っていった。
殺生丸の母の元を訪れ、姉の是露が迷惑をかけるのを詫びると同時に、時の風車について尋ねた。その後は是露と殺生丸のもとを訪れ、天生牙を折った姉の所業を殺生丸に詫び、虹色真珠を四方八方に飛ばしたことで是露に絶縁されたことで、理玖に裏切られ脇腹に深手を負わされる。
殺生丸が是露を追った直後、3人と夜叉姫と戦闘になりせつなを殺害、そのことに逆上して妖力を向上させるとわともろはに麒麟丸は歓喜、獰猛な戦闘狂の本性を表し強大な妖力を発動する。
とわともろはは麒麟丸の強大な妖力を奪いきれずに気を失うが、麒麟丸は2人の成長と再戦を期待していずこへと撤退する。