概要
『半妖の夜叉姫』に登場する精霊、呪術の一種。死魂虫と同じように、主人に従うよう描写されている。
夢に住む蝶であり、時期は不明だが、時代樹に眠るとわ・せつな姉妹の母・りんを守り、死を迎えないよう麟紋を羽ばたかせて彼女に栄養を与えている。
眠りに落ちたりんのもとには、彼女を見守るかのように時代樹の精霊がつき、姉妹の父・殺生丸も時おり様子を見に訪れている。
また、幼い頃からせつなに纏わりついており、彼女から一生分の眠りと共に4歳以前の記憶をも奪っているが、彼女が山火事に巻き込まれたのはちょうど4歳の時である。そのとき、せつなは姉のとわと離れ離れになるまでは寄り添うように眠っていることから、彼女が夢の胡蝶に会って記憶を失ったのは、山火事が鎮火した後である。
現在にいたるまで、せつなにとりついているように描写されており、妖力を暴走させたせつなから蝶の羽のようなものが浮き出ていることから、呪いではなく妖力をコントロールし暴走しないために父によって講じられた策のようである。
それでも暴走したときには弥勒や金烏が妖力を封じているが、とわ、もろはよりも遥かに強大であり、妖怪退治屋になった彼女からすれば「眠らなくても困らない」と気にする様子もない。
漫画版では殺生丸の母の配慮によってつけられていたという。
りんにせつなの夢を供給するのは是露によって銀鱗の呪いを施された影響力を遅らせる目的で時代樹が間接的に邪見によって封印されたりんの傍らにいた蛹を山火事後に幼いせつなの首もとへと密かに付けられたからである。遅延させる条件は身近にいる血縁者が最適というものらしい。
その後、りんのことを知ったせつなは母を救いたい。と、願う。その結果、殺生丸によって夢の胡蝶は切られる。そのため呪いの影響力は進むようになったがせつなの夢は取り戻された。
また、600年前、何者かに殺害された麒麟丸の娘・りおんの魂を土偶に封じ込めるため、麒麟丸も別の夢の胡蝶を使っていたが、この世に縛りつけられていることを望まないりおんの意思を尊重したせつなは麒麟丸の呪縛の何本かを夢の胡蝶とともに断ち切り、不完全ながらも彼女を現世に蘇生させている。